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原子力委員会委員長就任に当たって 国務大臣
原子力委員会委員長
安田 隆明
原子力委員会委員長の就任に当たり、一言御挨拶申し上げます。 我が国で運転中の商業用原子力発電は、24基、1,718万キロワットの規模に達し、さらに、建設中、建設準備中のものを加えると43基、3,524万キロワットにのぼります。また昨年度の原子力発電による発電電力量は、総発電電力量の16.7%に達するなど今や原子力は国民生活や経済活動に不可欠なものとなっております。 我が国のエネルギー全体の需要は、近年ふえていませんが、その中で電力が占める割合は高まってきており、電力需要は国民生活の向上等に伴って着実に増大する見込みであります。特に原子力発電は供給安定性に加えて経済性に優れており、石油代替エネルギーの中核的役割を担うものとしてその開発がますます必要となっております。 原子力委員会は、去る6月原子力開発利用長期計画を改訂し、原子力施設の立地促進、自主開発プロジェクトの実用化、核不拡散問題への対応等について考え方を示すとともに、原子力発電の開発、核燃料サイクルの確立、新型動力炉、核融合等の研究開発、さらに国際協力等について今後の進め方及び長期的展望等を明らかにしたところであります。 我が国の原子力開発利用は、着実に進展、拡大してまいりましたが、それに伴い解決すべき課題もまた多くあり、私といたしましては、前述の長期計画で示された基本方針に沿って、立地地域住民の方々をはじめとする国民の皆様の理解と協力を得て、当面する課題の解決に取り組み、我が国の原子力開発利用を積極的に進めていく所存でございますので、関係各位におかれても、御努力願い、また従前と変わらぬ御支援を賜りますようお願い致します。 |
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