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米国レーガン大統領の核不拡散及び原子力平和利用協力に関する声明について 資料1
昭和56年7月17日
原子力委員長談話
1 この程、米国大統領は核不拡散及び原子力平和利用協力に関する声明を発表した。 この中で、大統領は核拡散が世界の平和に深刻な脅威を与えるものとし、核拡散防止条約などによる核不拡散体制の強化を提唱している。我が国は従来より核拡散防止条約に加盟し保障措置を中心として核不拡散のための努力を鋭意行ってきたところでもあり、今回の声明の趣旨については、基本的にこれを支持するものである。なお、この機会に米国をはじめとする核兵器国が、今後とも核軍縮に特段の努力を払っていくべきことを改めて強調したい。 2 一方、本声明は核不拡散の目的を達成するためにも原子力平和利用協力のパートナーとしての信頼性を回復すべきこと、及び核拡散の危険のない進んだ原子力発電計画をもつ国での再処理や高速増殖炉開発を妨げないことを述べており、前政権より弾力的な姿勢を示したものとして評価するものである。 3 日米間における当面の懸案として、本年5月の日米首脳会談の共同声明に基づき、再処理問題について早急かつ恒久的な解決をめざして協議を行うこととなっている。 当委員会としては、米国がエネルギー・セキュリティーの観点から核燃料サイクルの確立を図っていくという我が国の立場に理解を示し、本問題が早期に解決されることを期待するものである。 |
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