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第1回長期計画専門部会挨拶 原子力委員会委員長
中川 一郎
1 本日は御多忙中のところお集まりいただき、誠に有難うございます。第1回の長期計画専門部会の開催に当たりまして、一言御挨拶申し上げます。
2 既に御高承のことでありますが、この長期計画専門部会は、原子力委員会が昭和53年9月に策定いたしました「原子力研究開発利用長期計画」の見直しを行っていただくために設置したものでございます。
3 前回の策定以来の原子力をめぐる内外の諸情勢についてみますと、
(1) 石油代替エネルギーとしての原子力の役割の重要性が一段と高まっており、政府においても昨年11月に決定した昭和56年度の石油代替エネルギーの供給目標において、原子力発電の開発を強力に進めることとしたところでありますが、反面、原子力発電所の立地難の打開を図ることが緊急の課題となっております。 (2) また、ウラン濃縮、新型動力炉等これまで国の主導の下で進めてきたプロジェクトについて、一層の大型化、実証化等を通じ、その成果の産業化を進めていく時期となっており、厳しい財政事情の下で、これらの施策をいかに推進していくかは大きな問題であります。 (3) 一方、国際的な面についてみましても、国際核燃料サイクル評価(INFCE)が、各国の原子力利用に対する相互理解の増進の上に大きな成果を挙げて、昨年2月に終了したところでありますが、核拡散防止と原子力平和利用の両立に係る新しい国際秩序確立のための具体策は、今後に残されているところであり、我が国としてもこのための多国間、2国間の国際的協議に適切な対応を行っていく必要があります。 4 皆様方には、このような情勢を踏まえて、我が国の原子力開発政策の長期的指針ともいうべき、実効性と整合性のある新長期計画を、大所高所の見地に立って、御審議いただきたいと存じます。
原子力委員会といたしましては、皆様方の御審議の成果を踏まえ、強力に原子力開発利用の推進に努めてまいりたいと存じます。 簡単でございますが、これをもちまして私の挨拶とされていただきます。 (昭和56年4月6日)
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