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昭和55年度原子力関係経費の見積りについて 昭和54年9月4日
原子力委員会
Ⅰ 昭和55年度施策の概要 エネルギーの安定的確保は、国民の生活水準の維持向上及び社会的経済の発展にとって必要不可欠の課題である。将来にわたって石油需給のひっ迫が予想される今日、一次エネルギーの大部分を輸入石油に依存している我が国は、他のどの国にもまして石油消費の節約を図りつつ、石油代替エネルギーの開発を進めることが、極めて重要である。このため、特に、化石エネルギー資源に乏しいという我が国の特殊の事情から、石油代替エネルギーとして最も期待される原子力研究開発利用をエネルギー政策上の最重要課題として推進していく必要がある。また、原子力利用の一分野である放射線利用が、医療、農業、工業等広い分野で進められている。 このように、原子力研究開発利用は、我が国の国民生活及び社会経済のなかで重要な地位を占めてきており、原子力研究開発利用の進展に伴って克服すべき現実の課題が多くなってきている。 すなわち、我が国は、従来から、安全の確保を大前提として原子力研究開発利用を推進してきたところであるが、本年3月に発生した米国スリー・マイル・アイランド原子力発電所の事故の教訓を踏まえ、安全の確保により充全を期していかなければならない。このため、原子力安全規制行政の充実を図り、安全研究の推進をはじめとする安全諸施策の強力な展開を図るとともに、防災対策についても整備充実に努めることが必要である。また、上記事故を契機に一層活発となる安全強化のための国際的諸活動に積極的に対応していくこととする。 また、我が国が過去二十数年間にわたって努力を傾注してきた原子力の研究開発は、ウラン濃縮、再処理、放射性廃棄物処理処分等核燃料サイクルの確立、高速増殖炉をはじめとする新型動力炉の開発、核融合の研究等それぞれ大型化、実証化等の段階を迎えており、今後、必要な資金及び人材が急激に増加することが見込まれている。 さらに、核不拡散強化を目的とする国際的制約が、近年とみに強まってきており、現在、日豪間で原子力協力協定の改訂交渉が進められるとともに、米国より我が国に対して原子力協力協定改訂の申し入れがなされている。また、昭和55年2月には国際核燃料サイクル評価(INFCE)のとりまとめが行われる予定であり、我が国は、この結論を受けて核燃料サイクルに関する新しい国際的秩序の形成に貢献していかなければならない。 このような内外情勢のうちにあって、当委員会は、昨年9月、原子力研究開発利用長期計画を策定し、これに沿って原子力研究開発利用を推進してきたところであるが、昭和55年度においては、以下の施策を講じ、原子力研究開発利用の総合的かつ積極的な推進を図るものとする。このため必要な資金の確保については、従来の一般会計及び電源開発促進対策特別会計とは別に、現在政府部内において検討が進められている代替エネルギー対策特別会計(仮称)の創設も含め、十分な配慮がなされるべきであると考える。 1 安全確保対策の総合的強化
(1) 原子力安全規制行政の充実
原子力安全委員会の機能を一層充実強化して行政庁の行った安全審査の再審査(ダブルチェック)等に万全を期するとともに、国際的に行われる安全基準策定作業等に積極的に協力しつつ、我が国の審査基準の充実、強化を図ること等により、原子力安全委員会の行う原子力安全規制の充実を図る。 また、原子力施設の安全審査、検査及び運転管理監督体制の強化等行政庁における安全規制行政を充実強化する。 (2) 安全研究の推進
安全規制の裏づけとなる各種データの蓄積及び原子力施設等の各種の安全審査基準、指針のより定量化、精密化を図ることを目的として以下の安全研究を推進する。 ① 工学的安全研究
日本原子力研究所において、国立試験研究機関の協力を得て、引き続き、緊急炉心冷却実験装置による沸騰水型軽水炉の冷却材喪失事故実験(ROSA-Ⅲ計画)、原子炉安全性研究炉(NSRR)による反応度事故時の試験研究及び実用燃料照射後試験施設(大型ホット・ラボ)による燃料の安全研究等を実施する。 また、日本原子力研究所において、米国原子力発電所事故に関連する研究として、加圧水型軽水炉の小破断冷却材喪失事故時の総合実験(ROSA-Ⅳ計画)等を開始するとともに、引き続き原子炉電線材料等の健全性に関する研究等を進める。 更に、国際協力による安全研究として、引き続き、ハルデン計画、LOFT計画、デモランプ計画等に参加するほか、新たに、バッテル計画及びスーパー・サラ計画に参加する。 ② 環境安全研究
放射線医学総合研究所を中心に、環境放射能の挙動に関する研究、低レベル放射線による晩発障害、遺伝障害、内部被曝に関する研究等を推進する。特に、プルトニウムの内部被曝研究を強化するための内部被曝実験棟の建設を57年度の完成を目途に進めるとともに、トリチウムの生物影響研究を、新たに、特別研究として推進する。 また、防災対策関連の研究として、日本原子力研究所において、新たに環境放射能予測システムに関する研究を進める。 (3) 防災対策の強化
原子力施設の万が一の緊急時に備えて、緊急時連絡網、緊急時環境放射能監視体制及び緊急医療体制の整備、関連研究の推進等防災対策の充実強化を図る。 (4) 放射線障害防止対策の充実強化
放射線利用の拡大普及に対処して、放射性同位元素等の規制法令の整備、その実施体制の整備等放射線障害防止対策の充実を図る。 また、これまで原子力事業従事者の受ける線量の記録を一元的に管理する線量登録管理体制の推進を図ってきたが、今後、その一層の充実に努めることとする。 (5) 環境安全の確保
原子力施設周辺はもとより、一般環境の放射能水準調査、原子力軍艦の寄港及び外国の核実験に関連する放射能調査等を引き続き行い、環境放射能の監視に万全の措置を講ずる。 また、原子力利用に係る環境保全に万全を期するため、原子力発電所等の立地に際し、温排水等に係る環境審査を引き続き実施する。 (6) 放射性物質輸送の安全確保
国際原子力機関(IAEA)における放射性物質安全輸送規則の改訂事業に積極的に参加する。また、引き続き、核燃料物質の輸送の安全評価のための調査検討を進めることとし、55年度は、航空輸送について調査検討を行う。 2 核燃料サイクルの確立
(1) ウラン資源の確保
動力炉・核燃料開発事業団による海外ウラン調査探鉱活動を強化するとともに、民間企業による海外ウラン探鉱開発活動に対する助成策の拡充強化を図り、ウラン資源の確保に努める。 また、ウラン資源開発のための研究開発を動力炉・核燃料開発事業団を中心に推進するとともに、低品位ウラン鉱の処理技術の企業化を目指し、新技術開発事業団による委託開発を進める。 (2) 濃縮ウランの確保
遠心分離法によるウラン濃縮技術の早期確立のため、動力炉・核燃料開発事業団において、昭和56年度の完成を目途にパイロット・プラントの建設・運転を進めるとともに、新たに原型プラントの概念設計を行う。また、より高性能の遠心分離機の開発、遠心分離機量産化技術の開発等を引き続き進める。 さらに、民間企業による化学法ウラン濃縮技術の試験研究及びシステム開発調査に対して、新たに助成を行うとともに、ウラン資源国との協力等の観点から、国際共同濃縮事業についての調査を進める。 (3) 使用済燃料の再処理及びプルトニウム利用
再処理技術の実証と確立を図るため、動力炉・核燃料開発事業団においては、東海再処理施設の操業を行うとともに、所要の施設整備を行う。さらに、再処理の改良技術、放射性物質の放出低減化技術等の研究開発を進める。また、新たに民間による第二再処理工場の設計・建設に必要な技術確証調査に対して助成を行う。 プルトニウム利用については、軽水炉へのプルトニウム実用規模利用の実証に関する調査、動力炉・核燃料開発事業団によるプルトニウム加工技術の開発、プルトニウム燃料の照射試験等を行う。 (4) 放射性廃棄物の処理処分
低レベル放射性廃棄物の海洋処分の安全性の確認と処理処分技術の確立を図るための試験的海洋処分を実施する。また、陸地処分についても保管パッケージ及び施設の基準化のための調査を行うとともに、陸地処分試験の準備を進める。 再処理施設で発生する高レベル放射性廃棄物については、動力炉・核燃料開発事業団を中心に、固化処理の技術開発、固化貯蔵パイロットプラントの設計等を進めるとともに、固化体の長期貯蔵、地層処分等に関する調査研究を進める。また、日本原子力研究所においては、処理処分に関する安全評価試験を引き続き実施する。更に、放射性廃棄物処理処分対策に必要な調査を進める。 また、日本原子力研究所等において、廃炉技術に関する調査研究を拡充する。 3 動力炉の開発等
(1) 新型動力炉の開発
長期的観点に立った核燃料の有効利用を目指す次代の新型動力炉である高速増殖炉及び新型転換炉の開発を、動力炉・核燃料開発事業団が中心となって、日本原子力研究所等の協力のもとに進める。 高速増殖炉実験炉については、7.5万kWの定格運転を進めるとともに、照射用炉心への移行のための諸準備を行う。 同原型炉については、設計研究、炉物理、炉体構造、燃料・材料、安全性、蒸気発生器等の研究開発を進めるとともに、地元の受入れ体制が整い次第、仮設工事等の建設の諸準備を進め、昭和62年度臨界を目途に、本体製作に着手する。 新型転換炉の原型炉については、定格運転を継続し、運転経験を蓄積するとともに、実証炉の調整設計及び関連する研究開発を実施し、これらを基に、実証炉建設のための評価検討を行う。 また、高速増殖炉及び新型転換炉に使用するプルトニウム燃料の開発を行うとともに、高速増殖炉の使用済燃料を再処理する技術を確立するため、所要の研究を進める。 (2) 多目的高温ガス炉の研究開発
製鉄、水素製造等非電力部門への核熱エネルギーの利用を目的とする多目的高温ガス炉の開発については、日本原子力研究所において、プラント機器の安全性を実証するための大型構造機器実証試験ループ(HENDEL)の建設を引き続き行うとともに、昭和62年度の完成を目指して実験炉の詳細設計を開始する。 また、炉心耐震試験、高温構造試験、伝熱流動試験等の実施及び被覆粒子燃料、黒鉛材料、耐熱金属材料等の研究開発を進める。 (3) 軽水炉の改良・標準化等の推進
現在、建設、運転が進められている軽水炉について、信頼性の向上、保守点検作業の的確化、作業員の被曝低減化等の観点から、自主技術による改良・標準化推進のための調査、高性能燃料技術基準確立のための調査及び原子力発電機器の品質保証対策のための調査を行う。 また、原子力発電検査機器を開発するための調査を行うほか、民間における原子力発電所運転管理等支援システムの開発を助成する。 更に、原子力発電所の地下立地方式の安全性に関する調査を行う。 4 核融合の研究
人類究極のエネルギー源である核融合動力炉の実現を目指し、その前提となる臨界プラズマ条件を達成するための研究を推進する。 日本原子力研究所においては、昭和58年度の運転開始を目途に、臨界プラズマ条件達成を目指した臨界プラズマ試験装置(JT-60)の建設を進める。また、トーラスプラズマの研究、プラズマ加熱の研究開発、核融合炉心工学、炉工学技術の研究開発等を進めるとともに、臨界プラズマ試験装置等の核融合研究施設の建設用地の確保等、引き続きサイトの整備を行う。また、トリチウムの製造、取扱技術の研究開発を拡充強化する。 電子技術総合研究所においては、高ベータ・プラズマの研究のため、昭和57年度完成を目途に圧縮加熱型核融合装置(TPE-2)の建設を進める。理化学研究所においては、プラズマの診断・真空技術の基礎的研究を進める。金属材料技術研究所及び名古屋工業試験所においては、材料の基礎的研究を行う。 なお、超電導磁石技術については、日本原子力研究所、電子技術総合研究所、金属材料技術研究所等において研究開発を拡充強化し、特に大型超電導磁石については、OECD-IEAの大型超電導磁石国際協力計画(LCT計画)に基づき、日本原子力研究所が分担するLCTコイルの製作を進める。 さらに、日米等二国間及びIAEA等多数国間の核融合研究についての国際協力を推進し、我が国の核融合研究開発の効率的実施に資することとする。 5 原子力船の開発
原子力船の開発については、日本原子力船開発事業団において、原子力第一船「むつ」遮蔽改修工事及び安全性総点検に伴う改修工事を進めるとともに、新定係港の建設に着手する。 また、船舶技術研究所においては、原子力船についての基礎的研究を進める。 6 放射線利用の推進
放射線医学総合研究所においては、サイクロトロンを用いて、速中性子線によるガンの治療研究及び陽子線による研究を引き続き進めるとともに、短寿命ラジオ・アイソトープの生産、利用の技術開発を推進する。 日本原子力研究所においては、放射線化学関係の研究、ラジオ・アイソトープの生産及び利用を推進する。 国立試験研究機関においても、電子技術総合研究所で放射線標準に関する研究に必要な加速器の整備を行うなど、放射線利用に関する研究を強化する。 また、食品照射研究については、実用化の見通しを得ることを目標に、日本原子力研究所、国立試験研究機関、理化学研究所等が協力して、照射技術、毒性試験及び遺伝的安全性試験の研究開発を進める。 7 原子力研究開発利用の基盤強化
(1) 基礎研究等の充実
我が国独自の原子力技術の研究開発を進めるため、その基盤となる基礎研究等を、日本原子力研究所、理化学研究所及び国立試験研究機関において大学との緊密な連携のもとに推進する。 日本原子力研究所においては、材料試験炉等による各種燃料・材料の照射試験を引き続き実施するとともに、タンデム型重イオン加速器の運転を行い、材料の照射損傷、核データ等の研究及び核融合等の開発に資する。 また、理化学研究所においては、重イオン科学用加速器の前段加速器である線型加速器を用いて重イオンに関する各種研究を開始するとともに、重イオン科学用加速器の後段加速器であるリングサイクロトロンの建設に着手する。 この他、国立試験研究機関においても、核融合炉材料等の基礎研究等を実施する。 (2) 科学技術者の養成訓練
原子力関係科学技術者の養成訓練については、大学に期待するほか、海外に留学生として派遣し、その資質向上に努める。また、日本原子力研究所のラジオアイソトープ・原子炉研修所及び放射線医学総合研究所において養成訓練を引き続き実施する。 8 国際協力の推進
国際核燃料サイクル評価(INFCE)は、昭和55年2月に終了するが、この検討結果をより具体化するため、新しい国際核燃料サイクルをめぐる諸制度に対し、国際的検討が活発化することに対応し、我が国としては、原子力の平和利用と核不拡散とを両立させつつ、我が国の自主的な核燃料サイクルの確立を図るという基本方針を貫くため、この検討に積極的に参加する。また、日米及び日豪原子力協力協定改訂交渉等については、我が国の原子力の平和利用の円滑な推進に支障のないよう適切に対処していく。 国際的な研究開発協力については、原子炉の安全研究、核融合に関する日米協力のほか、新型動力炉、多目的高温ガス炉の研究開発、保障措置技術等の各分野に関し、米国、西独、仏国、ソ連との二国間協力等を進める。また、米国、フランスとの二国間規制情報交換を進める。 さらに国際原子力機関(IAEA)を中心として進められている原子力発電所の安全基準作成事業に参加するなど、国際原子力機関、経済協力開発機構原子力機関(OECD-NEA)等の国際機関の活動に積極的に参加する。 開発途上国に対する技術援助については、昨年8月加盟した「原子力科学技術に関する研究、開発及び研修に関する地域協力協定」に基づく協力を中心に進める。 以上の国際協力の推進に対応した国内体制の整備を図る。 9 保障措置及び核物質防護対策の強化
核兵器の不拡散に関する条約に基づく国内保障措置体制の拡充強化のため、核物質に関する情報処理、試料の分析等の業務を実施するとともに、所要の研究開発を進める。 また、国内核物質防護体制の整備のため、関連の調査研究等を進める。 10 国民の理解と協力を得るための施策の推進
原子力研究開発利用の円滑な推進のためには、原子力研究開発利用について、広く国民の理解と協力を得ることが、極めて重要である。このため、前述の安全確保対策の強化、核燃料サイクルの確立等を図るほか、以下の施策を進める。 (1) 広報活動等の強化
原子力研究開発利用に対する国民の理解を求め、原子力研究開発利用を一層円滑に推進するため、テレビ、出版物等の活用、公開ヒアリング、講演会、各種セミナー等の開催、オピニオンリーダーに対する資料送付、原子力映画の作成、原子力モニター制度の活用などにより、広報活動を積極的に推進する。 さらに、原子力施設等の立地を円滑に進めるために原子力施設の立地予定地域の有識者を対象とした原子力研修会等の開催を図るとともに、電源立地企画官の機能的活動による原子力発電所の立地に係る地元調整を推進する。 また、運転に入った原子力発電所の立地県については、原子力連絡調整官による地元と国との連絡調整を進める。 原子力船「むつ」についても、担当官の現地派遣により、地元と国との連絡調整を行うこととする。 (2) 電源三法の活用
「発電用施設周辺地域整備法」等の電源三法により、原子力発電施設等の周辺住民の福祉の向上等に必要な公共用施設の整備を進めるとともに、施設周辺の環境放射能の監視、温排水の影響調査、防災対策等を推進する。 このため、電源立地促進対策交付金について、交付限度額の引き上げ等を行うとともに、地元の公共用施設の維持等のための基金制度を創設する。放射線監視交付金及び温排水影響調査交付金については、交付限度額の引き上げ等一層の拡充強化を図る。 また、原子力発電施設等防災対策交付金を新設し、緊急連絡網の整備、緊急医療体制の整備等を行う。 さらに、原子力発電施設等の安全性に関する周辺住民の不安感を解消するため、大型再冠水効果実証試験、耐震信頼性実証試験等を実施する。 このほか、原子力発電所等の立地の円滑化を図るため、立地環境調査を実施する。 Ⅱ 見積りの概要 昭和55年度において、以上の施策を進めるために必要な原子力関係経費は、総額約3,152億円(一般会計約1,938億円、代替エネルギー対策特別会計(仮称)約885億円、電源開発促進対策特別会計約374億円、会計間の繰入れによる重複分を除く)、国庫債務負担行為額約3,030億円と見積られる。 原子力関係機関別の見積りについては「Ⅲ概算要求総表」に示すとおりであるが、主要な原子力研究開発機関別の見積りの概要を示せば以下の通りである。 1 日本原子力研究所
日本原子力研究所に必要な経費は、総額約885億円(うち政府支出金約843億円;一般会計約714億円、代替エネルギー対策特別会計(仮称)約129億円)、国庫債務負担行為限度額約815億円であり、必要な人員増は総計213名(うち一般会計127名、代替エネルギー対策特別会計(仮称)86名)である。 うち、原子力施設の工学的安全研究及び放射性廃棄物の処理処分の研究等環境安全研究に必要な経費は約187億円、国庫債務負担行為限度額は約139億円であり、95名の増員を行う。また、核融合の研究開発に必要な経費は約346億円、国庫債務負担行為限度額は約537億円であり、88名の増員を行う。さらに、多目的高温ガス炉の研究開発に必要な経費は約51億円、国庫債務負担行為限度額は約96億円であり、14名の増員を行う。 2 動力炉・核燃料開発事業団
動力炉・核燃料開発事業団に必要な経費は総額約1,817億円(うち、政府支出金約1,611億円;一般会計約957億円、代替エネルギー対策特別会計(仮称)約654億円)、国庫債務負担行為限度額約2,518億円であり、必要な人員増は299名(うち、一般会計200名、代替エネルギー対策特別会計(仮称)99名)である。 うち、高速増殖炉及び新型転換炉の開発に必要な経費は約1,011億円(うち、政府支出金約931億円)、国庫債務負担行為限度額は約2,143億円であり、122名の増員を行う。 また、ウラン濃縮技術の研究開発に必要な経費は約248億円、国庫債務負担行為限度額は約111億円であり、37名の増員を行う。さらに、再処理施設の運転等に必要な経費は約378億円(うち、政府支出金約256億円、政府保証借入金56億円)、国庫債務負担行為限度額は約261億円、であり、65名の増員を行う。 3 日本原子力船開発事業団
原子力船「むつ」の遮蔽改修工事、安全性総点検に伴う改修工事、新定係港建設等に必要な経費は約77億円(うち、政府支出金約76億円)、国庫債務負担行為限度額は約60億円であり、必要な人員増は15名である。 4 放射線医学総合研究所
内部被曝実験棟の建設及び粒子加速器の医学利用、低レベル放射線の影響、トリチウムの生物影響等の特別研究の強化拡充等に必要な経費は約50億円、国庫債務負担行為限度額は約24億円であり、必要な人員増は7名である。 5 国立試験研究機関
原子力施設の安全研究、核融合、食品照射、放射線の医学利用に関する試験研究及び施設等の維持運営等、原子力研究に必要な経費は約18億円である。 6 理化学研究所
核融合、食品照射、環境放射線、重イオン科学、サイクロトロン等の研究及び重イオン科学用加速器の建設等、原子力研究に必要な経費は約11億円である。 Ⅲ 概算要求総表 1 原子力関係予算概算要求総表 ![]() 2 科学技術庁一般会計概算要求総表 ![]() 3 科学技術庁一般会計概算要求重要事項別総表 ![]() 4 各省庁(科学技術庁を除く。)一般会計概算要求総表 ![]() 5 代替エネルギー対策特別会計(仮称)概算要求総表 ![]() 6 電源開発促進対策特別会計概算要求総表 ![]() |
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