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動力炉・核燃料開発事業団の核燃料開発業務に関する基本計画の決定について


54原委第89号
昭和54年3月27日

内閣総理大臣 殿
原子力委員会委員長

 動力炉・核燃料開発事業団の核燃料開発業務に関する基本計画を別添のとおり決定したので報告する。

動力炉・核燃料開発事業の核団燃料開発業務に関する基本計画

昭和54年3月27日決定
原子力委員会

 原子力委員会が策定した原子力研究開発利用長期計画(昭和53年9月12日決定)に従い、核燃料開発業務に関する基本計画を動力炉・核燃料開発事業団法第25条第2項の規定に基づき、下記のとおり定める。



1. 使用済燃料の再処理

(1) 東海再処理施設

 我が国における再処理技術の確立を図るとともに、再処理需要の一部を賄うため、東海再処理施設について、ホット試験を進めてその性能及び安全性を十分確認した上、操業を行う。

(2) 研究開発

 再処理施設から発生する放射性廃棄物について、環境への放出量の低減化を図るため、放射性希ガスの除去技術等の研究開発を行う。

 高レベル放射性廃棄物について、処理処分に関する研究開発を行う。


2. 核燃料物質の製練・転換

(1) 製練・転換パイロットプラント

 一貫したウラン製練・転換法の確立のため製練・転換パイロットプラントの建設、運転を行う。

(2) 研究開発

 ヒープリーチングによるウラン抽出技術、六ふっ化ウラン生産技術等製練・転換に関する研究開発を行う。


3. ウラン濃縮

(1) ウラン濃縮パイロットプラント

 将来のウラン濃縮実用工場の建設、運転に必要な技術を確立するため、昭和56年度完成を目途に遠心分離機7千台規模のウラン濃縮パスロットプラントを建設し、その運転を行う。

(2) 研究開発

 遠心分離機について、カスケード試験、量産技術等の研究開発を行う。


4. プルトニウムの軽水炉利用

 プルトニウム燃料について、その軽水炉利用のための照射試験、解析評価等を行う。


5. 核原料物質の探鉱等

(1) ウラン資源の調査・探鉱

 海外の有望地区において、ウラン資源の調査・探鉱を行う。なお、国内については、東濃地区における精密試すい等を行う。

(2) 研究開発

 低品位ウラン鉱床及び低濃度ウランを含むリン鉱石等からのウラン回収技術並びに探鉱技術の研究開発を行う。


6. 共通事項

 再処理施設、ウラン濃縮パイロットプラント等に係る核物質防護、保障措置技術、廃棄物処理、安全管理技術等の研究開発を行う。



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