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第23回中国核実験に伴う放射能調査結果について 概要
(1) 米国エネルギー省は今回の核実験について、以下のとおり発表を行った。 ① 爆発規模 20kton以下
② 実験場所 中国北西部ロプノール地区の上空の大気圏内
③ 爆発時間 53年3月15日午後2時(日本時間)
(2) 中国も新華社及び北京放送で核実験に成功した旨の発表を行った。 (3) 放射能対策本部(昭和36年10月31日内閣に設置)は3月16日(木)午後、放射能対策本部代表幹事会及び同幹事会を招集し、3月15日実施したと伝えられる中国核実験に伴う放射能対策について協議し、核実験時放射能調査体制について申し合せた。 (4) 幹事会の申し合せに基き3月16日から3月23日まで放射能調査を実施した結果、高空浮遊じん、雨水ちり、地表浮遊じん、原乳中の放射性ヨウ素の調査に影響が表われ強放射能粒子も観測された。 しかし、これらの値は放射能対策本部が定めている暫定指標よりかなり低いものであった。 第23回中国核実験に伴う放射能調査結果について (1) 高空浮遊じん
防衛庁で3月16日~3月19日の間、中部、西部地区の上空で調査した結果、西部地区の上空(3月17日、18日飛行)において影響がみられた。(表1) 表1 高空浮遊じんの調査結果 ![]() (2) モニタリングポスト
気象庁(2ヶ所)、日本原子力研究所及び20道府県で調査した結果、本州南西部、四国、九州でわずかに影響がみられた。 表2 モニタリングポストによる空間線量率調査結果 ![]() ![]() (3) 雨水、ちり
気象庁13か所、放射線医学総合研究所、日本原子力研究所及び都道府県32か所で調査した結果、3月18~19日、八丈島において降下量130mCi/㎞2、埼玉において降下量101.9mCi/㎞2を測定した他、関東地方以西で平常より高い値を示した。 なお、水盤法による調査では、3月18~19日、千葉(放射線医学総合研究所)において82mCi/㎞2を測定した他、福井などにおいても平常より高い値を示した。 表3 雨水、ちりの調査
気象庁及び日本原子力研究所
![]() 表4 雨水、ちりの調査
都道府県(1) ![]() 都道府県(2)
![]() 表5 水盤法による落下じんの調査 ![]() 表6 水盤法による落下じんの調査 ![]() (4) 浮遊じん
気象庁(5か所)、放射線医学総合研究所、日本原子力研究所及び13府県で調査した結果、佐賀、大阪、愛知、福岡、福井等において高い値を示した。 表7 浮遊じんの調査 ![]() 表8 浮遊じんの調査 ![]() 表9 浮遊じんの調査 ![]() 表10 地表浮遊じんの調査
![]() (5) 原乳中の放射性ヨウ素
放射線医学総合研究所、農林省関係研究機関(3か所)及び道県(12か所)で調査した結果、放射線医学総合研究所(千葉)でやや高い値が測定された。 表11 原乳中の放射性ヨウ素の測定結果
![]() 表12 原乳中の放射性ヨウ素
![]() 表13 原乳中の放射性ヨウ素
![]() (6) 強放射能粒子
沖縄において強放射能粒子が発見された(表14)。 表14 強放射能粒子 ![]() |
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