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核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案について


科学技術庁

標記法律案は、2月10日の閣議において第84回国会に提出することが決定された。

 本法律案は、再処理事業を動力炉・核燃料開発事業団及び日本原子力研究所以外の者も行うことができるようにするものであり、昨年の第80回国会に国際原子力機関との間の保障措置協定の実施のための改正案と一体のものとして提出したものと実質的に同じ内容のものである。

 本法律案の要綱は、次のとおりである。


核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案要綱

第1 再処理の事業の指定等に関する規定の新設

1 動力炉・核燃料開発事業団及び日本原子力研究所以外の者で再処理の事業を行おうとする者は、内閣総理大臣の指定を受けなければならないものとするとともに、動力炉・核燃料開発事業団又は日本原子力研究所が再処理の事業を行う場合は、再処理施設の設置について内閣総理大臣の承認を受けなければならないものとすること。

(第44条第1項及び第3項関係)

2 内閣総理大臣は、一の指定の申請があった場合においては、その申請が次の(1)から(4)までの基準に適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならないものとすること。

(1)再処理施設が平和の目的以外に利用されるおそれがないこと。

(2)その指定をすることによって原子力の開発及び利用の計画的な遂行に支障を及ぼすおそれがないこと。

(3)その事業を適確に遂行するに足りる技術的能力及び経理的基礎があること。

(4)再処理施設の位置、構造及び設備が使用済燃料、使用済燃料から分離された物又はこれらによって汚染された物による災害の防止上支障がないものであること。(第44条の2第1項関係)

3 内閣総理大臣は、一の承認の申請があった場合においては、その申請が2(4)の基準に適合していなければ、承認してはならないものとすること。

(第44条の2第2項関係)

4 内閣総理大臣は、1の指定又は承認をする場合においては、あらかじめ、2つの基準のうち(1)及び(2)の基準並びに(3)の基準(経理的基礎に係る部分に限る。)の適用については原子力委員会、(3)の基準(技術的能力に係る部分に限る。)及び(4)の基準の適用については原子力安全委員会の意見を聴き、これを尊重してしなければならないものとすること。

(第44条の2第3項関係)

第2 再処理施設の使用前検査等の制度の新設

1 使用前検査

(1)再処理事業者(再処理の事業を行う場合における動力炉・核燃料開発事業団及び日本原子力研究所を含む。以下同じ。)は、再処理施設の工事及び性能について内閣総理大臣の検査を受け、これに合格した後でなければ、再処理施設を使用してはならないものとすること。

(2)前項の検査においては、再処理施設が次に適合しているときは合格とするものとすること。

(イ)その工事が認可を受けた設計及び方法に従って行われていること。

(ロ)その性能が総理府令で定める技術上の基準に適合するものであること。(第46条関係)
2 定期検査
 再処理事業者は、再処理施設のうち政令で定めるものの性能について、総理府令で定める技術上の基準に適合しているかどうかについて内閣総理大臣が毎年1回行う定期検査を受けなければならないものとすること。(第46条の2関係)
3 使用計画

 再処理事業者は、総理府令で定めるところにより、再処理施設の使用計画を作成し、内閣総理大臣に届け出なければならないものとすること。

(第46条の4関係)
第3 その他

 再処理の事業の指定等の規定の新設に伴い、指定の欠格条項、変更の許可及び届出、事業開始等の届出、合併、相続、指定の取消し、再処理施設の解体等に関し、所要の規定の整備を行うものとすること。

(第44条の3、第44条の4、第46条の3、第46条の5、第46条の6、第46条の7及び第50条の2関係)

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