44原委第389号
昭和44年10月23日
内閣総理大臣 殿
原子力委員会委員長
中国電力株式会社島根原子力発電所の原子炉の設置について
昭和44年5月26日付け44原第2656号(昭和44年10月16日付け44原第5372号をもって一部訂正)をもって諮問のあった標記の件については、下記のとおり答申する。
記
中国電力株式会社が商業発電用の目的をもって島根県鹿島町に設置する濃縮ウラン、軽水減速、軽水冷却の沸騰水型、熱出力1,380MWの原子炉1基の設置許可申請は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第24条第1項各号に掲げる許可の基準に適合しているものと認める。
なお、各号の基準の適合に関する意見は、別紙のとおりである。
別紙
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第24条第1項各号に掲げる許可の基準の適合に関する意見
(平和利用)
1 この原子炉は、中国電力株式会社が一般電気事業を営むために用いるものであって、平和の目的以外に利用されるおそれがないものと認める。
(計画的遂行)
2 この原子炉の設置は、「原子力開発利用長期計画」に定める方針にのっとっており、将来のエネルギー供給の安定を図る上で十分な意義を有するものであると考えられるので、この原子炉の設置がわが国の原子力開発および利用の計画的な遂行に支障を及ぼすおそれがないものと認める。
(経理的基礎)
3 この原子炉の設置に要する資金は、自己資金、社債、国内金融機関からの借入れ等により調達する計画になっており、申請者の総合的経理能力および原子炉設置のための資金計画からみて、原子炉を設置するために必要な経理的基礎があるものと認める。
(技術的能力)
4 別添の原子炉安全専門審査会の審査結果のとおり、この原子炉を設置し、かつ、その運転を適確に遂行するに足りる技術的能力があるものと認める。
(災害防止)
5 別添の原子炉安全専門審査会の審査結果のとおり、この原子炉の位置、構造および設備は、核燃料物質、核燃料物質によって汚染された物または原子炉による災害の防止上支障がないものと認める。
中国電力株式会社島根原子力発電所の原子炉設置に係る安全性について
昭和44年10月20日
原子炉安全専門審査会
原子力委員会
委員長 木内四郎 殿
原子炉安全専門審査会
会長 内田秀雄
中国電力株式会社島根原子力発電所の原子炉設置に係る安全性について
昭和44年6月2日付け44原委第159号(昭和44年10月16日付け44原委第386号をもって一部訂正)をもって審査の結果を求められた標記の件について、結論を得たので報告します。
Ⅰ 審査結果
中国電力株式会社が商業発電を目的として島根県鹿島町に設置しようとする低濃縮ウラン、軽水減速、軽水冷却沸騰水型原子炉に関し、同社が提出した「島根原子力発電所の原子炉設置許可申請書」(昭和44年5月26日付け申請および昭和44年10月13日付け一部訂正)に基づいて審査した結果、本原子炉の設置に係る安全性は十分確保し得るものと認める。
Ⅱ 審査内容
1 設置計画の概要
本発電所の立地条件および原子力施設の概要は次のとおりである。
1.1 立地条件
(1) 敷地および周辺環境
発電所の敷地は、島根半島の中央、日本海に面した島根県八束郡鹿島町にある。このあたりは、標高150m程度の山が日本海まで迫り、海岸線は屈曲して多くの湾を形成している。
敷地は、これらの湾の一つである輪谷湾を中心とした半円形となっており、そのほとんどは山林であり、敷地全体の面積は、約1700,000m2である。原子炉は、輪谷湾の奥、敷地中央部に設置され、設置位置から海岸線までの距離は約150mである。また、原子炉から敷地境界までの直線距離は、800mないし1,000mである。
敷地周辺には、片句(西北西約1.7km)、深田(南々西約1.6km)、蜂谷(南約1.6km)、畑垣(南約1.8km)および一矢(南々東約1.3km)の部落がある。原子炉から半径5km以内の人口は、約11,000人である。
敷地に近い主な都市には、松江市(南約9.5km)、出雲市(南西約30km)および米子市(南東約33km)がある。
(2) 地質
敷地付近の地質は、第3紀中新世に属する宍道層群古江累積層の中の成相寺頁岩層によって構成されている。
発電所建設地点の地質は、頁岩、砂岩、凝灰岩、凝灰角礫岩の互層で構成され、原子炉建物等の基礎岩盤として堅硬で十分な地耐力を持っている。
(3) 海象
現地における潮位は観測されていないが、恵雲港(敷地の南西約3km)における観測記録によれば、東京湾中等潮位に比較して最高1.07m(昭和34年9月18日)最低-0.28m(昭和32年2月26日)であり、平常時における干満の差は小さく0.3m程度である。
輪谷湾口、水深12mにおける波高観測結果によると、最大の有義波高は昭和43年12月のもので4.8m、この時の最大波高6.2mである。
(4) 気象
敷地における1年間の観測結果によれば、年間を通じて西寄りおよび東寄りの風が卓越している。また、静穏状態の年間出現頻度は6.3%である、そのうちの約80%は継続時間が2時間以内である。
大気安定度F型の出現頻度は、年間8%である。また、標高90mを基準として、これ以上が温度逆転で、以下がてい減の状態(ヒュミゲーションの状態)は、年間を通じてわずか1%である。
(5) 地震
過去の記録によると、島根県周辺は、全国的に見て地震活動性の低い地域の1つであり、特に、敷地附近は、ほとんど震害の経験はない。また、敷地の地盤条件も良好であるので、地震が建物等に与える影響は比較的小さいものと推定される。
(6) 水利
当発電所において使用する淡水は、約500t/日である。この水は敷地内のけい流水により確保することとしており、敷地内に設けられたけい流水貯水槽(容量25,000t)から供給される。
さらに、水源の安定性を向上させるために、松江鹿島広域水道水300t/日を確保できる施設を設けることとしている。
復水器冷却用水は、発電所前面の輪谷湾から取水し、発電所東北のおど浜に排水される。
1.2 原子炉施設
本原子炉は、先行の東京電力(株)福島原子力発電所1号炉と同様の設計による熱出力約1,380MW(電気出力約460MW)の直接サイクル強制循環沸騰水型である。
炉心部は、円筒形鋼製圧力容器に収められている。炉心は、燃料棒49本を7×7に組み立てた集合体を1単位とし、この集合体400個で構成される。燃料棒は、低濃縮二酸化ウラン焼結ペレットをシルカロイ-2製の被覆管内に封入したものであり、その装荷量は、ウラン約78トンである。
制御棒は、ボロンカーバイドの粉末を充填したステンレス鋼管を十字形に配列したもので、圧力容器の下方から水圧により駆動される。
気水分離器および蒸気乾燥器は、炉心上方に設けられている。また、ジェットポンプは、炉心を取りまいて設けられている。
冷却系は、給水系、原子炉再循環系および主蒸気系からなっている。
原子炉の制御は、制御棒の操作および再循環流量の調整によって行なわれる。
圧力容器、再循環回路等原子炉の主要部分は、鋼製格納容器に収められている。
格納容器は、ドライウェルとサプレッションチェンバを備えた圧力抑制型で、原子炉建物内に設置される。
そのほか、放射性廃棄物処理設備、放射線管理設備等が設けられる。
2 安全設計および安全対策
本原子炉は、次のような種々の安全設計および安全対策が講じられることになっており、十分な安全性を有するものであると認める。
2.1 核、熱設計および動特性
(1) 核、熱設計
実効余剰増倍率は、第1炉心(濃縮度約2.1w/o)の初期には約0.24ΔKとなるが、ポイズン・カーテンを炉内に装荷することにより、最大約0.14ΔKに抑えられる。ポイズン・カーテンは、最初の燃料取替時に全部取り出される。
第2サイクル以降、濃縮度約2.3w/oの燃料を装荷する計画であるが、その場合も、実効余剰増倍率は最大約0.15ΔKに保つことにしている。
冷却材の圧力および温度は、原子炉出口において定格出力運転時にそれぞれ約72kg/cm2absおよび約286℃であり、定格出力運転時における燃料棒の最高線出力密度は約0.58kw/cmで最高被覆温度および最高中心温度は、それぞれ約295℃および2,390℃である。また、このときの最小限界熱流束比(MCHFR)は1.9以上である。
タービン発電機トリップ、再循環ポンプ電源喪失などの比較的起る可能性の大きい事故時にも、最小限界熱流束比(MCHFR)は、1.0以下にはならない。
(2) 動特性
本原子炉は、ドップラ効果、冷却材のボイド効果等により負の出力係数をもち、制御棒の操作等に起因する反応度の外乱に対して自己制御性を有している。
また、再循環流量制御方式による原子炉出力制御によって、100%再循環流量に対する原子炉出力の100~75%の間では、十分安定な運転が可能である。
2.2 燃料
燃料棒は、二酸化ウランペレットを長さ約4mのジルカロイ-2製の被覆管(肉厚約0.9mm)に入れたものである。
燃料被覆管は、ペレットによる内部からの支持がなくても、外圧によってつぶれることのない自立形の設計であり、燃料棒上部に設けられるプレナム体積も、最高燃焼度に対応する核分裂生成ガス等の蓄積により過大な内圧上昇をもたらさないよう十分大きくとってある。
燃料集合体は、上下燃料棒支持板を結びつける8本の燃料棒と1本のスペーサー支持燃料棒によって保持され、燃料棒はすべて長さ方向の自由膨張ができる構造になっている。
2.3 計測および制御系
(1) 核計装系
原子炉中性子計装については、検出器が炉心の全域に配置され、炉心内の局部的な中性子束上昇が検出できるように設計される。
(2) 安全保護系
安全保護系は、電源喪失、回路の断線等に対してフェイルセーフな設計であり、中性子束、原子炉圧力、原子炉水位等の重要な検出要素については、独立した検出回路が多数重複して設けられ、保護動作の確実性を高めるよう配慮されている。
(3) 反応度制御系
制御棒の反応度抑制効果は、実効余剰増倍率の変化にして約0.18ΔKである。
制御棒は、どの1本を引き抜かれた状態でも原子炉を停止させる能力をもっている。即ち、最大反応度抑制効果を有する制御棒が引き抜かれ、その他のすべての制御棒が挿入された状態で、原子炉は臨界未満に保たれる。
制御棒は、水圧式駆動機構により下方から操作される。スクラム動作は、制御棒ごとに設けられたアキュムレータの水圧によって行なわれるが、その圧力が低下した場合には、炉内圧力によって行なわれる。スクラム動作に必要な弁は、空気系によって操作され、空気圧の低下に対してフェイルセイフな設計となっている。この方式については、使用経験によって信頼性が確かめられている。
このほか、後備停止装置として手動の液体毒物注入系があり、単独で炉を停止させる能力をもっている。
以上のような配慮がなされているので、いかなる場合でも原子炉の停止は確実に行なわれると考えられる。
また、制御棒には、誤って炉心から脱落した場合の落下速度を制限するために、制御棒落下速度リミッタが設けられる。
圧力容器の下側には、制御棒駆動機構シンブルが破損しても制御棒が逸出しないよう、シンブル支持機構が設けられる。
(4) 制御棒操作
制御棒の操作は、運転員が所定の手順に従って行ない、操作手順は、安全上、制御棒1本あたりの効果が過大とならないように定められる。運転員の誤操作に対しては、後備保護装置として制御棒価値ミニマイザおよび制御棒引抜監視装置が設けられており、誤動作は自動的に阻止される。
したがって、誤って制御棒が炉心から抜けても、0.025ΔKをこえるような実効増倍率の付加はない。また、部分的に高出力となって燃料損傷を来たすような制御棒の連続引抜きは生じ得ない。
(5) 出力制御系
原子炉の出力制御は、手動による制御棒位置および原子炉再循環流量の調整の方法によって行なわれる。
(6) 中央制御室
中央制御室には、原子炉施設の運転に必要なすべての計測制御装置が設備されており、事故時においても運転員が安全に所要の措置をとりうるように、遮蔽、換気等の放射線防護上の配慮がなされている。
2.4 圧力容器および原子炉冷却設備
(1) 圧力容器、配管等
圧力容器、配管等は、わが国の法令を満足するように設計、製作される。また、疲労および応力集中などについて解析を行ない、これに十分耐えることを確認することになっている。
さらに、圧力容器は、圧力を受けている間は容器の温度をNDT+33℃以上に保つようにしている。なお、中性子照射による材料の機械的性質の変化を監視するため、圧力容器内に照射試料を挿入することになっている。
(2) 安全弁、逃し弁、タービンバイパス系等
格納容器内の主蒸気管には、安全弁および逃し弁が設けられ、事故時に原子炉系に生ずる異常な圧力上昇を抑えるようになっている。また、主蒸気管には、定格蒸気量の105%をバイパスして主復水器に導くタービンバイパス系が設けられ、原子炉起動時、停止時の過度状態での主蒸気圧力の調整を行なうことができるようになっている。
(3) 原子炉停止時冷却系
そのほか、原子炉停止後の炉心崩壊熱を除去する原子炉停止時却系が設けられている。
2.5 燃料取扱設備
燃料取替は、炉心上に水を張り、燃料交換台車に取り付けられた燃料つかみ器で行なわれる。
このつかみ器は、駆動源喪失時においても燃料を落とさないような構造に設計される。また、燃料取替時に破損燃料を検知する装置があり、破損の大きな燃料は容器に詰められる。さらに、燃料取替中は、臨界防止のためインタロックによって制御棒は引き抜けないようになっており、また、制御棒は、周囲の4個の燃料集合体を取り出さなければ取り出すことができないような構造になっている。
燃料プールは、原子炉建物内に設けられ、全炉心装荷重および1回取出し量以上の燃料(約150%炉心分の燃料相当)ならびに全制御棒を貯蔵する能力を有するように設計され、かつ、冷却浄化、臨界防止等について十分配慮されている。
2.6 廃棄物処理設備
(1) 気体廃棄物
本原子炉から発生する気体廃棄物のほとんどは、1次冷却系からのもので、ガス減衰タンク(1日分の貯留容量のもの2基)およびフィルタを通じて、放射能レベルの連続測定後、標高約8.5mの整地面上に設けられた高さ約120mの排気筒から放出される。
(2) 液体廃棄物
原子炉およびタービン設備から生ずる放射能濃度の高い機器ドレンは、フィルタおよび脱塩装置によって処理され、補給水として再使用される。
各建物の床ドレンは、フィルタを通じてサンプルタンクに貯蔵され、放射能レベル測定後、放出されるかまたは再生廃液の処理系へ送られる。
樹脂再生の際に生ずる廃液は、中和後放射能濃度が高い場合には、濃縮、固化される。
放射能濃度の低い液体廃棄物は、復水器冷却水で希釈して放出される。
(3) 固体廃棄物
放射能の高い使用済制御棒、ポイズン・カーテン、燃料チャンネルボックス等は、燃料プールに貯蔵される。その他の固体廃棄物は、ある期間貯蔵タンクで減衰させた後、ドラム缶詰にして固体廃棄物貯蔵所に貯蔵、保管される。
2.7 原子炉非常冷却系
原子炉冷却機能が失われるような事故時においても、原子炉停止後の炉心崩壊熱を除去しうるように、次のような配慮がなされている。
(1) 原子炉隔離時冷却系
原子炉への給水および主復水器が隔離された場合に、蒸気の一部を利用してタービン駆動ポンプにより復水貯蔵タンクまたはサンプレッションプールの水を炉内に補給し、炉心水位を維持する。なお、この系は、外部電源を必要としない。
(2) 炉心スプレイ系
再循環回路の完全破断のような大破断に対しては単独で、中破断に対しては高圧注水系と連携して、燃料の溶融を防止するよう炉心上にとりつけられたノズルから燃料集合体にスプレイする。なお、この系は、独立な2系統からなっていて、非常用電源にも接続される。
(3) 高圧注水系
原子炉1次系配管の小破断に対しては単独で、中破断に対しては炉心スプレイ系または低圧注水系と連携して、燃料の溶融を防止するための系統で、タービン駆動ポンプにより復水貯蔵タンクまたはサプレッションプールの水を給水配管を経て圧力容器内に注入する。この系は、外部電源を必要としない。
(4) 低圧注水系
再循環回路の完全破断のような大破断に対しては単独で、中破断に対しては高圧注水系と連携して、燃料の溶融を防止する系統である。サプレッションプールから水を汲み上げ、破断していない方の再循環配管を通して圧力容器内に注入する。この系は、非常用電源にも接続される。
2.8 放射性物質の放出防止
事故時においても周辺環境に大量の放射性物質が放散されないように、次のような配慮がなされている。
(1) 圧力抑制型格納容器
圧力容器、再循環回路等を完全に取り囲む格納容器が設けられる。
格納容器は、ドライウェルおよびそれにつながるサプレッションチェンバからなる圧力抑制型であり、再循環回路破断等の事故によって炉心に蓄積された放射性物質が周辺環境へ漏洩するのを抑制するようになっている。
また、格納容器には窒素ガスが充填され、事故に伴うジルコニウム、水反応によって発生する水素の燃焼を防止するようになっている。
(2) 格納容器冷却系
サプレッションチェンバ内のプール水をドライウェル内にスプレイできる格納容器冷却系が設けられ、格納容器の圧力抑制効果を高めるようになっている。
なお、この系は、独立な2系統からなり、非常用電源にも接続される。
(3) 隔離弁等
格納容器を貫通する主蒸気管などの主要な配管には、ドライウェルの内外で2個の隔離弁が設けられ、事故時には放射性物質が周辺環境に放出されないようになっている。
なお、主蒸気隔離弁は十分短い時間(3~5.5秒)で閉鎖できるように設計されるが、さらに主蒸気管には、破断事故時に冷却材の放出量を制限する流量制限器が設けられる。
(4) 非常用ガス処理系
事故時に格納容器から原子炉建物内へ漏洩する放射性物質は、ファン、湿分除去装置、粒子用高効率フィルタおよびチャコールフィルタにより構成された非常用ガス処理系で薄通して排気筒から放出され、直接周辺環境に放散されるのを防止するようになっている。
なお、非常用ガス処理系は、独立な2系統からなり、非常用電源にも接続される。
2.9 安全防護設備の機能確保
(1) 非常用電源等
原子炉施設に必要な電力は、主発電機または、220KV母線から供給されるが、66KV送電線からも受電できる。これらの電源がすべて喪失しても、原子炉施設の安全確保に必要な電力はディーゼル発電機(2台、うち1台は予備)および所内の蓄電池から供給できるようになっている。
(2) 保守点検
計測および制御系、液体ポイズン注入系、炉心スプレイ系、高圧注水系、低圧注水系、格納容器冷却系、非常用ガス処理系および各種の弁類は、原子炉施設の耐用期間を通じて、運転中あるいは停止中に点検または試験し、その機能が確認できるように設計される。
2.10 耐震上の考慮
原子炉施設は、原則として剛構造とし、重要な建物、構築物は直接岩盤に支持される。すべての施設は、安全上の重要度に従って、As、A、BおよびCの4種のクラスに分類され、それらに応じて耐震設計が行なわれる。
原子炉、原子炉建物等のように、その機能喪失が原子炉事故をひきおこすおそれのある施設および周辺公衆の災害を防止するために緊要な施設は、Aクラスとする。
Aクラスの建物、構築物の耐震設計は、基盤(建物基礎面)における最大加速度200galの地震波により動的解析を行なって求められる水平震度、または、建築基準法に示された水平震度(この場合、地域による低減は行なわない。)の3倍のいずれをも下回らない値によって行なわれる。なお、垂直震度は建物、構築物の高さ方向に一定とし、建築基準法に定められる水平震度の1.5倍を下回らない値とする。この場合、水平および垂直方向の地震力は、同時に作用するものとする。
Aクラスの機器、配管類の耐震設計は、基盤における最大加速度200galの地震波により動的解析を行なって求められる水平震度による。ただし、この場合の水平震度は、据付位置における支持構築物の水平震度の1.2倍を下回ないようにする。なお、垂直震度は、建物、構築物に対する値をとり、水平および垂直方向の地震力は、同時に作用するものとする。また、これらの振動によって生ずる変位、変形は、機能保持に支障ないものとする。
次に、原子炉格納容器、制御棒駆動機構等のように安全対策上特に緊要な施設は、Asクラスとし、それらについては、Aクラスの扱いのほかに、基盤における最大加速度300galの地震波による動的解析を行ない。その機能が保持されることを確認する。
また、タービン設備、廃棄物処理設備のように高放射性物質に関する施設はBクラス、その他の施設はCクラスとする。
なお、原子炉圧力容器内構造物、サプレッションチェンバ等の支持方法については、詳細設計にあたって十分配慮されることになっている。
また、地震の際に、原子炉を非常停止させるため、地震加速度検出計を設け、自動的に原子炉を停止することができるようになっている。
2.11 放射線管理
(1) 放射線遮蔽等
放射線遮蔽は、従業員の作業時間に応じ、その被ばく線量が現行法令に定められた許容量を下回るように設計される。
換気系は、主要な場所ごとに別系統となっており、事故時における放射能汚染の拡大防止等について十分配慮されている。
(2) 廃棄物の放出管理
気体廃棄物は、放出に先立って放射能を連続的に測定される。測定の結果放射能が高い場合には排気筒からの放出は一時中止され、ガス減衰タンクに貯留され、気象条件を考慮して放出される。最高放出率は1日平均50mci/sec(γ線エネルギー0.17Mev相当)に抑えられるが、放出される放射能の量は、できる限り低く抑えることにしている。
液体廃棄物を放出する場合は、復水器冷却水で稀釈され、その濃度は法令に定める許容値を十分下回ることにしている。
固体廃棄物は、これを海洋投棄する場合には関係官庁の承認を受けることにしている。
(3) 放射線監視
発電所の敷地内における放射線監視は、固定モニタによる中央制御室での連続監視、移動モニタによる定期監視、サンプリング測定等によって行なわれる。また、個人の被ばく管理に必要な機器も備えられる。
敷地外における放射線監視については、敷地境界周辺と敷地外の集落とに数箇所モニタリングポストが設けられ、さらに、放射能観測車も備えられ、周辺一般公衆の被ばく線量が法令に定める許容値をこえないことを常に確認することになっている。
3 平常運転時の被ばく評価
平常運転時における被ばく評価は、次のとおりであり、敷地周辺の公衆に対する放射線障害の防止上支障がないものと認める。
3.1 気体廃棄物
気体廃棄物の放出に当たっては、周辺監視区域外における年間被ばく線量が法令に定める値をこえないようにすることは勿論のこと、放出管理を十分に行なって、できるだけ被ばく線量を少なくするようにしている。
放出率は、1日平均で最高50mci/sec(γ線エネルギー0.17Mev相当)に抑え、これをこえるような運転は行なわないことになっている。
かりに、最高値で連続放出するとして、気象条件を考慮し、年間の積算線量を計算すると、周辺監視区域外の最大値は0.015remで、許容値0.5remに比較して十分下回っている。さらに、実際の運転時には、これよりもかなり下回ることが予想される。
3.2 液体および固体廃棄物
安全設計および安全対策の項で述べたように、液体廃棄物および固体廃棄物の廃棄については十分な安全対策を講じることになっている。
4 各種事故の検討
本発電所において発生する可能性のある反応度事故および機械的事故について検討した結果、それぞれ次のような対策が講じられており、本原子炉は十分安全性を確保しうるものであると認める。
4.1 反応度事故
(1) 起動事故
運転手順または制御棒価値ミニマイザにより、反応度付加は、実効増倍率の変化にして0.025ΔK以下に抑せられており、原子炉起動時に誤って制御棒1本を最高引抜速度で連続的に引き抜いたとしても、核的逸走は負の出力係数で抑えられ、かつ、高中性子束スクラムで原子炉は停止する。この事故で燃料被覆の破損には至らない。
(2) 運転中の制御棒引抜き事故
定格出力運転中に誤って制御棒1本を連続的に引き抜く場合には、制御棒引抜き監視装置により引抜きが阻止される。この事故によって、最小限界熱流束比は1.4を下廻らず、燃料被覆の破損は起らない。
(3) 冷水事故
原子炉を再循環系1系統で部分負荷運転中、停止している外部再循環回路の冷水が誤って炉心に流入しても、燃料の被覆の破損には至らない。
(4) 制御棒落下事故
駆動軸から分離して炉心内にとどまっていた制御棒が臨界状態の炉心から脱落しても、制御棒効果は実効増倍率の変化にして0.025ΔK以下に抑えられており、落下速度はリミッタで制限される。この場合、核的逸走は負の出力係数で抑えられ、かつ、高中性子束スクラムで原子炉は停止する。この事故により燃料被覆の一部は破損することも予想されるが、核分裂生成物は1次冷却系内に保留される。
4.2 機械的事故
(1) 冷却材流量喪失事故
運転中に再循環ポンプ1基の軸が破損すると全体の流量は低下するがそれにともない出力も低下するので、燃料被覆の破損には至らない。
また、停電により再循環ポンプ2基が同時に停止しても、系の慣性による自然循環があり、流量低下に伴う出力低下および停電によるスクラムにより、燃料被覆の破損には至らない。
(2) 冷却材喪失事故
なんらかの原因により、原子炉容器に接続している配管の破断により冷却材の漏出ないしは喪失が生じ、炉心の冷却が十分でなくなった場合についても次のような対策が講ぜられている。
小破断に対しては、原子炉隔離時冷却系および高圧注水系の動作によって原子炉への注水が行なわれる。なお、高圧注水系のバックアップとして自動逃し弁系を動作させることによって炉心圧力を低下させて炉心スプレイ系または低圧注水系を動作させることもできる。中程度の破断に対しては、まず高圧注水系が働くが、原子炉圧力が低下すると、炉心スプレイ系または低圧注水系も動作して、原子炉に注水が行なわれる。大破断に対しては、炉心スプレイ系または低圧注水系によって注水が行なわれる。
いずれの場合でも、原子炉水位低または格納容器圧力高の信号でスクラムされ、原子炉は停止する。
最も苟酷な例として、再循環回路が完全に破断する場合を仮定しても、炉心スプレイ系1系統の動作によって燃料被覆の破損は一部に抑えられ、燃料の溶融には至らない。この事故によって放出され、核分裂生成物は、圧力抑制型の格納容器に保留され、さらに、原子炉建物内に漏洩したものは、排気筒に導かれる前に非常用ガス処理系で処理される。
(3) 主蒸気管破断事故
主蒸気管がドライウェル外の箇所で破断しても、冷却材の放出流量は流量制限器で制限され、かつ、流量制限器における流量増加信号等によって主蒸気隔離弁が急速に閉鎖し、冷却材の放出は短時間で止まり、冷却材とともに建物内に放散される核分裂生成物の量は低く抑えられる。また、主蒸気隔離弁閉スクラム信号で原子炉も停止する。
(4) 燃料取扱事故
燃料取替は水中で行なわれるが、取扱系の故障によって使用済燃料の集合体1個が落下し、そのすべての燃料棒が破損するような場合にも、核分裂生成物のうち原子炉建物外に放散されるものはその量がごくわずかであり、しかも、排気筒に導かれる前に非常用ガス処理系で処理される。
(5) 電源喪失事故
常用所内電源がすべて喪失した場合には、原子炉保護系も停電するので、原子炉はスクラムされスクラム後の原子炉は、原子炉隔離時冷却系によって冷却される。安全上重要な機器の電源としては、ジーゼル発電機および所内蓄電池があるので、常用所内電源および外部電源がすべて喪失したとしても発電所の安全性が損なわれることはない。
(6) その他の機器類の故障
制御棒駆動系の故障、主要弁類の故障、給水喪失事故、復水器真空度の喪失、制御用空気の喪失、初圧調整装置の故障等が起った場合でも、原子炉に重大な支障を与えないよう十分な対策がなされている。
5 災害評価
本原子炉は、すでに述べたように、種々の安全対策が講じられることになっており、かつ、各種事故に対しても検討の結果安全を確保しうるものと認めるが、さらに、「原子炉立地審査指針」に基づいて重大事故および仮想事故を想定して行なった災害評価は次のとおりで、解析に用いた仮定は妥当であり、その結果は立地指針に十分適合しているものと認める。
5.1 重大事故
重大事故として、冷却材喪失事故、主蒸気管破断事故およびガス減衰タンク破損事故の三つの場合を想定する。
(1) 冷却材喪失事故
圧力容器に接続している最大口径の配管である再循環配管1本が瞬時に完全破断し、冷却材が放出されると仮定する。解析の結果では炉心スプレイ系が作動して、その噴霧冷却により、燃料の溶融は生じないが、燃料棒本数の約7%は、過熱のため被覆の一部に破損がおこる。また、事故後の格納容器圧力は、十分低く抑えられ、約12日後には大気圧にもどる。
そこで、核分裂生成物の放散過程に従って次の仮定を用いて線量を計算する。
① 全部の燃料棒の被覆に破損があったとし、炉心に内蔵されている核分裂生成物中のよう素0.5%、希ガスの1%が格納容器内へ放出される。この場合、よう素については、90%を無機状、10%を有機状とし無機よう素が壁面等に吸着される割合を50%、液相-気相間の分配係数を100%とするが、有機よう素は全量が放出されるものとする。
② 格納容器から12日間にわたって0.5%/日の漏洩がある。
③ 格納容器から漏洩した核分裂生成物は原子炉建物に入り、そこから換気率100%/日で、非常用ガス処理系を通り、排気筒から放出される。
④ 非常用ガス処理系ではチャコールフィルタで漏過する。
よう素全体に対する漏過効率は90%とする。
⑤ 等価排気筒高は、発電所周辺が山地であることを考慮して、英国気象局方式大気安定度E.Fの場合には0m、これ以外の大気安定度の場合には80mとする。この場合、気象条件は1年のうちで大気安定度E.Fの出現頻度が最も大きい7月、8月のもので、発電所敷地における実測値を使用する。
解折の結果、大気中に放出される放射性物質は全よう素が約72ci(131Ⅰ換算、以下同様)希ガスが約4.1×103ci(0.5Mev換算、以下同様)である。
敷地外において被ばく線量が最大となる原子炉から約820mの地点における被ばく線量は、甲状腺(小児)に対して約1.1remおよび全身に対して約0.001remとなる。
(2) 主蒸気管破断事故
ドライウェル外で主蒸気管1本が瞬時に完全破断し、冷却材の気水混合物が大気中に放出されると仮定する。隔離弁は事故後5.5秒で閉鎖され、放出流量は流量制限器によって定格流量の約200%に制限されるものとして冷却材の放出量を解析すると、蒸気約4.5トン、飽和水約6.8トンが放出されることになるが、炉心は露出しない。
そこで次の仮定を用いて線量を計算する。
① 事故前の1次冷却材中の核分裂生成物の濃度は、原子炉運転中の冷却材放射能濃度の最高限度である20μci/ccとする。
② 原子炉外に放出される核分裂生成物は、事故前に1次冷却材中に保有されるものと、燃料棒本数の約10%の欠陥のある燃料から事故期間中に新たに放出されるものの和とする。
③ 放出されるよう素については90%を無機状10%を有機状とし、無機よう素が壁面等に吸着される割合を50%、液相-気相間の分配係数を100とするが、有機よう素は全量が放出されるものとする。
④ 放出された飽和水は、気温33℃、相対湿度40%の大気中に全部蒸発して半球状放射性雲となる。
⑤ 半球状放射性雲は、風速1m/secで風下に運ばれる。
解析から求めた放射性雲の大きさは、半径80mであり、放射性物質は全よう素が約14ci、希ガス約102ciである。
敷地境界における被ばく線量は、甲状腺(小児)に対して約4.4rem、全身に対して約0.002remとなる。
(3) ガス減衰タンク破損事故
ガス減衰タンクが破損し、貯留されている放射性気体廃棄物が一時に放出されると仮定する。 そこで次の仮定を用いて線量を計算する。
① 原子炉は、放出される気体廃棄物の放射能が24時間減衰後の排気筒放出率に換算して50mci/secの状態で運転されていたとする。
② ガス減衰タンク1基に1日分の気体廃棄物が貯留され終わった瞬間に、その全量が放出されるとする。
③ 大気中への拡散方法は、英国気象局方式の大気安定度Fにおける地上放散とする。
これに用いる条件は、水平方向の拡がり角20°とし、この事故の場合は継続時間が短いので、風速1m/secとする。
解析の結果、大気中に放出される放射性物質希ガス約1.3×104ciであり、敷地外において被ばく線量が最大となる原子炉から約820mの地点における被ばく線量は、約0.2remとなる。
上記各重大事故時の被ばく線量は、立地指針にめやす線量として示されている甲状腺(小児)、150rem、全身25remより十分小さい。
5.2 仮想事故
仮想事故として、冷却材喪失事故と主蒸気管破断事故の二つの場合を想定する。
(1) 冷却材喪失事故
重大事故の場合と同じ事故について、炉心スプレイの効果を無視し、炉心内の全燃料が溶融したと仮定する。この場合、炉心内にあるジルコニウムの約1/4が、水と反応し、相当量の水素が発生するが、格納容器には窒素ガスが充填されているので、発生水素の燃焼は起らない。事故後の格納容器の最高圧力は設計圧力より低いが、原子炉建物への核分裂生成物の漏洩は、長時間続く。
そこで、重大事故の場合と同じ仮定を用いて被ばく線量を計算する。ただし、次の仮定は、重大事故の場合と異なっている。
① 炉心の100%溶融により、内蔵されている核分裂生成物中のよう素の50%、希ガスの100%が格納容器内に放出される。
② 格納容器から原子炉建物への漏洩は無限に続く。
解析の結果、大気中に放出される放射性物質は、全よう素が約1.1×104ci、希ガスが約4.9×105ciである。
敷地外において被ばく線量が最大となる原子炉から約820mの地点における被ばく線量は、甲状腺(成人)に対して約30rem全身に対して約0.2remである。また、全身被ばく線量の積算値は約4.1万人remである。
(2) 主蒸気管破断事故
重大事故の場合と同じ事故について、破断した主蒸気管についている2個の直列の隔離弁のうち1個が動作しないと仮定し、他の1個の隔離弁が事故後5.5秒で閉鎖した後も圧力容器内の蒸気体積の0.5%/日の漏洩率で蒸気の漏洩が継続するものとする。
この場合、原子炉隔離時冷却系、残留熱除去系によって炉心の熱除去が行なわれ、隔離弁閉鎖後、約30時間で炉内圧力が大気圧に低下すると漏洩は止む。
そこで、重大事故の場合と同じ仮定を用いて線量を計算する。
ただし、圧力容器内の液相-気相間の無機よう素の分配系数を100とする。また、大気中への拡散は、隔離弁閉鎖までに放出される冷却材については重大事故と同じものを用い、閉鎖後に放出された蒸気については英国気象局方式の大気安定度Fにおける地方放散とする。
これに用いる条件は、水平方向の拡がり角20°、風速3m/secとする。
解析の結果、大気中に放出される放射性物質は全よう素が約32ci、希ガスは約390ciである。
敷地外において被ばく線量が最大となる原子炉から約820mの地点における被ばく線量は、甲状腺(成人)に対して約2.4remおよび全身に対して約0.003remとなる。
上記各仮想事故時の被ばく線量は、立地指針にめやす線量として示されている甲状腺(成人)300remおよび全身25remより十分小さい。
また、全身被ばく線量の積算値は、国民遺伝線量の見地から定めためやす線量の200万人remより十分小さい。
6 技術的能力
申請者は、長年にわたり、原子力発電に関する調査および原子力発電所の建設準備を行なってきている。島根原子力発電所の建設および運転には約100名の技術者を予定しており、これらの技術者については、日本原子力発電株式会社、日本原子力研究所および海外の原子力関係諸施設において訓練し、技術的能力の確保をはかっている。
また、昭和42年5月以降、島根原子力発電所の設計、建設および運転に関して日立製作所と協同研究を行なっており、さらに、今後、運転、保守、燃料取替計画等について日立製作所の指導を受けることにしている。
これらの点から、本原子炉を設置するために必要な技術的能力および運転を適確に遂行するに足りる技術的能力があると認める。
Ⅲ 審査経過
本審査会は、昭和44年6月4日、第70回審査会において次の委員からなる第52部会を設置した。
審査委員 |
川崎 正之(部会長) |
日本原子力研究所 |
青木 成文 |
東京工業大学 |
安藤 良夫 |
東京大学 |
大崎 順彦 |
建築研究所(昭和44年9月9日就任) |
表 俊一郎 |
建築研究所 |
小平 吉男 |
気象協会 |
左合 正雄 |
東京都立大学 |
都甲 泰正 |
東京大学 |
渡辺 博信 |
放射線医学総合研究所 |
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調査委員 |
石田 秦一 |
動力炉・核燃料開発事業団 |
大崎 順彦 |
建築研究所(昭和44年9月9日就任) |
西脇 一郎 |
電気試験所 |
宮永 一郎 |
日本原子力研究所 |
望月 恵一 |
動力炉・核燃料開発事業団 |
同部会は、通商産業省原子力発電技術顧問会と合同で審査を行ない、昭和44年6月13日第1回会合を開き、審査方針を検討するとともに、炉グルーブおよび環境グループを設置して審査を開始した。
以後、部会および審査会においては、次表のように審査を行なってきたが、昭和44年10月9日の部会において部会報告書を決定し、同年10月20日第74回審査会において本報告書を決定した。

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