資料

昭和39年度国産RI、輸入RIならびに国産密封
線源装置、機器の状況


1.国産Rl
 昭和37年7月から始められた原研のRI生産は、37年度中に6核種564mcから38年度に8核種、913mcに、そして39年度においては14核種3,787.9mc(生産計画では18核種約25,950mc)と徐々に軌道に乗りつつある。(第1表)また、民間においても、未精製RIが相当量年産されている。

  (第1表)             生産販売実績(37〜39年)


  (第2表)          標識化合物生産販売実績(36〜39年)



 一方、標識化合物の製造(その多くは輸入RIを国内で標識するもの)は、核種によっては輸入への切替えなどによって減少ないし製造の停止されたものもあるが、大量需要核種3H、131I、198Auなどについては増大している。

2.輸入RI
 アイソトープの輸入は、その利用の振興に伴って毎年増加をたどり、輸入総額でみると昨年の2億8千万円から、今年は3億2千万円となり遂に3億円ラインを突破するに至った。アイソトープの種類も70核種に及び、その中で特に顕著な伸びを示しているのは大線源60Coである。これは原研高崎研究所の30万キュリー分の1部(14万4千キュリー)が納入されたことが直接の原因となっている。その他のRIでは、85Kr、148Pmなどが徐々に伸びているほかは、全般的には横ばいの傾向を示し始めた。

 輸入先を概観するとアメリカが相変らず多く、全体の36.6%を占めているほか、そのほとんどを60Co大線源で占めるカナダも、60Coの輸入量の増加に伴い全輸入額の30%を占めるに至っている。

(第3表)主要Rlの輸入量

(第4表)国別輸入額の状況(単位千円)

3.国産密封線源装置・機器の生産販売実績
 国産のRI関係機器は現在18社において製造販売されているが、密封線源装備機器、装置のメーカーは10社である。その内8社が39年度に販売を行なっている。
 現在国内で使用されているRI密封線源装置機器は、その70%以上が国内メーカーによる製品であることが推察される。(昭和37年実施のRI工業利用実態調査によると国産60%、輸入21%、不明19%)国内メーカーの技術の向上、輸入品に比べサービス面の充実などを考慮すると、今後も国産の比重は大となろう。

(第5表)39年度生産販売実績

RIの流通経路(39年度)