核燃料検査に関する海外技術調査団の派遣について


 核燃料検査に関する海外技術調査団の派遣については昨年7月18日に開催された第28回原子力委員会において決定をみていたが、その後、わが国における原子力開発計画が進展し関係諸国の調査団受入れに対する原則的な了解が得られたので、次の要領により調査団を派遣することとなった。

1. 目  的

 核燃料は、原子炉の安全性および経済性に大きな影響を及ぼすものであって、適切な品質管理のもとに製作され、かつ、厳重な規格に適合されることが必要である。この見地から、核燃料の検査技術は、早急に確立されなければならない。

 現在のところ、わが国においては、核燃料検査技術の開発は初期の段階であり、その実態については、未知の分野が多い状況にある。ここに先進諸国の検査技術を調査し、わが国における検査技術の確立を図るため、次の要領により調査団を派遣することとする。

 なお本件に関し、米国および英国等受入国側の原則的な了解を得ている。

2.時  期

 昭和34年9月ごろ出発を目途とし、約60日間

3.調査先

 英国および米国に重点をおく。

4.調査項目

 検査制度および検査技術につき調査する。

(1)検査制度
 生産者の品質管理方式
 需要者の受入検査の内容

(2)検査技術
 燃料要素各部材の検査方式、施設および基準
 完成燃料要素の検査方式、施設および基準
 その他参考試験の実施状況

5.調査団の構成


団長 東京大学教授

橋口 隆吉
団員 東京大学教授

高木  昇
日本原子力研究所
金属研究室
上田 隆三
原子燃料公社東海製錬所
生産部
中村 康治 
日本原子力発電(株)技術部
研究課長
浅田 忠一
(株)日立製作所日立研究所
第4部長
高橋 治男
住友金属工業(株)名古屋伸銅所
研究部
近藤  豊
東京芝浦電気(株)マツダ研究所
応用研究部部長代理
藁谷 尚
三菱原子力工業(株)燃料部
主任研究員
木村丈太郎
古河電気工業(株)金属研究室
主任研究員
太郎良 績
日本原子力産業会議嘱託

山添 久勝
科学技術庁原子力局

三浦  誠

6.準備事項

 調査団員をもってすみやかに準備打合会を開催し、次の事項について取りまとめを行う。

 調査先および調査項目の確定
 検査関係資料の収集、整理
 質問事項の整理