第3回放射線取扱主任者試験問題 1.法 令 「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」及びその関係法令につき解答せよ。 第1問 貯蔵施設に備えるべき放射性同位元素を入れる容器は、どのようなものでなければならないかを記せ。、 第2問 次の10の文章中誤っているものが8つあるが、誤っているものの番号を抜き出し、誤っている点を指摘せよ。 (1)この法律でいう「放射線」とは、電磁波又は粒子線のうち直接に空気を電離する能力を有するもので、政令で定めるもののみに限定されている。従って、この法律でいう「放射線障害」には、紫外線による障害を含んでいない。 第3問 次の文章中の のうちに入る適当な語句を番号とともに記せ。 (1)この法律でいう放射線照射装置とは、装備している放射性同位元素の数量が1. をこえる放射線照射機器で、これを随時移動して使用する場合の使用施設の基準として政令で定められているものは、2. を設け、かつ、総理府令で定めるところによりこれに標識を附することだけである。 2.管理技術 第1問 本年1月14日にリン32を2mc購入した。当日1mc、つづいて1月29日に0.3mcを使用者に渡した。3月30日現在での残存量はどれだけか。 第2問 1種類の放射性同位元素を使用した実験室の排液処理槽の廃液をそのまま下水に排水しようとするさい、管理者としての実際にとるべき処置を順をおって記せ。 第3問 使用施設に附けねばならない標識の種類を3つあげ、これを附ける3箇所について簡単に説明せよ。 第4問 下記のうち法律上換気設備を必要とするものをあげよ。 (イ)60Coによるγ線照射室 第5問 放射線取扱主任者が、取扱従事者に、遅滞なく、健康診断を受けさせるようにしなければならない場合を4つ以上あげよ。 3.測定技術 第1問 ガンマ線に被ばくするおそれのある場所で作業する者の、個人被ばく線量を測定するために使用する器具の種類をあげ、それぞれの測定原理、特徴および使用上の注意事項を簡単に述べよ。 第2問 ガイガー・ミュラー計数管による実測計数率からベータ線放射体の崩壊率を算出する場合、その実測値を補正しなければならないが、その際考えられる要因(factor)につき、その項目のみをあげよ。(解説は必要としない。) 第3問 60Coのガンマ線で正しく目盛られているガンマ線用サーべ−メーターを用い、10mcの137Cs線源の中心から50cm離れたところでガンマ線照射線量率を測定したところ、その指示値が14.7mr/hであったという。60Coのガンマ線を基準とした137Cs線源のガンマ線に対するこの測定器の更正定数の値を計算せよ。 4.物 理 学 第1問ベータ線と物質との相互作用について簡単に述べよ。 第2問 次のことばを簡単に説明せよ。 (イ)ガンマ線の内部転換(internal conversion) 第3問 半減期5.2年のCo60の1mgは1年後にはおよそ何キュリーあるか。 5.化 学 第1問 汚染除去剤として使われている次のものは、それぞれどんな性質が利用されているか。 (イ)石けん 第2問 つぎの文および式中の語、数字または記号を番号と共に記せ。 ウラン系列の核種の質量数は4n+2(ここでnは整数)の形で、1. 系列の核種の質量数は4nの形で、また2. 系列の核種の質量数は4n+3の形でそれぞれあらわされるが、天然にはこれまで質量数が4n+1の形であらわされる壊変系列は知られなかった。しかし、人工的に (なお、4番から15番までは化学記号、質量数、原子番号を、たとえば→ 第3問 つぎの文中の{ }内の語句のうち正しいものを番号と共に記せ。 過去10年の間に、放射線によって化学変化をうける多数の系が報告されているが、それらのうち線量測定のため利用されているのは主に1.{固体・液体・気体}の2.{単相系・多相系}である。その中には3.{第1鉄・第2鉄}イオンの4.{酸化・還元}反応、5.{第1セリウム・第2セリウム}イオンの6.{酸化・還元}反応、メチレンブルーの7.{着色・脱色}、ヨウ素化合物の8.{附加・分解}反応、および各種酵素類の9.{安定化・不活性化}反応などがある。一般的にいって10.{常に鋭敏で放射線生物学上の目的に使用出来る、少ない線量では変化が認めにくいので主に放射線化学上使用される。)} 6.生 物 学 第1問 電離放射線(ionizing radiation)の照射による生物学的効果(biological effects)はいろいろの要因(factor)に影響される。この要因をあげて説明せよ。 第2問 下にあげた二つの語の意味の差異を説明せよ。 (イ)自然突然変異(natural mutation)と放射線誘発突然変異(radiation−induced mutation) 第3問 RBE(生物学的効果比率)の生物学的意義について述べよ。 第4問 次の語を生物学的に簡単に解説せよ。 (イ) 潜伏期(latent period)
第3回放射線取扱主任者試験の実施 受験申込者は総計529名
第3回放射線取扱主任者試験は、2月2日の科学技術庁公告にもとづき4月1日(水)、2日(木)の両日東京(拓殖大学)および大阪(関西大学天六学舎)の両試験地において実施されたが、その受験者の内訳および試験状況は次のとおりである。なお合格者の発表はおって公告される。 |