総理府原子力局の機構および事務分担
昭和30年12月19日公布法律第187号総理府設置法の一部を改正する法律によって、原子力局が昭和31年1月1日から発足したのであるが、同法第9条に原子力局においてつかさどる事務として次の10項目をあげている。
1.原子力利用に関する政策の企画、立案及び推進に関すること
2.関係行政機関の原子力利用に関する事務の総合調整に関すること
3.核燃料物質及び原子炉に関する規制に関すること
4.放射性同位元素の利用の推進に関すること
5.原子力利用に伴う障害防止の基本に関すること
6.財団法人原子力研究所に関すること
7.原子力利用に関する試験研究の助成に関すること
8.原子力利用に関する研究者及び技術者の養成訓練(大学における教授研究に係るものを除く。)に関すること
9.原子力利用に関する資料の収集、統計の作成及び調査に関すること
10.前各号に掲げるものの外、原子力利用に関し他の行政機関の所掌に属しない事務に関すること
さらに昭和30年12月29日公布政令第332号総理府本府組織令の一部を改正する政令により、原子力局の分課が定められた。以下に関係条文(抄)をかかげる。
(原子力局の分課)
第27条 原子力局に、左の3課を置く。
総 務 課
管 理 課
アイソトープ課
(総務課)
第28条 総務課においては、左の事務をつかさどる。
1.原子力局の人事、文書及び会計の総括並びに局内事務の総合調整に関すること。
2.原子力委員会の庶務に関すること。
3.原子力利用に関する政策の企画、立案及び推進に関すること。
4.原子力利用に関する法令の制定及び改廃に関すること。
5.関係行政機関の原子力利用に関する事務の総合調整に関すること。
6.関係行政機関の原子力利用に関する経費の見積及び配分計画に関すること。
7.原子力利用に関する資料の収集、統計の作成及び調査に関すること。
8.前各号に掲げるものの外、原子力局の所掌事務で他課の所掌に属さない事務こ関すること。
(管理課)
第29条 管理課においては、左の事務をつかさどる。
1.核燃料物質及び原子炉に関する規制に関すること。
2.財団法人原子力研究所に関すること。
3.原子力利用に関する試験研究の助成に関すること。
4.原子力利用(放射性同位元素の利用を除く。)に関する研究者及び技術者の養成訓練(大学における教授研究に係るものを除く。)に関すること。
(アイソトープ課)
第30条 アイソトープ課においては、左の事務をつかさどる。
1.放射性同位元素の利用の推進に関すること。
2.原子力利用に伴う障害防止の基本に関すること。
3.放射性同位元素の利用に関する研究者及び技術者の養成訓練(大学における教授研究に係るものを除く。)に関すること。
これに基づき3月15日現在における総理府原子力局の組織及び事務分担をかかげると次のとおりである。

ただし、昭和31年3月31日までの定員は19名であるので、これ以外のものは各省庁から出向(併任)で実際上の仕事をしている。これらを含めて実際人員は約30名である。なお4月1日からは定員が68名になり、更に5月中旬ごろからは科学技術庁設置法が施行されて原子力局は同庁の内局となり、これにともない分課も変更する予定であるが、これらに関しては次号で述べることとし、以上で3月15日現在における原子力局の機構および事務分担の紹介とする。
|