第2章 核燃料サイクル
3.核燃料再転換・成型加工

(1)軽水炉用核燃料再転換・成型加工

 軽水炉用の核燃料として使用できる形にするためには,濃縮されたウラン(UF6)を粉末(UO2)にする「再転換」と,これをペレット状に加工し,被覆管の中に収納して燃料集合体とする「成型」の工程を経る。
 「再転換」加工のうち,加圧水型軽水炉(PWR)燃料用のウランについては,全て国内で行われている。また,沸騰水型軽水炉(BWR)燃料用のものについては,一部を海外に委託している。
 「成型」加工では,PWR用,BWR用ともに全量が国内で加工されている。なお,「成型」加工用材料のジルカロイ被覆管の製造については,ほぼ国産化が達成されている。


(2)研究炉用核燃料成型加工

 研究炉用の高濃縮ウラン燃料については,1977年に米国が研究炉に高濃縮ウラン(濃縮度20%以上)の利用を原則として認めない方針を出したことから,炉の性能を極力維持しつつ,濃縮度を低減化(最終的には,濃縮度20%未満が目標)するための技術開発が進められており,この目的の試験に供する燃料は現在,欧米の成型加工メーカーに依存している。


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