第1章 原子力発電
(参考)諸外国の動向
世界で運転中の原子力発電設備容量は,1989年6月末現在,運転中のものは423基,3億3,292.5万キロワットに達しており,建設中,計画中のものを含めると総計622基,5億2,353.7万キロワットとなっている。
現在,欧米等の先進諸国を中心として世界の26カ国で原子力発電所の運転が行われているが,その他開発途上国等においても原子力発電所の建設あるいは計画が進められており,これらの国をあわせると35カ国にのぼっている。
運転中のものについてみると,米国が全世界の原子力発電設備容量の約31%を占めており,フランス,ソ連,日本がそれに続いている。
炉型別では約8割が軽水炉で占められており,このうち,約7割が加圧水型軽水炉(PWR),残り約3割が沸騰水型軽水炉(BWR)となっている。
ソ連チェルノブイル事故の影響等により,一部の国では,原子力発電から撤退する方針もとられているが,近年のエネルギー需要の急激な伸びの中において,原子力は,石油代替エネルギーの中核として,その供給安定性と優れた経済性及び環境保全の観点より注目されており,今後もさらに原子力発電規模は拡大していくと考えられる。
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