第2章 核燃料サイクル
5.プルトニウム利用
5.プルトニウム利用
(2)プルトニウム燃料の加工
使用済燃料の再処理により生ずるプルトニウムは,高速炉用MOX燃料及び熱中性子炉用MOX燃料への利用を図ることが可能である。高速増殖炉及び新型転換炉の開発の進展に応じて加工体制を整備していくとともに軽水炉への利用の要請に対応していく必要がある。
① プルトニウム燃料加工
プルトニウム一ウラン混合酸化物(MOX)燃料加工の研究開発は,動力炉・核燃料開発事業団を中心として実施されてきており,その加工実績も昭和62年7月までの累積で約87トンに達しており,我が国は世界的にみてトップレベルにある。
現在の製造設備能力は,新型転換炉「ふげん」用の10トンMOX/年及び高速実験炉「常陽」の1トンMOX/年であり,また,高速増殖炉「もんじゅ」用の5トンMOX/年の設備の試運転を進めているところであり,新型転換炉実証炉用燃料製造施設(40トンM OX/年)についても建設が進められている。
② 硝酸プルトニウムの混合転換
MOX燃料の原料となるプルトニウム原料粉は,海外再処理で得られたもの及び東海再処理工場から得られた硝酸プルトニウムを動力炉・核燃料開発事業団が独自に開発した「マイクロ波直接脱硝法」によって混合転換ものを使用している。
本技術の実用化を図るためのプルトニウム転換技術開発施設は,昭和58年4月から試運転を開始しており,昭和62年6月までに約2,150kgの混合転換粉を製造している。
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