第5章 核融合,原子力船及び多目的高温ガス炉の研究開発
(参考)諸外国の動向

(3)多目的高温ガス炉

 現在,西独及び米国が高温ガス炉の開発に積極的に取り組んでいる。
 西独は,実験炉「AVR」の経験を踏まえて,高温ガス炉による発電と核熱のプロセス利用を目標として,研究開発を進めている。発電については,蒸気タービン発電用原型炉「THTR-300」(電気出力30万キロワット)が58年9月には臨界に達し,現在,昭和60年の完成,運転開始を目標に建設が進められている。また,核熱のプロセス利用については,石炭と褐炭のガス化を図るPNP計画の研究開発がユーリッヒ原子力研究所において実施されている。 米国では,当初GAT社が中心となり,蒸気タービン発電用高温ガス炉の開発を進め,実験炉「ピーチ・ボトム炉」,原型炉「フオート・セント・ブレイン炉」の建設・運転を行ってきたが,現在DOEにおいて次期計画の検討が進められている。


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