第11章 原子力産業
§3 原子炉の国産化
§3 原子炉の国産化
2 在来型炉の研究開発
原子炉の大型化,燃料の高出力化は,今後の軽水炉の高性能化に要求されている課題であり,高出力燃料の国産化を図ることを目的に,日本原子力研究所においては,JPDR-II計画を実施している。JPDR-IIは,計装,制御棒および駆動装置以外は国産で燃料については,民間数社の燃料メーカーの製作による燃料集合体が装荷され,47年2月初期臨界に達した。
さらに,日本原子力研究所を中心に民間各社が参画して行なわれているハルデン炉における燃料の照射研究については,第4次照射燃料体11体がハルデンに送られ照射が行なわれている。すでに照射を終えた燃料については照射後の評価が実施されており,その結果が得られつつある。
プルトニウム燃料の熱中性子炉利用ついては軽水炉の増設に伴いますます重要となってきている。
そのための研究開発は民間企業が主体となって進めるべきものであるが,動力炉・核燃料開発事業団は,プルトニウム燃料照射を米国サックストン炉において行なっており,その成果が民間に積極的に活用されることが期待されている。
また,軽水炉の安全設計基準等に関する安全研究については,原子炉配管系の構造設計基準,原子力施設の限界耐震設計,安全弁の漏洩,原子炉の異状診断システム,ガドリニヤ入り2酸化ウラン燃料の照射挙動等に関する研究を委託研究により実施した。
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