(4)研究用原子炉の利用状況
我が国の研究用原子炉は,昭和52年4月1日現在,高速増殖炉及び新型転換炉を除いて12基に達しており,このうち,6基が日本原子力研究所所有のものであり,他の5基が大学所有,1基が民間企業所有のものである。
日本原子力研究所の6基の原子炉のうち,比較的早く完成したJRR-2,JRR-3,JRR-4は原子力一般研究,材料照射試験,放射性同位元素の生産等に用いられており,動力試験炉(JPDR)は,燃料照射試験及び動力炉に関する各種試験を行うことを目的としている。
また,材料試験炉(JMTR)では,材料照射,放射性同位元素の生産が行われている。原子炉安全性研究炉(NSRR)では,反応度実験等,原子炉の工学的安全研究を行っている。
大学に設置されている5基の研究炉は,一般研究及び教育訓練用に用いられてるい。
京大炉については,昭和51年10月に高中性子束炉(30MWt)の設置許可申請があった。
研究用原子炉の故障についての昭和51年度中の原子炉等規制法に基づく報告は1件あったが,人の被ばく及び周辺環境に影響を及ぼすものではなかった。昭和51年4月,日本原子力研究所東海研究所のJPDRにおいてクリーンドレンサンプからサンプ水の漏洩が認められた。原因はクリーンドレンサンプ内張りの鋼板底部の溶接部が腐食により破損したためであり,補修措置を講じた。
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