第3章 国際関係活動
2 各国との原子力協力協定の動き

(3)日豪原子力協定の動き

 日豪協定は,昭和47年に発効し,主として,豪州からのウラン輸入を目的としている。
 豪州は,昭和52年5月に保障措置に関する政策を発表し,新規契約に基づくウラン輸出に関しては,同政策を適用していくことを明らかにした。したがって,我が国のウラン輸入に関しては,既存契約に基づくものは影響を受けないと考えられるが,将来,新規契約を実施する時点においては,日豪協定の改訂が必要になることが予期される。実際,昭和52年11月に,豪州は,上記政策を採り入れた原子力協定案を我が国を含む関係各国に送付している。

  豪州の保障措置新政策(昭和52年5月発表)
  政策を再検討する必要性。ウラン買入れ資格保有国の厳選。国際原子力機関保障措置の効果的適用。ウラン買入れ国との間 
 での二国間協定の締結。保障措置のフォール・バック。再輸出・濃縮・再処理に関する豪州政府の事前承認。核物質防護。契約
 中の保障措置条項。保障措置強化のための国際的及び多国間努力。

 同新政策は,カナダのそれと基本的に類似しており,したがって日加協定改訂交渉と同じく,「二重規制」の問題が生ずることが,考えられる。


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