第2章 国内外の原子力開発利用の状況
8.核燃料サイクルの展開

(3)新型転換炉の研究開発

 新型転換炉(ATR)については、1995年8月の原子力委員会決定において、実証炉の建設計画を中止するとともに、新型転換炉関連の研究開発については、核燃料サイクルの進展に資する研究開発の一環として進めることとし、原型炉「ふげん」については、プルトニウム利用技術開発施設、国際的共同研究施設等として利用していくとの方向性が示された。
 その後、動燃改革の一環として新型転換炉研究開発については、その役割が終了しつつあることから、適切な過渡期間をおいて撤退することとされ、1997年12月に「ふげん」の運転期間を5年間とすることで地元と合意した。

ATR:Advanced Thermal Reactor

図2−8−5新型転換炉「ふげん」

今後5年間の活用方策としては、過去20年間の技術開発成果を含め、現在実施中のプルトニウム利用技術やプラント管理技術について、研究開発成果の集大成を行うとともに、海外のニーズに応じ、圧力管型炉の運転管理技術の取得の場として活用することとしている。また、運転停止後の廃止措置を円滑に行うため、「ふげん」の原子炉システムの固有の廃止措置技術の開発及びそれに必要な研究を実施するとともに、そこで得られた成果については、ニーズに応じ、効果的に技術移転を行うこととしている。


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