付     表

原子力研究開発プロジェクトの推進計画
1 ウラン資源開発
2 ウラン濃縮
3 再処理及びプルトニウム利用
4 放射性廃棄物処理処分
5 高速増殖炉
6 新型転換炉
7 多目的高温ガス炉
8 核触合
9 原子力船
10 工学的安全研究
11 環境放射能安全研究


原子力研究開発プロジェクトの推進計画

1 以下の表は,主要な研究開発プロジェクトについて,今後10年間の研究開発課題,そのスケジュール等を示したものである。

2 表では,国が関与する研究開発に限っており,民間が独自に進める研究開発は含めていない。但し,研究開発プロジェクトの実用化の段階で必要になると考えられている実証のための各種施設(実証炉等)については,その実施主体が未定であり,今後その検討が必要であるが,とりあえず以下の表に含めてある。


1 ウラン資源開発

 天然ウランの安定供給を確保するため,海外におけるウラン資源の調査探鉱を引き続き進めるとともに,製錬技術,転換技術等の研究開発を行う。


2 ウラン濃縮

 自主技術によるウラン濃縮工場を建設するため,遠心分離法によるウラン濃縮技術の開発を進める。また,レーザー法等遠心分離法以外の技術についても所要の研究を行う。


3 再処理及びプルトニウム利用

 東海再処理施設の運転を通じて,我が国における再処理技術の確立を図るとともに,放出低減化技術等の再処理関連技術の研究開発を進める。
 また,再処理によって回収されたプルトニウムの有効利用を図るため,プルトニウムの軽水炉利用に関する研究開発を進める。(高速増殖炉及び新型転換炉へのプルトニウム利用については,5及び6を参照。)


4 放射性廃棄物処理処分

 原子力発電所等で発生する中・低レベルの放射性廃棄物及び再処理施設で発生する高レベル放射性廃棄物の処理及び処分に関する技術の研究開発を進め,放射性廃棄物の処理処分システムの確立を図る。


5 高速増殖炉

 高速増殖炉(FBR)は,消費した以上の核燃料を生成する画期的な原子炉であり,昭和70年代に実用化することを目標に,その開発を進める。


6 新型転換炉

 新型転換炉(ATR)は,軽水炉の使用済燃料を再処理して回収されるプルトニウム,減損ウランを有効に利用し,ウラン資源,ウラン濃縮作業量の節減に大きく寄与するものであり,その開発を進める。


7 多目的高温ガス炉

 原子力利用の非電力部門への拡大を図るため,核熱エネルギーを製鉄,水素製造等に多目的利用する冷却材出口温度1,000°C程度の多目的高温ガス炉を開発する。


8 核触合

 人類究極のエネルギー源として実現が期待される核融合について,21世紀早期の実用化を目指し,長期的な研究開発を行う。


9 原子力船

 原子力第1船「むつ」を開発するとともに,舶用炉プラントを中心とする広範な研究開発等を行う。


10 工学的安全研究

 軽水炉の安全審査に必要な実証的知見の一層の増加を図るとともに,安全審査の基準,指針等の定量化,精密化に資するための安全研究を行う。


11 環境放射能安全研究

 原子力施設から環境中へ放出される放射性物質の環境から人体への移行,ヒトに対する影響等に関する研究を行い,安全審査の基準,指針等の定量化,精密化及び影響の評価に資する。


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