平成12年4月17日
「新たな原子力長期計画の構成案」についてのコメント
核燃料サイクル開発機構
都甲 泰正原子力長期計画策定にあたり、以下の観点を反映していただければ幸いです。
○核燃料サイクルの意義について
(資源の有効利用の観点から)
- ウラン利用といえども、軽水炉・ワンススルー方策をとるとするならば、資源の使い捨てに過ぎず、利用可能なウランは今後約70年間程度で使い果たすことになる。
- 核燃料サイクルを確立し、リサイクル利用してこそ、このウラン資源が純国産エネルギーとして何十倍にも使え、貴重な化石燃料の節約につながる。
(廃棄物による環境負荷低減及び核不拡散の観点から)
- 「廃棄物は分別・再利用によりできる限り少なくする」という廃棄物低減・資源循環型の考えに、分離・変換のポテンシャルをもつ核燃料サイクルは適合している。
- 余剰プルトニウムは、なるべく保有せず、平和利用に徹することが明らかになるよう、その用途に透明性を持たせることが重要。この点からも、プルトニウムを燃焼・消滅させる核燃料サイクルを進めることが妥当。
(エネルギーセキュリティの観点から)
- エネルギーセキュリティは、国民の生活の安定維持に不可欠であるため、原子力を海外の政治・経済の予測せざる状況変化に左右されにくいエネルギー源として捉え、国が核燃料サイクル全体を俯瞰し、核燃料サイクルを確立すべく、研究開発の推進や政策誘導を行うべき。
○核燃料サイクルの技術ポテンシャル確保の必要性について
- 先にあげた意義を踏まえ、核燃料サイクルをできるだけ早い時期に国内に確立することを目指し、研究開発は継続的に進めるべきである。
- 例え、ある時期、サイクルの一部の要素を海外に依存するような状況になったとしても、エネルギーセキュリティ及びバーゲニングパワーの観点から、必要な時期に立ち上げ可能な競争力ある技術ポテンシャルは、国内で確保しておくべき。
○FBRサイクルに関する研究開発について
- FBRに関する研究開発は、「もんじゅ」を中核として進めるべきと考える。
- 現在、サイクル機構が中心となり、電気事業者と一致協力して、FBRサイクルの実用化に関する研究開発を、多様な選択肢の検討により柔軟性を図りつつ実施している。「2015年頃までに競争力あるFBRサイクル実用化技術を提示できるようにする」ことを目標とし、この間、適宜適切な評価を受けつつ進めることとしている。
- このことが、ひいては原子力技術開発を魅力あるものとし、優秀な技術者の確保につながるものと考える。
以上