新たな原子力長期計画骨子作成のための議論用資料(案)に対するコメント
2000.4.19
前 田 肇大略の骨子としては網羅されていることとは思いますが、骨子を詳細に記述していく場合には、以下の点が含まれることを確認したいと思います。
○21世紀社会の潮流、○原子力研究開発利用の意義・役割
(原子力の可能性)
- エネルギー需給を満足していくには、需要側では省エネルギー、供給側では石油、石炭、天然ガスの化石エネルギーと原子力、再生可能エネルギーなどの非化石エネルギーのエネルギーミックスとなる。
- 地球との共生の観点からは、非化石エネルギーが循環型社会での有力な選択肢であることは間違いないが、再生可能エネルギーの供給力の量的限界を鑑みれば、化石エネルギーと原子力のエネルギーミックスに大部分のエネルギー供給を依存せざるを得ない。
- その結果、やはり原子力が必要であることが示されることとなると考える。
○国民・社会と原子力政策の新たな関係・・・・・・
(国の役割と民間の役割)
- 原子力を利用していく上で、国と民間の役割分担や連携・協力は、安全と安心の確保、地域共生、研究開発、事業化のそれぞれについて存在しており、ここで国の安全での役割と民間の公益的な役割にしかふれられていない。
- この章の最後に、役割分担と連携・協力を総括して記述するのが全体をわかりやすくするのではないか。
- 民間に公益的な役割を期待するとあるが、競争市場の下で公益的な役割を民間に期待するには、国が政策目標を提示すると同時に目標を達成するための誘導措置、制度的保障が必要と考える。
- 国は、将来の国の繁栄を保障するため、将来の不確実性に対し選択肢を確保する責務があり、そのため研究開発を実施するのではないか。
○国際社会と我が国の原子力政策の関わり
(プルトニウム利用政策に対する国際理解)
- 国際社会に理解してもらうためには、平和利用の理念の提示だけでなく、国際的に日本のプルトニウム利用に対する懸念が存在していることの認識と、核不拡散、保障措置、核物質防護に万全の措置をとっていることをメッセージとして示していくことが必要と考える。