第5回長計策定会議「国民・社会と原子力」に関する
各委員よりの追加意見

 

 

 

平成12年2月28日

 


長期計画策定会議における追加意見

平成12年1月19日
日本原子力発電(株)
鷲 見 禎 彦

1.国民の理解と合意形成

今後も原子力の重要性に変わりはない、と考えるが、そのためにはわが国のエネルギー供給における原子力の位置づけについて、国レベルで確認が必要。
脱原子力シナリオを含めて検討すべき、との意見もあったが、具体的な提案をもって議論を行うべき、と考える。
国権の最高機関である国会が国民の意見を反映する最も重要な場であり、今後国会において、エネルギー政策や原子力の意義・必要性について広範に議論し、国として方向性を出すことが必要。

2.原子力知識の必要性

知識無くしてセーフティーカルチャーは存在しない。原子力に携わる者全てが、基礎知識を勉強し直さねばならない。JCO臨界事故の終息には専門知識に負うところが大きかった。従って、専門家の育成、適切・有効な活用が必要。
原子力への不安感には放射線に対する不安がある。よって、放射線に対しての正しい理解が得られるよう説明していくことが必要。

以上


平成12年1月18日

長期計画策定会議への追加意見

全国電力関連産業労働組合総連合
会 長  妻 木 紀 雄

1.国民の信頼感醸成のための要件について

 第一分科会からの問題提起にあるように、当事者である事業者や国が十分な情報を国民に対してわかりやすく提供していくことが前提であります。このためには、情報発信者が国民の側にたって、専門用語の乱用を慎むとともに、結論として国民にどう関わりがあるのかを全面に出すなど、理解されやすい情報の提供に日頃から努力していく必要があります。
 しかし、当事者から直接情報を入手する場合を除くと、一般に国民は新聞やテレビ等のマスメディアという媒体を通して情報を受けることになります。JCO事故における国内の報道は、意外と冷静だったという方もおられますが、原子力関係の事故・トラブルの報道においては、事実関係や周辺への影響を的確に伝えるものよりもセンセーショナルな見出しで報道されることも少なくありません。真に国民が必要な情報、すなわち安心できるのかどうかという情報を伝えようと努力しているのか、結果して国民の不安をあおることに繋がっているのではないかと思うこともあります。
 従って、発信側の不断の努力要件のみならず、マスメディアを通じた情報のあり方についても論議していく必要があります。

2.立地地域における合意形成について

 立地地域における合意形成と地域振興への支援を直接結びつける訳ではありませんが、少なくとも、第2回会議における全国原子力発電所立地市町村協議会の森川内市長の発言や第5回会議における島根県知事の澄田委員の発言にある、交付金などのあり方についても取り上げていく必要があると考えます。
 立地地域から電源三法交付金の使途の弾力化が叫ばれて久しく、森川内市長の指摘のように立地受け入れの動機にもなっていないとすれば、早急な見直しが必要であります。事実、平成9年には当時の堀内通産大臣が衆議院商工委員会で「電源立地地域がその特性に応じた自立的な、かつ持続的な発展を図っていくことができるように、今後とも、地域の要望を踏まえつつ、交付金制度の見直しをしっかりと行ってまいりたい」と答弁しているのに、現時点において立地地域関係者から再三の意見が出されるようでは、なおさらではないかと思います。また、この見直しが進まないことによって、地方税としての核燃料税の増税などに繋がっているのではないかとも考えられます。
 従って、立地地域からの不信を招くことのないよう使途の透明性を高めるとともに、電源三法交付金や核燃料税などによる立地地域振興への支援のあり方についても論議していく必要があります。

以上


長期計画策定会議における追加意見
―サイクル機構の情報公開について―

核燃料サイクル開発機構
都甲 泰正

 サイクル機構は、旧動燃時代の平成7年7月に内部規程として「事業団資料の公開手続きについて」を定め、また同年12月に起きたもんじゅ事故及びその後の不適切な対応への反省も踏まえ、平成9年7月に法人(旧動燃)として独自に「情報公開指針」を策定し、その指針をもとに、現在まで積極的に情報公開を推進してまいりました。指針は当時の国の「情報公開法要綱案」を参考に策定し、現在の国の情報公開法にも沿っていますが、その基本的考え方は「原則公開」であり、公開請求に係る機構資料に核不拡散、核物質防護の観点等から非公開とされる場合を除き、当該資料を公開することとしています。
 さらに、平成10年4月に理事長の諮問機関として外部の有識者からなる「情報公開委員会」を設け、公開請求に対して一部でも非公開にしようとする場合には、必ず同委員会に諮り、同委員会が機構の判断根拠の妥当性等について審議することとしています。公開の可否については、理事長が最終的決定権をもちますが、これまで同委員会の結論を全て踏まえた対応を行っています。
 一方、特に原子力の安全・安心に関わる情報については、公開請求を待つまでもなくこちらから積極的に情報を公開していくことが重要と認識しており、各事業所毎に設置しているインフォメーションルームに公開資料を備え付け、一般の方々が自由に閲覧や複写ができるようしています。また、公開の希望が多いと考えられる情報については、インターネットに掲載し多くの方に見ていただくことが有効であると考えています。JCOの事故直後には、インターネット上に掲載しているリアルタイムの環境放射線モニタリング結果に対し、一日に26万件ものアクセスがありました。
 以上のようなことから、公開の可否を決定するに際しては、ルール(「情報公開指針」等)に従い、第三者の意見(「情報公開委員会」の審議等)を踏まえて厳正に判断するとともに、国民の安全・安心に係る情報は積極的に公開していくことが重要であると考えています。


長計策定会議における第一分科会の報告に対するコメント

平成12年1月16日
日本経済新聞社
鳥 井 弘 之 

○国民の信頼感醸成のための要件

○合意形成について

○意思決定のあり方について

○安全と安心について