長期計画の在り方に関するご意見について
平成11年11月15日
- 1.全般
- 夢のある、地に足が着いたビジョンを示す
- 原子力に求められる基本的な理念を再認識し、研究開発利用の全体像と長期展望を明らかにする
- 長期計画を現実的で実効性のあるものにすべき
- 基本理念と実行計画は明確に区別し、計画については選択肢を設けチェックアンドレビューを行うことにより、柔軟性を持ったものとする
- 情報と環境の世紀にふさわしい原子力、関連科学技術及び社会システムの完成を目指す
- 原子力の必要性や意義を、国の政策として明確化する
- 国民や国際社会に向けたメッセージとすべき
- 再生可能エネルギーの開発に最大限の努力を払うが、それでもなお文明社会の存続には原子力が必要なのだという説明を行うことが必要
- 経済構造改革や電力自由化等の変化を踏まえ、産官学の役割分担を明確にすべき
- 民間事業への過剰な介入をやめ、国の研究開発を中心に論ずるべき
- 2.対象とする領域
- 地球環境との調和の視点から、放射性廃棄物とプルトニウムの増大などの点を長期計画の中で解決すべき
- 原子力の範囲を核分裂・核融合エネルギーとして狭義にとらえるのではなく、放射線利用も含めたものとして幅広くとらえるべき
- 放射線利用や教育の問題も含めて原子力関連の科学技術を広い視点に立って考えるべき
- 放射線に対する健康影響の問題を真正面から取り上げるべき
- アカデミックな事業を取り込むべき
- 3.時間的スコープ
- 短期的、長期的のそれぞれの視点からの議論が重要
- 時間的視野をどの程度考えるかについて、整理が必要
- 我が国のエネルギーシステムを100年単位で科学的根拠に基づく議論が必要
- 4.原子力の位置づけ
- 基幹エネルギーとして長期的視点からとらえるべき
- エネルギー全体の中での原子力を考えなくてはならない
- 包括的なエネルギー政策の一環として、原子力の適正な在り方を議論すべき
- 5.その他
- 安全だと強調するのではなく、本来危険なものだがそれを技術の力で十分に防護することができるという、逆算的表現も必要
- 原子力については、安全神話を前提とするのではなく、どうすれば安全に利用できるのか丁寧に説明すべき
- 科学技術そのものの内包するリスクを正当に評価するとともに、国民に対する表現方法について議論すべき
- 原子力については、表現の貧しさ、独特の用語、安全神話型の情報提供といった問題がある