原子力委員会の責任を果たして頂きたい

○氏名   :馬杉 秀昭

○ご意見の内容:

内閣府原子力委員会
 委員長 委員各位 殿
 日本政府は六ヶ所村核燃料サイクル施設の操業を認めさせるために、IAEAの核燃料サイクル新規事業凍結構想に反対したと報じられております。 しかしEIBaladei 事務局長の苦悩は、テロの脅威とそれにも深くかかわる現行原発廃棄物の難問を如何に処理するかにあります。 日本は単に軽水炉原発の従来方式による廃棄物処理を始めるだけではなく、IAEAの原子力平和利用の趣旨に沿う「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」を策定して進む事を誓い理解を求めるべきでありましょう。
新計画策定会議は、使用済み核燃料埋設処分技術の新研究を、十月に発足する日本原子力研究開発機構などが担当すると発表されました。 使用済核燃料を厳重に一時保管し、新技術の開発を待って活用・処理する方針に踏み切れない以上、埋設処理の安全性を証する事は原発反対派説得の上からも、遅れ馳せながら必要であると解せます。 同時に早急に着手すべき重要な本質的審議課題は、次世代原発システムの開発であると期待しております。
日本原子力委員会こそが9.11事件により格段に重要度を増した核拡散抵抗性を再確認しなければ、唯一原爆の被害を被り世界に向けて原子力の平和利用を宣言した日本の立場が失われます。
原子力委員会は「トリウム熔融塩核エネルギー協働システム(THORIMS-NES)」が、「革新的原子力システムの研究開発の今後の進め方について」の審議に提出されなかった事のみを理由に、原子力技術先進国アメリカが提唱するGEN-IV候補にも選抜された熔融塩炉の評価を避けておられるやに見受けられます。 当面の研究、企業の収益活動、委員の得意分野、先任者が以前に定めた意向を守る組織運営法などを重視するあまり、科学技術を主柱とすべき長期開発計画の策定を誤れば、専門技術諮問委員会としての価値を失い、近未来に起こる可能性の高い再度の放射線禍悲劇を防ぎ得なくなるのではないかと憂慮致します。
長らく原発問題の解決に関心を持ち続けてきた一市民としてはTHORIMS-NESこそが原理的に無理がなく基礎技術的研究も進んでおり、質量共に次世代原発として発展させるのに最も好ましい特長を持つ革新炉であると考えられます。 長期開発計画ではTHORIMS-NES の価値を評価し、日本が先導して「人類が必要とする原発革命」を成し遂げる道を開かれんことを願って止みません。
以上