三度、資料を読み通して『もんじゅ廃炉』と『エセ核燃サイクル政策の廃止』は避け得ない選択肢と確信せざるを得なくなりました。

○氏名   :中村 融

○ご意見の内容:

『春一番』が吹いて冬と春の鬩ぎ合いの中で『三寒四温』の季節となり、春を待つ心が何とはなしに逸る感じが抑え兼ねるようになりました。
策定会議の委員各位並びに近藤議長&事務局の皆様ご苦労様です。
第18回策定会議の資料はそれぞれ改定され、新たに核廃棄物処分の資料も追加されて大変なボリュームとなり、議事録とご発言メモ、戴いた質問も今迄の会議より格段と充実して共感するものも多くメモを取りながら読み進めるのも大変でした。
それぞれに即して意見を述べるとすれば、とても書き切れません。
そこで私なりに①安全性②増殖③費用対効果、全体として高速増殖炉サイクル開発の見通しを左右するポイントに即して、それそれのの資料から引用する事で纏めて見たいと考えました。
サイクル機構佐賀山部長の各資料のご説明の中に、議事録の38P下から5行目GenerationⅣ実用化戦略フェーズⅠで「多様な選択が必要』とあり『どうしても新技術が必要で代替技術の開発』が必要で、これがフェーズⅡでの技術的成立性に欠かせないとの記述があり、2005年度のフェーズにの技術的成立性の見通しは、これらの課題次第であるとの認識にならざるを得ない事が良く判りました。
P37、12行目以下に『コストを下げる為に、どうしても新技術が必要で費用対効果の観点から2050年が実用化のメドとされているのも大変な意味を持つと思えました。
同じく議事録48P、15行目吉岡委員が『原子力発電政策から政策総合評価をして』と審議の有るべき姿を要求しているが、その様にしない事情は理解するが(どんな事情で何故理解するのかが判らない)一言は言って置きたい』とされているのは大いなる疑念を呼ぶものであります。
同じく49P、3~10行目、研究開発の評価に関して、特にその費用対効果に関して『FBR投資効果の説明は酷いもので2750基のFBRを実用化したとしているのは云々』の発言は的確な指摘で共感と共にFBR研究開発の費用対効果の見通しに関する疑念を決定的にするものです。
ご意見メモの吉岡氏のメモP6の『近藤案の論理構造は出鱈目て云々』も極めて説得的で現政策を良しとする近藤議長の言い分が根底から成立しないものである事を嫌応無く納得させて呉れるものです。またP10.10行目「西川知事の以下」のメモは共感せざるを得ないものです。そして「---判決よりも行政判断を優先し云々』と有るのも誰に取っても納得出来る説得的なメモと言わざるを得ません。
この後に有る内藤委員のメモも、小見出しを書き出して見ると『FBR開発は重要だが困難』『もんじゅからのFBR開発は技術的成立性が問題』『実証炉開発は世界の趨勢を見極めてから』とされているのは、なんとか肯定的にFBR開発を評価したいと努力されながらも押さえ様の無い疑念を滲ませておられると言う意味で極めて印象的です。
『安全性』『増殖』と言うポイントで『技術的成立性』を観て見たのですが(神田委員は高速炉自体の価値を評価する立場ですが、それはそれとしてもやはり増殖の実用化抜きにはFBR開発は成り立たないものと考えるべきものと思われます)どう資料を読んで見ても、根拠を持って、その成立を納得させるものは皆無で、特にアルハーで有りオメガーで有る増殖能に関しては何等の見るべきものが有りませんでした。増殖の実用化に関しての見通しは『もんじゅからでは得られないと断定出来る』と言わざるを得ません。
費用対効果に関しても実用化は到底無理と断定して差し支えないものと言えます。
以上残念ながら、この意見のタイトルを結論とせざるを得ません。以上