策定会議での今までの審議についての意見

○氏名: 中村 融

○ご意見の内容:

前略。策定会議の審議をトレースしてきた一市民として、これからの審議において考慮戴きたい事項に付いて意見をお届けしたいと思います。
核燃サイクル政策がまず取上げられましたが、当然全般的な原子力政策との関連が大切です。例えば
①核燃サイクルと言う言葉の中身が問題です。策定会議の審議では『核燃サイクル』が『使用済み燃料の再処理』-『MOX燃料の製造』-「プル・サーマル』として審議されています。元来『核燃サイクル』とは天然ウラン中の99.3%のU238をFBRでPu239へと増殖して、この増殖したPuを再処理により取り出しFBRで利用すると言う事であったはずなのだと考えます。
今回の審議でプル・サーマルによるウラン節約効果は精々15%止まりと確認されています。私にはMOXのコスト、これを軽水炉に装荷して使用するためのコスト、そして何よりもPu利用に伴うシ色々な大変な負担を考えると、プル・サーマルはメリットよりもはるかにデ・メリットの大きなものと考えます。ここらの審議が無かったように思われます。
②東電事件で明らかになったように炉心での強い放射線による被曝により炉心に存在する機器が「応力腐食割れ」を起こし、これを予防も緩和もまして防止も出来ない事が明らかになりました。原発を償却後も長く70年までも使用できる事を前提とした「原子力発電単価」は見直さざるを得ず、原発の新増設政策はコストの上から当然見直さざるを得ないはずです。これとの関連も極めて重要です。
③FBR開発は第一回長計からの悲願ですが、『もんじゅ』からの研究&開発では、全くその見込みは立ち得ません。ここらとの関連も極めて大切です。 今指摘しましただけのことでも「中間取り纏め」は極めて不合理な選択と成ります。もっと全体的な審議が必要であったと言う立場から、是非「中間取り纏め」の見直しを要請致します。では、宜しくお願い致します。草々