核燃料サイクル等の原子力活動に係る国際的取組についての論点の整理(案)
1.プルトニウム利用政策に対する国際的な理解の増進
- 今後もプルトニウム利用を進めていくにあたっては、
@必要性
資源小国の我が国にとって、使用済燃料中のプルトニウムは数少ない準国産エネルギーであること。また、原子力はリサイクル可能なエネルギー源であること。
A安全性
MOX燃料は、軽水炉では既に欧州等、世界的に広く利用されていること、また米露において解体核からのプルトニウムをMOX燃料に加工して燃やす案も検討されていること。安全性に関しては、世界的に十分な実績を有し、それが認識されていること。
B経済性
天然ウランから転換、濃縮を経て成型加工までの費用と、使用済燃料を再処理して得られたプルトニウムを用いてMOX燃料を成型加工する費用は同程度であり、プルトニウム利用が高くつくという話は正しくないこと
について、広く情報発信が必要ではないか。
- その際、以下の点を踏まえて説明すべき。
−我が国の特異性(資源小国かつ経済大国、非核兵器国でかつ原子力発電大国)を踏まえて説明すべき。
−脱原子力を進める欧州の国との違い(他に選択肢がない)を強調すべき。
−プルトニウムの需給見通しについて、現下のプルトニウム利用の状況に適合した説明が必要。
−使用済燃料の最終処分を実現した国はなく、従ってコストも明らかではないことを認識すべき。
−再処理施設を所有し、運転している英仏のPA対策について勉強すべき。
- 国際的にプルトニウム利用政策への理解が得にくくなってきている状況の中で、国内エネルギー政策は、国際政治に影響されるという認識を基本として政策を推進すべき。
- 英仏にある再処理後のプルトニウムも含め、我が国が所有するプルトニウムの管理状況について、引き続き透明性を高める必要がある。
- 日本の核武装への懸念に対して、東アジア非核構想などを含め、具体的な政策を主張して行くべきではないか。
2.使用済燃料再処理・管理を巡る対応
- 国内再処理の原則を再認識する。他方、米国は利用計画のないプルトニウムを保有することを嫌っており、プルトニウムの需給バランスが揺らいでいる状況の下では再処理は止めたらどうかとの意見もある。
- 使用済燃料の国際共同貯蔵構想も提案されているが、日本としては国内貯蔵を基本とし、中間貯蔵を推進すべきである。
- 他方、我が国は北朝鮮等、他国の核物質管理計画にも注意を払うべきであり、使用済燃料管理における技術的知見、運転経験等について、アジア(特にKEDOなど)への技術的貢献の余地があるのではないか。
3.国際輸送の円滑な実施
- 年々、沿岸国からの反対の声が強まっている中、国際輸送の円滑化のためには、官民双方での沿岸国対策の一層の努力、関係国の政府、事業者との連携が必要であるが、具体的には何をすべきか。
−総計170回を越える実績をアピールし、また、解体核物質や研究炉燃料の国際輸送など、世界各国における実績を周知すべき。
−沿岸国の風評被害への懸念に対する具体的な対応策があるか。
−現状行っている外交上の働きかけ、英仏による対策勧奨、3つのルートのバランスのとれた利用等以外に策はないか。
- 世界では研究用原子炉に使用する核物質や、余剰兵器プルトニウムの国際輸送等が既に行われており、国際輸送が止まれば、原子力に関する研究開発も、核軍縮も止まる可能性があることを伝えて行くべき。