欧米との対応の在り方についての論点


平成11年12月
核燃料サイクル開発機構
相澤 清人
全般に関する論点
(近年の海外動向について)
 原子力を巡る国際動向としては、過去のトレンドと近年の動きが重畳されたものと考えることが出来る。過去のトレンドの最も大きいものは世界的な原子力開発のスローダウンであり、近年の動きは、原子力産業のグローバル化と自由化である。各原子力企業は、WH社とBNFLの合併や仏フラマトム社と独ジーメンス社の合併の動き、GE社と日立、東芝の合同燃料加工事業体の設置等、欧米、アジアを問わず経営、事業の各レベルで従来想像できなかった再編成が行われており、一方、各国における電力市場の自由化、核燃料サイクル事業の民営化への動き(米国濃縮会社(USEC)、BNFL,COGEMA等)も進んでおり、結果として原子力産業のグローバル化と自由化は、大きな潮流となっている。
 この背景は過去のトレンドの原子力開発のスローダウン化による市場の競争、奪い合いの激化、新しい市場を目指した経営の合理化、効率化の追求の現れでもある。
一方、中国、韓国等アジアの原子力開発や解体核処分分野に積極的に関わろうとする動きも世界の原子力企業で活発化している分野である。

(研究開発の国際協力の方向性について)
 一国で巨大な原子力プロジェクトを推し進めることはもはや、原子力スローダウンの中で困難が増しつつあり、産業のグローバル化、自由化の潮流下で一国自主技術開発は意味が薄れてきている状況と考えられる。このような状況の下、以下のような論点を踏まえて対応していく必要がある。

欧米との対応の論点
(米国)
 「米国は依然として世界最大の原子力発電国であり、商用再処理、FBRの開発は行っていないが、原子力技術に関して安全性の分野も含め高い能力を有している。また、WH社とBNFL社の合併等グローバル化、自由化の先頭を走っており、その核燃料サイクル全体に亘る動向には引き続き注目。」

(欧州)
 「フランスは再処理、高速炉開発を含め欧州で最大の原子力発電国。但し、SPXの閉鎖、高レベル廃棄物の処理処分方策での多様な選択肢の検討等近年の政策に注目。
 フランスとはLWR,FBR,先進リサイクル分野、高レベル廃棄物処分研究等で協力してきており、従来の協力を発展させて一層の成果を指向すべき段階。
EU統合化が進む中で仏、英の核燃料サイクル事業への影響、EdFを含むEU内の電力自由化の進捗等の状況を見極めていくことが必要。
 ドイツの動向については、政府と電力産業界の脱原子力に関する話し合いが不調である状況等不透明感が強い。再処理を仏、英に委託している等欧州全体の核燃料サイクルの動きに注目。」

核燃料サイクルの関連分野の論点
(ウラン資源)
 「ウラン協会によれば、ロシア・米国の高濃縮ウランの利用があっても、適切な探鉱・開発がないと、今後の世界の供給は不足するとみている(2015年〜2000年代半ば)。」

(転換)

(濃縮)
 「商業用濃縮サービスは、USEC(米国)、Eurodif(仏国、ベルギー、イタリー、スペインの合弁)、URENCO(英国、独、オランダの合弁)、MINATOM(ロシア)、JNFL(日本)で行われている。
 1996年現在、世界のウラン濃縮設備容量の合計は約54、000tSWU/年である。一方、1995年の需要は、約34,000tSWU/年で、供給能力が需要を大幅に上回っている。」

(加工)
 「1996年において21ヶ国において商用炉の燃料加工が行われている。ウラン加工需要は世界の加工設備能力の67%である。
 加工事業は、欧米でグローバル化が進んでおり市場競争も激しい。」

(使用済み燃料管理)
 「再処理選択国ーーーー仏国、英国、ドイツ、スイス、ベルギー、日本等
 ワンス・スルー国ーーーー米国、カナダ、スエーデン等
 なお、態度未定国も多い。」