参 考 資 料

 

 

 


参考資料 目次

 

○世界における原子力の状況

○核兵器の不拡散に関する条約(NPT)の概要

○包括的核実験禁止条約(CTBT)の概要について

○兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)(通称:カットオフ条約)の概要

○保障措置について

○核物質防護の現状について

○国際プルトニウム指針について

○BN600を用いた露国余剰兵器Pu処分の提案

○原子力安全規制に係わる国際協力について

○アジア原子力協力フォーラムの概要

○原子力科学技術に関する研究開発及び訓練のための地域協力協定(RCA)の概要

○アジア諸国・地域の原子力関連条約の受け入れ状況等

○国際熱核融合実験炉(International Thermonuclear Experimental Reactor,ITER)計画について

○旧ソ連、中・東欧諸国の原子力発電所の数(運転中のもの)

○ISTC(国際科学技術センター)について

○国際原子力機関(IAEA)の概要とその職員構成について

○経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)の概要について


世界における原子力の状況

世界における原子力発電の現状(1999年12月31日現在)

運転基数設備容量
(万kW)
総発電電力量に占める
原子力発電の割合(%)
米 国 103基  10,064   19.54
仏 国  55基  5,989  75
日 本  52基  4,508  36
英 国  35基  1,417  28.87
ロシア  29基  2,156  14.41
スウェーデン  11基    982  46.8
ドイツ  19基  2,221  31.21
世界(31ヶ国) 425基 35,943  −

出典:基数、設備容量は(社)日本原子力産業会議、「世界の原子力発電開発の動向」
H12年4月5日プレスリリースによる。
原子力発電割合は:IAEA Press Release 2000/09(6, March 2000)よる。

○各国の動向
・米国

☆プルトニウム利用は凍結。ただし、西欧及び日本のプルトニウムの民生利用は認める。
・仏国
☆エネルギー自給率向上のため原子力利用を積極的に推進。総発電電力量の約15%(1997年実績)を近隣諸国に輸出。
☆1998年2月、フランス政府は高速増殖実証炉スーパーフェニックスの閉鎖及び原型炉フェニックスの2004年までの運転継続を決定。
・英国
☆石油、石炭、天然ガス資源を背景とするエネルギー供給。原子力をエネルギーの多様化政策に位置づけ。
・独国
☆1998年9月、総選挙が行われ、社民党と緑の党の連立による新政権が発足。
☆新政権は、原子力からの撤退を表明。現在、連邦政府と電力業界との間で今後の原子力政策について協議が続いている。ドイツでは総発電電力量の約3割強を原子力で賄っている。
・スウェーデン
☆スウェーデン政府は、バーセベック1号機を1998年7月に閉鎖することを決定。その後電力会社による訴訟が行われていたが、最終的には、政府が電力会社に補償を行うことを持って、1999年11月30日深夜、同原子炉は閉鎖された。
・ロシア
☆今後、新世代の原子力発電所を建設するとともに、古い原子力発電所の閉鎖に着手する。
・中国
☆1999年末、3基、227万kWの原発が稼働。総発電電力量の1.2%を供給。
☆2020年までに4,000〜5,000万kWに原子力発電の設備容量の拡大を計画。
・韓国
☆1999年末、16基、1,372万kWの原発が稼働。総発電電力量の43%を供給。
☆原子力技術の国産化、標準化を目指し、83年標準化計画を策定。韓国標準型炉(KSNP)が98年に初号機、99年末に2号機が運開した。


核兵器の不拡散に関する条約(NPT)の概要

1.発効
1970年3月5日:発効
1976年6月8日:我が国批准(1970年2月3日:我が国署名)

2.締約国
(1)締約国数:187カ国(2000年4月現在)
(2)全ての核兵器国は本条約の締約国
(3)未締約国は、イスラエル、インド、パキスタン、キューバ

3.主な内容

第1条(核兵器国の義務)核兵器国※が非核兵器国に対し核兵器・核爆発装置を移譲することを禁止する。
第2条(非核兵器国の義務)非核兵器国がいかなる者からも核兵器・核爆発装置を受領せず、また製造・取得しない。
第3条(IAEAの保障措置)締約国である非核兵器国が核物質を核兵器の製造等に使用しないことを検証するため、全ての平和的な原子力活動にIAEAの保障措置を受ける。
第4条(原子力の平和利用)締約国は原子力平和利用の利益を享受する。第6条(核軍縮)締約国は軍縮交渉を進める。
第8条(運用検討会議)条約の運用を検討するため5年毎に運用検討会議を開催する。
第10条(脱退)各締約国は、この条約の対象である事項に関連する異常な事態が自国の至高の利益を危うくしていると認める場合には、その主権を行使してこの条約から脱退する権利を有する。
(期限)NPTの発効25年後に、その後無期限に延長するか期限(単数又は複数)付きで延長するかを決定する。

※核兵器国:第9条には、67年1月1日前に核兵器その他の核爆発装置を製造しかつ爆発させた国(米、露、英、仏、中)と定義されている。

4.NPT運用検討会議
(1)期  間:2000年4月24日〜5月19日
(2)場  所:ニューヨーク(国連本部)
(3)結  果:核軍縮・核不拡散分野における将来に向けた以下の前向きな措置を含んだ報告書をコンセンサスによって採択。
・CTBT早期発効及びCTBT発効までの核実験モラトリアム
・カットオフ条約の即時交渉開始及び5年以内の妥結を含む作業計画に合意することの奨励
・核廃絶を「究極的」目標としてではなく、「明確な約束」とすること

包括的核実験禁止条約(CTBT)の概要について

1.概要
 CTBTは、あらゆる核兵器の実験的爆発及びその他の核爆発を締約国の業務として禁止し、仮にこれらの実験的爆発及びその他の核爆発が行われた場合の国際的な監視制度による査察の実施を規定するものである。
2.国際監視制度
 核実験の実施を国際的に監視、観測するため、世界中に、地震学的監視、放射性核種監視、水中音波監視及び微気圧振動監視のための施設を設置予定である。我が国においては、科学技術庁において放射性核種監視に係る施設を、気象庁において地震学的監視に係る施設等を整備する予定である。

3.経緯及び現状

4.発効要件と署名・批准国


兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)
(通称:カットオフ条約)の概要

1.概要
(1)「カットオフ」の概念
 「核兵器その他の核爆発装置のための核分裂性物質(高濃縮ウラン及びプルトニウム)の生産禁止」のこと。

(2)条約の主目的
 核兵器国及びNPT非締約国(特にインド、パキスタン、イスラエル等)の核能力の凍結

(3)現在想定されている条約上の義務
 @核爆発装置の研究・製造・使用のための高濃縮ウラン及びプルトニウムの生産禁止
 A右目的のための高濃縮ウラン及びプルトニウム生産に対する他国による援助の禁止
 B条約遵守を検証する措置(おそらくはIAEA保障措置)の受入れ等。NPT締約国である非核兵器国については、既にIAEAの包括的保障措置を受け入れているので、カットオフ条約によって新たな義務は生じないが、核兵器国及びNPT非締約国については、検証措置を新たに受け入れる義務が生じる。

2.経緯

3.現状



(参考2)

IAEA保障措置強化・効率化方策の主な内容

 

第1部(現行の保障措置協定で実施可能な措置)
(1)情報提供の拡大
  @各国の国内保障措置制度
  A閉鎖、解体された原子力施設等
(2)原子力施設内における環境サンプリングの実施
(3)無通告査察の導入、拡大
(4)最新機器の導入、各国の保障措置制度との協力強化

第2部(IAEAに新たな権限追加が必要な措置→追加議定書)
(1)拡大申告
  @核物質を用いない核燃料サイクル関連研究開発活動
  A原子力サイト関連情報
  B濃縮、再処理等特定の原子力関連資機材の製造・組立情報
  C原子力関連資機材の輸出入情報
  D今後10年間の原子力開発利用計画等
(2)補完的アクセス
  @原子力サイト内
   −核物質を取り扱わない場所も立入が可となる。
  A原子力サイト外(研究開発、特定原子力関連資機材製造・組立場所等)
   −国が提供した情報に疑問、不一致が存在した場合
(3)アクセスの際の新たな手法
 放射線測定等従来の手法に加え、原子力サイト内外で環境サンプリングを実施
(4)その他
  @立入の適正手続(管理アクセス)
  AIAEAが入手した情報の厳格な管理
  B補助取決め(実施の手続きの細目を定めている)


核物質防護の現状について

 

 核物質防護とは、核物質の盗取などの不法な移転を防止するとともに、原子力施設や輸送中の核物質に対する妨害破壊行為を未然に防ぐことを目的とした措置であり、平和利用に徹し、安全に原子力活動を進める上で必要不可欠な措置である。

(1)国際的枠組み

「核物質の防護に関する条約」(1987年2月発効)には、核物質が国際間で移動する時に必要な核物質防護対策や、核物質にかかわる犯罪の処置などが定められている。
 この他、我が国と加、豪、中、米、仏及び英との間の二国間原子力協力協定においては、それぞれの国から我が国に移転された核物質に対して、適切な防護措置を採ることが義務付けられている。
 また、核物質防護に関するIAEAガイドラインにおいては、核物質の使用、輸送、貯蔵全般にわたる防護措置に関する国際的な共通指針が示されている。

(2)我が国における核物質防護
 我が国では、原子炉等規制法により、原子力施設や核物質輸送時の防護措置を事業者に義務付けている。
 具体的には、取り扱う核燃料物質の量に応じて3区分に分け、それぞれの区分に応じ必要とされる措置を法令により定めている。例えば、2kg以上のプルトニウムを有する原子力施設については、鉄筋コンクリート造りの障壁、金属探知器、常時監視等が義務付けられている。

(3)核物質の輸送情報の取扱いについて
@平成4年4月、科学技術庁原子力安全局長名で、輸送日時、経路等、輸送に係る詳細な情報は、不特定多数の者に公表することのないよう、情報の取扱いに慎重を期することを関係自治体及び事業者に対して要請。
Aその後、原子力開発利用に関わる諸活動の透明性の向上の観点から、情報公開の範囲を拡大する可能性について慎重に検討を行った結果、
 ○平成8年9月、天然ウランの輸送情報については、警備体制等を除き原則公開可能
 ○平成9年8月、天然ウラン以外の核物質については、
 とするなど、従来の取扱いを変更する旨を関係自治体及び関係事業者に対して連絡した。


国際プルトニウム指針について

平成12年4月
科学技術庁

1.趣旨

 プルトニウム管理に係る基本的な原則を示すとともに、その透明性の向上のため、参加国が保有するプルトニウム(平和利用のプルトニウム及び軍事目的にとって不要となったプルトニウム)の量を毎年公表すること等を定めた国際的な指針を策定するもの。

2.経緯
@1994年2月以来、97年9月まで13回の会合が開催され、指針について合意に達した。
A検討に参加した国は、米、露、英、仏、中、日、独、ベルギー、スイスの9ヶ国。他にIAEA、EUがオブザーバーとして参加。
B1997年12月、9ヶ国が国際プルトニウム指針の採用を決定し、その旨をIAEAに報告。
C1998年3月、本指針(INFCIRC/549)及び本指針に基づく各国のプルトニウム保有量・プルトニウム管理に関する政策についての通知書をIAEAが公表。

3.指針のポイント
@各国が、核燃料サイクル等のプルトニウム利用計画を明らかにするとともに、各国の毎年末のプルトニウム保有量を共通の様式によって、施設区分(再処理施設、加工施設、原子炉施設等)ごとに公表する。
A各国がプルトニウムの管理するうえでの安全確保、核不拡散等についての基本的な原則を示す。

4.2000年4月5日までに公表された各国のプルトニウム※保有量(1998年末現在)

(単位:tPu)
未照射プルトニウム使用済燃料中のプルトニウム
米国 45.0  327
ロシア1) 32.0   71
英国 69.1   45.9
フランス 75.9  158.8
中国  0 (報告対象外)*
日本  5.0   64
ドイツ  6.6   37.4
ベルギー  3.8   16
スイス  0.05以下    6
注)上記はそれぞれ自国内にある量。
1)1999年末現在
*中国は本指針採用にあたり、プルトニウム管理政策及び未照射
プルトニウム量についてのみ公表する旨表明。

※核分裂性プルトニウム及び非核分裂性プルトニウムの同位体の合計




原子力安全規制に係わる国際協力について

平成12年2月
科学技術庁
通商産業省

(1)原子力安全規制に係る国際協力の体系

(2)原子力安全規制に係る国際協力への我が国の取組み @多国間協力等

 イ.国際条約等

  • 原子力の安全に関する条約 (1996年10月24日発効、同時に我が国について効力発生、1999年4月に締約国による第一回検討会合が開催された)
  • 使用済燃料及び放射性廃棄物の管理の安全に関する条約(仮称) (1997年9月29日署名開放、未発効、我が国は未締結)
  • 原子力事故の早期通報に関する条約(1987年7月我が国について効力発生)
  • 原子力事故又は放射線緊急事態の場合における援助に関する条約 (1987年7月我が国について効力発生)

 ロ.IAEA(国際原子力機関)への対応

  • 各種諮問委員会
    国際原子力安全諮問グループ(INSAG)
    安全基準諮問委員会(ACSS)
     原子力安全基準諮問委員会(NUSSAC)
     廃棄物安全基準諮問委員会(WASSAC)
     輸送安全基準諮問委員会(TRANSSAC)
     放射線安全基準諮問委員会(RASSAC)
  • 重要安全事象評価チーム(ASSET)による安全評価
  • 運転管理調査チーム(OSART)による安全評価
  • 国際原子力事象評価尺度(INES)

 ハ.OECD/NEA(経済協力開発機構/原子力機関)への対応

  • 原子力施設安全委員会(CSNI)
  • 原子力規制活動委員会(CNRA)
  • 放射線防護・保健委員会(CRPPH)
  • 放射性廃棄物管理委員会(RWMC)
  • OECD/NEA・IAEA事故・故障報告システム(IRS)

 ニ.放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)
 ホ.原子力安全サミット(モスクワ)、原子力安全作業部会
 ヘ.アジア原子力安全会議
 ト.国際原子力規制者会議(INRA)


アジア原子力協力フォーラムの概要

1.目的
 原子力委員会が、近隣アジアにおけるにおける地域協力の具体化に向けて意見交換・情報交換を行い、地域協力に関する関係各国のコンセンサスを得ることを目的として、平成2年より11年まで近隣アジア諸国の原子力関係者が一堂に会する「アジア地域原子力協力国際会議」を毎年開催した。次回より、「アジア原子力協力フォーラム」と改称すると共に、各国国内システムを強化する。第1回原子力協力フォーラムを2000年秋頃、タイで開催する予定。
 また、本会議の枠組み下で、@研究炉利用、A放射線の医学利用、B放射線の農業利用、Cパブリックアクセプタンス、D放射性廃棄物管理、E原子力安全文化の各分野につきセミナー、ワークショップを通じた地域協力活動を実施している。
また、平成11年より、F人材養成の分野についても地域協力活動を開始。

2.参加国
 オーストラリア、中国、インドネシア、韓国、マレイシア、フィリピン、タイ、ヴィエトナム(第6回より)、日本(第10回会議より、IAEAがオブザーバ参加)

3.平成11年度の分野別地域協力事業概要
分 野地 域 協 力 事 業 概 要
研究炉利用 中性子散乱研究、RI製造、研究炉の安全な運転と保守の3分野に関するワークショップを平成11年11月29〜12月1日に日本において開催。
放射線の
医学利用
 子宮頸がんの放射線治療のための標準プロトコールのとりまとめと活用、子宮頸がん治療のための新手法等に関するセミナーを平成11年11月30日〜12月3日に中国において開催。
放射線の
農業利用
 突然変異育種の効率的な推進のため、植物の品種改良の選抜手法に関するセミナーを、平成12年1月24〜28日にインドネシアにおいて開催。
パブリック・
アクセプタンス
 第9回PAセミナーを平成11年10月19〜20日に日本において開催。ファックスを活用する情報交換ネットワーク(AsiaNNet)を継続するとともに、電子メール、インターネットホームページによる情報交換等、情報媒体の活用によるPAの推進を検討。
放 射 性
廃棄物管理
 放射性廃棄物管理のため、規制面、技術面に関するセミナーを平成11年11月7〜13日にフィリピンにおいて開催。全ての参加者は、放射性廃棄物管理の地域協力として、情報交換のための体制整備等のトピックスについて検討。
人材養成 原子力開発利用に係わる人材養成の現状と課題、ニーズ等について発表・討論し、相互認識の促進と、人材養成手法に関するセミナーを平成11年11月25,26日に日本において開催。


原子力科学技術に関する研究、開発及び訓練のための地域協力協定(RCA)の概要

 

1.概要
 RCAとは、IAEAの枠内で、アジア・太平洋地域の開発途上国を対象として、原子力科学技術に関する研究開発及び訓練計画を、促進調整することを目的とした協力協定。実施されるプロジェクトは、@農業、A健康、B工業、Cエネルギー/研究炉/廃棄物管理、D環境、E放射線防護、Fその他、7つのテーマプログラムに分類されている。

2.加盟国
 オーストラリア、バングラデシュ、中国、インド、インドネシア、日本、韓国、マレイシア、パキスタン、フィリピン、シンガポール、スリランカ、タイ、ベトナム、モンゴル、ミャンマー、ニュージーランド(17ヵ国)

3.我が国の協力プロジェクトの概要と参加機関
 我が国としては域内先進国の一つとして、開発途上国の重要課題である環境保全・工業利用、健康・医学利用、放射線防護の3分野について、以下のプロジェクトを中心に協力を実施中。
○環境保全・工業利用プロジェクト(日本原子力研究所を中心に実施中)
  • 非破壊検査
  • 放射線加工(ポリマーに関する放射線化学の応用、天然高分子の放射線加工)
  • UNDP/IAEA/RCA共同プロジェクト(農業廃棄物利用、電子伝達網の整備と技術支援)
○健康・医学利用プロジェクト(放射線医学総合研究所を中心に実施中)
  • 核医学(肝疾患診断のための画像化、甲状腺機能亢進症の放射性ヨード投与治療の標準化)
  • 放射線治療の品質管理(放射線治療システム技術向上)
○放射線防護プロジェクト(日本原子力研究所、核燃料サイクル開発機構、放射線医学総合研究所を中心に実施中)
  • 個人線量計の相互比較
  • アジア標準人の設定
  • 放射能測定の相互比較




国際熱核融合実験炉(International Thermonuclear
Experimental Reactor,ITER)計画について

○ITER計画とは

人類の恒久的なエネルギー源の一つとして期待されうる核融合エネルギーの科学的、技術的な実現可能性を実証することを目標として進められている国際共同プロジェクト。

○技術目標

燃焼プラズマの制御技術の確立
原型炉の開発に必要な炉工学技術の基礎の形成

○コスト

本体建設費のみの見積もりで4千数百億円
その他、付帯的経費、立地地点固有の経費等を含めると5千億円規模
なお、コストの各極分担については国際的な検討課題

○経緯

 ●1985年米ソ首脳会談(レーガン-ゴルバチョフ)時の核融合開発推進の共同声明

 ●1988年〜1990年概念設計活動

 ●1992年7月〜1998年7月工学設計活動
日本、米国、EU、ロシアにより、世界3地域(日本:那珂町、米国:サンディエゴ、EU(独):ガルヒンク)を拠点に工学設計活動を実施。

 ●1998年7月から3年間(2001年7月まで)工学設計活動を延長。
米国撤退後は日本、EU及びロシアの3極により継続。

 ●ITER共同実施協定に関する非公式政府間協議を2000年4月より開始。

○工学設計活動の成果

 ●超伝導コイルの開発
発熱を従来の1/5に抑えた高性能超伝導線を開発し、日、米、EU、ロシアの4極で分担・製作してITER級の超伝導コイル(外径3.6m、高さ2.8m、重量100t)を完成し、ITERで必要とされる強い磁場(13テスラ)を実現。

 ●真空容器の製作技術の開発
断面の幅5m、高さ15mの真空容器の部分試作をし、高い精度(±5mm以下の精度で溶接、組立)で製作する技術を開発。

 ●ブランケット(中性子を受け止め熱エネルギーに変換する機器)製作技術の開発
熱伝導に優れ強固な筐体(容器)を開発。

 ●ダイバータ(プラズマからガスを排気する機器)製作技術の開発
最も熱負荷の高い原子炉の燃料棒の10倍以上の熱に耐えることを実証。

 ●遠隔保守用ロボットを開発 ブランケットなどの核融合炉内の重量物(約4t)を高い精度(20m先で±2mmの精度)で扱う遠隔操作機器を開発。



ISTC(国際科学技術センター)について
(ISTC:International Science and Technology Center)

1.目的
 @旧ソ連諸国の大量破壊兵器(核兵器、化学兵器及び生物兵器)に関連する技術及び専門的知識の拡散を防止すること(科学技術協力を通ずる不拡散)。
 A右を通じ、CIS諸国の市場に基礎を置く経済への移行を強め、平和目的のための研究及び技術開発を支援すること。

2.経緯
 @冷戦終結後、それまで旧ソ連下で大量破壊兵器の開発・製造及びミサイル運搬システムに従事していた科学者・技術者が、彼らの仕事が減少したことに伴い、北朝鮮、イラン、イラク、リビア等の国々へ流出する危険性が高まった。
 Aかかる背景を受けて、これらの科学者・技術者の上記の国々への流出を防ぎ、彼らに対し平和目的の研究プロジェクトを提供するべく、92年11月、米、EU、ロシアの4極は「国際科学技術センターを設立する協定」に署名を行った。
 B同協定への署名後、一定の準備期間を経て、94年3月、ISTCがモスクワにて発足した。
 C以後99年10月の第20回運営理事会までに総数835件、総額約2億2,800万ドルのプロジェクトの支援を決定、ISTC設立以来約24,000人の科学者・技術者が対象となってきている。

3.加盟国等
 @現在の加盟国は以下の通り。
<支援を受ける側>
ロシア、アルメニア、ベラルーシ、グルジア、カザフスタン、キルギスタン。
<支援側>
日、米、EU、韓国、ノルウェー
 A各極の支援表明額の内訳は、以下の通り(99年11月現在)。
日本:約3,100万ドル、米:約9,000万ドル、EU:約8,700万ドル、その他約2,000万ドル。

4.組織
 @運営理事会・任務:センターの方針及び手続規則の決定、プロジェクトの承認等。
・日、米、EU、ロシアの4極がその原理事国。
 A事務局・任務:プロジェクトの契約、実施、監査、プロポーザルの検討・配布等の一般事務、運営理事会の準備等。
・事務局長、事務局次長、職員等約120名で構成。
 B科学諮問委員会(SAC:Sciecne Advisory Committee)
・任務:支援要請されているプロジェクトにつき、運営理事会に対し科学的助言を与えること等。

5.パートナー・プログラム

 民間企業等国以外の機関(パートナー)によるプロジェクトへの支援に関する規則「パートナー・プログラム」が第13回運営理事会において承認され、各支援極ともパートナーが参加している。
我が国では、年3〜4回程度企業説明会を行っており、これまでに14社・機関がパートナーとして承認されている。


国際原子力機関(IAEA)の概要とその職員構成について

1.IAEAの概要
(1)発 足
  • 米国の提唱を契機に1957年7月、国際原子力機関憲章に基づき設立
  • 本部所在地:ウィーン(オーストリア)
  • 我が国は設立当初からの原加盟国
(2)目 的
  • 世界の平和、保健及び繁栄に対する原子力の貢献を促進し、増大する。
  • また、その管理下で提供された援助が軍事的目的を助長するような方法で利用されないように確保する。
(3)加盟国 130ヶカ国(1999年12月)
(4)組 織
  • 総会:全加盟国の代表者で構成され、通常年1回(9月)開催。
  • 理事会:99年現在、35ヶ国で構成。我が国は、理事会指定理事国。
  • 事務局:職員総数約1,800名(内邦人職員23名*1)
  • 事務局長:モハメドエルバラダイ(エジプト出身)
(5)予 算
  • 2000年通常予算:約2.2億米ドル(約231億円)
  • 2000年の我が国の分担率は約20.2%で、米国の25%に次いで2番目
(6)主な業務
  • 開発途上国に対する原子力平和利用分野での技術協力
  • 核物質等が軍事的目的に転用されていないことを検認するための保障措置の実施
  • 原子力発電、核燃料サイクルの安全性に関する調査検討の実施
  • アイソトープ、放射線利用、核融合等の研究分野での活動の実施

2.IAEAにおける地域別職員構成
 1998年6月時点における総職員の42%を占める専門職・上級職員(928名)の構成は以下のとおり。(IAEAデータより)
 極東8.4%(うち、日本:2.9%*2)
 東南アジア及び太平洋4.6%
 中東及び南アジア7.2%
 アフリカ7.8%
 東欧13.4%
 西欧30.0%(うち、英:4.6%、独:4.3%、仏:2.5%)
 南米8.4%
 北米20.2%

*12000年3月現在、この他にコストフリー職員16名が勤務
*2この中には、コストフリー職員は含まれていない。
*3IAEAホームページ・アドレス http://www.iaea.or.at


経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)の概要について

 

○NEAの概要

(1)沿革
 1958年2月欧州経済協力機構(OEEC)欧州原子力機関(ENEA)設立
 1965年2月日本準加盟
 1972年4月日本正式加盟。名称をNEAに変更
 本部所在地:イシレモリノ(仏:パリ郊外)

(2)目的
 参加国政府間の協力を促進することにより、安全かつ環境的にも受け入れられる経済的なエネルギー資源としての原子力の開発をより一層進めることを目的とし、原子力政策、技術に関する意見交換を主に行う。また、行政上・規制上の問題の検討、各国法の調査及び経済的側面の研究も実施。

(3)加盟国27か国
 オ−ストラリア、オ−ストリア、ベルギ−、カナダ、チェコ、デンマ−ク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イタリア、日本、韓国、ルクセンブルグ、メキシコ、オランダ、ノルウェ−、ポルトガル、スペイン、スウェ−デン、スイス、トルコ、イギリス、アメリカ合衆国。

(4)組織
 機関の活動は、NEA運営委員会にて政策的な決定を行い、より詳細な内容は常設技術委員会及びその下部に設置されたワーキンググループ等により実施。
 ・NEA運営委員会:春及び秋の年2回開催。
 ・事務局:職員総数約72名(内邦人職員3名、割合は約4%)
 ・事務局長:ルイス・E・エチャバリ(スペイン出身)

(5)予算
 ・1999年通常予算(データバンク事業を含む):約75百万FF(約15億円)
 ・我が国の分担率は23.81%で米国に次いで2番目の拠出割合
   (データバンク事業については分担率は25%で一位)

(6)主な業務
 ・各常設技術委員会を通じた情報交換及び政策に関する討議
 ・デ−タバンク事業への参加
 ・NEA傘下コンソーシアムによる共同作業