長期計画第六分科会(第3回)議事概要
1.開催日時:1999年11月11日(木)10:00〜12:30
2.開催場所:科学技術庁 第1、第2会議室
3.出席者
委 員:
下山座長、田中座長、相澤委員、青木委員、草間委員、栗原委員、黒澤委員、鈴木委員、千野委員、十市委員、長瀧委員、日浦委員、舛添委員、松浦委員、真野委員、渡邊委員
原子力委員:
藤家原子力委員長代理、遠藤委員、木元委員
科学技術庁:
中野国際協力・保障措置課長
外務省:
北野科学原子力課長
通商産業省:
国吉原子力発電課企画官
4.議題
(1)開会
(2)今回初参加委員からの御発言
(3)アジア協力に関する論点
(4)核不拡散に資する国際協力について
(5)閉会
5.配布資料
資料1
長期計画策定会議第六分科会(第2回)議事概要
資料2
アジア協力に関する論点の整理
資料3-1
今後の保障措置のあり方
資料3-2
核不拡散政策に貢献する技術開発
資料4
核不拡散を巡る諸問題
資料5
核軍縮・核不拡散に関する政府の立場及び取組み
資料6-1
余剰兵器プルトニウム管理・処分に係る各国プロジェクト
資料6-2
ロシアの解体核プルトニウム処理処分に係る協力について
資料7
保障措置の現状と課題について
資料8
核拡散抵抗性技術について
資料9
核不拡散に係る原子力政策の取組みの強化のための具体的方策について
資料10-1
IAEAの概要
資料10-2
OECD・NEAの概要
資料10-3
国際エネルギー機関の概要
参考1
リチャードソン米国エネルギー省長官のIAEA総会演説−抜粋−
参考2-1
潟Wェー・シー・オーの核燃料物質加工施設の事故概要について
参考2-2
JCOウラン加工施設の事故に係る国際対応
参考2-3
Materials for Briefing
参考2-4
緊急提言・中間報告
参考2-5
法律案骨子
参考2-6
JCOウラン加工施設での臨界事故について(ニュースレター)
6.議事の概要
(1)開会について
下山座長より開会の宣言があった後、JCO事故関連情報について、前回会合から新たに発生した状況について、情報等をまとめて参考資料として配付していることについて、説明があった。
(2)今回初参加の委員からの御発言
今回初参加の鈴木委員より、本会合に臨むにあたっての所信表明があった。
第一点:将来の国際協力の観点からの原子力
我が国は従来、エネルギーセキュリティーの観点からエネルギーの輸入、特に中東への依存を減らすとの観点からエネルギー源の分散化を進めてきた。現在エネルギーの65%が石油に依存しており、その内85%が中東から来ている。従って、現在エネルギーの50%を中東に依存しているが、これは先進国では日本のみではないか。今後、原子力を日本のエネルギー源と見る場合にこれをどう考えるか。エネルギーミックスにおける原子力の位置付け、国際関係における原子力を考えるべきである。
第二点:欧米キャッチアップからの脱却
従来、欧米にキャッチアップすることで原子力開発は進んできたが、ここまで進んだ段階でこのままでよいのか。ポスト冷戦でも米国はその地位を守るために国立研究所で10万人をかかえており、その内5万人が非軍事部門で働いている。米国はナショナルセキュリティーの観点から、原子力技術を位置付けていることが背景にあるが、非核保有国として日本はどう考えるのか。ナショナルセキュリティーと言うと誤解されやすいが、原子力技術にはこのような面があり、非核保有国のナショナルセキュリティーとしての考え方がこの分科会で議論されればと思う。
(3)アジア協力に関する論点
下山座長より、前回会合において議論されたアジア協力に関する対応について、資料2に基づき以下の説明があった。なお、本議事については、次回会合において審議を行う予定であり、各委員にはそれまでに本資料を基に検討を進めるよう、座長より依頼があった。
協力の目的と意義
目的の設定が重要である。昨今の原子力問題や核不拡散との問題でどのように考えるのか。昔は大型プラントの輸出による産業育成という意義もあったが、これは民間ベースの話。国として積極的にアジア協力を打ち出すのであれば、どのような目的を持って行うのか明らかにする必要がある。アジア各国の原発の安全の確保、核不拡散の確保か、原子力プラントの輸出促進か。もう一度議論の必要性がある。将来のアジアのエネルギー環境問題の展望の果たす役割とか意義は解るが、それがプラントを輸出する目的にはならないのではないか。
原子力発電分野における協力
既に原子力発電をやっている国と将来のオプションとして考えている国とでは対応が異なるのではないか。田中共同議長の指摘した赤福論をもう少し詰める必要がある。その際の官民の役割は、メーカー、電力の自発的な活動を主体とするものでよいのか。あるいは途上国が原子力発電を導入するには、ハード、ソフト面でのインフラ整備が必要であり、相手国が原子力発電を受け入れやすくなるように、政策面等も含め、すそ野の広い協力を行っていくのか。日本の30年間の経験で一種のコンサルタントとして官民で協力するのか。これからプラントを導入したいとする国、核燃料サイクルのダウンストリームの課題を解決したい国などそれぞれ段階の違う国を相手に、個別に対応する必要がある。
非発電分野の協力
原子力発電を進めるか否かに関わらず、非発電分野での協力が有望との議論があったが、この推進については例えば、従来のアジア地域原子力協力国際会議から発展して各国がコーディネータをおいて活動している「アジア原子力協力フォーラム」といった枠組みを現在整備しているところであり、そうした取り組みを利用することも考えていくべき。
原子力の協力について、我が国の外交政策と研究開発計画の中でどう捉えるのか。
備忘録として項目をとりまとめた。十分な議論を行っていないが、我が国外交政策上、原子力分野の協力をどう位置づけるか。ODAは非発電事業には利用されるが、原子力発電への利用は困難。原子力発電を導入する場合、途上国では資金が最大の問題である。通常の輸出金融では債務国は対応困難である。BOTなどのリスクを犯してもやるのか等の議論がある。中小型炉については、国内で技術的に確立していないと輸出できない。また、他の分科会の国際的側面をどうとらえるのかといった問題もあり、今後他分科会との摺り合わせが必要。
最もセンシティブであるが故に、従来一般論にとどまっていたのが、原子力発電分野での国際協力である。具体的には、中国に対してどうするのか、韓国に対してどうするのか、原子力発電導入に熱心なベトナム、それに続くタイについてどうするのか、という問題があり、民間のやるべきこと、国のやるべきこと、を明確にした指針の提示をお願いしたい。中国は核保有国であり、韓国・その他の国々は非核保有国であり、核不拡散体制がしっかり実施されている否か等、各国それぞれ異なる対応を必要とするかもしれないが、ざっくばらんな議論をお願いしたい。
(4)核不拡散に資する国際協力について
栗原委員より、資料3-1、3-2、参考資料7、8を引用しつつ、今後の保障措置のあり方、核不拡散政策に貢献する技術開発についてPointofDiscussionの説明がなされた。続いて黒澤委員より、資料4、5を用いて核不拡散を巡る諸問題についてPointofDiscussionの説明がなされた。以下、各委員から発言があった。
技術的には栗原委員の述べた通りである。国際政治の観点からは、黒澤委員の説明通り米ソの冷戦が終わり、現在は米国とNATOが世界を管理しており、これは今までの枠組みと異なるのではないかと考えている。
旧ソ連の核兵器解体により余剰プルトニウムが大量に発生することや、我が国のリサイクル・システムがうまくいっていないことを踏まえれば、リサイクル一辺倒ではなく、ワンス・スルーとの2本立てでいったらどうか。旧ソ連のプルトニウム処理は国際管理上大きな問題である。
冷戦で勝利した側について言うと、コソボ問題を見ると国連が無力化していることがわかる。米国やNATOの動きについて、コントロールが効かなくなった時にどうするのか。インド・パキスタンも両国が全面的に悪いわけではなく、核兵器国の軍縮が進まないのになぜ自分たちが一方的に制裁されるのかという説明は、ある意味で論理が通っている。
CTBTを米議会上院が否決したが、これは単にクリントン政権に打撃を与えようとする目的だけではないように見えるが、どのように考えるか。
共和党は、米国が核実験を止めても他の国々は実験を止めないのではないかということについて懸念するとともに、核実験が実施されたことを検証するのは技術的に困難であるとの情報が流れたことから、批准を反対したと聞いているが、実際は次の大統領選挙をにらんだ動きが6〜7割ではないだろうか。クリントン大統領は核実験をしないと公言しているが、米国の批准否決は、ロシア、中国への影響(条約を批准しないこと)大である。
CTBTは米国がリードしてきたのに、その役割を放棄しているので混乱を感じる。
国際連盟を提案した時と同じではないかと考える。米国は現在、モンロー主義というか、国内向きとなっている。ユーロ(ヨーロッパ)に頑張ってもらうしかないという気がするが、コソボの時も多少ドイツが反対したが、米国とNATOが支配していた。
2週間前に米国で議論したが、結局、これが民主主義だと(米国人は)言っていた。米国はInternationalistになったりIsolationistになったり、立場がゆれることがある。
最近の米国の核不拡散政策に変化はあるのか。
特にないが、強いてあげれば米国の政策は、1993年あたりからNonProliferationからCounterProliferationに変化してきている。TMDやイラクの地下施設破壊もそうだが、核に限らずどこかの国が、何か大量破壊兵器を作ればそれを破壊する方向で対抗することを考えている。
長崎、広島市長は被爆地の市長として国際的に著名ではあるが、広島ランゲージ、長崎ランゲージがインターナショナルランゲージなっていない。一方、人体の被爆影響について、我が国被爆者のデータを元に、外国人がそれを放射線防護に分析・解釈して、その結果を日本人が教えてもらっているという奇妙な現象が起こっているのが現状である。日本はもっと被ばく国という立場と原子力平和利用を組み合わせて用いることにより、国際的にイニシアティブをとれるのではないか。
米国では内政が順調にいっているので、共和党としては、クリントン大統領の民主党をたたくには外交問題しかない状況にある。国際的には米国がユニポーラとなり圧倒的に優勢な状況にあるため、議会は、米国が世界のイニシャティブをとらなくても米国は大丈夫との認識がある。CTBT批准否決の問題は、CIAが(なぜCIAが出したのか不明であるが)核実験実施の検証が技術的に困難との意見を出したことが引き金となったと聞いている。私は、CTBTについては、時間はかかるが何らかのレジーム、内容は若干変わるかもしれないが、出来ると考えている。
核不拡散については、保障措置を含めて日本がどう取組み、貢献するかが問題である。そのためには、まず日本が世界の原子力平和利用の推進に、また、原子力に係る国際的なルールメーキングに、どのような国際貢献をしてきたのか、特にIAEAの活動にどう貢献してきたが、リストアップするとよい。IAEAでどのような貢献を日本がやってきたのか、IAEAを日本がどう捉えるのか、この分科会で議論するとよい。
外務省でリストアップ可能か。この問題は次回取り上げるので、その際にご紹介いただきたい。
1970〜1971年のNPTの成立は画期的なことであったが、このNPT条約に基づく保障措置実施協定の作成については、今井大使ほか日本人が大きく貢献した。条文については、その3/4は日本が提案したものから成り立っている。なぜ日本が出来たかというと、日本は既に日英協定、日米協定下でIAEAの査察を受けており、最も経験を有していたことによる。
核テロリズムについては、最近ニューヨークで新しい条約を作る会議があり、また、核物質防護の見直しの機運がある。しかし、原子力関係者の関心は薄い。情報は外務省、警察には届いているかもしれないが、核物質防護は施設での管理と輸送が最も影響を受けるので直接関係する産業界も議論に入っていただきたい。
核物質防護には、施設における問題と輸送をどうするかという問題がある。現行の核物質防護条約は、国際間の輸送を対象としており、国内ではガイドラインに基づき、それを元に実施している。
核物質防護条約、ガイドラインの見直し状況及びそれに対する国内措置に関する現状、今後の方針についてはどうなっているのか。
今提案されているガイドラインの改正案では、新たに国側が、各核物質取り扱い施設の脅威度(DesignBaseThreat)を決め、その脅威度別の基準に従って各施設を建設するとともに、その施設を国が規制する内容が盛り込まれている。また、原発に対するサボタージュについて、意図的にチェルノビルのようなことを行うのをいかに阻止するのかについて、国内の法整備を行うことも盛り込まれており、微修正というようなものではないと思っている。
話が戻るが、我が国の過去の国際貢献をリストアップする話については、私も賛成するが、単に行ったことのリストアップでは足りない。その際、そうした貢献(例えば非核三原則)についての考え方、根拠を改めて再整理して、国民に提示できるようにすること。日本が何をしてきたのか財産目録として国内への意識浸透という意味もある。
西村政務次官の発言に対する投書を見ると、非難の声が多い中で、(核保有について)なぜ議論をしてはいけないのか、議論すべきではないかとする意見もかなりある。確か文化放送が行った調査だったと思うが、議論すべきでないとする意見よりも議論すべきという意見の方が上回っていたと記憶している。
では何を話すかというと具体的イメージを持つ人は少ないようで、「非核3原則」や「被爆国」といった事柄が風化しているようである。
査察を受ける立場から、サイクル機構、原研、電力の方々の意見を聞きたい。
JNCは再処理、MOX燃料施設があり、日本が受けるIAEA保障措置のかなりの割合の査察を受けている。関連技術の開発も行い、credibilityの向上に努力している。
核兵器解体については技術的貢献を行っており、ロシアについては、共同研究を実施しているところ。米露間には、政府間の協定があるにも関わらず、協力の実効があがらないといった問題が発生しているが、現在、日露間には、本協力に関する政府間の協定は存在せず、研究機関のみが参加しているのでますますリスクが大きい。米国関係者より、早く政府間の協定を取り結ぶべきであるとの助言を受けている。
電力業界は、核拡散をしない、余剰プルトニウムを持たない、サイクル事業の推進を中心に実施してきた。本日のテーマでは、電力はキーパーソンとはならないと思うが、基本的に電力としては、なぜ我が国において原子力発電が必要なのかということを国際社会で繰り返し発信してきた。これは単純でも繰り返すことに意味があると考えており、特になぜリサイクルかという事については何度も繰り返してきた。
解体核に係る国際協力については、国と国との間の関係もあり、困難な面もあるが、個人としては、経済性があれば平和貢献のひとつとして解体核を発電所で利用できないかという「願望」を持っている。
3点申し上げる。まず、原研には高濃縮ウランとプルトニウムがかなり存在し、相当量の査察を受けている。査察は重要であるが、逆に研究が阻害されることも危惧している。現在の査察は研究を阻害するようなことはないが、今後93+2が適用されるようになると、原研の全ての活動が該当する可能性があり、相当考えないと研究を阻害する場合があると考えている。
保障措置技術の研究開発は原研でも行っているが、本分野の技術開発は検証のための、撮影技術や検認技術など地味なものが多く、技術開発が更なる技術開発を呼ぶようなこともなく、行き止まりの技術であるため、重要な分野ではあるが、研究者・技術者に魅力を感じさせない。
核不拡散性が高く、安全性が高く、経済性も高いシステムとしては、既に軽水炉のワンススルーシステムが確立されている。保障措置は再処理してプルトニウムを利用するときに特に重要となる。米国大統領諮問委員会が6月に出した報告を見ると原子力を長期的にやっていこうとする場合でも、ワンススルーで行けるという結論になっている。日本で研究開発の進んでいる海水ウランの利用技術を使えば、3000ギガワットで6500年利用可能とのことである。3000ギガワットとは、現在の世界の原子力発電容量の10倍にあたる量であり、また海水ウランの利用コストも、1バレル3.5ドルの石油を使うのと同程度のコストと報告されている。それでも日本はプルトニウムを利用するということであれば、日本はその理由をわかりやすく説明し、対外的に発信することが必要。
千野委員の発言にあるように、西村政務次官の発言に対して、なぜ日本が核武装しないのかについて、日本には非核三原則があるからという説明だけでは、国際的に理解されない。なぜ非核三原則なのか議論をすべきである。
日本の対応として、INFCEの時に、日本は核燃料サイクルが重要であるとして乗り切ったが、不拡散性の高い技術とInstitutionalに拡散を防ぐ方法としてのマルチの国際機構の議論にどのように対応するのか、原子力基本法と非核三原則だけでは外国の理解は得られない。その様な問題については如何か。
難しい問題。センシティブな問題として国際的交渉の場で答えが出ないものである。外国で国際的な政策を立てている人からすると、このような公開の分科会で国際的な政策を立てているのは奇異に感ずるであろう。米国でこの問題に感心があるのは一握りの人たちである。
例えばオーストラリアの世論調査では80%の人が日本は核兵器国だと思っている。こうした状況をどう考えるか、これについても議論する必要がある。
良くされる議論にワンススルーと核燃料リサイクルのどちらが良いかという話があるが、結局Portfolioが重要であり、どっちがよいかという議論は単純過ぎる。核不拡散は重要であるが、この場で議論して報告としてまとめるべきことは、JCOの事故に対するリアクションであり、外国のマスメディアは、日本は原子力の開発を行う資格があるのかといった姿勢であり、それに対する反論を議論すべきである。
海外の論調を見ると、逆にそれだけ日本に対する期待は大きかったのかとも思う。同様の事故については数年前にロシア国内でも発生しているが、ほとんど取り上げられなかった。日本は安全に平和利用に限定し、大きな事故を起こさず、核兵器も作らずに原子力を利用する国としての期待が大きかったのではないかと思う。
私も国際法律学会で事故の話をしたが、質問はなかった。あまりに気の毒で聞くに聞けないというのが周りの印象である。
国際問題については、機微なところもあり、長計策定会議の本会合においても、議事は原則公開とするが、国際協力については配慮すべきとの意見もあったので、今後検討したい。
日本の経済ミッションが中国の朱鎔基首相にあった際、JCOの事故については、中国国内でも原子力を将来どうするかとの議論があるとのことで他人事ではないという認識であったとのことである。核不拡散について、地域的枠組みに関し、米国が主導して使用済み燃料・プルトニウムの国際管理の構想があり、本問題に関連した国際会議が最近開かれたと聞くが、関連動向及び日本の基本的考え方はどうか。
先月、米国のイニシャティブで会議があったが、会議の結論は、基本的にはまず各国がそれぞれ責任をもって管理・処分する事でまとまったと聞いている。
それについては、次回、事務局の方から説明をお願いする。
JNCは、アクチニドの燃焼についてロスアラモス研究所と共同研究しているのか、また米国は国としてアクチニドの燃焼についてどのような政策をとっているのか。
米国の研究所でも実施しており、JNCも研究者ベースの情報交換はやりとりがある。ただ、ロスアラモス研究所では加速器によるアクチニド燃焼の研究を行っているので、テーマから考えれば、JNCではなく原研の方がむしろ近い。
そもそも米国はカーター政権以来、核不拡散を世界に広めるために核拡散抵抗性の高い技術の推薦を行っており、その観点から核拡散抵抗性技術の開発も積極的に進めている。JNCとしても当然核拡散抵抗性については、常に配慮しながら研究開発を進めている。
CTBTへの米国のリーダーシップに関する感想と日本発の秩序形成能力が問われているのでこれについて述べる。
11月にルービン財務長官と話した際に、中国に対する米国の政策について聞いた。WTOへの加盟を目指して朱鎔基首相がクリントン大統領を訪問した際、朱首相のカバンには金融の考え方と中国からの鉄鋼と繊維に関する考えが入っていた。クリントン大統領は中国の提案を受け入れるつもりであったが、これでは議会が持たないとのルービン財務長官の考えが通り、米中交渉はうまく行かなかったという話であった。
今日の米国議会では、対外関係においてIsolationism、最近はmoralistickなアプローチと言われる動きが起こっており、政府と議会との間でも国際社会への見識にずれが生じている。米国は、今やラテンアメリカが崩れても米国への影響はないと考えており、同じく中国の人民元が崩れても影響はないと認識している。東アジアの経済回復に日本の円高が貢献したと説明すると、あの事情に詳しいルービン長官ですら、そうではなく、クロニルキャピタルをIMFその他によって米国が追い込んだことによるものと主張して譲らない。このような状況で米国を動かすにはエビデンスを示す必要がある。どのようなタマをなげてどのような成果が得られるのか考える必要がある。CTBT批准否決の場合、米国内では、人権抑圧している国が核に手を付けたら、その時は米国が力を発揮すれば良いとのロジックが構成されているが、それではだめだというロジックを作る必要がある。
国際関係において我が国は、これまで自分が加害者にならないことをもって相手を説得してきたが、今後はいかなる秩序を形成するのかを示していく必要がある。我が国が核武装しないということからどのような世界秩序が形成されるのか示さないと、どこにどのような世界秩序を作るのか問われた時に、はたと当惑してしまう。
相手からどのようなカードを引き出すのか、ゲームセオリーは国際社会に流布していて、多くの人が納得する考え方であるが、そのゲームセオリーを使ってでも、非核武装が世界秩序を形成することを示す必要がある。
米国は国際正義を標榜する国であり、sotisphicationがないと国際社会で通用しない。
本日の保障措置の話で核物質テロに関する話が出たが、核のテロとしてどのような形態が考えられるのかリストアップをお願いしたい(米国映画「ピースメーカー」のストーリーの真実性はどうか)。
相談してご希望に添うようにしたい。
(5)閉会
事務局より、第4回会合は12月10日14:00から16:30まで、場所は第3回会合と同じく、科技庁第1、2会議室で行う予定である旨連絡があった。
議題は国際機関の活用とともに、地域的展開として、アジア協力のあり方及び米国、西欧、旧ソ・中東欧について議論することとし、米国・欧州については相澤委員、旧ソ連・中東欧については、渡邊委員より、それぞれPointofDiscussionをお願いする旨座長より発言があった。
以上