第2章 我が国の原子力開発利用の在り方
3.原子力開発利用の基本方針
(4)原子力科学技術の多様な展開と基礎的な研究の強化
○原子力技術→今後とも多様な展開を図っていく。
・放射線利用
○科学技術の発展は常に進取の精神から生まれる。
・多様化、高度化する原子力のニーズに適切に対応
・国民の福祉の一層の向上
・知的ストックの蓄積への我が国の貢献
→既存の原子力技術の高度化のみならず、新しい原子力技術の創出が必要。
→基礎研究の積極的な推進、フロンティア領域等における研究の重点的な推進による幅広い技術基盤の強化を図る。
第3章 我が国の原子力開発利用の将来計画
8.原子力科学技術の多様な展開と基礎的な研究の強化
(3)放射線に関する研究開発
@放射線利用に関する研究開発
A放射線の生物・環境影響に関する研究開発
B放射線利用技術の普及・拡大
10.原子力開発利用の推進基盤の強化
(1)原子力人材
@原子力に関係する人材問題への対応
A人材の養成と確保
(2)資金
・多様な手段を用いることによる確実な確保
・限られた資金の重点的、効率的、効果的な活用
・国と民間の役割分担に対応した適切な資金分担
・厳正な評価による計画の弾力的な見直しにより資金の効率化を図る。
(3)研究開発の推進体制と研究基盤の高度化
@研究開発機関の役割分担
(イ)民間の役割
(ロ)政府関係研究開発機関の役割
(ハ)その他の国の関係機関、国立試験研究機関、大学等における役割
A研究基盤の高度化
B研究開発機関間の連携強化
(「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」平成6年6月24日 原子力委員会決定より)
| 「人」の視点に立った、生活に「安心」をもたらす放射線利用 |
○放射線・放射能の概念は物質や宇宙など自然を理解するための基礎概念として極めて重要な役割を担っている。
○放射線利用の恩恵の受け手である一般の国民には、その実態が十分に理解されておらず、一種の懐疑と警戒感が先行。
○警戒感を払拭し、安心感を醸成する努力がこれまで以上に求められている。
放射線利用の現状と今後の展望
(1)医学・医療分野での放射線利用
○21世紀の医療においては、単なる病気の治癒だけでなく、治療の安全性はもとより、患者の苦痛の軽減や生活の質(QOL)向上等への期待が一層高まっている。
(2)環境保全、福祉の向上に貢献する放射線利用
○クリーンで省エネルギーを特徴とする放射線プロセス利用が一層の拡大期に入っている。
(3)安全で衛生的な食品流通と食糧の確保に貢献する放射線利用
○地球規模の環境悪化と人口増加のため、食糧の損耗防止と衛生化のための技術開発は緊要。殺菌、殺虫技術としての食品照射に対しての期待は高まっているが、安全性に対する消費者の理解は十分に得られていない。
→理解増進活動の強化、行政の積極的な関与が必要
(4)人類の将来のための放射線技術の利用
○人類の活動範囲が宇宙へと拡大する中で、宇宙環境の特異な放射線の把握、その人体影響及び防護は21世紀の重要な課題。
(5)放射線利用に係る国際貢献
○医療・福祉の向上、食糧・エネルギーの確保、環境保全の解決手段として大きな可能性。
○先進国の技術移転と安全な利用に向けた技術の国際的調和の必要性。
○人材養成、共同研究、情報交換、施設の共同利用等を通じた互いの補完により、原子力平和利用の開かれた国際環境を築く。
放射線理解の増進に向けて
(1)放射線の生物影響と防護方法
○原爆及びその後の経験の蓄積と科学的研究により、放射線障害や健康影響に関する知識の格段な増大。
○放射線の有用性と有害性に関する理解は広く社会に浸透しているとは言いがたい。
→放射線の生物影響に関する科学知識を、21世紀には人々の常識として普及させる必要あり。
(2)放射線教育
○国民の中で放射線に対する正しい知識が十分に浸透していない。
・初等教育における取り組みの低調さ
・放射線・放射能の基底にある概念の複雑さ
→生徒の興味を引くような授業へのやさしい導入法の考案の必要性。
(平成10年度「原子力研究開発利用長期計画の予備的検討に関する調査報告書」より)