ユーザーの立場からの期待
(放射光利用に関して)
1999年11月29日
平井康晴
- 1.放射光利用の現状
- 1)形態
2)経緯
- 2.新しい利用技術への期待
- 1)光源
2)ビームライン
3)実験装置
- 3.研究および支援体制への期待
- 1)現場レベル
2)施設レベル
3)今後
1.放射光利用の現状
- 1)形態
ビッグサイエンス(加速器科学) → スモールサイエンスの集合
図 放射光の輝度比較と利用分野
- 2)経緯
- 1960、70年代 第1世代放射光源の利用 :官・学
- 1980年代 第2世代放射光源の利用 :官・学・(産)
数社が専用ビームラインを建設・利用
X線リソグラフィ、光化学反応、材料の構造/組成解析- 1990年代 第3世代放射光源の利用開始:産・官・学
1990年初電機、通信、精密、鉄鋼、化学、薬品利用経験 数十社以上
利用技術 XAFS,回折、蛍光分析、リソグラフィ
機器開発、光化学反応…
- 2.新しい利用技術への期待
- 1)光源 → 加速器科学の進歩に依存
高輝度 :電子ビームエミッタンス
大強度 :ビーム電流値
可干渉 :電子ビームエミッタンス
可変偏光:電子ビーム加速方向
<<光源のコンパクト化>>
- 2)ビームライン → 材料工学、精密加工技術、通信・ソフト技術に依存
光学系(単色器、光学素子、X線透過窓、フィルタ、スリット、…)
メカ系(真空素子、バルブ、ゲージ、シャッタ、アブソーバ、…)
制御系(分散処理、ネットワーク、ソフト、…)
<<ビームラインの簡素化>>
- 3)実験装置 → 光源・ビームラインと整合のとれた実験装置によ
り、従来得られなかった情報を得る。例えば、第3世代放射光源に関して期待されている産業利用は:
極表面・界面の構造/組成解析
薄膜電子材料、薄膜磁性材料、触媒、機能性構造材料、有機材料…
微少量含有元素の高感度分析
ウエハー、薄膜材料、生体関連物質、環境関連物質、…
微小部点分析、走査イメージング
薄膜材料、生体関連物質、環境関連物質、…
微小歪大面積トポグラフ観察、位相コントラストイメージング
半導体素材、生体軟部組織等、…
単分子レベルの機能計測
蛋白質、細胞、…
→ insitu測定(時間変化)
invivo測定(同上)
第3世代放射光源(SPring-8,APS,ESRF,ALS,ELLETA,…)
実用レベルで利用可能なことが必要
- 3.研究および支援体制への期待
- 1)現場レベル
- 多くの場合、放射光利用は幾つかの測定技術のうちの大きな1つ
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→ 測定対象は加工プロセス中(ex.数十工程)の1試料
→ 放射光測定の短期間フィードバックシステムが必要
- 放射光を用いた新しい測定技術、プロセス技術の開発
医療診断装置(血管造影、癌/腫瘍などの生体組織観察、他)
X線微細加工技術
- 2)施設レベル
- 産官学、国際交流による共同利用の一環(施設のミッションとの融合)
- 基礎研究レベルでの国際交流推進
- 分析解析事業
- ユーザー利用時間の増加
- コンパクトリングなどのシステム開発と普及
- 人材の育成(教育と研究)
- 知的所有権を含む成果活用方法の整備(知的資産活用のシステム化)
- 3)今後
- ユーザー:バイオ/環境関連、ナノスケール材料開発
- 実験方法:On-lineで、所属機関から操作
- 運営 :多数の小型融合プロジェクト(産官学)による新技術創出
→ 選択と集中
先導的技術分野の策定と推進による新事業分野創出
以上