先端的研究開発に関する現行長期計画及び
予備的検討に関する調査報告の概要について

 

 


現行原子力長計の概要(第四分科会関連)

第2章我が国の原子力開発利用の在り方
3.原子力開発利用の基本方針
(4)原子力科学技術の多様な展開と基礎的な研究の強化
  ○原子力技術→今後とも多様な展開を図っていく。
   ・核融合エネルギー
   ・放射線利用
  ○科学技術の発展は常に進取の精神から生まれる。
   ・多様化、高度化する原子力のニーズに適切に対応
   ・国民の福祉の一層の向上
   ・知的ストックの蓄積への我が国の貢献
   →既存の原子力技術の高度化のみならず、新しい原子力技術の創出が必要。
   →基礎研究の積極的な推進、フロンティア領域等における研究の重点的な推進による幅広い技術基盤の強化を図る。

第3章我が国の原子力開発利用の将来計画
8.原子力科学技術の多様な展開と基礎的な研究の強化
(1)基礎研究と基盤技術開発
  @基礎研究
  A基盤技術開発
(2)原子力エネルギーの生産と原子力利用分野の拡大に関する研究開発
  @新しい概念の原子力システムに関する研究開発
  A高温工学試験研究
  B原子力船研究開発
(3)放射線利用に関する研究開発
(4)核融合研究開発

10.原子力開発利用の推進基盤の強化
(1)原子力人材
  @原子力に関係する人材問題への対応
  A人材の養成と確保
(2)資金
   ・多様な手段を用いることによる確実な確保
   ・限られた資金の重点的、効率的、効果的な活用
   ・国と民間の役割分担に対応した適切な資金分担
   ・厳正な評価による計画の弾力的な見直しにより資BR金の効率化を図る。
(3)研究開発の推進体制と研究基盤の高度化
  @研究開発機関の役割分担
   (イ)民間の役割
   (ロ)政府関係研究開発機関の役割
   (ハ)その他の国の関係機関、国立試験研究機関、大学等における役割
  A研究基盤の高度化
  B研究開発機関間の連携強化

(「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」平成6年6月24日原子力委員会決定より)


未来を拓く先端的研究開発

(1)長期計画検討の留意点
21世紀を迎え、人類社会と自然環境との調和が求められる中で、先端科学技術と しての原子力の貢献への期待の高まり。

○原子力における先端的・基盤的研究開発は、新たな科学の手法を提供し、知的フロンティアを拡大していくための基礎。
○他分野の研究や社会での実用化に向けたシーズの提供、及び新しいニーズの開拓の役割(テクノロジー・プッシュ)を十分認識し、ニーズ先行型の研究開発(ディマンド・プル)との関係をよく整理しながら21世紀の研究開発を展望していくことは重要。
○独創性を最大限引き出し、成果の先駆性を正当に評価できる環境の実現
○省庁再編後を想定し、産学官の連携、分担等、国全体としての整合性の取れるように注意し、また研究開発の効率化を目指し、21世紀にあるべき科学技術をスコープに取り入れる方向で検討することが必要。
○国際的分担において我が国が担当すべきテーマを整理すること、国際的な環境の整備や世界に開かれた研究体制の構築等を進めていく努力が重要。

 

(2)先端的研究開発についての検討範囲
○「粒子や原子核の反応に根ざした幅広い科学技術」として捉えることが重要。
 @物質の根源理解(物質)
 A物質の創製とその性質・機能の理解(情報)
 B人間生活に寄与する新しい利用法
 C集大成としてのエネルギー生産の新方法、新システム、及び高度計算科学技術などの新技術の開発(技術、エネルギー)
○原子力の多様な可能性を広げるとともに、それを活用する総合科学技術として、エネルギー技術開発等の基礎を築く必要がある。
○国民への説明、提示方法は、正確に分かりやすく。

 

(3)現状と展望
○光、荷電粒子、中性粒子源の開発等の連携により、新たな研究の展開が可能。このための手段として、加速器、レーザー、放射光、原子炉、核融合炉等の装置を開発する必要がある。
 @光
  1)レーザー
  2)放射光
 A荷電粒子
  1)重イオン、放射性同位元素(RI)
  2)陽子、K中間子、π中間子、反陽子
  3)電子、陽電子
  4)ミュオン
 B中性粒子
  1)中性子   2)中性中間子
  3)ニュートリノ

(4)研究開発の進め方
○「追いつけ追い越せ(キャッチアップ)」の時代から「世界におけるリーダーシップを発揮(フロントランナー)」する時代への移行。→計画の独自性や独創性の評価。
○研究施設の利用:共同利用方式→広く開かれた競争的環境の中での推進。
○米・欧・アジア三極構造の中でアジア圏における我が国の責任を認識し、分担と協力の中で我が国が果たすべき役割を考慮しつつ研究開発を進めることが必要。
○「成果を挙げてこそ研究は成功」との視点を持ち、知的成果を積極的に社会に還元。
○次の世代を担う先端技術開発の芽を育むための配慮(技術者の育成、教育基盤の整備等)
○メガサイエンス計画の策定から実現までのプロセスの再構築の必要性。
○中長期的ストラテジーに則った評価の基準(独創的・チャレンジングな研究課題の重視、加点法の採用、世界レベルでの相対評価、均等主義ではなく、優れた課題の優遇等)
○「テクノロジープッシュ」としての側面を十分理解しつつ、他の自然科学分野との競合の中でニーズ重視型の研究開発課題に対して不利にならないような配慮が必要。

(平成10年度「原子力研究開発利用長期計画の予備的検討に関する調査報告書」より)