6.議事の概要
(1)開 会
○事務局より、配布資料の確認がされた。
(2)第四分科会報告書(案)について
○座長より、資料2に基づき、以下のとおり説明があった。
- 今回配布した報告書(案)は、5月21日に、事務局、座長、伊藤委員、岡委員、上坪委員、谷畑委員で議論し、取りまとめた草案である。
- 詳細な説明は省き、全体の構成及び提言について時間をかけて議論していき、その後本文についての議論に移るとしたい。
- 今回が第四分科会としては最後の会合となるが、時間切れの場合には、座長に一任となることを理解しておいて欲しい。
○全体の構成に対する議論が行われ、主な意見は以下のとおり。
- 2−8節で「先端的研究開発成果の普及および地域への展開」という表題となっているが、地域に役割を与え活性化していこうといったことに関する記述を報告書本文中に盛り込むべきである。当初案には入っていたと思う。
(座長)
- 作業中に抜けたものと思われる。重要な議論なので本文に入れるようにしたい。
- 加速器を扱っている3−1節に高出力レーザーが入っているが、レーザーは加速器ではないので、分けたらどうか。
(座長)
- 高出力レーザーを3−1−2節とする。プラズマ物性基礎科学は3−1−3節とする。
- 1−4節を「夢一杯の科学技術」として、若者に夢を与えるという考えには賛同できるが、一方で多額の税金を使って進めていく研究の妥当性などについてどのようにコンセンサスを形成していくかなどの考え方が甘いのではないか。例えば材料分野では、始めのブレークスルーに加速器を用いることは重要であり、その点でキーとなる技術である。しかしながら、コストが高くなるために製品化の際には別の製造方法を開発する必要があり、これらを一緒に扱うことは楽天的と受け取られかねない。私案を提出したい。
- 全体構成についてはよいが、1節で出てくる「原子力」の定義が一般の人にはわかりにくい。核エネルギーを指す部分も、包括的な科学技術を指す部分もあり、その旨を明言したらどうか。
- 原子力をいろいろな意味に受け取らせることには若干無理があるように感じる。
- 1節に「原子力科学技術」という言葉を、Nuclear Power、Nuclear Engineering、それから加速器まで含めた包括的なものとして明言したらどうか。
(座長)
- 異なる意見をもつ委員もいると思う。定義をあまり厳密にすると読みにくくなることもあるのではないか。
- 言葉の使い方については、平井委員、石井委員で案を提出して欲しい。編集時に統一するようにしたい。
(原子力委員長代理)
- 分科会報告書を原子力委員会決定の中に入れるかの判断は現在留保しているところだが、少なくとも分科会での議論を熟知している必要があると思う。
- 原子力委員会ではこれまで、大学での活動について参考程度に予算額を訊ねる程度で、きちんとした対応をしてこなかったことは事実だが、人材養成の重要さは常に認識してきたところである。
- 2−7節で「技術革新と原子力工学研究教育」とあるが、大学では「原子力工学」という名称が消えていっており、原子力委員会としてどのように考えればよいのか。「工学」という狭い範囲の対応でよいのか。趣旨を岡委員に教えて欲しい。
- 重要な指摘と思う。大学では研究炉が活動に必要なハードウェアを代表しているようにみえるが、実際には研究炉はごく一部のものであり、ニーズや省庁再編など社会・行政の変化にあわせて研究教育の在り方を考えていくべきだと思う。
- 2−7節は、大学が技術革新のシーズを提供する役割を担っていると考えて記述したものである。
(原子力委員長代理)
- 原子力委員会は、今後、事務局構成などがかわっていくこともあり、「工学」という言葉を抜いてもらうと、より柔軟に対応できるソフトな表現になる。
- 加速器、ビーム、レーザーなども含むので、それで構わない。
(座長)
- それは前回(第8回)会合で議論し、そのように記述することとしたはず。訂正ミスである。提言部分では直っている。
(原子力委員長代理)
- むしろ、「専門教育」の重要性について提案してもらえれば、原子力委員会として対応しやすい。
- 別件だが、研究炉において発生する廃棄物について、リサイクル技術の開発を含めて、きちんと対応することが重要であると思う。その旨を記述して欲しい。
- 放射線や放射能に関する研究開発については、民間では実施しにくいので、国の機関で対応していくべきことを追加して表現して欲しい。
(座長)
- 今回の会合では、3章の各論部分についても各委員のコンセンサスを得たい。
○提言に対する議論が行われ、主な意見は以下のとおり。
(座長)
- 以前までの議論では固有名詞の記述は行わないということとしていたが、5月21日の議論では、現在進行中の計画や具体的な評価などがされている計画についてはきちんと名称を記述した方がわかりやすいとの意見が多く、そのようにした。
- 政策提言であるので、なるべく具体的にした。追加などの意見があれば伺いたい。
- 20世紀は加速器や原子炉の技術が大きく飛躍した時代である。21世紀はその技術をいかに応用するかという点が重要となる。4章の節に、技術の応用と普及をうたった具体的な言葉を入れるべきと思う。
- 先端研究が応用に拡がっていくという考え方は相当に重要であり、加速器に限らず全てにいえることと思う。4−2節に1つの項目として加えたらどうか。
- 原子力は、エネルギー、先端科学技術のみならず、産業や生活面を含め、世の中に広く利用されていくとの考え方が重要である。
(座長)
- 原子力の分野から出てきた成果を社会に還元し、また社会から意見をもらうといったコミュニケーションを図るという趣旨と理解してよいか。
- 加速器や原子力の技術は、社会一般にそのまま伝え広げるには難しい技術である。
(座長)
- 4章の5行目「広く認識してもらう」の主体は社会一般の人々のことか。ならば、コミュニケーションと理解できるのではないか。
- 企業に原子力や加速器の技術を利用して産業を興させるには、企業だけの力では難しく、原子力や加速器に携わる研究者がそこまで考えなければならない。しかし、現実にはそこがなされてなく、中間のプロセスが抜けてしまっている。
(座長)
- 単なる成果の普及やニーズを汲み取るというコミュニケーションではなく、利用目的に目を向けた技術開発を行う枠組みや組織の整備にまで踏み込んだものと理解してよいか。
- そうである。抜けている中間の部分を補い、応用技術開発を徹底して進めていくという姿勢を示すものである。
- 4−2節(4)には当初、相互乗り入れだけでなく技術移転という言葉が入っていた。(4)を2つの部分に分け、情報並びに技術移転の仕組みをきちんとつくることを盛り込んだらどうか。
(座長)
- 4−2節(4)を書き直すことに賛成である。上坪委員のコメントも踏まえて検討したい。
(原子力委員長代理)
- 今の技術移転の問題に関連するが、今までの官主体の研究開発の技術移転は必ずしもうまくいっていないという状況がある。産官学の役割分担について、どこまで踏み込んだ議論をしていけばよいのか。
- 例えば軽水炉については民間主導の技術革新がPWR(Pressurized Water Reactor:加圧水型原子炉)、BWR(Boiling Water Reactor:沸騰水型軽水炉)、燃料形態でもうまく進んでいるが、将来も継続して重要となっていく原子力を国がコミットし、予算を措置することは重要であると思う。ただ枠組みが従来どおりでうまく進むかという点が心配である。今まで何が問題であったのか、どの分野がどうであるのか、という点について分析された結果の提案なのか。委員が述べた技術移転は、これからの原子力にとって相当大事な問題と思っている。
- 加速器の中では、民間が行うべきところと国の機関が行うべきところ、そしてその中間のものについて考えている。特にシステムインテグレーションの重要性を認識しており、システムインテグレーションに必要な人的資源を抱える上での企業のリスクを、国が代わりに負担することが肝要と思う。これは一度提起した議論だが。
- どの段階で民間に技術開発の主体性が移っていくかということと、その見極めをどのように行うかという点が重要な問題である。加速器の場合、はっきりしていると思うが、原子炉の場合、小型炉は民間が研究開発を行っていくという立場と、大学においてもまだ研究開発の要素が残されているという立場があり、議論不足の感がある。
(座長)
- 4−1節の原子炉についての書き方は当初案とかわっており、5月21日にかなりの議論がされたところであるが、その経緯などについて説明して欲しい。
- 中小型炉は大瀬委員から提起されたものだが、原子炉の技術革新という標題で統合した。短い文章で書かねばならず、出力の大小で技術革新を制約すべきではないということと、中小型炉はマーケットの議論であるということから、中小型炉という言葉を標題として出すことをためらった。理解して欲しい。
- 研究用原子炉として括られているものには、原子炉以外の研究インフラも含まれており、それらを含めて考えていくべきであり、4−1節(7)ではそのような表現にした。
- 産官学連携の枠組みについては重要と思う。現在ある技術の改良と、遠い将来を目標とした研究開発はされているが、その間が抜けていると感じる。その間をしっかり行う必要がある。技術移転を成功させる枠組みの議論も必要である。特にその際には、科学者や技術者だけの議論でなく、マネジメントや技術の歴史に関する議論も重要と思う。
(原子力委員長代理)
- そのように思うが、長期計画においては、理念主導型で方向性を示すことと、課題解決のために何を行うべきかを示すことがされていれば、原子力委員会として正面から対応していきたい。全ての課題に対して明確な回答を示すことは正しい姿勢であるが、たいへんであると思う。
- 提言に書かれている内容は2章、3章の内容と重複しており、総花的との印象を受ける。緊急性に鑑みて、具体的項目に絞って記載してはどうか。
(座長)
- もともとは「まとめと提言」というタイトルであり、1章から3章までのダイジェスト的な書き方であった。また、これは分科会報告書であり、策定会議で採用されるのはごく一部であることから、冗長にもみえるが、重複部分も記載した方がよいと判断した。
- いろいろな考え方があると思うが、策定会議が参照する際に重要性のランクがないと、よい提言にならない感じがする。
(原子力委員長代理)
- 永宮座長が述べたとおりの考え方で扱ってもらえるとありがたい。策定会議の議論の流れでは優先づけを行うかもしれないが、分科会報告書は基本的には議論の材料を提供するという意味合いのものである。
(遠藤原子力委員)
- おそらくは多くの人が提言しか読まないと思われ、提言の中で文脈が完結していることが望ましい。
- 4−1節の核融合に関する部分で、「巨大計画を進めるために考慮すべき諸点を」とあるが、具体的にはどのようなことか。
- 4−1節の加速器に関する部分で、はじめの文章では2つの計画が記述されている。これらは2つとも2行目からの文章に続いていくのか。そうでないなら、分けて書いたらどうか。2行目からの文章は一般論としていっているものなのか。
- 正確に表現すると、建設が始まった計画については早く研究ができるようにして欲しい、評価を受けているものについては評価を早く行い、その結果に基づいた処理を迅速に行って欲しい、となる。このように理解している。
- 第三者評価や国際競争は、確かに迅速な処理が必要である理由に挙げられるが、むしろ現在の原子力が置かれている状況を打ち破るために重要であるなどと説明した方がよいのではないか。
- 核融合について、「ITER計画の重要性を評価する」とあるが、この分科会で評価したのではないから「認識する」が適切と思う。さらに「評価・検討することを提案する」とあるが、すでに評価・検討を行っているところである。
- 加速器の第三者評価とはどのようなものか。
(座長)
- 国の指針に基づいた、当事者以外の、国などが行う評価である。
- ITER計画懇談会とは原子力委員会が主宰して専門家、非専門化が集まって行われているものであり、第三者評価といえると思うがどうか。
(事務局)
- 加速器については科学技術会議がまとめた第三者評価の指針に基づき、統合計画の評価を行っているところである。ITER計画は科学技術会議で定めた第三者評価が行われているのではないと思ったため、このような表現とした。これが第三者評価に当たるのであれば、表現がかわると思う。
- 事実関係を確認し、適切な表現にして欲しい。
- 加速器について、「国際競争状態におかれて」とある。ここに挙げられている不安定核ビーム加速器や大強度陽子加速器についてはそのことを認めるが、一般的な加速器にも当てはまるのか。また、「技術主導の性質」とあるが、いい過ぎではないか。
- 大型の加速器については、常に競争的な状態にあり、そのことを表現した。
- 2行目からの文章は、途中で主語がかわっていてわかりにくい。正確に書くべきであり、そうしたい。
(座長)
- 今の議論もふまえて、起草委員に再度表現を考えてもらうこととする。
(事務局)
- ITER計画懇談会について確認したところ、第三者評価であるとのことであった。従って、表現をかえることが必要と思う。
- 核融合について、ITER計画のみが強調されているが、実際には核融合は裾野が広い。いろいろある核融合を、これしかないというところまで絞り込んで書くべきなのか。
(座長)
- 核融合の全体的な進み方を示して欲しいと考えていたのだが、ITER以外の方法の重要性についてあまり書かれていないように感じている。しかし、この部分の表現を全て書き直すところまで、議論の時間は残されていない。
- 2行目以降は削除することになる。
(座長)
- 表現をかえることにはなるが、削除することはないと思う。
- 第三者評価を受けているのであるから、加速器と同様の表現は可能と思うがいかがか。
(事務局)
- ITER計画懇談会は吉川弘之座長の下、3年間の議論を経て、98年に中間取りまとめを行った。内容は、ITER計画について重要性は認識するものの、誘致について判断するに当たっては6項目の検討が必要である、というものであった。それについて、核融合会議、その他3つの委員会が設置され、検討を進めてきたところである。検討は最終段階を迎えており、それを受けてITER計画懇談会が来月再開され、検討が進められる予定である。
(原子力委員長代理)
- 原子力委員会では、当該の専門家からなる専門部会と、幅広い分野の専門家からなる懇談会の、2つの方向から議論を進めている。
- 第三者評価については、大強度陽子加速器計画の評価と性格的に似ていると思う。
(座長)
- では2行目を、「ITER計画懇談会での議論を尊重する…」といった表現にするというのではいかがか。
- 結構と思う。また、加速器では2つの計画が挙げられており、核融合でも裾野を広げながら進めている状況があるので、それらについても盛り込みたい。
(座長)
- ITER計画について十分な議論がされていない中で、その他の方式についても進めるべきであるという提案はこの分科会ではできないと思う。
- 不安定核ビーム加速器計画や大強度陽子加速器計画については、ここで議論したのか。
(座長)
- プレゼンテーションの中では随分と言及されている。
- 私も、LHD(Large Helical Device:大型ヘリカル装置)についてプレゼンテーションを行っている。
- 加速器のプロジェクトについては他にも多くあるが、既に具体的に提案されているか、あるいは建設が始まるかして、世の中に認知されているものを選択した。一方、原子炉については、ピンポイント的ではないが、研究の方向性を示したものである。核融合についていろいろ書くのであれば、むしろITER計画が一歩先んじている事実の表現が薄れてしまうのではないか。
- 大学ではLHDという計画を進めている。LHDは科学として核融合研究を進めるために必要な計画である。全てではなく、重点的に行っているものを挙げたいと思う。しかし、最後は座長の判断に任せる。
- 当初、固有計画については明示しないということで議論が進んできたが、やはり具体的に進められているものまで触れないのでは不自然という考えから、これらを入れることとした。しかし、表現が複雑になるので、建設中の不安定核ビーム加速器施設については削除するか、あるいは「建設中の計画は早く進めるべき」などと大強度陽子加速器施設とは別の文章にしたらどうか。
- 核融合についての「その他の方式についても研究開発を進めるべきである」という旨の記述が適切でないという議論は、永宮座長も述べているとおり、この分科会で充分な議論がされていないという理由のためにいわれているのであり、建設中の不安定核ビーム加速器施設についての記述をどうするかということとは別の問題である。
- LHDは既に完成した計画で、同様にSPring−8(大型放射光施設)も完成し稼動していることから、提言には含めていない。問題は建設中の計画をどう扱うかということではないか。
- 不安定核ビーム加速器施設は現在建設中であるが、今後も建設計画を推進していくとの表現が欲しいところである。
- 建設済み、建設中、建設予定に分類することで、合意するという考え方はあるだろう。
(座長)
- 各委員の発言の趣旨は理解できたと思うので、最終的には事務局と相談の上、判断したい。
(事務局)
- 4−1節の加速器、核融合、原子炉のトーンが違っている部分を調整したい。特に、原子炉に関する部分における「国の研究機関、産業界、大学が協力しつつ進める」という表現については現実を見つめ直した上で再考したい。
- 原子炉の部分で、3行目に「研究用原子炉設備の高度化」とあるが、「原子炉を含めて原子力研究開発に必要なインフラの高度化」とする方が適切であると思う。
- 藤家原子力委員長代理が発言した、開発を成功させる枠組みについてはぜひ進めて欲しい。
(座長)
- 「国の研究機関、産業界、大学が協力しつつ進める」という表現を見直すとの意見があったが、中小型炉の開発も含めて原子力産業界が活力を維持・発展させることが原子力の基盤を支えるために重要であるということを認識して欲しい。
- 加速器の部分で、不安定核ビーム加速器と大強度陽子加速器がどのような意味で重要でなぜここで取り上げられるのかを説明する文章を入れておいた方が理解されやすいのではないか。
- どちらがより重要なのかについても記述する必要があるのではないか。
- 2つとも重要であると理解しているが。
○研究開発の進め方についての議論が行われ、主な意見は以下のとおり。
(遠藤原子力委員)
- 4−2節(2)に「原子力委員会の下に常設の評価組織を設置する」とあるが、1つの組織が複数の計画の評価を行うということか。
(座長)
- ある計画の評価だけでなく、複数の計画の相対的な評価も行うという意味である。
(遠藤原子力委員)
- 多分野にまたがる複数の計画を評価できるような人がいるのか。
(座長)
- 1つには原子力委員会がそのようなものと思う。より具体的に表現すべきか。
- 1つの委員会が全てを行うのではなく、科学者が集まり、判断できる範囲のものを判断するということである。さらに、順位づけを行うということではなく、ある方向の科学を進めるための戦略を科学者の立場でシビアに議論し、具体的な計画に反映できる仕組みをつくることが必要であると考え、盛り込んだ。
(座長)
- 私の理解は、評価組織の主たるミッションは評価作業そのものではなく、評価の在り方など評価に係る基本計画や基本方針を考えることであり、複数の計画が出てきた場合には大局的に判断することが求められるが、その際に取り入れるべき視点や条件を議論する組織であって欲しいと思う。
- 評価組織のミッションを明確にするキーワードを盛り込んだらどうか。
- 研究評価に係る作業によって、実際の研究の遂行が阻害されることに配慮すべきであって、大型のプロジェクトではない、小型の研究を評価の対象とすることには疑問がある。
- いかに悪循環から抜け出すかということが本質的な問題であると思う。ある科学の発展のために複数のプロジェクトをいかなるプライオリティで進めていくべきかという点について、現在は科学者が科学的な視点から議論する仕組みになっていない。計画を進めることについてお墨つきを順番にもらっていき、最後は他人に預けているという生ぬるい環境となっている。
- 評価の結果を反映させることについて、矢内原原則との関係を整理しておくことが重要と思う。
(座長)
- 矢内原原則については、今この場では議論できない。一方で、評価結果の反映は重要な問題であり、その機能も含めた評価組織が提案されているのだと思う。
- 意思決定を早く行うためには組織をフラットにすることが重要である。4−2節(2)が個別の研究課題を定常的に評価するという趣旨で書かれた文章であれば、削除した方がよい。
(原子力委員長代理)
- 原子力委員会には評価という機能が重要なものとして加わる。今、評価が重要といわれている背景の1つは、今までの日本の研究が硬直化していたことによる。基本的には研究者がその研究について最も理解しているという原則は崩したくないが、何年か毎に外部の目にさらすことも必要である。5年間隔程度が適当かと思う。いずれにせよ、各分科会の考え方が違うので、全体をみて考えていきたい。
- 現在、大学・文部省管轄の研究機関などは学術審議会で評価し、計画を立てているが、来年度以降は原子力委員会の下で行われるのか。
(原子力委員長代理)
- 原子力委員会が内閣府に移ることと関連して考えてもらいたいが、大学における研究の自由は尊重し、プロジェクト支配の考え方を持ち込むということではないと思っている。やってみなければわからない部分があると思う。
- 研究開発が国民の理解を得て進められていることから、その成果は国民に還元されることが重要である。また、単なるコミュニケーションではなく、コミュニケーションができる技術基盤をつくる必要がある。そうした観点から、4−2節に(5)として技術移転と地域への展開という項目を追加して欲しい。
(座長)
- 技術移転は重要な問題であると思う。しかし、複数のポイントを混同すると曖昧になるのではないか。
- 加速器の利用技術を拡げていくことの重要性を明示して欲しい。
- 4−1節の原子炉についての部分にある、「研究用原子炉設備の高度化」という表現を「研究開発設備の高度化」にかえて欲しい。
(座長)
- 4−2節(7)「その他留意事項」としてある文章を1つにまとめ、名称も含めて文脈としてまとまるよう書きかえてはいかがか。「研究用原子炉設備の高度化」という表現を「研究開発設備の高度化」にかえるという提案には賛成だが、研究用原子炉という表現も残したいこともあり、「その他留意事項」の扱いとあわせて検討したいと思う。
(事務局)
- 「その他留意事項」を4−2節の関連する部分に入れ込むことではいかがか。
(座長)
- 計算科学技術について委員の意見を伺いたい。ツールとして扱うのか、フロントランナーとして扱うべきか。
(座長)
- 第四分科会の基本的な問題認識としては、シーズ開拓型研究とデマンドプル型研究の重要性について取り上げることであったが、シーズ開拓型研究の具体例が少ないように思える。また、シーズ開拓型研究の背景をどう取りまとめるのかが明確にみえない。計算科学技術も含めてひとまとまりにしたらどうか。
- 計算科学技術という項目をぜひ残して欲しい。計算科学は、理論の1つであり、実験的な研究では不可能な部分を切り拓くものと期待されており、非常に重要である。
(座長)
- 計算科学技術の重要性は誰もが認めると思うが、原子力を進めていく上でツールとして考えることも可能である。その上で、重要であると表現することは、投資を促すことにつながっていくのではないか。ITER計画と同様な位置づけで進めていくことになるとは考えられない。
(座長)
- 若い人達が原子力に参入するという人材育成の面からも重要と思う。
- 高額な計算機を求めるということではなく、原子力の進展に重要な学問分野であるということである。
(座長)
- 計算科学技術の重要性については多くの委員も認識されていることと思うが、必ずしもこの報告書で原子力先端的研究開発の全ての要素を網羅しているわけではなく、また計算科学技術について、さらに力を入れるかという点では意見のばらつきもあると思われるので、趣旨は取り入れつつ表現はこちらで判断させて欲しい。
- 4−2節(5−1)について、「研究」ではなく「教育」に重点を置いて整理すべきと思う。また、(5−3)は書く必要がなく、(5−2)も含めて全てを1つにまとめて書いた方がよいのではないか。
(座長)
- 元の文章は1つの文章であったが、上坪委員からの意見を受けて分けたものである。確かに4つに分けると大仰すぎる感じがするので、元に戻したいと思うがいかがか。
- タイトルをみて内容がわかるようにしておいた方がよいと考えて分けた。
- 日本原子力研究所や理化学研究所は積極的に行っているが、大学においては技能表彰制度やそうした文化がない。これは学ぶべきところであり、はっきりと書いて欲しいと思う。
- 運用でできることであるので、1つの文章の中に書けばよいのではないか。大いにすべしとは思うが、国の政策として提案すべき事柄ではない。
(原子力委員長代理)
- ぜひ実行してもらいたいが原子力委員会がお墨つきを与えないとできないこととは思えない。
- 4−2節(5−1)について、矢内原原則などの問題もあり、大学に一定割合の予算を当てることは可能なのか。ここは原子力教育の強化をうたう文章にした方がよいと思う。また、予算の配分については、4−2節(1)の競争的資金についての記述で取り込めるという議論だったと思うがいかがか。
(座長)
- 以前は、「例えばプロジェクト研究に必要な予算の一定割合を配分する」という表現だったのではないか。
- 技術革新の重要性とからめて論じたつもりである。プロジェクト研究だけでは世の中が進歩するためには片手落ちであり、ぜひこの文章を入れてもらえるとありがたい。教育も大事だが、大学では教育と技術革新はペアであり、それにとらわれる必要はないと思う。
- 報奨制度について、ここに取り立てて書く必要性、理由がなければ書いていない。日本はかつて、資源がないことから技術で国を立てていこうという精神的な基本認識が町工場に至るまであったと思う。現在の日本の繁栄はその結果であるが、逆に技術、技能が軽視される時代になっている。当たり前の話であればいうことはない。一言明言しておかなければ、培ってきた技術を朽ちはてさせてしまうのではないかという気持ちから、この文を入れた。「技術者大臣賞」というのを象徴的な意味合いで当初考えた。例は悪いが、レコード大賞を毎年行うことで歌手の地位が上がってきた。こうしたことも国としての考え方を具現化した1つの政策なのではないか。
- 4−2節(7)で、「研究の段階に応じて法律の整備も段階的に行っていくべきである」という文章が抜けているが、必要なら加えて欲しい。
(原子力委員長代理)
(事務局)
- 4−2節(5−1)で、「原子力予算の一定割合を大学の研究教育のため分離独立して」とあるが、原子力予算の一定割合を教育に投入するという議論は現実的でないと思われることや、議論の発端は大学の活性化のために競争的資金を導入すべきということであったことから、そのような表現に戻したい。
(座長)
(原子力委員長代理)
- これまでも大学に予算を回す手段を、公募研究や研究計画への参加などによって進めてきたところである。それを越えての表現については配慮して欲しい。
(遠藤原子力委員)
- 4−2節(6)の、アジアを対象にした文脈における「必要な措置」とは具体的に何か。参考までに何を考えているのか聞かせて欲しい。
- 日本原子力研究所の高崎研究所には、発展途上国の研究者に対する予算的な支援制度があるが、その他の先端研究施設でも同様の予算措置などがあることが望まれる、という趣旨と思う。
- アジアに重点を置いているが、それに限らず経済的に余裕のない国からの渡航や居住に必要な予算を措置してもらいたいという議論であった。
- 必ずしもアジアに限ったことではなく、自国からの予算拠出が困難である国の研究者全般に係ることである。SPring−8や高エネルギー加速器研究機構も同様であるが、こうした国から人を招くことに対して非常に困難と感じており、国に何らかの措置を強く期待する。
(原子力委員長代理)
- 最後に一言いわせてもらいたい。原子力界の約束事という従来の路線からいかに脱皮するかということが今回の長期計画の課題である。そのために原子力委員会、事務局とも苦労しているところである。最初にお願いした「大きく議論して大きくまとめる」という線で本分科会の報告はまとまりつつあると感じている。ただ、ここに書いてなければ予算がとれないという発想が依然として残っているように思う。むしろそうではなく、方向性や領域が示されていれば、原子力委員会として対応していくつもりである。
- 今回の長期計画で全てに答えが出せるとは考えていない。21世紀の開かれた原子力としての先端科学技術の方向性や、課題解決のために何をすべきかということをまとめてもらえればたいへんありがたい。
- 省庁再編では第四分科会がもっとも大きな影響を受ける。文部省と原子力委員会との関係、そして大学の自由を残しながら21世紀の技術先進国として生きていくための方法など、いくつかの問題が残されている。これらはこれからの中で解決していかなければならないと思う。
- その観点で表現が不適切ということであれば、4−2節(5−1)の、「そのため、原子力予算の一定割合を大学の研究教育のため独立分離して使用することについても検討を行う必要がある」という文章を「…プロジェクト予算の一定割合を技術革新のため独立分離…」と直し、4−2節(2)の最後に入れて欲しい。決して大学に予算が欲しいというのではなく、プロジェクト研究の一方で技術革新を進めていくことが必要という趣旨であることを理解して欲しい。
- プロジェクト予算の一定割合を割くというのは現実的には不可能である。競争的資金についての記述の中にまとめた上で、競争的資金の中で大学に配分する部分を別枠にしておくという可能性も考えてみた。しかしいずれにせよ、事務局の判断に従うのがよいのではないか。
(座長)
- 岡委員の趣旨が活きる形で、表現について検討してもらえればよいと思う。
(座長)
- ようやく各委員の考えがわかってきたところであり、これから本当の議論が始まるのであれば、それが望ましい。しかし不本意ではあるが、5月31日に開かれる策定会議に報告書を提出する必要があり、本日の会合が最後となる。従って、本日の議論を踏まえ、事務局と相談の上、最終的な取りまとめは一任してもらいたい。
- 本日議論されなかった部分については、起草委員、座長、事務局あてに早急にコメントを提出して欲しい。
- 荷電粒子の部分に、陽電子が抜けている。
- 民間が利用できる応用技術の開発という視点があまりなかったので、2章及び3章の加速器に関する記述の部分に、マイクロビームなどの技巧的ビームの開発やその基盤技術の開発についての説明を追加して欲しい。
- 1−4節に、「発明と発見」という言葉を追加するとよいと思う。
- 1章では、「物質の究極の構成要素は何か」が全ての出発点であると思うので、それに統一した書き方にした方がよい。
- ビーム技術の拡がりという観点からまとめてよいのか。
- そう思う。
- レーザーについては、大阪大学のレーザー核融合研究センターの井澤先生から、ペタワットレーザーやアト秒レーザーについての記述が重要と思うとの意見をもらっており、すでに本文で読みとれるものとは思うが、一応紹介しておきたい。
- 井上委員にお願いしたいが、逆磁場ピンチについて記述してもらえればありがたい。
- 荷電粒子の応用の部分で、プラズマエッジング装置やイオン射ち込み装置などがすでに実用化されているという記述があれば具体的にわかりやすい。
- 3章は、各部分での書き方が異なる。核融合についてもすこしつけ加えたい。
- 今の議論で心配になったが、例えば実用化されて最も利用されている電子線加速器などが記述されていない。あまり細かいものを入れていくと全て書かねばならなくなる。削る方向で考えるべきではないか。
- 細かく拾っていくと全てを網羅していなければ、本分科会での議論が偏っているとの印象を周囲に与えることにつながりかねない。実用化された加速器であれば、複数のビーム種を1つにまとめるなどとすべきではないか。
- 最後は座長に任せることになるのではないか。
- 今後重要な問題となるであろう国、民間、大学の役割分担については、どこか適当なところに項目を立て、数行の文章を入れてもらいたい。
(座長)
- 今週中に必要なコメントを起草委員、座長、事務局あてに送って欲しい。
(5)閉会
| ○ | 座長より、原則として今回の会合をもって第四分科会の最後の開催となること、さらに、これまでの各委員の協力に対して感謝する旨の発言があった。 |
以上