6.議事の概要
(1)開 会
○事務局より、配布資料の確認があった。
(2)第四分科会報告書(案)について
○座長より、資料2に基づいて説明があった。
- 放射光、荷電粒子、レーザー、核融合、中小型炉、研究炉の各論については意義、研究の現状及び将来展望という括り方にしたい。
- 全体の論調として、現状を押さえ、今後の方向性に重点を置くようにしたい。
- 中性子に関するKEK(高エネルギー加速器研究機構)と原研(日本原子力研究所)の計画、核融合などの特別なプロジェクトについては、なるべく言及を避けた。
- 中小型炉の議論が一般的な革新的技術の話に移ったようなので、方向性を整理したい。
- 全体としてどこに重点を置くかという開発のプライオリティーや研究開発のバランス、棲み分け、評価法など、まだ、報告書に書かれていない項目について、各委員から意見を聞きたい。
- 第4章「まとめ」にどんな提言を書くべきか指摘して欲しい。
(3)全体議論
○報告書に関する全体議論があった。議論の内容は以下のとおり。
- 報告書が書きにくい理由は、最後にいうことが決まっていないためである。まず第1に、第4章の内容をはっきりさせて、それをサポートするためのストーリーを書かなければならない。まだそれがはっきりしていない段階で議論しても仕方がないと思う。
- 第1章「はじめに」の内容は、望んでいることよりも腰が引けていると思う。言葉の使い方として、従来の原子力とこれからの原子力の内容が混ざっている。基礎科学は原子力のエネルギー開発のために必要といういい方にすべきである。
- 原子力と先端科学技術が車の両輪をなすという考え方はよいと思うが、完全に車の両輪ではなく、片側の車輪の一部は他の分野とかなり重複して独立できるようになってきているので、何もかもを原子力の関連と主張しなくてもよい時代が来ているのではないか。長期計画としてどこを強調するのか明確でない。
- 第4章の核心は、核融合と革新的原子炉をどうするかということだと思う。SPring−8や中性子回折の活用は、極端にいえば、この分野から切り離してもよいと思う。全部並べてもメリハリがなく、いいたいことがはっきりしない。
(原子力委員長代理)
- 第四分科会発足の背景は、日本語で該当する言葉のない、ニュークリア・サイエンス・アンド・エンジニアリングという観点にあり、エネルギーと科学技術を分けることは考えていない。原子力は、エネルギーだけでなく総合的な観点を取り込まない限り、将来展望がないと思う。一方、社会ではエネルギーとしての見方が非常に強い。そのため、エネルギーを主体に扱う他の分科会がある。第三分科会・第四分科会合同で、核融合、高速炉、高温ガス炉、革新軽水炉といった新しいエネルギー分野を扱う分科会を発足することもできるが、この第四分科会では、荷電粒子、中性粒子、光を使った科学技術を先端的分野と位置づけて、これからそれをどうつくり上げるかということについて議論してきた。
- 加速器の分野を1つの大きな分野と位置づけると、この中に、エネルギー分野として核融合、ADS(加速器駆動システム)のようなものがある一方、KEKと原研が提案している中性子科学やSPring−8のようなものもある。以前、「大きく議論して、大きくまとめて欲しい」と述べたのは、そういった分野を相対的にみることが一番大事だと思っているからである。
- この分科会としては、報告書(案)に書かれているようなものでよいが、取りまとめる策定会議ではメリハリをつけるべきだと思う。
(原子力委員長代理)
- どんなメリハリをつけるのか。原子力を英語でどう表現するのか。
- 既に原子力という傘から離れる分野があるということをいうべき。原子力は英語ではアトミック・パワーと捉えている。
(原子力委員長代理)
- ニュークリア・サイエンス・アンド・エンジニアリングを表現する適切な日本語がないという辛さを述べた。普通にいうサイエンス・アンド・エンジニアリングとは違って、原子力は、エネルギー密度が高く、しかも放射線を扱う分野であり、原子力基本法が定義している世界としてみておく必要がある。
- 「原子力という傘から離れる」と述べたのは、原子力という言葉の定義と世の中の常識とがあまりにも乖離している印象があるためである。
(原子力委員長代理)
- 20世紀の歴史を踏まえたときに、原子力はアトミック・パワーだというように社会が受け取っているのは当然だと思う。これからそれをどう捉えていくのかが問題と思う。
- 特定のプロジェクトではなく、方向性を書くという新たな境界条件が提示されたと思う。特殊なプロジェクトを書かないならば、現在進行しているものとその延長線上のものをどう扱えばよいのか。
(座長)
- 核融合については、全ての議論がプロジェクトありきでスタートしていて、他と論調が違う。議論していないことに踏み込まないためにかなり省略した。1度議論して、再構築してもよいと思う。
- この分科会として何を主張するのかをはじめにきちんと議論することが大事なポイントだと思う。第四分科会として、(1)ニュークリア・サイエンス・アンド・エンジニアリングが国民にどう役立つのか、(2)どうすれば、国民が科学に魅力を感じるのか、(3)研究開発が世界のどのレベルにあって、トップレベルになるにはどうすればよいのかといった国としての科学に対する戦略性などを提言することが大事だと思う。各論があまり現状分析になり過ぎると学会誌の解説記事のようになるので、長期計画としてはこれらの視点でまとめることが大事だと思う。読者がたいへん力強いと感じる報告書ができるとよいと思う。
- 大型軽水炉は第二分科会で議論し、また、FBR(高速増殖炉)は第三分科会で議論している。現時点では、今後の短中期的な期間は今の軽水炉でカバーし、FBRは超長期的なものと位置づけられている。そうなると、核融合はFBRの更に先のことと思う。
- 中小型炉は、大型軽水炉でできないことを補完し、原子力を非電力分野で活用するなどの革新性を提言できればよいと思う。
- 歴史的に見ると、熱機関技術やボイラーの型式は30年〜40年で変わるので、技術革新をもっと真剣に追求しなければならないと思う。革新性を中小型炉に限ると、今までの経験を捨てる面があり、ごく一部の技術革新性を主張するだけになるので、その必要はないと思う。
- 研究炉についての国際的に大きな計画として、フランスCEA(フランス原子力庁)の材料試験炉がある。研究炉は中性子源として加速器と補完的な役割があるので、振興の対象から外さないで欲しい。
(座長)
- 研究炉の記述は細かいため、もっと大枠で短くまとめて欲しい。
- 国の政策として振興すべき研究開発を論じる上で、どんな基軸で書いたのか明確にする必要がある。基軸としては、原子力の未来を拓くためには未踏領域の研究が必要であるというスタンスを選ぶべきである。
- 基礎研究について述べるときは、原子力委員会として推進することを起草することと総合科学技術会議に提示することを明確に区別する方がよい。具体的には、2ページの2行目から3ページの1行目、7ページの20行〜24行、21ページの23行〜26行などである。
- 理念は広く大きくすべきだが、政策文書として枠がしっかりしていることが必要である。
- 未踏領域について、まず新領域の研究開発を評価から基礎研究の振興という順にする方が説得力がある。従って、2−2節と2−3節を入れ替える方がよい。
- 「ある原子力」から「ありうる原子力」に力点を置くことを述べるべきである。
- 基礎プラズマ物性研究を未踏領域の研究として述べるべきである。
- 基礎研究の例は、なぜこれを選んだのかわからない。その理由として原子力研究との関係を明確にすべきである。
- 原子力委員会と総合科学技術会議との相互調整機関がないので、これについても触れるべきである。
- 「はこもの」から独創的研究へということが本分科会の論点だと思う。
- ITERについては、既に世界中で約1000億円を使って、研究を行ってきているので、研究の現状を書くべきである。
- 研究体制の大意はこの報告書で述べるべき。進め方の例を書いて広く意見を受け、また世界にメッセージを発信することが大切である。議題として取り上げて、他の委員の意見を聞いて欲しい。既に現行の計画で論じられているので、理念として、こんな施行例があるということを入れて欲しい。
- 21ページの「これからの研究の重点」における「研究者の創意工夫を考慮しつつも国際的観点、技術の可能性を考慮して優先度を判断すべきであろう」という表現はわかりにくい。具体的に書かないのならば、削除すべきである。
- 開発のバランスに関する議論は不十分である。基準を評価する評価委員会をつくることを施策として新たに提案するとよい。
- プライオリティーについては(1)フロントランナーとしての原子力研究を推進せよ、(2)経済的効用や緊急性一辺倒の価値基準から、オリジナリティーや発展性へ重点を移すべき、ということが本分科会で基本原則としてコンセンサスが得られたと思う。
- 具体的な評価法は議論されなかったので、評価委員会をつくることを提案としてまとめるよいと思う。
- どことどこの「棲み分けと相互乗り入れ」なのかわからない。また、今後の省庁統合による体制の変化や独立行政法人化による役割の明確化などが踏まえられていない。これらをきちんと踏まえた上で論じる必要がある。
- 今の「夢一杯」の記述では、一般の人々には専門家の自己満足としか受け取られないと思う。
- 中性子強度の100倍〜1000倍については、自分が質問したときにも明確な回答がなかったので、本分科会としての結論ではないと思う。
- 3−6節では共存のことも書かれていると思うので、大学に任せておけないことに焦点を絞るべきである。
- 3−7節で加速器を例に挙げているが、ふさわしいかどうか明確でない。加速器は随所に記述されており、しつこすぎる印象を受けた。
- 前回(第7回)会合でも述べたが、今度の原子力長期計画の目的として、原子力政策をわかりやすく国民に伝えるという大きな命題があると思う。第2章の各研究分野の記述が専門的で詳細過ぎ、一般の人々にはわかりにくいと思う。各研究分野については、どんな目的で、どういう意義があり、どう進めるかという総論でまとめる方がよい。詳しい説明が出た時点で、一般の人々は読むのをやめてしまうと思う。詳しい説明は参考資料にしてもよいと思う。
(座長)
- この報告書(案)は、ポイントでなく詳細を書いたため、焦点がぼやけて、まだ整合性がとれていないと思う。
- 核融合については超長期的な見方があるので、現状から実用炉に向かうステップを示す方向性が書かれるとよいと思う。
- 核融合発電が行われる時期を21世紀後半とすれば、核融合はFBRと同様に超長期的に位置づけられると思う。学術的な面から今後10年〜20年の間に行うべきことは、以前きちんと説明したので、それを勘案した文章に変更したい。
- 中性子科学にトップ・プライオリティーを置いて、その他はひとまとめにするという意見にはコンセンサスがあるのか。もし、コンセンサスがとれているならば、最初にそのことを明示すべき。報告書全体が加速器に重点を置き過ぎていると思う。
(座長)
- 今までの日本の原子力政策は、エネルギー利用、工学利用をバックアップする傾向が大きかった。これに対して、世界では原子力を支える原子核物理、その他の応用の加速器にかなり重点を置いているので、日本も21世紀には基礎研究を統括的に進め、それが原子力を支える方向にあるというように見直すべきという主旨を述べたかった。
- 20世紀の歴史を振り返ると、加速器は新しい技術が花開く上で大きな役割を果たしたので、説明する場合は加速器がどうしても表に出てくる。21世紀における原子力の基礎的な研究の進め方では、新しいものがどの方向から生まれるのかという観点が必要と思う。高温プラズマや中小型炉は、新しいエネルギー源としてだけでなく、もっと広く使われる可能性があると思うので、これらは入れておく方がよい。
- 核融合はまだ未踏分野への挑戦状態にあるので、段階的に進めるプロジェクトではなく、息の長い領域をもつと思う。
- 体制については、日本が国際的プロジェクトを主導する場合の在り方の例を述べたつもりである。核融合に関連しない一般論のプロトタイプ(原型)の例として、別にところに書いてもよい。総論であって、詳細論ではない。
(座長)
- 核融合は、エネルギー利用だけでなく、もっと「革新的」に目を向けたものを広くいっているのだと思う。
- この報告書(案)は科学的な観点が強すぎるので、もっと工学や技術の視点を入れてもよいと思う。科学だけでは、世の中に役立つものにはなかなか結びつかない。科学と技術はスパイラルに発展するので、どちらも重要である。核物理学は原子炉の1つのベースだが、ごく1部でしかない。軽水炉の開発は、当時の火力発電技術を基礎につくられた。そのベースは、機械工学、電気工学などの工学の技術が90%の割合を占めている。エネルギー利用や世の中に役立つためには、工学としての技術や経験が必要である。技術の歴史を参照するのは、技術革新を考える上で重要な視点である。
(座長)
- 第4章で何を述べるかコンセンサスを得ておきたい。述べるべき結論について意見を聞きたい。
- 次の3項目があると思う。(1)核エネルギーをより安定、安全に供給し、資源エネルギーを開拓すること。(2)粒子に基づく新技術を開拓し、新産業を創出すること。(3)粒子に根ざす未踏領域への挑戦
- 計画の策定から実施に至る新しいプロセスを構築することを議論すべき。原子力予算の中では、従来の基礎科学予算はエネルギー関連に付随したものと考えられてきた。これからは相並ぶほどの額になることを想定すれば、基礎科学や基礎科学技術に対してプライオリティーを付けるシステムをつくらなければならない。その際、プライオリティーを専門家の目で決めることと全体のバランスをみることが大切である。この両方を1つのところで行うことは難しい。はじめに各分野の委員会が評価し、その結果を原子力委員会にあげて、そこで全体の枠を考えてコントロールするというピラミッド構造を考える必要がある。この場合、評価結果を省庁で反映できるシステムをつくらなければ意味がない。
- 中長期のストラテジーに沿った評価基準を設定することが必要である。キュリオシティー・ドリブン(好奇心主導型)のものやテクノロジー・プッシュ(技術先導型)のものは厳選的な国際的評価を行い、次期計画策定の参考とする必要がある。デマンドプル(目的指向型)のものはマイルストーン提示型として、スピンアウト(副産物)などの評価も行い、計画の継続性を判定する必要がある。
- 人材の育成や流動性、継承性を高める仕組みの構築が必要である。このために、棲み分けではなく連携研究の構築を進めるべき。研究施設で短期的なスクールを開き技術者を養成し、どこにも属さず、必要に応じて職場を移る技能集団をつくってもよい。
- 他省庁と連携を深める方策として、原子力の基礎研究ファンドをつくってはどうか。加速器を使った研究は、高エネルギー物理を除いてスモールサイエンスであるから、「はこもの」の中での革新的又は独創的な研究を助けるファンドをつくればよい。他の分野では生物、ゲノム科学などいろいろあるが、原子力分野ではまだない。
- その他、次のような視点もある。(1)放射線教育を中学・高校教育に取り入れること。(2)研究所の中で基礎開発から応用に移す部門をつくること。(3)技術者の腕のよさを評価して表彰する機会をつくること。
- 加速器を使えば、新材料創成や治療などいろいろなことができるので、日本の産業基盤になり得ると思うが、現実にはそうでない。予算的制約などのため、一般の人々にとってハードルが高く、利用するまでに至っていないためであろう。科学者とは違うセンスをもつ一般の人々、特に中小企業の人が自由に加速器を使える環境をつくることが大切である。利用相談所としての多目的加速器センターをつくり、原子力科学を実用化させることが21世紀には重要だと思う。加速器は触ってみないとわからないので、このような利用環境をつくることは国民が原子力科学を理解する上で具体的な助けになると思う。
(座長)
- 産業界との相互乗り入れの項目で触れる内容と思う。
- ニュークリア・サイエンス・アンド・エンジニアリングとしてみると、現状ではエンジニアリングの面が薄いと思う。今までに加速器が大きな大学にしかないので、考古学などいろいろな分野でも使えることが一般の人々に伝わっていない。一般の人々が使えるような基本的な体制をつくることは重要と思う。
(座長)
- 我々としては、新しい領域をつくる姿勢を何らかの形で報告書に反映させたいし、提言にも出すべきことと思う。今後、どんなことを進めるのか、体制だけでなく、サイエンスやエンジニアリングの方向性をきちんと述べなければならない。項目毎に、進めるのか、中断するのかを考える必要があると思う。
- まず最初に、これまでの議論でコンセンサスを得たことと得ていないことを分ける必要がある。21世紀の今後10年間にどの分野をどのように進めるかコンセンサスを得るとよい。進め方が決まれば、どんな体制がよいかはっきりすると思う。
- 日本としてきちんと行うべきことはいくつかあると思う。中小型の原子炉はとてもおもしろいと思う。すぐに現物をつくらずに、どんなものがあるかコンセプトをもっと詰めて、どこに重点を置くかはっきりさせる必要があると思う。
- 核融合に関しては、JT−60(原研の臨界プラズマ試験装置)でかなり研究が進んだ。技術的な面でもう少しステップアップが必要だが、科学的な研究の場として提供できることを強調すればよいと思う。
- 加速器はかなり成熟しており、しいて取り上げなくとも現在の方向で進むと思う。進め方のところで取り上げるべきではないか。高エネルギー高出力のレーザー分野はぜひ取り上げるべきと思う。パワーの強いラディエーション(放射)という点を強調し、今後どんな形で進むのかコメントする必要があるかもしれない。
- 研究炉で述べることはないと思う。既存の技術をベースとした研究用原子炉を日本が積極的に推進する理由はないと思う。
- 報告書ではこれはダメと書かずにひととおり並べておけばよい。どれが選択されるかは政策担当者や研究所の担当者に任せるべきだと思う。
- 各委員の意見は各々のバックグランドの分野によって随分違うと思う。材料試験炉は原子炉をつくるときに必ず必要となる。日本にインフラがないならば、きちんと対応する必要がある。加速器の専門家の人は、研究炉や原子力発電や工学の議論をするには、必ずしも適任ではない。
(座長)
- 個々の研究炉の存続にまで触れることは細かすぎる。将来どんな方向に進むのかをきちんと述べておくべきである。
- 大型プロジェクトは保守的になりがちで、従来は外国で行っているプロジェクトを日本でも採用したことが多い。今後は、その必要性を自ら考え、技術革新を生み出していく必要がある。第四分科会としては技術革新をプロモートする方法を報告書で述べて欲しい。技術革新における意思決定のスピードの重要性についても指摘があったと思う。実用化については、実際に経験がある委員に執筆してもらってはどうか。
- 研究炉をこれからどうするかということは問題だと思う。これまで、研究炉が果たしてきた役割はかなり大きかったと思う。材料試験炉については原研のJMTR(材料照射試験炉)があるが、できてから32年〜33年が経過し、そろそろ寿命を迎える。そのときに新しいものが必要かどうかは、世の中の要求との関連で議論されると思う。
- 研究炉は教育の点も重要な役割を果たしてきた。原子力工学科の学生がトレーニングで臨界を実際に経験してきたことは重要だった。研究炉の大半が寿命を迎えつつあり、全てなくしてしまうのはよくないという視点で一定の役割を主張すべきと思う。
- 一般的な原子炉の新設が困難な現状では、研究炉でよいものが出てくるという方向付けがなければ、報告書に入れられないのではないか。ただ古くなるから新しいものが必要という理由だけで議論の中に入れるのは問題だと思う。こんな方向なら新しいものが出てくるということとセットにした説明が必要だと思う。
- 加速器、研究炉という括り方よりも、中性子、素粒子というような研究分野で括って議論すべきと思う。そうすれば、「中性子について、JRR−3M(原研の研究用原子炉)で行っているが、パワー不足やユーザーの増加に対応するため、大強度陽子加速器が提案されている。ただし、加速器だけでは不十分で研究炉も必要である」という主張もできると思う。
- 非常に短い時間で照射できるよう性能を向上した材料試験炉、アイソトープ製造炉、教育用原子炉、汎用研究炉というように、今後、研究炉は各々の特長を先鋭化する方向に向かうと思う。
- 加速器については専用化すれば小型化に向かう流れがあった。研究炉でも中小型炉の新しい概念を入れて、特殊材料照射用の炉を開発するような方向はないのか。
(座長)
- 人材育成のためという理由では、加速器でも同様な議論はできるので、研究炉としてのパンチ力はないと思う。研究炉の今後の方向性のために、ぜひ必要という視点を明確にして欲しい。
- 中小型炉は技術的にはおもしろいと思うが、本当に世の中に普及していくべきものかどうか、どこかで議論されているのか。小型炉をビルに置く場合、普及すればするほど管理体制は雑になると思う。どこか別で放射線管理の議論がされているのか。
- この分科会ではどんな炉を開発すべきか決めるのではなく、ある場で中小型炉の開発について検討すべきと提言して欲しい。
- 中小型炉を分散させる場合の管理体制の問題に関しては、いろいろな場で議論されているが、日本としてまとまった方向は出ていない。
- 中小型炉とすべきか、一般的原子炉の革新とすべきかという座長からの問題提起に対しては、これまで小型であるための革新性について説明してきたので、テーマを変えるのであれば、内容を見直す必要があるのではないか。
(座長)
- 論点が中小型炉から別のところにシフトしているように思ったため、中小型炉に絞った方がよいとコメントした。
- 中小型炉を振興することに反対ではないが、原子炉の技術革新を出力の大小で判断するのは誤りである。火力発電では、出力が百万キロワットを超える超々臨界圧火力から100キロワット程度のマイクロタービンまで、広く技術革新が行われている。出力の小さなものに特定する理由はなく、選択肢を狭めるだけと思う。例えば、受動安全については、大型炉にもマッチングするものもある。原子炉では放射線の取扱いがあり、遮蔽が厚いために管理の面からは大型炉の方が有利だと結論した過去の経緯を捨てる必要があるのか。技術革新とした方が、選択肢を広げることになると思う。
(座長)
- 技術革新の点がある一方、タイトルを変えると内容をがらりと変える必要もあるという逆のジレンマがある。この分科会では、元々中小型炉以上のことは議論しないと思っていたし、大型炉の技術革新まで踏み込んで議論するキャパシティ(能力)もないと思うので、議論を発散させない方がよい。
- ある物を想定しないと話が進まないというのは、過去の原子力計画のもつ弱点だと思う。今は、原子力が他の技術に対抗するためには、テーマに関することだけでよいという時代ではないと思う。中小型炉はそれでよいが、第四分科会のテーマはプロジェクトでなくてもよいと思うので、技術革新のことも書いて欲しい。
- 中小型炉に取り組む意義として、次のような意見があった。(1)海外の近隣諸国の状況を考えてエネルギー源と需要地に近接して分散設置するニーズがある。(2)製造者側として連続受注に魅力がある。(3)アジア近隣諸国で、近未来に、石油の供給不安定性のリスク管理上、それらの国へ小型原子炉の供給可能性を確保しておくことが重要である。(4)生産者側としては工場で連続生産し、一括加工すれば品質保証が格段にしやすくなり、標準化と併せて低コスト・高品質が達成できる。(5)大型炉などとの比較ではないが、小型炉であれば炉心の放射性物質の装荷量が少ないので、固有安全性が高まる。
(座長)
- 国と産業界とがどこまで行うかの仕分けの問題もあると思う。
- 日本国内で需要があって、安全であるということがパンチ力になると思うが、まだ課題が残っていると思う。この報告書(案)で概略の方向性としてはよいと思うが、もう少しわかりやすくまとめて欲しい。
(座長)
- 核融合について議論したい。核融合は実用化にはまだ長くかかるので、現在何をすべきかに重点を置くべきと思う。核融合の全体的な流れをもう少しわかりやすく書いて欲しい。
- 報告書(案)に並んでいるキーワードでは大雑把過ぎるので、これまでの50年間で何をし、これからの10年〜20年で何をするのか、きちんと書きたい。
- プロジェクト名を入れるかについて、はっきり議論して欲しい。
- 核融合でもレーザーのことを取り入れるかどうかはっきりさせて欲しい。
- 粒子に根ざす研究に焦点を絞る提案に賛成である。プラズマはたくさんの粒子が集まった多粒子系の問題として見るべきで、1個の粒子の振る舞いをみてもわからないような新しいことがたくさん起こるので、サイエンスの1つの基盤として採用して欲しい。
- 評価や人材育成のことはこの分科会に特化したものではない。
- 核融合のことを議論するための、市民の代表も参加した、吉川日本学術会議会長を座長とするITER計画懇談会や学術審議会の進め方は参考になると思う。
(座長)
- 基礎科学の中にプラズマのことを取り入れるのか、はっきりさせたい。
- 核融合だけでなく、加速器でもプラズマを扱っているはずだから、未来を拓く原子力であれば必ず入れて欲しい。
- ITERの名前は出さない方がよいのか。
(座長)
- 必ずしもそうでない。ITERでこれまでどんなことを行ってきたか記述するのはよい。ITERについて今後どんな方向があるのかという観点で述べて欲しい。
- これまでに提出した文章ではITERを「核燃焼実験」と表現した。
(遠藤原子力委員)
- 受け身の文章が多すぎる。政策文章なので、できる限り主語をはっきりさせて欲しい。
- ITERは既に政治レベルでも話があり、誘致したいという市町村もある、現状として大きな問題になっており、このことが全く触れられていなければ疑問を与える。特定のプロジェクト名を出すかどうかは、ものによると思う。
- 研究炉について今後のことだけを書き、今のことである処分は書かないという方針とすれば、それでよい。しかし、報告書(案)には、高経年化についてはどうする、使用済み燃料はどうすると記述してある。19ページの「使用済み燃料については直接処分も選択肢の1つとして検討することが望ましい」との記述は、日本の全量再処理の路線とは違うと思う。
- 国際競争は目的でなく、手段であることに留意して欲しい。
- 研究炉の使用済み燃料は2009年まで米国のDOE(エネルギー省)が引き取ることになっているが、それ以後のことは決まっていない。研究炉の特殊な燃料を我が国が独自に再処理するのか、あるいは再処理してくれる他の国を探して高いお金を払って委託するのか。研究炉の使用済み燃料を再処理して出るプルトニウムが微々たる量なので、日本全体として有意な価値がないのではないか。そこに多大なお金をかけることが本当によいのか。全てを再処理という路線に対して、研究炉の使用済み燃料くらいは別の簡便な最終処分の方法を考えてはどうかという観点で提案した。
(原子力委員長代理)
- 現在、高レベル放射性廃棄物最終処分に係わる法案が国会を通過するような段階になっている。これは民間企業を中心として動いている。一方、研究炉をもっているのは国に関係した機関が多い。それらの機関が都合が悪いので、直接処分の方がよいと書くことは相当難しいと思う。これから研究炉を活かすのなら、今の再処理路線に乗るような燃料形態を探るべき。政策の一貫性という観点からは、研究炉がいつまでも特別に許された形で存在することは難しい。第二分科会における核燃料廃棄物の話も従来路線の延長上に落ち着こうとしているのに、この分科会から別の話を出しては困る。使用済み燃料をどうするかという問題は事実として認めるが、一般論として、研究炉の燃料は直接処分の方向を目指してよいということにはならない。別の処分法を検討する以前に、研究炉の存在価値があることを示す方が先決である。
- 問題を研究炉に投げかけ過ぎていると思う。研究炉の使用済み燃料を再処理する機関が国で決まっていて、既に事業が実施されているならともかく、そうでない現状で選択肢を否定するのはいい過ぎではないか。
- 使用済み燃料がきちんと処理されることを示すことが、国民が原子力を理解する上で一番重要だと思う。何か落ちこぼれがあってダメだと国民から指摘されるようでは非常に困る。包括的と書かれているのは、米国に返却できない燃料も含めてきちんとした対策を用意する必要があるという意味である。
(原子力委員長代理)
- それは主語の問題になる。客観的に受け身で書けばいろいろな可能性が存在する。大学の使用済み燃料の問題についていろいろと考えていることは、承知のとおりであろう。今あることとこれからの研究炉をどうするのかは別の話である。ここで議論しているのは、今後のことである。
(座長)
- 研究炉の将来をどうするかを書くので、現在の問題に関する記述の仕方は事務局とも相談したい。燃料の再処理については、第四分科会であまり強く主張できる立場にない。別の分科会でも扱っているので、その点も含めて研究炉は将来進めていく価値を示すことが課せられた問題と思う。
- ITERは大きな問題なので、固有名詞を除くべきではないという意見はもっともだと思う。この分科会として、ITERを推進すべきだとは議論されてない段階だったので、慎重に書いた方がよいと判断したが、ITERという固有名詞を除けば論点があいまいになる面もある。しかし、核融合については、他と比べて非常に強い表現がたくさんあるので、全体の論調を整える必要がある。
- 政策文章であるから主語をはっきりさせよとの指示に従って見直した結果、表現がきつくなった。他の分野でも、このような観点で贅肉を落とす必要があるのではないか。
- 今日の意見を参考に文章を書いてみるので、再度見直して欲しい。
(原子力委員長代理)
- 国際的にも国内的にも具体的にITERの名前を出した方が長期計画としてはわかりやすいと思う。従来どおりの開発段階炉の中の位置づけがこれでよいかどうかは考える必要がある。高速炉でも原型炉の段階で、こんな発想の仕方では無理だという状況に来ている。ITERは、ある1つの段階で、次に何をするかの前段階という発想をしない方がよいと思う。超長期のものについては、そのような柔軟性を出して欲しい。
- 核融合はまだ未踏の分野なので、段階的に開発できるものではないが、本当に進めていくのであれば、核燃焼実験は不可欠で、不可避のステップであることはこの分科会で明確に位置づけられたと思う。
(座長)
- ITERについては次回もう1度議論したい。
- レーザーについては担当する委員がいないので、事務局で議事録を見ながらつくった。意見もなかったので、このままの表現としておきたい。
- 加速器に関する中性子、荷電粒子、放射光の3つのうち、放射光は全般に書き直した。一般的にかなり素直に読める文章だと思う。荷電粒子については現状の意義などをもう少し整理する方がよい。
- 個々のプロジェクトを出さないように工夫した結果、現在の文章になった。放射光の書き方がとてもよいと思うので、それを参考にして書き直したい。
- 加速器の開発については、今までの粒子を加速して使う方法から、加速粒子で作った二次粒子を利用する方法へと変わっており、今後の展開を示す際には、加速器に要求する性能も昔とは違うという視点が重要だと思う。
- 加速器のところではユーザーの立場からの提案が欲しい。高感度検出器、マイクロビーム、自由電子レーザーとだけ書かれているが、どんな状態で使われるのかわかりやすくして欲しい。
- 荷電粒子、光、中性子は広い分野なので全部説明していると長くなる。どんな事実がどんな科学に結び付くか表をつくった。表のことを数行にうまく書ければよい。応用として使う面と知識として知る面も含めている。
- 知る面はよく書かれていると思う。しかし、応用の面が何となくさらりと流れている印象を受ける。
- 応用の点については石井委員が書いて欲しい。
(座長)
- 加速器として荷電粒子、光、中性子に今後の重点を置く結論としたい。
- 中性子の部分は、核変換の記述が主になることを避けるように削り、主にサイエンスの動向を重点的に述べるようにした。このまとめ方でよいかどうか、藤井委員と齋藤委員で検討し、コメントして欲しい。
- 自然探求のインパクトに関して、専門的過ぎるという印象を受ける。400年前に地球が回っているか、天が回っているかの新しい自然観の構築は社会的インパクトを与えた。自然探求と社会的インパクトの重なりをもっとわかりやすく盛り込むとよい。
- 荷電粒子、光、中性子については同じ節に入るので、資料2の29・30ページの表のように各々のもつビームの特徴、得意とする研究領域をフォーマットを揃えてまとめると読みやすい。加速器が生み出す光や粒子のところで、特徴を述べた方が一般の人々にはわかりやすいと思う。
- 研究炉や加速器による中性子源のような今あるハードウェアでサイエンス的に未踏領域を攻める場合は研究体制の在り方を問題にすることが多いと思う。高エネルギーで新しい粒子をみつけるようなサイエンスの未踏領域を攻めることもある。未踏領域にはテクノロジー的なもの、サイエンス的なもの、産業応用的なものと分類できるので、これらをうまく整理する必要があると思う。
(座長)
- 図表はこのまま入れるつもりで配布したのではない。どれを採用するのかこちらで判断したい。
- 未踏領域では物理的にも技術的にも高温プラズマとして書き直すことができる。未踏領域には加速器だけが出ているので、括り方を見直すか、並列に書くか変更する必要があると思う。科学技術は広がっているので、あまり加速器にとらわれると分野が狭くみられると思う。
(座長)
- 原子力委員会に対する提言として、あまり広くいっても仕方がない。今回は加速器を取り上げることにしたい。
- そうであれば、核融合プラズマ装置も取り上げて欲しい。
- この報告書の案は大筋でよい段階に来ていると思う。原子力はニュークリア・サイエンス・アンド・エンジニアリングでよいと思う。未踏科学技術領域の研究が必要であることを基調とした提言が並ぶべきと思う。人類の知的財産を生み出すための純粋科学の研究、エネルギーの開発と利用とともに産業利用についても、もっと目にみえるように書いて欲しい。言葉としては「連携」となるのかもしれないが、3−7節は残しておいて欲しい。
- 加速器に比べて核融合炉に関する記述が短いと思う。専門外の人からみて核融合炉開発がどういう流れの中で、どんな段階にあるのかわかる内容にして欲しい。
- 加速器科学については詳細に入りすぎているので、他と平仄をあわせた方がよい。
(事務局)
- 中小型炉なのか、原子炉の技術革新なのかというところで、議論が曖昧に終わっていると思う。中小型炉以外にも技術革新の要素はたくさんある。この報告書(案)に挙げられた技術革新の要素でも、中小型炉特有でないものがある。中小型炉に限定すると、今後の技術革新はこの部分にしかないと受け取られるので、そうしない方がよいのではないか。
(座長)
- 確かに議論がふらついている。指摘された面もあるが、限定をかけないならば、議論が足りない面がある。
(事務局)
- いずれにせよ、タイトルも含めて、原子炉の技術革新について中小型炉に限定してしまってよいかはっきりさせておく必要がある。
- 中小型炉以外の技術革新については何度かコメントした。
- 今の議論に全ての問題が現れていると思う。この分科会には1つの分野から1人か2人の専門家しかいない。これでは「これもよい、あれもよい」としか書けずとも、仕方がない。それよりも、今後も原子力政策をこんな進め方をしていくのか訴えることの方が重要である。このままでは、政策は科学者ではなく、官庁側が決めることになる。ディマンドがあるプロジェクトの場合にはそれでよいのかもしれないが、基礎科学から始めて、ディマンドを世の中に感じさせる政策をとろうとする場合には全くダメだと思う。報告書はそこまで踏み込むことが重要と思う。
(座長)
- 各委員の意見を集める段階から、分科会としての意見を述べる段階に移行しつつあると思う。全ての意見を採り入れると味気のないものになると思うので、座長と相談して、まとめたい。
(3)その他
(木元原子力委員)
- 専門的で非常に重要なことを、各委員が各々の立場で述べていることはよくわかった。しかし、一般国民がどれだけ理解できるかという点では、オタクっぽい感じが否めない。もっとスリムにして、未来を拓く先端技術がこんなにすばらしいということが世の中の人々の印象に残ればよいと思う。
- ここまでドラフトができているので、今後、どれをどの部分にどのくらい入れるかは座長の裁量に任せなければならないところがあると思う。
- 21世紀に向かっての原子力利用は、どれがどう活かされればよいか大まかな枠をつくってみて、その中で個別に具体的な名前が出てくるかもしれない。そのときに、ITERを核燃焼実験とあえていい換えるとわからなくなる。このことも踏まえて、まとめて欲しい。
(事務局)
- 学術審議会の報告の中味は基本的に資料(原子力関係機関等における今後の連携・協力の在り方について(報告)及び加速器科学関係機関等における今後の連携・協力の在り方について(報告))の最後のページに記述されているが、大学と各々の原子力開発機関は役割分担を踏まえつつ、より一層、密接かつ堅固な協力関係を築く必要があると述べられている。
(座長)
- 数日中に、事務局と自分あてに報告書に関するコメントを送って欲しい。
(5)閉会
○座長より、次回(第9回)会合について以下のとおり説明があった。