参考資料
ナトリウム漏えい対策の概要

平成12年2月15日
核燃料サイクル開発機構

 サイクル機構では、2次ナトリウム漏えい事故以降、事故の徹底した原因究明、引き続き安全総点検を実施し、それらの結果等を踏まえて、2次ナトリウム漏えい対策に関する改善方策を検討してきた。その検討結果については、科技庁もんじゅ安全性総点検チーム及び原子力安全委員会もんじゅナトリウム漏えいワーキンググループにて審議していただき、改善方針の妥当性が確認されている。

(1)漏えいの防止(図1参照)
 「もんじゅ」における2次ナトリウム漏えいは、温度計さやの設計・製作段階において、流力振動に対する考慮が不十分であったこと、さや段付部の丸み指定がないこと等が原因であった。このため、再発防止対策として、流力振動に対する健全性、ナトリウム内包壁の健全性の点検を行い、その結果を基に、破損した温度計と同型のものすべてについて改良型のものに交換または撤去する等の対策を行うこととした。

(2)漏えい影響の抑制
 空気雰囲気中に設置された2次主冷却系などからナトリウム漏えいが発生した場合、漏えいナトリウムとコンクリートとの直接接触を防止するという床ライナの機能を維持し、事故が発生した系統から他の健全な系統へ影響を及ぼさないようにすることが重要である。このため、ナトリウム漏えいを早期に検出し、かつ、事故の拡大防止及び影響の緩和を確実なものとして安全性に万全を期す観点から、以下に示すような改善方策を講じることとした。

 @漏えいの早期検出(図2参照)
 早期かつ確実な漏えい検出のため火災検知器の追加など検出系の強化を行うとともに、運転員が中央制御室において漏えいの有無を目視確認でき、漏えい発生時には火災の推移が把握できるよう、工業用テレビ(ITV)や総合漏えい監視システムを設置する。

 A漏えい量の抑制、漏えい継続時間の短縮(図3参照)
 ナトリウム漏えい量を抑制するために、漏えいを確認したら速やかに原子炉トリップし、ナトリウムを緊急ドレン(抜き取り)する。

 B早期消火、再燃焼の防止(図4参照)
 漏えいしたナトリウムの燃焼を抑制して早期に消火するとともに、再燃焼を防止するために、ナトリウム漏えいを早期に検出し、換気空調設備を自動停止させ、さらに、窒素ガスの注入を行う。なお、窒素注入にあたっては、酸欠に関する人的安全性の確保、プラント運転員や現場作業者の負担軽減に留意している。

 C水素発生等の抑制
 漏えいナトリウムと水分(雰囲気中の湿分)との反応による水素の発生防止等を目的として、漏えいが発生した部屋のコンクリート壁等からの水分放出を抑制するよう、壁、天井に断熱構造を設置する。

 これらの各改善設備の基本的な仕様は、ナトリウム漏えい時に確保すべき安全要求に基づいて設定しており、各設備が有機的に機能することにより、あらゆる規模、あらゆる箇所におけるナトリウム漏えいに対してその影響を効果的に抑制できることを、各種の解析や実験を通して確認している。


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