これまでに提出された論点の整理
平成12年1月17日
第三分科会事務局
- 1.将来に求めるエネルギー
○必要とする要件は何か。
- 電力自由化の中で電気事業者が使える技術を考えた上で将来のエネルギー開発を考えるべき。
- 我々が使えるエネルギーは、太陽からのエネルギー(化石、太陽光、風、水力等)、物質のエネルギーへの変換(核分裂)であり、その量は限られている。可能性のあるものについてR&Dを進める。
- 資源的、環境的に社会との整合性が長期にわたって保たれていること。
- ○原子力発電は必要か。
- エネルギー消費は今後も増加。取り出すエネルギー密度、質が格段に高い原子力は必要。
- 多少不便でも原子力がなくてもかまわないという方向へ世論が動いている。原子力について冷静に考え直すべき。
- 天然ガスが十分に存在しているため、新たな原子力開発は不要。
- ○省エネルギー、自然エネルギーにどこまで期待すべきか。
- 積極的に導入すべき。
- 不確定要素が大きく、過度の期待を寄せることはできない。
- 自然エネルギーは全て太陽エネルギーの変形。変形に伴うエネルギー量の消失が環境に与える影響を検討すべき。
- ○二酸化炭素放出抑制技術の必要性。
- 現在、確立していないCO2固定化技術、放出抑制が、人類存続のための急務。
- CO2を放出しないエネルギー源を、資源、経済性、大規模化等の観点から考えると、原子力は必要。
- 2.高速増殖炉及び関連する核燃料サイクルの意義
○高速増殖炉及び関連する核燃料サイクル開発は必要か。
- ウラン資源の有効利用、エネルギーの再生産、環境負荷の低減化に期待できる高速増殖炉及び関連核燃料サイクルの開発は、我が国にとって重要な命題。
- 軽水炉はサイクルの徹底の観点から不十分。原子力が基幹エネルギーとして循環型社会に生き残るため、高速増殖炉は必要。
- これまで半世紀余りの高速増殖炉開発の歴史を踏まえる限り、実用化の可能性は乏しい。今後も実用化プログラムとすべきではない。
- ○高速増殖炉及び関連する核燃料サイクルの意義はどうあるべきか。
- FBRサイクルは軽水炉と競合するものではなく、補完するもの。
- 高速増殖炉の本来の使命は燃料生産。増殖性能の悪い炉では開発の意味がない。
- 高速炉は燃料サイクルが完結して初めて意義がある。炉とサイクルの整合のとれた研究開発が必要。
- ○研究開発にどれだけ投資するのが妥当か。
- 将来のエネルギー源として有望な高速増殖炉関連技術の研究開発に国の予算を投入すべき。
- 実用開発段階にない高速増殖炉にそれほど大きな開発予算を割り当てるべきではない。他のエネルギー開発との比較。
- 3.高速増殖炉及び関連する核燃料サイクルの方向性
○目指すべき姿はどうあるべきか。
- 経済性を大幅に改善し、軽水炉や他電源と競合できる経済性を持った炉を開発すべき。
- 炉として軽水炉と競合するために高速増殖炉を開発するのは無意味。目指すは循環型社会に受け入られるべくサイクル技術の開発。
- 今後情勢が変わることもあるので複数の選択肢を持っておくべき。
- 現行MOX・ナトリウム・大型炉は実用可能な最も確実な路線。
- 燃料として乾式再処理による一体型プラントに適した金属燃料が有力候補の一つ。
- 既存の軽水炉技術を利用した高転換炉(低減速スペクトル炉)の検討も必要。
- リスクの小さい小型高速炉を用いた研究開発の継続が重要。
- 対象となるユーザーは電気事業者のみと考えるべきではない。
- ○分離・変換技術を高速増殖炉研究開発の中でどう意義づけるか。
- 高速炉を用いて長寿命放射性核種の分離変換技術が確立されれば、原子力の環境負荷対策上非常に有効。
- 分離変換技術が確立されないと原子力開発が進められないのか疑問。分離変換技術の確立は望ましいが、従来通りの方向で進めるのも1つの選択肢。
- 高速増殖炉の第1の目的はエネルギーを作ること。うまく運転するとマイナーアクチニドや長寿命核種の変換ができるが、これはあくまでも利益の1つ。
- ○実用化時期はいつ頃を見据えるのか。
- 不確定要素大。
- 軽水炉のリプレースの時期に優れた性能を持った高速炉が実現されれば、リプレースという形で導入していくことを期待。
- 高速炉は実用化にかなり近い段階にあり、実用化時期は来世紀の中頃までに実現しなければ意味がない。
- 今の軽水炉の代替時期は2030年頃。それに間に合わないと高速増殖炉は導入の機会を逸する。それまでに魅力的な高速増殖炉を作り上げるべき。
- 4.研究開発の進め方
○開発目標の設定。
- あるべき究極の姿を設定し、且つ、柔軟性、冗長性をもって、現実の状況からその目標に到達し得るシナリオを構築すべき。
- 高速増殖炉の戦略は短期間の情勢に左右されるべきではない。
- 安全性を大前提に他電源と競合できる経済性を達成すべき。
- ○最適な開発計画とは。
- 開発計画、開発状況等適宜チェックアンドレビューを行い、柔軟な計画の下に着実に進めるべき。
- 一つに絞った大きなプロジェクトにするのではなく、小型で多くのオプションを取り入れた計画とすべき。
- 現在、高速炉開発が行き詰まっているのは、炉とサイクルの研究開発の整合が取れていないことが原因。
- 軽水炉サイクルから高速炉サイクルにどう受け渡していくかの計画も考える必要がある。
- ○研究開発体制はどうあるべきか。
- 核となる研究機関が必要。(サイクル機構は基幹となる研究開発を実施し世界をリードすべき。)
- 官民が一体となり技術を結集した開発体制が不可欠。
- 適切な役割分担が必要。
- 電力、原子力メーカだけでなく日本の産業界で技術を持っているところが協力して行うべき。
- メーカがリスクを冒してでも商売になるシステムを開発すべく体制づくりが必要。
- ○炉、燃料、サイクル、分離変換技術の投資配分はどうあるべきか。
- これまで、サイクルという視点から目が離れ、炉の研究に重きがおかれてきた。
- メーカの現状として、長期間に亘る高速増殖炉の研究開発に従来通り自己の投資をできる状態ではなくなっている。(現状認識)
- ○研究開発を進める上で考慮すべき点。
- 実用化時期までの技術継承。
- 原子力業界の活性化、人材の確保。
- 技術開発と政治との明確化。
- 研究開発の意義を国民に分かりやすい形で提示すべき(合意形成)。
- ○その他の今日的課題。
- 原子力の高コスト体質が研究開発の進展を阻害。
- 原子力技術の高度化には時間がかかる。
- 手続きが煩雑、取得に時間がかかるなど許認可上の問題。
- 5.「もんじゅ」その他の研究施設
○「もんじゅ」の意義。
- 発電技術の実証を行い、着実に運転データを蓄積することにより、次の段階につながる研究開発に利用。
- 運転、保守を通じた技術継承の場として不可欠。
- 世界的に有効なデータ取得すべく1つの炉。国際的な研究開発の場として活用。
- 稼動(運転再開)には非常に大きなコストがかかる。その役割を見直すべき。
- 中規模プロジェクトの候補の一つとして検討の遡上にのせるべき。
- 技術保存の場として活用(博物館に改装)。
- ○その他試験、実証施設の意義、必要性。
- 6.国際協力
○高速増殖炉研究開発について日本が果たすべき役割。
- 人類の将来に有用な技術である高速増殖炉は、狭義の経済性のみにとらわれず、経済大国日本が果たすべき事業。
- 日本は原子力事業、サイクルのあるべき正しい姿をメッセージとして発信していくべき。
- 日本のように経済条件がよくない国では追随型では絶対だめ。
- ○協力(自主開発)か、共同開発(開発の分担)か。
- 国際協力が得られる体制になれば、コスト、時間とも短縮され、計画もうまくいく。
- 日本が優先しているところは他国に協力を促す。何もかもやる必要はなく日本が中心となって進めるものを持つことが必要。