各機関における高速増殖炉関連技術に関する研究開発費の見通し

平成12年1月17日
長計第三分科会事務局

 高速増殖炉関連技術の研究開発において、核燃料サイクル機構、日本原子力研究所、電力、電力中央研究所の各機関が現在検討している今後10年間の研究開発費の見通しを下記のようにまとめた。

●核燃料サイクル開発機構

1.「もんじゅ」
 ○前提条件

 ○10年間の研究開発資金(合計未定分を除いて約950億円)

2.「常陽」
 ○前提
 ○10年間の研究開発資金 (合計約315億円)
 注:燃料照射リグ2体/年、材料照射用リグ2体/年による照射を想定。

3.実用化戦略調査研究及び関連する研究開発
 ○前提
 ○10年間の研究開発資金
  (基盤研究等を除き、フェーズ2(2005年度)まで)

●日本原子力研究所

 低減速スペクトル炉ならびに長寿命核種の分離変換技術に関する10年間(2000−2009年)の研究開発費の総額を示す。

1.低減速スペクトル炉

(1)炉心及びシステム概念の構築
 ウラン資源の有効利用、高燃焼度・長期サイクル運転、プルトニウムの多重リサイクル等の特性を有する低減速スペクトル炉について、負のボイド反応度係数等の安全性確保を前提に、性能を画期的に向上させた炉心概念を構築するとともに、原子炉システムについても検討する。

(2)熱流動実験・解析
 低減速スペクトル炉では減速材に対する水の割合が著しく減少するため、除熱能力の低下が懸念される。このため、通常時除熱限界、事故時冷却性能等を確認する実験を実施し、併せて熱流動予測手法の高精度化を図る。
(3)炉物理実験・解析
 低減速スペクトル炉は現行軽水炉よりもはるかに高い中性子エネルギー領域で運転するとともに、炉の成立性を支配する転換比、ボイド反応度係数等の設計余裕も小さいため、臨界実験を実施して核的特性を検証し、併せて核設計手法の高精度化を図る。

2.長寿命核種の分離変換技術

(1)群分離プロセスの開発
 4群群分離プロセスを経済性及び効率性の観点から改良することを目的として、要素技術の改良研究、濃縮高レベル廃液を用いたNUCEFでのホット試験を実施し、パイロットプラントの概念設計に必要なデータを取得する。

(2)燃料・燃料サイクルの開発
 MA窒化物燃料試料の製作、照射試験の実施、窒素-15の濃縮技術の検討などのMA窒化物燃料の開発を進めるとともに、乾式処理及び窒化物燃料サイクルの開発を行う。また、テクネチウム、ヨウ素などのFPの処理を目指し、被覆材の選定、生成キセノンの回収法などのターゲット材の技術開発を進める。

●電力

 2000年度の高速増殖炉関連技術の研究開発費は以下の通り。
 2001年度以降については、JNCと協力して実施している実用化戦略調査研究の進捗や成果によって研究計画が決まるため、現段階では未定。

1.高速増殖炉

2.再処理、燃料製造

(注)通商産業省の受託研究は含まない。

●電力中央研究所

 2000年度の高速増殖炉関連技術の研究開発費は以下の通り。
 2001年度以降については、JNCと協力して実施している実用化戦略調査研究の進捗や成果によって研究計画が決まるため、現段階では未定。

1.高速増殖炉
(1)金属燃料FBR燃料・炉心の検討(0.4億円)
 金属燃料挙動評価、実用炉心の設計、安全評価解析を行う。
(2)2次系削除等の革新技術の検討(0.2億円)
 2重管SGによる2次系削除炉など、革新技術の成立性評価を行う。
(3)電磁流体機器評価法の検討(0.4億円)
 電磁ポンプの不安定性評価試験を行う。
(4)高温構造評価法の検討(0.3億円)
 ステンレス鋼とクロモリ鋼の材料試験を行い、高温構造設計手法の向上を図る。
(5)免振システムの検討(0.2億円)
 免振要素の試験やシステムの評価などを行う。
(6)熱流動評価法の検討(0.1億円)
 既存コードの整理・評価を行い、一部コードについては高度化を検討する。

2.FBR再処理
(1)乾式リサイクルプロセス技術開発(1.8億円)
(酸化物の還元、電解、TRU分離、塩廃棄物固化)
 使用済燃料を用いたプロセスを小規模で実証する試験に向けての開発、ならびに要素技術の開発を行う。
(2)乾式再処理プルトニウム試験(JNCとの共研)(1.7億円設備費として)
 Puを用いて乾式再処理について陰極処理に到るまでの試験を行う。

3.FBR燃料製造
(1)金属燃料リサイクルシステム技術開発(科技庁受託)(1.6億円)
  工学的観点からFBR燃料製造のための射出成型装置の開発を行う。

                    (注)通商産業省の受託は含まない。