長期計画策定会議第三分科会(第5回)議事概要

 

1.開催日時:平成12年1月17日(月)14:00〜16:30

2.開催場所:主婦会館プラザエフ7階カトレア

3.出席者

委   員:西澤座長、鈴木座長、相澤委員、秋元委員、粟屋委員、近藤(道)委員、齋藤委員、鳥井委員、平岡委員、宮委員、山崎委員、吉岡委員、ラヴィンニュ委員、若林委員
説 明 員:核燃料サイクル開発機構・野田FBRサイクル開発推進部長
原子力委員:藤家委員長代理、依田委員
科学技術庁:和田動力炉開発課長、
通商産業省:国吉新型炉開発企画官

4.議題
(1)高速増殖炉関連技術の研究開発の進め方
(2)その他

5.配付資料
資料1長期計画策定会議第三分科会(第4回)議事概要(案)
資料2−1FBRサイクルの実用化戦略調査研究(進捗状況報告書)
資料2−2FBRサイクルの実用化戦略調査研究(進捗状況の概要)
資料3高速増殖炉関連技術に関する国際協力の現状
資料4各機関における高速増殖炉関連技術に関する研究開発費の見通し
資料5これまでに提出された論点の整理

6.議事の概要

(1)開会について

(2)高速増殖炉関連技術の研究開発の進め方

@FBRサイクルの実用化戦略調査研究について

サイクル機構・野田FBRサイクル開発推進部長より、資料2−1、2−2に基づいて、実用化戦略調査研究の進め方について説明がなされた。なお、説明の前に相澤委員より以下の発言があった。

(相澤委員)

○説明に対する質疑及び意見

(吉岡委員)

(相澤委員)

(鳥井委員)

(相澤委員)

(鳥井委員)

(相澤委員)

(粟屋委員)

(野田部長)

(西澤座長)

(相澤委員)

  • 実証炉の設計実績もあり、現時点でも社会の要請があれば高速炉の導入は可能である。しかし、将来を展望して、もっとより高い達成目標を設定して努力している。

    (吉岡委員)

    • チェック&レビューを行うことは良いことであるが、誰がやるのかが問題。原子力関係者が大半を占めるのはダメで、外国人や異なる専門分野の人も入れ、批判に対して開かれたものにすることが大事。
    • 経済性の目標は、絵に書いた餅ではないか。積上げ方式での計算ではなくて、「努力をしましょう」「目指しましょう」というだけであり、これでは評価に値しない。チェック&レビューでは必ずはねられる。また、100万kW換算で評価するのは問題であって、これについては実額を示すべき。
    • もんじゅの運転再開については、その妥当性に関する説明が全くないので納得できない。

    (野田部長)

    • (吉岡委員の問いに対して)チェック&レビューは外部評価のための研究開発課題評価委員会で行う計画である。それには第三者の方にも入ってもらっている。例えば、フランスの方も参加していただいており、審議結果はオープンにする形で行っている。決して自分たちの世界の人だけで評価しているのではない。
    • コスト評価については、現時点の概念設計検討で留まるのではなく、今後、物量削減の計算を予定している。その結果、どれだけコストが削減されるかを評価する。

    (鳥井委員)

    • 日本だけで使う技術でなく、世界に通用するもの、発展途上国でも使えるようなものを開発目標とすべきではないか。今の安全性が発展途上国でも通用するのか。

    (野田部長)

    • (鳥井委員の問いに対して)検討する。米国のNERIの例をみても開発途上国向けの核不拡散性、受動的安全性を加味したものが目標とされており、同様に考えている。

    (宮委員)

    • 評価は社会的側面もさることながら、技術的側面を重視して専門的立場主体で行うべきである。一応、両側面を区別して行うべき。

    A高速増殖炉関連技術に関する国際協力の現状

    ○事務局より資料3に基づき高速増殖炉関連技術に関する国際協力の現状について説明がなされた。

    ○説明に対する質疑

    (吉岡委員)

    • ロシア・フランスとの協力の問題点、改革すべき点は何か。

    (事務局)

    • (吉岡委員の問いに対して)ロシアとは協力がスタートしたばかりで、協力の枠組を作るのが先。問題点について議論するところまで至っていない。フランスとの協力については、基本的にはムダを省き、重複のあるところは協力して研究開発を進めていこうと考えている。

    B高速増殖炉関連技術に関する研究開発費の見通し

    • 事務局より資料4に基づき、高速増殖炉関連技術に関する研究開発費の見通しについて説明がなされた。

    ○説明に対する質疑及び意見

    (山崎委員)

    • このような数字が示されると決定論的に思えるが、長期間の費用については不確実性も大きい。この資料は、各機関が研究開発費について現時点で概略どのように予測しているか、おおよその目安を示すことが趣旨と理解している。各機関は予算を効果的、合理的に利用して研究開発を進めてほしい。

    (吉岡委員)

    • FBR再処理の研究開発はCPFで行い、その後RETFを使うとあるが、RETFについては湿式にするか乾式にするかをこれから決めると言っているように読める。今までのRETFの設計はご破算にするのか。いずれプレゼンテーションをお願いしたい。
    • もんじゅの年間費用については、売電収入を差し引いた金額が示されているが、売電収入は設備利用率によって変わるもの。設備利用率をどう考えているのか。

    (藤家原子力委員長代理)

    • 本資料が今後の予算として確度の高いものと理解されるのであれば、それは誤解である。各機関が展望をもって向かわねばいけないとの観点からの資料である。原子力予算の審議は原子力委員会で重要な事項。今後、予算をどう考えるかにおいて、新しい発想が出てこなければならない。委員の方々がこの場で発言された意見は反映させたい。

    (近藤道委員)

    • 原研の予算に加速器による核変換の予算は入っているか。

    (事務局)

    • (近藤道委員の問いに対して)含まない。

    (西澤座長)

    • これまでの歴史を振り返ってみると、全て極めて幼稚な人為ミスに事故の原因がある。計画遂行上の決定事項としては、これらが大きな要因となる。高速増殖炉懇談会では、そのようなミスに対するペナルティ、教育をどうすべきかということ、また、原子力関係の真の危険性、安全性を一般国民によくわかるようなPR活動をしていただきたいと申し上げた。

    (事務局)

    • (西澤座長の問いに対して)1点目は検討中。PR活動については、サイクル機構も含めてメディアを通じた広報、直接の説明会を現地で開催している。このような努力は継続して行いたい。

    (西澤座長)

    • これから先、人為ミスの再発防止対策の責任所在はどこか。

    (事務局)

    • (西澤座長の問いに対して)JCO事故についても事故調査委員会が原因の調査報告書を昨年末に取りまとめられており、それに基づき、安全委員会が所轄するものは安全委員会、原子力産業界の指導、監督に関しては原子力局で行うものとなる。

    (西澤座長)

    • 大学で原子力工学の名前が変わっているところがあるが、名前が変わったぐらいで物事が処理されるわけではない。むしろ、国民に対して原子力の研究は大事であることを主張すべきである。

    (宮委員)

    • (西澤座長の発言に対して)大変結構で大賛成。原子力で頑張っている大学のためにも早期に主張(表明)していただきたい。

    (吉岡委員)

    • 大学ではエネルギー研究は人気のある分野であるが、原子力はそうではない。部局の看板だけでなく、中身もエネルギー全体を包括したものにすればよい。

    (3)論点の整理

    ○議論に入る前に、鈴木座長より以下の発言があった。

    • これまで4回にわたり各研究機関等から高速増殖炉及び関連する核燃料サイクル技術、さらに分離変換技術についてどのように研究開発を進めているかに監視説明を得るとともに、高速増殖炉関連技術の研究開発の意義や研究開発の方向性について議論してきた。これまでの議論をもとに事務局がまとめた論点の整理の説明を受け、議論したい。

    ○事務局より資料5に基づいて、これまでに提出された論点の整理について説明がなされた。

    ○鈴木座長より、今回は以下の2点に絞って議論をしたい旨の提案があった。

    • 高速増殖炉及び関連技術の実用化時期を明確にすべきという比較的古典的な考え方と、それに加えて炉とサイクルの整合性をより重視し国全体として研究開発のバランスを見極めるべき、という意見があった。合わせて、地球温暖化問題も視野に入れて、長期的な視野に立って考えるべきという意見もあった。論点の第1は、開発の目標と方向性をどう設定すべきかという点である。
    • 第2点は、そのような目標を実現していくためにどのような研究開発が重要かという観点である。選択肢を広げて柔軟に考えていくべきという点で多くの委員の意見は一致している。それでは、それをどのように選択し、研究開発をどのようなステップを踏んで行っていくべきかという点で、これについては開発上の核となるプロジェクトを持つべき、という意見も出ていたかと思う。

    ○質疑及び意見

    (鳥井委員)

    • これからの社会を考えると、CO2の排出など1つの事柄のみならず、自然界との物質の交換量をミニマムにしていくという目標がありうる。
    • 達成目標の軸をとって段階的に実施していく計画を作るべき。高速増殖炉の実用化の目標を2030年という話がされているが、いいものが出来上がれば実用化は2030年まで待たず早いほうがよい。そういうことが可能な計画にするべき。

    (秋元委員)

    • 鳥井委員の意見に賛成である。エネルギーがいくらでできるかは重要であるが、エネルギーを使っていく時どれだけ地球へのディスターバンスを少なくするかがポイントである。原子力は化石燃料その他エネルギー資源と比べ、同じ質量で100万倍のエネルギーを取り出せる能力があり、ディスターバンスが少ない。しかし軽水炉はそのポテンシャルの1%も使っていない。残りの部分を使わず廃棄物としてしまうなら社会的に問題。循環型社会にふさわしい技術といえなくなってしまう。
    • FBRは、核分裂のエネルギーを使い切る技術である。経済性は重要だが、それを開発の前提条件とすべきではない。軽水炉の歴史を見ても明らかなように、経済性は実用化の経験を積み重ねて向上してゆくものである。最終的には、軽水炉と比肩しうる経済性を持つべきだが、まず、軽水炉ではできないことをFBRで実証していくことを目指すべき。

    (吉岡委員)

    • どういうものを目指すべきかという問に対する答えは自明。国民、住民が買ってくれるもの、置いてくれるものである。電力の自由化は遠からず行われるものと思われるが、自然エネルギーなど他のエネルギー源との競争の中で、自主的に国民が高速増殖炉からの電力を買うインセンティブが働くようでなければならない。原子力発電所は迷惑施設と言われているが、発電所一般は必ずしも迷惑施設ではない。風力発電は地域が誇りを持って受け入れている。
    • 実用化目標時期を問題とすること自体おかしな話である。当事者だけの高速増殖炉計画になってしまう。国民の応援する高速増殖炉計画にするには、少なくとも今のような「もんじゅ」型にするのは到底受け入れられない。高いお金でも風力発電がよいという考えがあるように、これと同じような気持ちにさせるようなアイディアを出さない限り高速増殖炉計画は難しい。

    (若林委員)

    • 研究開発をどう進めていくかについて。実用化戦略調査研究では、2年後に候補概念を絞ると説明されたが、絞る時のデシジョンメーキングをどうするのかが一番重要である。当事者は自分の研究を推進したいものであるが、それでは困る。絞り方をよく考えるべき。

    (山崎委員)

    • 高速増殖炉開発に関して、エネルギーとして使い切るフィロソフィーや、環境にディスターバンスを与えないという基本的考え方を持つべきであるという指摘には同感。しかし、そのような基本的な考え方だけに基づいて研究開発を進めることは難しい。経済性などの開発目標を持ち、また研究開発スケジュールを考慮する必要がある。
    • 例えば、ウラン資源の逼迫を考えると21世紀半ば頃には高速増殖炉が本格実用時期を迎える必要があると考えており、それより十分前に実用レベルの技術を保持している必要がある。

    (鳥井委員)

    • 将来の日本のエネルギー供給システムの中における原子力発電が、現在のように電力会社が供給の大宗を占めるならば、電力会社が決定権を持つことになる。そうであれば、電力の要請を受けた研究をやらないと意味がない。しかし、電力の自由化が進み、他の業種が電力のサプライヤーになり、原子力のユーザーになる可能性が出てくる。その時、エネルギーシステムがどのように日本の社会に入り込んでいくかを考えると、大きな抵抗がある訳でもなく、いいものが出来れば、それを買う人がいるかもしれない。それに答えていかないといけない。その辺りををどうイメージして今回の長計を立てるかが大事。今までと同じような考えで計画を立てると多くのオプションが消されてしまう。

    (齋藤委員)

    • 米、英、独、仏では1960年代にFBR開発をスタートした時、実用化時期を1980年と見通し、実験炉、原型炉、実用炉の3ステップをとることにしたが、何れも成し遂げられず中断した。なぜそうなったかをよく考えてみる必要がある。
    • 単に2030年に商用化の目標を立てても、きちんとやる所がない限り実用化にはならない。そういう背景で今後の日本の高速増殖炉開発を議論するときに、日本一国でもやる決意をもつのか、あるいは国際協力でそれぞれ分担して行うとするか。後者であれば、他国がどこまでついてくるのかは疑問。
    • そういう中で、いつ頃までに高速増殖炉を実用化しなければならないかと考えるとウラン資源の逼迫から2050年までと考えている。どういう形で実用化まで持っていくかはサイクル機構の実用化戦略調査研究の結果によっても変わってくる。
    • 段階的にターゲットを決め、短期的目標をしっかりと置くことが良い。時々の状況によっては他の国もまた力を入れるかもしれない。あまり先のことを考えず、短期的視野に立って着実なところから段階的に実施していくべき。

    (鈴木座長)

    • あるべき姿、どういう考え方をベースに研究開発を進めていくかを考えるとき、タイムスパンを短期、中期、長期に分けて考えていくべきかとの指摘かと思う。

    (平岡委員)

    • FBR開発は不確定要素が多いから、むしろ長いタイムスパンに立脚した考え方を取るべきと考える。FBR開発は燃料の生産性が本質。短期間のうちに軽水炉と競合しうるものができれば、それに越したことはないが、短期間のうちに軽水炉に太刀打ちできるかといえばそうではない。軽水炉と競合できるものでなければいけないと限定してしまうと、逆に自分の首を絞めてしまうことになりかねないので注意すべき。
    • 工芸などの技術維持のためには20年が伊勢神宮の遷宮の限度であるといわれているように、20年が世代間の限度と考えられる。20年毎に高速増殖炉を1基ずつ造ったとして、常時最大で3基であり、それらの発電コストが軽水炉に比べて仮に10%高いとしても、日本全体の原子力でならせば0.5%程度のコスト上昇になるのに過ぎず、この位の負担ならば将来の状況変化に備えるものとして国民から容認されるのではないだろうか。

    (秋元委員)

    • 軽水炉からFBRへの移行は50〜100年かけて徐々に行われるだろう。軽水炉の発展の歴史を見ても、経済性は実用化の経験を積み重ねることによって向上していく。高速炉の経済性も軽水炉と置き替わりながら格段と改善されていくだろう。仮に導入期高速炉が軽水炉に比べて高くても総電力コストへの影響は軽微だし、軽水炉では廃棄物となりかねない資源を燃やしてくれるのなら増加分はサイクルコストと割り切る考えもある。エネルギーセキュリティのために、サイクルの完結が必要だということを国民に認めてもらい、長い視点で高速炉を開発しておくべき。
    • 本当に技術のレベルが上がるのは実用化になってから。開発時点の高速炉をデファクトとなった軽水炉と経済的に比較させることがナンセンスでコストばかり競合目標にするのなら開発の意味はない。高速炉は軽水炉にない特徴を持っている。最初の1〜2基はサイクルとの整合性をもっと全面に出して設計し、その後、技術の改良でデファクトに向かうべき。軽水炉との競合時期をあまり前に持ってくるべきではない。
    • 燃料サイクル全体として考えていく場合、今よりかなり違ったスキームが出てくると思われる。現在のサイクルは、ウランもプルトニウムもクリーンなものを使うということとしている。高速炉サイクルの場合にはウランもプルトニウムもFPも一緒に回せるということを考えると、高速炉では再処理のコンセプトも全く変わってくるし、その燃料を使った原子炉のコンセプトも変わってくる。炉の都合から出発するのではなく、サイクル側をオプティマムにすることから炉を考える。今の延長上では出てこない新しいものを出すことが高速炉開発の意義。

    (粟屋委員)

    • 遠い将来までと、これから50年程度までとの両方について併せ考えるべきである。
    • 海外において、FBR開発に積極的ではない、または止めるという考え方の理由として、当面はウランや天然ガス等が必要なだけ産出する、ということがかなり大きなウエイトを占めていると思う。しかし、それで原子力の開発研究を止めてしまうのは、将来のことを考えると問題である。大きなエネルギーを取り出せる一つの道としてFBRは開発され、人間の手の内にあるのだから、この技術は将来に向けてきちんと追求するべきである。また、自然エネルギーを考える時、どれだけ自然エネルギーが使えるか、使っても大丈夫かを将来の電力を考える際にきちんと検討しおく必要がある。
    • FBRは、物質から可能な限り大量のエネルギーを取り出せるから重要なのか、いわゆる廃棄物を処理できるから重要なのか、については両方が一緒に議論されている向きがあるが、これに関しては特に前者を見据えて開発していくことが大事であろう。原子力の開発と高レベル放射性廃棄物の処理は車の両輪のように大事である。その観点から、FBRにおける廃棄物の処理も大きなメリットになることは確かだが、前者の開発研究に伴って進めれば良いのではないか(処理については他の可能性も併せて検討し得るであろう)。
    • 開発研究の展開に伴う各段階での成果の評価は、専門家による技術的評価をきちんとするべきである。一般の人たちがそれをどう受けとめるかの評価も大事であるが、技術評価とは分けて考えるべき。

    (齋藤委員)

    • (先の発言の補足)将来、どうあるべきかというプラン、考えを持って開発すべきことは当然だと思っている。前回の長計によると、今ごろ、電力は実証炉をつくりはじめる時期であるが、もんじゅの事故や電力を取り巻く環境が変わってきたことにより行われていない。そういうことは前回の長計では予見できなかった。できる着実なところで計画を立てるべき。

    (宮委員)

    • もんじゅの次にどのようなFBRをつくるかが重要である。金属燃料の実績は米国アルゴンヌ国立研究所のものであり、振動充填燃料はロシア(ディミトロフグラード原子炉科学研究所)のものである。いずれを採用するとしても真に日本が本当に自分のものにしようとすればコストと時間がかかる。日本単独でも開発を進めようとすれば、次はナトリウム冷却、混合酸化物燃料路線にならざるを得ないのではないか。
    • 実用化戦略研究は、あまりにも総花的で、大学で行うテーマ、本質からずれているテーマもある。メリハリを付けて、実施してしくべきではないか。

    (西澤座長)

    • もんじゅを使って何年かの計画で研究開発をやろうと考えた場合、計画が長くなったから安くなるという考え方は間違っている。機材が錆びて取り替えなければならなくなってくる。長くするだけが能じゃない。総額としてミニマムになるところを考えるのが常識。早く結論を出すことも有り得る、と考えて計画を立つべきである。従来の方針を尊重していくべきではないか。
    • もんじゅは決して実用に供するのを目的としたものではない。もんじゅのデータがいつまでに出るかが大事。1つの経済的な計算もできる。もんじゅが予定通り動くか動かないかについて、予定しなかったトラブルが発生して、それを改めて調べ直さなければならない、という危険性も持っている。だめであれば止めるという考えも依然として残っている。
    • 技術者の心がけの問題が重要。なんとかしてリカバリーする処置をお金をもらう以前に考えなければならない。
    • もんじゅの開発成果から、どれだけのエネルギーを依存することができるかという基本方程式ができる。エネルギー計画の見通しを立てるときの重要なデータとなる。もんじゅについて、現在の損得勘定で議論するのは2次的な話である。

    (吉岡委員)

    • FBRが必要であるという議論は的外れであり、FBRは無くてもよい。化石燃料の確認埋蔵量は在庫量にすぎないので、枯渇は考えられない。FBRが生き残るにはエネルギーの中で、競争相手より魅力あるものでなければならない。

    (鳥井委員)

    • FBRの実用化を30年後とすると30年間は実用しなくてよいというのではなく、魅力あるものができればその時点で実用化すべき。
    • 研究開発をした人がベンチャー企業をつくり、売り込んでみて、売れなければその技術はダメだということ。日本では研究開発の資金は出てもマーケットを開く資金は出ない。そういったことを研究開発システムの中にどう取り込んでいくかが課題。

    (若林委員)

    • 化石燃料の枯渇はまだ先だが、CO2は大きな問題である。
    • 研究開発の進め方として、目標を早く作ること。もんじゅを早く動かし、その後必要があれば改造もしながら、実用炉開発のための技術開発や実証試験などに利用すべき。

    (相澤委員)

    • 高速増殖炉研究開発の進め方に関して、良いものを早く、いかに達成するかたポイントであり、柔軟性を持ってチェックして、引き返すべきところは引き返す、軌道修正すべきところはきちんと修正するという運営が基本。効率的に早くやるに当たっては、将来を見据えて段階的に目標を達成することをやらざるを得ない。エネルギーの究極的な姿、環境負荷にとってその力を活用するというポテンシャルを生かすにはどうすればよいかということを明らかにすることが重要。合わせて、将来的には経済性があるというポテンシャルについて、具体化して示さないと、次の段階には進めない。
    • 原子力をベンチャー企業として成すのは容易でない。そういう心意気でやる努力はやぶさかではないと考える。

    (近藤道委員)

    • 経済性は長期的に考えるべきである。一般の人が安全と安心を理解したら原子力はサポートされるが、それと研究開発の進め方は別に考えるべき問題。
    • 現有の技術でプロトタイプはできるが、ナトリウム冷却以外となると5〜10年たってもできない。実際的な開発と基礎的なものに分けるべき。

    (ラビンニュ委員)

    • 経済性ばかり考えるとFBRは進まない。原子力に魅力があまりないのは事実である。どのようにすれば魅力あるものになるのか考えるべき。

    (4)閉会について

    (鈴木座長)

    • 今後、論点整理というよりは、基本的考え方の原案的なものを作り、それをもとに意見を求めることとしたい。

    (吉岡委員)

    • この分科会は開発当事者が多いので、たたき台をもとに各界各層からヒアリングを行う必要がある。

    (鈴木座長)

    • できるだけいろいろな方々の意見が取り入れられることは考えたいと思うが、分科会の場としての議論とする。

    事務局より、次回は2月15日(火)午後2時より、敦賀市の福祉総合センター「あいあいプラザ」にて開催する旨の説明がなされた。また、午前中にはもんじゅの視察を予定している旨の説明がなされた。また、一般傍聴者の募集は従来と異なりハガキによる事前募集になる旨の説明がなされた。

    吉岡委員より、最近の福井県での中曽根科学技術庁長官のもんじゅ再開手続きに関する発言について事実関係をきちんと調べてほしい旨の発言があった。
    事務局より、中曽根科学技術庁長官が福井県を訪問した際の発言の概要、記者会見の概要の説明がなされ、一部の報道にあるような発言は長官はしていないとの説明がなされた。また、藤家原子力委員長代理から、高速増殖炉懇談会の報告が、もんじゅに関する現行の原子力委員会の方針であるとの説明がなされた。

  • 以上