長期計画策定会議第三分科会(第2回)議事概要

 

1.開催日時:平成11年10月25日(月)9:00〜12:00

2.開催場所:富国生命ビル 第1、第2会議室

3.出席者

委   員:鈴木座長、西澤座長、相澤委員、秋元委員、粟屋委員、近藤道也委員、齋藤委員、関本委員、高木委員、鳥井委員、平岡委員、宮委員、宮本委員、山崎委員、吉岡委員、ラヴィンニュ委員、若林委員
説 明 員:電中研・井上原燃サイクル部長
原子力委員:藤家委員長代理、遠藤委員、依田委員、木元委員
科学技術庁:興原子力局長、和田動力炉開発課長、伊藤原子力調査室長、国吉原子力利用計画官
通商産業省:藤冨審議官、入江原子力発電課長

4.議題
(1)ジェー・シー・オー東海事業所の臨界事故について
(2)高速増殖炉関連技術の在り方
(3)その他

5.配付資料
資料1長期計画策定会議第三分科会(第1回)議事概要(案)
資料2高速増殖炉を中心とした核燃料サイクルの必要性に関する基礎資料
資料3高速増殖炉サイクルの研究開発の現状とその実用化戦略
資料4-1金属燃料サイクル技術の研究開発の現状と将来の展望
資料4-2金属燃料サイクル技術の研究開発の現状と将来の展望(資料集)
資料5-1(株)ジェー・シー・オーの核燃料物質加工施設の事故概要について
資料5-2高速増殖炉「常陽」と燃料製造計画

参考資料長期計画策定会議第三分科会(第2回)配布メモ
高速増殖炉の現状と今後の展開に関する一考察
第三分科会(第2回)の検討事項についての意見
JCOウラン加工施設での臨界事故について

6.議事の概要

(1)開会について

(2)ジェー・シー・オー東海事業所の臨界事故について

事務局より、資料5−1に基づき今回の事故の概要について、資料5−2に基づき、高速実験炉「常陽」と燃料製造計画について説明がなされた。また、ニュースレター中、政府のとった対応について説明がなされた。

藤家原子力委員長代理より、今回の事故に関する原子力委員会の立場、対応等について発言があった。

主な意見

(吉岡委員)
(興原子力局長)

(鳥井委員)

(秋元委員)

(若林委員)

(西澤座長)

(吉岡委員)

(宮委員)

(齋藤委員)

(興原子力局長)

(平岡委員)

(近藤道委員)

(粟屋委員)

(相澤委員)

(宮本委員)

(山崎委員)

(関本委員)

(西澤座長)

(3)委員からの挨拶及び意見

第1回分科会を欠席された委員から分科会に臨むにあたっての発言があった。

(関本委員)

(4)高速増殖炉関連技術の在り方

事務局より、資料2に基づいて第三分科会で審議するために必要な高速増殖炉を中心とした核燃料サイクルの必要性に関する基礎資料について説明がなされた。

相澤委員より、資料3に基づいてサイクル機構が行う高速増殖炉サイクルの研究開発の現状とその実用化戦略について説明がなされた。

電中研井上部長より、資料4−1、4−2に基づいて、電中研が行う金属燃料サイクル技術の研究開発の現状と将来の展望について説明がなされた。なお、説明前に平岡委員より以下の発言があった。

(平岡委員)

説明に対する質疑及び意見
(鳥井委員)
  • ウラン価格が独自に出てくるのではなく石油とかなり連動性があると思われる。石油価格とウラン価格の関係をきちんと調べておくこと。
  • 実用化戦略調査研究はいい試みであると思うが、まだリニアモデルの域を出ていない。原子力村の中でやろうとしている。電力、原子力メーカだけでなく日本の産業界で技術を持っているところが協力して行うべき。

(吉岡委員)
  • 第1回の分科会において、将来のエネルギー供給システム全体の中での高速増殖炉発電の位置づけとシェアをどうするかを議論してから個別の研究について検討すべきと主張したが、既に個別の研究構想の話に入ってしまっている。今の状況を考えると妥当ではない。
  • 今までは高速増殖炉の必要な点を強調し、安全に実施するからいいとしていたが、正しい政策判断手続きとして、まず、全ての有力な選択肢を評価対象として、総合評価によって優先順位をつけなければならない。
  • エネルギー研究開発全体の中で原子力の占める割合、その中で高速増殖炉の占める割合を提示して欲しい。全体の表があってこそ高速増殖炉の位置づけについて議論できる。
  • 大まかに言えば、エネルギーに関する予算4000億のうち3000億は原子力であり、その中で高速増殖炉及び関連技術は大部分を占めている。原子力を別枠として考え、高速増殖炉を特別枠として扱うのは改めるべきである。
  • 実用開発ステージにあるとは思えない高速増殖炉は、技術検証ステージと基礎実験ステージの組合せであるということを再確認して、それにふさわしい額、ふさわしいプロジェクトのあり方を提示すべきである。
  • 現在までの実用化計画を、技術保存、技術検証、基礎実験をベースとした計画にリセットした上で、どのようなFBR研究開発を行うかのプログラムがあるかを考えるのが妥当。
  • もんじゅは役割を終えたと考えられ、中規模プロジェクトの候補の一つとして検討の遡上にのせてはどうか。
  • ジェー・シー・オーの事故で国民の基本的な考え方は変わり、どこに落ち着くか分からない。国民が動揺している間に急いで報告書を出すべきではない。

(粟屋委員)
  • 事務局から提示された資料の中、将来のエネルギーの可能性のグラフに自然エネルギーを利用したものが含まれている。風力、太陽光、波力エネルギーはすべて太陽からのエネルギーの変形でしかない。これらの手段の開発や利用を考えることは大事だが、このエネルギー量を推定する際に、電力に変えられたエネルギーが自然界から消失することが、気象や海洋などにどのような影響を与えるかについて議論が行われているのだろうか。この推定値が地球における自然現象のバランスを崩すことはない量なのかを知りたい。
  • 相澤委員の「実用化戦略調査研究」の説明の中に4つの方策が挙げられている。その中の一つに「単なる改良・応用のみで実現出来ない高い目標を掲げ、研究開発の意識改革を図る」とある。どのようにしてこの高い目標を見いだし意識改革を図るのか、具体的に知りたい。

(事務局)
  • (粟屋委員の問に対して)太陽エネルギー等自然エネルギーを利用したときの気象学的、環境的影響についての研究はあまり行われていない。

(相澤委員)
  • (粟屋委員の問に対して)例えば、FBRの経済性について考えてみる。これまでに見通しが得られている30万円/kWという値に対して、見通しのつけ易い2割程度安くするという目標を掲げて漸進的に進めるのではなく、20万円/kWというドラスティックな目標を設定するなどして、そのようなコンセプトが可能かどうかを検討しようというもの。その場合、これまでの概念に何かブレークスルー技術を足さないと見通しが明らかとならない筈である。

(平岡委員)
  • (実用化戦略調査研究の説明(相澤委員)で)飛躍という言葉を用いているが、具体的にどういう性能の炉あるいはサイクルを目標とするのか、その設定が重要。どこをターゲットにするかによって開発技術が大きく変わる。全体を見つつ飛躍の幅、経済性も含めて考えてほしい。
  • 実用化戦略研究と第三分科会との係わり合いをどう考えるかを検討しなければならない。

(齋藤委員)
  • 高い安全性のターゲットは何か、全体に定量的な設定が見えない。また、実用化戦略調査研究、電中研の金属燃料サイクル研究と第三分科会の位置付けはどうなっているのか。

(鈴木座長)
  • (平岡委員、齋藤委員の問(第三分科会との関係)に対して)次回に整理して事務局から説明する。私としてはサイクル機構ではFBR懇談会の結論に基づきFBRの開発に主体的に取り組むことを国の機関として付託されており、機関としての責任に基づいて、実用化戦略調査研究が始まった。他方、長計の見直しの一環で、サイクル機構のFBR開発に対して新しい施策、考え方が出てくると思われる。

(秋元委員)
  • 吉岡委員の全体を見渡し、開発計画を進めるべきとの考え方には賛成だが、それが総花的な予算配分につながらないよう注意が必要である。
  • 将来のエネルギー開発予算を考えるとき、21世紀のエネルギーを支えるためにどれだけのポテンシャルを持っているかで決めるべき。それが国の政策たるゆえんである。国が、高速炉なしに21世紀のエネルギー問題の解決はあり得ないと確信するならば、高速炉に9割の予算を使っても良いと考える。そういう議論が必要。
  • 単に軽水炉よりエネルギーを安くつくれるか、軽水炉に対して競合性があるかという議論で高速炉開発を進めるのであるならば、市場原理に任せておけばいいので国の予算を使う必要はない。原子力が世界的なスケールで電力需給を支える基幹エネルギーとなるため、不可欠な技術開発を国が行っていると認識している。
  • 高速炉は軽水炉と競合するものでなく補完するものである。軽水炉では完結できないリサイクルを高速炉を用いて整合性あるシステムとして完結する。そうしなければ原子力は基幹エネルギーとして循環型社会に生き残ることができない。そのために必要な開発を行うのが高速炉の意義である。

(宮委員)
  • 吉岡委員の意見はある程度分かるが、それは別の分科会でなされている。円卓会議や高速増殖炉懇談会でも議論している。議論はやぶさかでないが、本分科会でどこまで繰返すのか決めてほしい。太陽エネルギーや風力についてはNEDOが補助金を出している。ユニットは太陽光は3kW、風力は1MW程度で大規模にやるには数さえ増やせばよいのであって、それに対して原子力は1基の出力が大きく、つくるのにお金がかかる点を理解すべき。

(近藤道委員)
  • 高速炉の研究は重要だと思っている。関連技術に関し個々の議論がなされてきたが、一番重要なのは安全性の問題である。これの具体的な提案が出てこない。国民の理解を得るためには安全性の説明が必要。

(若林委員)
  • 現在の軽水炉から高速炉にいつ頃移行するのがよいのか、いつ頃までに実用炉を開発しなければならないのか、その頃に核融合炉の見通しが立っておれば、それとの兼ね合いも考える必要がある。
  • 燃料リサイクル、エネルギー問題以外にマイナーアクチニドの消滅処理を高速炉の一つの目的にすえてもよいのではないか。それとの関連で、MOX燃料は技術的にプルーブンであるが、より効率のよい金属、窒化物燃料等の導入、時期や開発スケジュールなどは、よく検討して決めるべきである。

(高木委員)
  • 今日の議論(高速増殖炉関連技術の在り方)は、国民の今の感覚とかけ離れている。事故後の世論調査で多少不便でも原子力がなくてもかまわないと、原子力に対する考え方が変わってきたことを認識して検討すべき。
  • 21世紀は高速炉で、何故軽水炉ならだめか。高速炉なら夢が必要であろう。原子力に対する夢を与えられないことに対する考えを直さなければならない。大学でも原子力工学への学生が集まらず、名称を変えているところが多い。

(山崎委員)
  • FBRはトラブルがあったり、問題があるが、長いプロセスで見ると、ほぼ永続的にエネルギーを供給できる実用化に近いエネルギーである。一歩一歩技術を確認しながら、安全性と経済性の整合された技術の開発に取り組んできたし、今後も取り組んでいくべき。

(5)閉会について

鈴木座長より、「高速増殖炉関連技術の在り方」について次回も審議を行うこと、ついては今日の意見を事務局で整理して、本分科会で取り上げるべきもの、他の分科会あるいは全体の策定会議で取り上げるべきものに分けていただきたい旨発言があった。

事務局より次回は11月11日(木)午後2時より主婦会館にて開催すること、用意できる資料については、次回に提出したい旨の説明があった。

以上