原子力政策円卓会議におけるエネルギー選択
に係る意見の論点整理
平成11年12月13日
第二分科会事務局
この資料は、「原子力政策円卓会議における意見の整理(平成8年4月〜平成11年8月)−中間とりまとめ−」(第二分科会第1回会合配布資料)及び「平成11年度原子力政策円卓会議議事速報(第4、5回)」をもとに事務局の責任において論点整理を行ったものです。
- (1)議論の前提や進め方について
- 原子力に依存しないシナリオの作成。
- 原子力のメリット、デメリット両方を見るべき。
- 電力消費抑制、新エネルギーの現状について徹底的な議論の実施。
- 電力供給について集中型と分散型を国民が選択。
- 分散型、大量集中型は対立関係ではなく、相互依存の関係であるべき。
- 客観的、定量的な議論が重要。
- 世界の情勢から脱原発というのはおかしい。
- 脱原発を主張する場合、具体的な脱原発シナリオの提示必要。
- 対案を出さなければ批判できないという姿勢を改めよ。
- 途上国、将来世代に対するエネルギー政策の議論が必要。
- 化石燃料依存システムは100年くらいしか維持できない。
- 全てを満足させるエネルギー源はない。
- エネルギー源の選択については、ベネフィット、コスト、リスク、将来の技術及び産業の発展可能性を考慮して判断すべき。
- エネルギーは、枯渇すること、環境汚染を起こすこと、技術が支えていることの3点において、水や空気とは異なる。
- (2)ライフスタイル(省エネ含む)
- 電力需要を自然エネルギーのみで賄おうとした場合、その生産に見合うまで生活水準を下げることは不可能。
- 省エネでどこまで需要が抑制できるか考えるべき。
- 省エネと原子力推進のいずれが良いか検証すべき。
- 政府の2010年までの見通しである年間2.7%の省エネは、石油危機直後の日本の省エネ率を超えるものであり、困難。
- 技術開発により、今後大幅な省エネを達成可能。
- 炭素税に関しては、効果が得られるという意見と、省エネ効果はあまり大きくないという意見がある。
- 省エネのためのライフスタイル改善は、政策ですべきことではない。
- ライフスタイルの転換は困難。
- 国民生活のレベルを相当下げる公約は困難。
- すでに街の作りは、エネルギーを消費する構造になっている。
- 生活の無駄を削っていくことで、生活水準を下げることは可能。
- 新エネ、省エネだけでは需要増加に対応できない。原子力の役割は正当に評価されるべき。
- 大量生産・大量廃棄の社会を見直し、原子力に頼らない社会を求めつつある過程にある。大量消費型社会は破綻している。
- 原子力モラトリアムを前提とした省エネ化は困難。
- 節電により時間の余裕を作ることが現実を前提として実行できる方法。
- ライフスタイルの問題は、気構えだけでなく、制度の問題を絡めて議論すべき。
- 原発は省エネと対立するものではなく、省エネも着実に進めて行くべき。・省エネ省資源生活へと、どう社会・経済的にインセンティブをつけていくかが重要。
- 構造的に省エネしていかねばならないが、それには教育が必要。
- 我が国でこれ以上の省エネを期待するのは困難。
- (3)エネルギーセキュリティ
- 世界的なエネルギーセキュリティを考えるのは当然。
- 今後の高齢化、小子化、国際化の進む中、快適な暮らしと高度な産業を維持発展させていくには、エネルギー確保が極めて重要。
- 質の高い電力の安定供給が重要。
- 日本は、資源的に他国と違うことから原子力も考慮すべきであり、長期的には、新エネも評価し、選択して行くべき。
- アジア諸国が日本並の産業力を有するようになった場合、日本はこれまでのように石油が使えるのか。
- 世界的なエネルギーセキュリティを考える際、自然エネルギー、省エネの可能性を汲み尽くすことが大事。
- 21世紀のエネルギーセキュリティを考えると、体力のある内に将来の備えをすべき。
- 国際石油資本の動向等、国際情勢の変化をみる必要がある。
- 海水ウランを使うと、核分裂も「100万年のエネルギー」となる。
- (4)エネルギー需給
- 人口100億、エネルギー・CO2の大幅増は、現実となる可能性低い。
- 人口57億を養うためのエネルギーという現実を踏まえた議論に。
- 消費拡大の見直し。
- 世論からすれば、エネルギー需要は抑制でも良いのでは。
- 電力需要の増加に応えるという従来の発想を改めるべき。
- デマンドサイドマネージメントを第一段、価値観等の変革を第二段として原子力商業利用を廃止すべき。
- 発展途上国の人口増加とライフスタイルの向上により、エネルギー消費が爆発的に増加する。
- 化石燃料は、歴史的には一瞬である数百年で枯渇する。
- 化石燃料の大量消費は、世代間の不公平を生じる。
- エネルギー不足についての危機感を煽られているような気がする。
- 資源・エネルギー消費が21世紀もこの調子で増加していくのは無理。
- 途上国の人口増加は都市に集中するため、バイオマスや自然エネルギーでは賄えない。
- 需給バランスを最終的に決定するのは国民だから、結局は教育に行き着く。
- 今後世界のエネルギー需要は増加する。
- (5)環境影響
- 地球温暖化や地球規模の環境問題から原子力が必要。
- 原子力は後世への負担等を全体的に考慮し、位置付けを考え直す必要がある。
- 原発20基分に対応するCO2削減量は、石炭換算で2000万トンに相当し、貢献度大。
- 「環境問題があるからエネルギーを減らし、原子力もやめていく」との考えと「環境問題があるから原子力が必要不可欠である」との考えがあるが、後者が重要。
- 東京電力が1970年から1995年の間にカットしたCO2のうち70%が原子力によるもの。原子力なしではそれだけのCO2抑制はできない。
- ヨーロッパで既に取り組まれている環境負荷に対する税制面での対応も取り組むべき。
- (6)各種エネルギー源の評価等
@新エネルギー
- 原子力以外の新エネルギーは基幹エネルギーとなることは困難で、補完的なもの。
- 供給義務のある電力会社としては、不安定、不透明な新エネルギーだけでは自信がもてない。
- 自然エネルギーは、エネルギー密度が希薄。
- 新エネへの取組みは大切だが、供給力、信頼性が心配。
- 自然エネルギーの可能性を汲み尽くすのが大事。
- 風力発電で数%程度は賄える。各国の動きを見習うべき。
- 風力、太陽光を進めるべきだが、広大な平地の必要性や騒音の問題、送電ロスの問題があることを考えるべき。
- 自然エネルギーへの国の研究割り振りが少ない。
- 太陽エネルギーへの投資が原子力に比べて少ないのは、前者が変換効率を高める技術開発のみであり、後者はシステムインテグレーションであるため。
- 太陽光などの分散型、地域型の電力供給に移行すべき。
- 再生エネルギーのシェアを何%までにできるか検討する必要がある。
- 自然エネルギーを普及する場合には、大型エネルギー源の支援が必要であり、様々なエネルギーを多角的に使用することが重要。
- 太陽光発電と原子力発電では、稼働率が大きく異なるため、設備容量を比較しただけでは、前者は後者の代替とはならない。
- 日本は自然エネルギーを利用できる適地が少ないが、増やしていくことは必要。
- 自然エネルギーには限度があり、原子力の代わりにはならない。
- A原子力
- 原子力は現状維持で増設すべきではない。増設を前提としている政府計画は問題。
- 原子力の必要性は認めるが、その依存度を検討すべき。
- 原子力のシェアは維持すべきで、エネルギー消費の増大とともに増設すべき。
- アジアのエネルギー消費量増大を勘案すると、化石燃料では不可能で、原子力が必要。
- アジア地域での原発増は、廃棄物、事故確率も増加するということ。
- 原子力の商業利用は、その危険性と独占的性格により、最終的に廃止されるべき。
- 原子力は人間の幸福とは相容れないものであり、これ以上地球を放射能で汚染しないで欲しい。
- 原子力は、利用に先立ち、自然環境、社会環境、人類社会等と調和できるか考えるべき。
- 他の代替エネルギーが開発されるまでの間、原子力は不可避。
- 中期的には、原子力なくしては無理。その次のステップについては、定量的に追及すべき。
- 既存の原子炉は段階的にやめていくべき。
- 誰も目標年次までに20基建設されるとは思っていない。不可能な計画はやめるべき。
- 通産省、OECD/NEAによると、他電源に比較して、原子力の発電コストは相対的に安め。
- 電気事業の規制緩和の中で、原子力が経済競争力を持ちうるのか疑問。
- 原子力発電単価9円という見積もり値は疑問。
- 原子力の低コストとの発表に疑問。
- 原子力モラトリアムや凍結は、非生産的。
- 化石燃料は日常生活品に、ウランは発電にしか使えないため大いに発電に利用すべき。
- 年2%でのびる電力需要を満たすのは、原子力発電以外にない。
- 新エネを国を挙げてやっても、原子力の割合を40%以上に増やす必要があるのか。
- 後世に負の遺産を残すべきではない。
- 原子力は、無資源国である日本のエネルギー供給手段の選択肢の一つに過ぎないとの認識が必要。
- (7)原子力安全/安心
- 放射線廃棄物や安全性の問題から原子力には反対。
- 原発の事故に対しては、飛行機の事故と違って我々はそれを回避する選択ができない。
- 世論調査では、国民の原子力に対する容認率は低下している。
- 早急に新規原子力発電所建設やプルトニウム政策を休止すべき。
- 原子力のリスクとベネフィットの比較はそれぞれ受ける者が異なるので不適切。
- 原子力に係る重大事故の発生する可能性を明らかにすべき。
- 原子力の利用は基本的に困難。
- 理科系の人は「安全イコール安心」を当然のこととして技術開発をしてきたが、実はそうではなかった。
- 事故ゼロを目指して努力することが安心感につながる。
- (8)教育・その他
- 国民に対しエネルギー、温暖化に関し改めて認識させるべき。
- 小学校からの放射線やエネルギーに関する教育が必要。
- 人類文明は高密度な貯蔵エネルギー利用が基本。
- 低密度な非貯蔵エネルギーは主要なエネルギ−源になり得ない。
- 非常に高級な物質である石炭、石油を燃やすことは非常にもったいない。
- エネルギーを必要としている都市部以外に供給源を置くのは問題。