T.文明と原子力
1. 文明の発展
2. 原子力とその可能性U.国民・社会と原子力の調和
1.国民・社会と原子力
2.安全確保のあり方
(1) JCO事故で提起された問題
(2) 安全確保の基本的考え方
(3) 安全確保への取組
(4) 明確な責任の下での安全の確保
(5) 原子力防災に向けて
3. 国民の信頼感、安心感の確保に向けて
(1) 不信感の要因
(2) 信頼感の確保に向けて
(3) 不安感の要因
(4) 安心感の確保に向けて
4. 政策決定のあり方
(1) 政策決定のあり方について
(2) 原子力政策決定に関する現状と今後の課題
5. 国民の信頼と安心の確保のための具体的取組
(1) 情報公開と情報提供
(2) 教育の在り方
6.国、地方自治体、事業者等の関係のあり方
(1)原子力施設の立地と地方自治
(2)原子力施設の立地をめぐる状況
(3)国民の理解の上に立った立地
(4)立地住民の不安や不信への対応
7.立地地域の自立的な発展に向けて
(1) 立地地域の現状
(2) 自立的な発展に向けて
| ○ | 人類の文明の歴史は、火の使用にはじまる科学技術の進歩に支えられてきた。住環境、医療、交通、通信、産業等、あらゆる分野において、科学技術の進歩なしには、今日の繁栄は、成立し得なかった。今後も、人類が文明をより豊かなものとするためには、科学技術の発展は不可欠な基盤であろう。 |
| ○ | 一方、グローバリゼーションの進展、食料・環境・エネルギー問題の顕在化、先進諸国における物質的充足等の潮流は、21世紀を目前に控えた今、文明に新たな方向性を加えつつあるように思える。21世紀において人類の持続的発展を可能とするためには、科学技術の更なる進歩による可能性の拡大に期待するだけではなく、今後の文明の目指すべき方向性について再認識する必要があるのではないか。 |
| ○ | 人類の発展は、科学技術の進歩に支えられ、今日の高度な文明を築き上げてきた。火の発見と利用は、人類が外敵から自らの身を守り、日々の生活に必要な衣食住を確保する上で大きな役割を果たし、個人では到達し得ない多様な活動を大規模かつ広範に展開することを可能としてきた。特に、18世紀の産業革命以降、経済活動の急速な発展と地理的な制約の克服により、今日の豊かな生活と繁栄をもたらすに至っている。 |
| ○ | 近年でも、科学技術は、情報、生命、量子の領域などで、引き続きそのフロンティアを拡大し続けており、人類共通の知的財産として、今後の人類文明のさらなる発展の基盤となることが期待される。 |
| ○ | 交通手段の高度化によってはじまったグローバリゼーションは、情報技術の発展に伴い、その速度と深まりを急速に増し、経済、文化はグローバル化により、新たな局面を迎え、また人類は地球的視野にたった取り組みが求められるなど、文明自体のグローバリゼーションが進んでいるというべきかもしれない。 |
| ○ | また、これまでの文明の歴史は、地球資源の大量消費、大量廃棄に支えられており、人口の爆発的な増加とあいまって、生態系の破壊、廃棄物処分問題、地球温暖化問題等、食料・環境・エネルギー問題を引き起こしている。文明の持続性を確保するためには、地球との共生を目指した循環型社会の確立等により、これらの諸問題の解決が不可欠であろう。 |
| ○ | 一方、先進諸国においては、物質的な面では、一定の充足感が得られるに至っている。今後はこれら文明の恩恵を先進国のみならず発展途上国へと広げるとともに、健康、医療、文化的活動、コミュニケーション等、人間及び人間関係を中心とした「豊かさ」の向上への発展が期待されている。 |
| ○ | 21世紀以降の長期にわたる文明の発展の方向性を今、断定的に述べることはもとより不可能であるが、現時点ですでに見え始めている文明の新たな兆しに基づき見通せば、以上のような方向性が示されるのではないか。 |
| ○ | すなわち、@科学技術の更なる進歩を原動力とし、Aグローバル化された世界に住む人類全体として、B地球との共生を目指しつつ、C人間を価値の中心に据えた、文明へと発展していくことが期待されているのではないか。 |
2.原子力とその可能性
| ○ | 放射線の発見という形で、19世紀末に生を受けた原子力は、科学と技術の結合体として20世紀を通じダイナミックな展開を見せ、人類の英知による新たなエネルギー源として大きな飛躍を遂げるとともに、ミクロの世界に関する知見の蓄積から、医療分野・産業分野等での放射線利用に至るまで、広範な科学技術分野にさまざまな影響を及ぼしてきた。 |
| ○ | 今後も、原子力に関する科学技術は、エネルギーの基盤を支えるとともに、科学技術の世界において物質の究極を極めたり、広範な科学技術分野において研究開発の基盤を提供するなど、新たな知の創造による知的フロンティアの拡大、産業の活性化、国民生活の質の向上等に重要な役割を果たすことが期待される。 |
| ○ | こうして得られる原子力に関する科学技術の知見の恩恵は、発展途上国の人々も含めて人類全体に広げていくべきであり、さまざまな形での原子力に関する国際協力により、人類共通の財産とすることができよう。中でもエネルギーの供給が発展途上国の発展の基盤であることを考えれば、原子力発電がその重要な役割を果たしていく可能性もある。その際、安全確保はもちろんのこと核兵器の存在が人類の解決すべき最も深刻な問題の一つであることを認識し、核不拡散について十分な配慮が必要である。 |
| ○ | また、地球との共生の観点からエネルギー問題を考えれば、まずエネルギー消費そのものを削減することが最も重要なことであるが、エネルギー源について見てみれば、@再生が不可能な化石燃料に代わるエネルギーであること、A二酸化炭素等温室効果ガスの排出を極力抑制でき、また利用に伴い有害な物質を排出しない又は有害物質を環境から隔離できること、B社会が安心感をもって受け入れられることなど、新たな文明の方向を踏まえた視点が必要である。 |
| ○ | 現在、我々が手にしているエネルギーのうち、広義の太陽エネルギー起源のエネルギーや原子力エネルギーは、循環型社会の求めを満たしうる有力な候補と考えられる。 |
| ○ | 原子力エネルギーは、その高いエネルギー密度ゆえ、燃料のウランの量や、廃棄物の発生量が化石燃料に比べて少なく、二酸化炭素等を発生しないなどのメリットを有する。一方、原子力が今後社会により広く受け入れられるためには、現在行われている安全確保の努力に加え、放射性廃棄物の処分に着実に取り組んでいくことが求められている。 |
| ○ | 将来の文明がいかなるエネルギーを求めるかは、社会の選択において多くのシナリオがありえ、我々の世代の判断を超える問題である。しかしがら、現世代が責任をもって次の世代に持続可能な文明を引き継ぐために、我々はその英知をもってあらゆる可能性を探求しつつ、適時適確に評価し、後世代に責任をもって引き継げる選択肢を提示することが、現世代の責任であると考える。 |
| ○ | 放射線利用の面では、患者への負担の少ない診断・治療や先端医療への応用、環境の監視・保全技術への適用、食品照射による食料・健康の維持への応用等、放射線による改質等を利用した効率的なプロセス技術の産業への応用やその製品の身近な生活への普及等を通じて、安心して暮らせる社会の実現、国民生活の質の向上、環境と調和する循環型社会の実現等、社会的要請に積極的に貢献する可能性を有している。さらに、放射線利用技術の発展途上国への移転は、我が国の国際社会に対する貢献としても期待されている。 |
| ○ | 以上のように、原子力は、現代文明を支える一つの要素として存在しており、また、21世紀以降の文明の持続的発展を担うものの一つとして、大きな可能性を有していると言える。 |
| ○ | このような原子力の有する多様な可能性に鑑みれば、資源に乏しく人的資源を唯一の資源とするわが国にとり、将来のエネルギーの安定確保や科学技術の発展の面で、原子力の研究開発利用が果たしうる役割は極めて大きい。特に、総発電電力量の約3分の1を供給する基軸エネルギーである原子力は、わが国のエネルギーセキュリティーの確保、地球環境保全等の面で重要な役割を果たしており、さらに、今後わが国がその優れた技術力をもって、21世紀型社会に求められる原子力の研究開発に果敢に取り組むことは、わが国のエネルギー、技術の両面におけるセキュリティーの確保に貢献するのみならず、世界の公益の実現にも通ずるものと考えられる。 |
| ○ | 一方、原子力は、現在の国民・社会との観点(断面)で捉えると、放射性廃棄物の処理処分、核不拡散等の課題とともに、安全の確保、国民の信頼感、安心感の確保、政策決定の在り方等国民・社会と原子力の調和を図るために解決していかなければならない課題が存在している。 |
U.国民・社会と原子力の調和
1.国民・社会と原子力
| ○ | 原子力は、エネルギー、先端的科学技術、放射線利用の分野において国民生活や経済社会に定着し、今日、極めて社会的な存在となっている。 |
| ○ | 一般に、科学技術の成果が社会に定着し発展するためには、社会がその意義や利害得失の全体について理解し、広範な合意が得られることが重要であるが、原子力については社会への定着が進む一方で、原子力に対する信頼感の喪失、安全性に対する不安の高まりなどにより、国民の理解や信頼が低下している。 |
| ○ | JCO事故は、40年余りにわたる我が国の原子力開発利用の歴史で初めての犠牲者を出すなど極めて重大な事故であり、原子力の安全性に対する国民の疑念を招き、また、原子力に対する信頼を大きく揺るがした。 |
| ○ | このような今日的状況を踏まえ、「国民・社会と調和ある原子力」の発展を考えれば、まず大前提としての安全確保の重要性を再確認し、国民の信頼に足る安全確保策を示し、また、国民一人一人の原子力に対する不安感、不信感に応えられる対策や地域との共生のあり方を示すことが重要。 |
| ○ | また、その際、現在の日本をとりまく社会の潮流、すなわち、情報化の進展、地方分権の流れによる国と地方自治体との関係の変化、組織から個人を中心とする社会の変化の中での「個」と「公」の関係の変化、といった現在日本の経済社会構造のいたるところに影響を及ぼしている諸変化が、原子力と国民・社会との関わりを考える上でも無視できない要素をはらんでいることも考慮することが重要。 |
2.安全確保のあり方
(1)JCO事故で提起された問題
| ○ | JCOウラン加工施設の事故は、わが国の原子力の研究開発利用の歴史において初の犠牲者を出すとともに住民への避難要請、屋内待避要請が一時行われるなど、最も深刻な事故であった。事故後に原子力安全委員会のもとに置かれた「ウラン加工工場臨界事故調査委員会」では、事故原因や事故にかかる防災上の対応はもとより、事故の背景としての企業・産業のありかた、社会と安全など、広範な観点から、事故の分析を行い、再発防止策を提言した。 |
| ○ | 国は、原子炉等規制法の改正及び原子力災害対策特別措置法の制定など、原子力安全規制の抜本的強化と原子力災害に係る防災対策の法的枠組みを整備するとともに、これまで科学技術庁に置かれていた原子力安全委員会の事務局機能については、平成12年4月から総理府に移管・整備し、その独立性と機能の強化を図った。また今後、平成13年1月の省庁再編に伴い、原子力安全委員会の内閣府への移行、原子力安全・保安院の設置等、原子力安全規制行政体制の再編が行われることとなっている。 |
| ○ | さらに、民間事業者においても、原子力安全文化の共有に向けたニュークリアセイフティーネットワークの構築など、JCO事故で提起されたさまざまな問題に対する対応が、各方面で講じられつつある。 |
| ○ | 今後とも、国、事業者は、JCO事故の教訓を今後の対策に最大限反映させることが重要。また、国の原子力安全確保に関係する部局においては、情報公開の一層の促進や幅広い立場の有識者や国民の声をその活動に反映させるための措置を講ずることなどにより、事故により損なわれた安全確保に対する国民の信頼回復に努めることを期待する。 |
(2)安全確保の基本的考え方
| ○ | 現代社会において、「安全」は最も重要度の高い価値として位置づけられ、原子力開発利用においても安全の確保は最優先の前提条件。 |
| ○ | その基本は、 |
| @ | 「安全文化」に代表される、安全を最優先させるという強い認識を持って、これに基づき事業者自らの責任で安全確保の取組を行うこと、 |
| A | このような安全確保の取組を確実にするため、明確な責任関係に基づく安全確保体制が存在すること、 |
| B | さらに、いかなる安全確保のための取り組みがなされたとしても、事故発生の可能性を完全に排除することはできず、万一発生した場合に備えて、被害を最小化するための対策を準備しておくこと、 |
(3)安全確保への取組
| ○ | 「原子力の安全問題に、その重要性にふさわしい注意が必ず最優先で払われるようにするために、組織と個人が備えるべき一連の気風や気質」(国際原子力機関(IAEA)国際原子力安全諮問グループ報告(INSAG)セーフティ・カルチャ)として定義づけられる「安全文化」の具体的実践が重要。また全ての原子力関係者は、原子力が果たす社会への貢献、内包する危険性、それらに起因する社会の関心等を十分自覚し、原子力の安全確保についての国民の期待に応えることが重要である。 |
| ○ | 規制緩和・自己責任の時代において、事業者の保安活動をいかに実質的に担保するかが重要。 |
| ○ | 日本の原子力事業者等において、原子力産業界全体の安全意識高揚、モラルの向上および原子力の安全文化の共有化を図ることを目的とするニュークリアセイフティーネットワークが設立されたことは意義深く、今後の活動の広がりが期待される。 |
| ○ | 故障、トラブルから得られた教訓や内外の最新の知見を適時適切に反映させるとともに、安全研究に関する体制整備や研究の着実な推進が重要。 |
| ○ | 「安全性」を軽視した「経済性」は長期的には存在しえない。「安全性」と「経済性」は相互にプラスの相乗効果を及ぼしあいながら発展すべきものであり、またそれは関係者の努力により十分可能である。 |
(4)明確な責任の下での安全の確保
| ○ | 安全確保の第一義的責任は事業者が有しており、事業者は自己責任のもとで適切に安全確保を図ることが必要。国の役割は事業者による安全確保の水準を定めそれを適確に実施するよう適切な規制を行うこと。 |
(5)原子力防災への取り組み
| ○ | 原子力防災対策については、原子力災害対策特別措置法が制定されたが、今後、国、地方自治体、事業者が連携協力してその実効性を確実なものにしていくことが必要。 |
3.国民の信頼感、安心感の確保に向けて
(1)不信感の要因
@人、組織に対する不信感
| ○ | 「もんじゅ」事故の際の情報提供を巡る旧動燃の不適切な対応や使用済燃料輸送容器の製造データ改ざん問題等一連の不祥事により原子力に携わる者や組織に対する信頼が喪失。 |
| ○ | 原子力に関する情報の難解さや、決定された政策等に沿った情報のみが発信されてきたことにより、国民は原子力に対して密室性、閉鎖性の印象を抱いている。 |
| ○ | 原子力関係者(専門家)は「原子力村」という言葉に代表されるように、社会状況が変化しているにもかかわらず、国民・社会と積極的なコミュニケーションを十分図ってこなかったことにより、国民との距離が拡大。 |
A政策に対する不信感
| ○ | 原子力開発利用の歴史の中で、発電が先行し、結果的に放射性廃棄物の処理処分対策への対応が遅れたことなど、政策の整合性やプロジェクトの遅延による不信感が増大した。 |
B原子力に関する情報発信の問題
| ○ | 国や事業者は、自らにとって不都合な情報を十分公開していないのではないかとの疑念が持たれている。 |
| ○ | 特に事故時の、マスメディアその他への情報提供の稚拙さが不信感を増大させている。 |
(2)信頼感の確保に向けて
@人・組織に対する信頼感の醸成
| ○ | 原子力に対する信頼感も、究極的には人と人の信頼の問題であり、原子力に携わる一人一人が、原子力という潜在的に危険なものを扱っているという責任感を自覚するとともに、常に国民・社会とのかかわりを念頭に行動することが求められている。 |
| ○ | また、国民から見て、事業者の活動が社会に対して開かれており、透明感をもって受け止められることが重要。このために、明確な情報公開基準に基づき、通常時、事故時を問わず、適時、的確かつ信頼性の高い情報公開を実施し、組織としての透明性を高めることが重要。 |
| ○ | さらに、効果的な情報発信という観点からは、的確かつ質の高い広報の実現が求められるが、そのためには一般国民とのコミュニケーション能力を有する専門家の養成・訓練、インターネット等の多用な媒体の効果的活用等が重要である。 |
A政策に対する信頼の確保
| ○ | 放射性廃棄物処理処分対策を着実に進めるとともに、国は政策に対する十分な説明責任を果たすことが重要である。 |
B情報発信のあり方
| ○ | 情報発信者は、情報発信を単に情報の伝達や説得の手段として考えるのではなく、いかにしたら受け手に信頼されるかという視点を持つべきである。 |
| ○ | 従来、原子力関係者の間で国民の不安を払拭したいという思いが強すぎたため、一方的、断定的な説明を繰り返し、不都合な情報をオープンにしない姿勢に繋がっていたという指摘もある。 |
| ○ | このような状況を改善するには、国民に原子力のプラス、マイナスの両面について客観的に情報を提供し、国民が自ら判断できる環境を整備することが重要である。 |
| ○ | またこのような努力の積み重ねが、情報の送り手と伝えられる情報に対する信頼の向上につながるものと期待される。 |
| 〇 | 特に事故時には、迅速な情報提供が求められる。 |
(3)不安感の要因
@事故トラブル等原子力施設の安全性に関連する要因
| ○ | 国内外の原子力施設での事故等により安全性に対する不安感が醸成されていたことに加え、JCO事故は、国内初の犠牲者、周辺地域住民の避難を招く結果となり、安全性に対する不安が現実のものとして国民の前に示された。 |
| ○ | 安全確保について誰がどのような責任を有し、かつ、それがどのように着実に遂行されているか、国民の目に十分見えていない。 |
A原子力に関する知識の不十分さ
| ○ | 放射線が目に見えないことや、放射線の人体に対する影響(晩発性の影響や、子孫に対する遺伝的影響)に関する知識が十分でないことにより、放射線に対して恐怖心が形成されている。 |
| ○ | 原子力施設の安全性に関する知識が必ずしも十分でなく、また事故等が起きた場合、原爆や海外での事故との相違等について十分認識されていないため、事故・トラブルに対する不安感を増大させている。 |
| ○ | 放射線や原子力施設の事故についての基準、尺度が、国民にわかりやすく説明されておらず、原子力施設の事故報道等に接しても、自ら客観的にその規模や危険性を認識できる根拠がない。 |
Bマスメディアによる影響
| ○ | 国民の原子力に関する情報源としてのマスメディアの役割は大きいが、一般的に事故・トラブルなどのネガティブな情報に注目がかたよりがちで、大きく取り上げられる傾向にあるため、不安感を増大させる結果となっている。 |
(4)安心感の確保に向けて
| ○ | 国民が安心感をもって原子力を受け止めるためには安全実績の積み重ねに加えて、上記の不安の要因を踏まえ、原子力のリスクをより客観的に捉えてもらうことが国民・社会との関係で重要。その際、人がリスクを認知する際には、破滅的な事故の可能性があるのではないかといった「恐ろしさ」や、放射線の人体への影響がよくわからないといった「未知性」といった要因が大きな影響を与えていることに十分留意する必要がある。 |
@安心感のもてる安全確保体制の確立
| ○ | JCO事故等を踏まえ防災対策を含めた安全確保対策を着実に実のあるものとして進めていくことが安心感醸成の大前提。どの程度安全であれば安心できるかについては、現在十分な社会的合意がない状況。今後、原子力安全委員会において「安全目標」についての審議が予定されるがその成果も踏まえ、社会が求める安全のレベルについて社会に示していくことが重要。 |
| ○ | 安全が担保されていることを、国民が直接実感できることが重要。このためには、安全確保について信頼に足る制度的担保が存在し、危機管理が十分になされていること、さらにあらかじめリスクの程度や災害時の対応について国民に十分に知らされていること等が重要。 |
| ○ | 国、地方自治体、事業者の安全確保に関する活動が適切に行なわれていることについて国民が安心と信頼感を実感できることが重要。このため国、地方自治体、事業者は国民の不安や疑問に常に耳を傾けていく努力が望まれる。 |
A国民への正確な知識の普及
| ○ | 身の回りの他のリスクとの比較も含めた原子力施設のリスク、放射線の人体に対する影響や、国内外の事故も含めた原子力に関する正確な情報をわかりやすく伝えることが重要である。また、原子力や放射線に関する知識の普及は、社会の安全を確保し、事故時に社会が適切な対応をする上でも重要である。 |
| ○ | その際、教育の果たす役割は大きい。また、既に学校教育を終了した者に対しても、これらの情報を共有していくための方策を更に充実させることが必要。 |
Bリスクへの対応
| ○ | 今日の社会において我々はさまざまなリスクの中で生活しており、国民一人一人がリスクとの関わり方を考えることがますます必要と言われる。 |
| ○ | リスクとの関わりにおいては、リスクについて利害関係者が相互に情報や意見を交換、評価しあい、その過程のなかで、関係者間の理解レベルの向上が図られるような情報提供が重要であり、このような考え方に基づいて、原子力に関する情報提供を図っていくことが必要。 |
| ○ | 放射線が特別な存在ではなく、医療分野で利用されたり、また自然界に存在するものであることなど、放射線が、身近な存在であるということを認識してもらうことも必要。 |
C情報提供のあり方
| ○ | 国、事業者等の国民への情報提供に当たっては、多様な媒体を活用し、わかりやすい情報の提供が重要。その際、双方向のコミュニケーションが確保されることが重要。 |
| ○ | 情報の多くがマスメディアを介して伝わることから、国、事業者等のマスメディアへの情報提供の仕方が重要。 |
| ○ | 事故直後の国、地方自治体、事業者の情報提供のあり方は、その後の地域住民の行動や意識形成に大きな影響を及ぼすことから、極めて重要。関係者は、JCO事故を教訓に、国民や地域住民の立場に立った情報提供を心がけるべきである。 |
| ○ | なお、今日の情報化社会の下では、わが国で起こったことが直ちに海外で報道され、国際社会にも極めて大きな影響を及ぼす。例えば、我が国と海外の原子力関係機関との間で、事故情報の迅速なやり取りが可能なネットワークの形成等、海外を念頭においた情報の発信のあり方についての検討が望まれる。 |
Dマスメディア等の役割
| ○ | 情報が氾濫する今日の社会において、マスメディアの果たす役割と責任は、これまで以上に大きく重い。特に、原子力を含め、先端科学技術に関する問題は、その内容が一般国民にとってなじみにくい一方で、さまざまな形で、国民生活に大きな影響を及ぼすものであり、このような問題について、国民が判断するに足る必要な情報をわかりやすく、かつ正確に報道することが、今日マスメディアに期待されている。 |
| ○ | 特にJCO事故において、事故時におけるマスメディアの役割の重要性と、その国民特に地域住民の行動や心理面に及ぼす影響の大きさは、改めて認識されたところであり、報道関係者は、かかる役割の重要性を自覚することを期待。 |
| ○ | また、学会が独自の立場から社会に向けて科学的に正確な情報を発信していくことも、国民が情報を正確に判断していく上で有益であり、その期待も大きい。 |
| 〇 | 第三者的組織が中立的な立場から、マスメディア等によるエネルギーや原子力に関する誤情報を指摘し、これに対応した正確な情報を情報発信者や社会に提供していくことが重要である。 |
4.政策決定のあり方
(1)政策決定のあり方について
| ○ | 国の政策決定の権限と責任の所在については、憲法、法令により定められている。 |
| ○ | 国の政策決定に関与する国会や行政庁等(以下「政策責任者」と言う。)が決定を行う際には、理想的には、国民全ての利益や希望と合致する決定を行うことであるが、現実的には困難。 |
| ○ | このため、政策決定方法としては、政策責任者の識見に基づく判断、多数の利益による決定(多数決)、少数意見も尊重し単なる多数よりもより広範な合意を得る、といった方法があるが、どの方法が適切かは、法令上の規定、政策決定の緊急性、対立関係の深刻さ等の要因を踏まえて選択されることになるであろう。 |
| ○ | 政策の決定に当たっては、国民の合意形成が必要であるとの様々な場面における指摘があるが、合意形成が、「より広範な合意を得る」ということであれば、いかなる状態が合意形成のなされた状態かという議論ではなく、政策決定過程において、合意が形成されるための適切なプロセスがどの様になされたかということが、むしろ重要である。 |
| ○ | いずれにしても決定された政策についての国民の合意を得るための政策責任者による努力は必要である。 |
| ○ | また、いかなる立場であれ、政策決定に参加するものは、自らの役割、責任を自覚しその責務を果たさなくてならない。 |
(2)原子力政策決定に関する現状と今後の課題
| ○ | もんじゅ事故を契機として、他の行政分野に先駆け、原子力委員会では、原子力政策に対する、国民のより広範な合意を得るための取組として、平成8年9月の原子力委員会決定により、
|
| ○ | 国民各界各層の幅広い意見を聴取し、今後の原子力政策に反映させるための「原子力政策円卓会議」の開催を行ってきた。 |
| ○ | 原子力施設の事故・トラブル等により、国民の間に原子力に対する不安感、不信感が高まっている状況においては、透明性を確保し、政策決定過程において国民の意見を反映させることにより、国民のより広範な合意を得ていくような取組を一層充実させていく必要がある。
@透明性の確保
|
| ○ | 透明性の確保の方法としては、政策決定過程の明確化、情報公開が考えられる。 −政策決定過程の明確化 政策決定に当たっての手順やパブリックコメント等の国民参加の手順など政策決定プロセスを明確に国民に示す必要がある。また、これらのプロセスは社会情勢の変化に応じて柔軟に見直すべきである。 −情報公開 原子力については、情報公開法等に先んじて公開を進めてきたが、今後も、情報の所在や、公開か否かの判断・責任の所在の明確化、情報へのアクセスの改善等、国民にとって使いやすいシステム運用を目指すべき。 |
A政策決定過程への国民参加
| ○ | 政策決定過程への国民の参加は、
|
| ○ | 参加の方法としては、政策案への意見の提出、政策の提言等が考えられる。 −政策案への意見の提出 原子力委員会専門部会等の報告書案についてパブリック・コメントを実施。 −政策の提言 政策に関する提言がさまざまな立場から出されることは、政策決定において幅広い考え方を取り入れていくうえで重要であり、市民団体、産業界団体、学会等さまざまな団体の果たす役割は重要。 原子力委員会では、国民各界各層の幅広い意見を聴取し、原子力政策に反映させるために、原子力政策円卓会議を開催しており、この原子力政策円卓会議が、個々人の意見をまとめて、政策提言を形成していく機能を果たしているが、さらにその機能を充実するため、原子力委員会の公聴機能の一環として新たな在り方を検討していくべきである。 |
5.国民の信頼と安心の確保のための具体的取組
| ○ | 「情報公開」は基本的には透明性確保のためのものであり、国民の原子力に対する理解のために情報を知ってもらう「情報提供」とは区別して考えなくてはならない。つまり、情報が公開されているということと、国民にとって情報が公開されていると認識していることとは異なることに留意しなければならない。 |
| ○ | 現在、国民の多くは原子力に関する情報公開が十分になされていないと認識している。原子力は他の分野に先駆け、国、事業者とも情報の公開についての制度が整備させつつあり、またかなりの情報が提供されつつあるが、国民との認識の差は大きい。 |
| ○ | 明確な情報公開基準を設定し、通常時、事故時を問わず、負の情報も含めて、適時、的確かつ信頼性の高い情報公開を実施していかなくてはならない。更に、公開基準や公開の方法について国民の視点から絶えず見直していく努力も必要である。また、既に公開している情報について公開の事実、情報の種類、その入手方法等を広く一般に周知することが重要である。 |
| ○ | 情報公開基準については、核物質防護や外交問題等に係る情報のうち公開しないことが適当なものについては、ルールを設け国民に説明することが重要である。 |
| ○ | また、情報提供については、@分かりやすくタイムリーな情報提供、A情報の受け手側の多様なニーズも勘案して、草の根的な双方向のコミュニケーション、インターネット等の新たな多様な媒体を用いた情報提供等、情報技術の進展も取り入れつつ、多面的な対応が求められる。 |
| ○ | 原子力に関する情報の流通においてマスメディアの果たす役割と責任は極めて大きい。国民が判断するに足る必要な情報をわりやすくかつ正確に報道することがマスメディアに期待されているが、情報発信側もマスメディアに対して正確かつわかりやすい形でタイムリーに情報を提供することが重要である。また不正確な報道に対しては指摘し、正確な情報提供を求めることも重要である。 |
(2)教育の在り方
@原子力に関する教育の重要性
| 〇原子力の問題について、国民一人一人が自らの問題として考え、判断する能力を養うためには、青少年の発達段階に応じ、原子力に関する教育を充実することが重要である。 |
| 〇また、原子力や放射線についての教育の充実により、原子力施設の運転や事故に伴うリスクに適切に対処するための基礎を身につけ、さらには青少年の原子力に対する理解の促進を通じ、将来の原子力分野の人材の裾野を広げることも期待できる。 |
| 〇なおその際、原子力が幅広い科学技術分野によって支えられていること、また、エネルギー、環境問題等と相互に密接に関連しているという原子力問題の特性を踏まえた取組が重要である。 |
A原子力に関する教育のあり方
| 〇 | 現行の学習指導要領では、社会科、地理歴史科、公民科、理科等いくつかの教科において原子力や放射線を含むエネルギー問題について扱うこととしており、新しい学習指導要領においてもその充実が図られたところである。今後は、原子力についての効果的な教育を進めていくことが重要となっており、以下のような対応が必要である。 |
| 〇 | 原子力やエネルギー問題は、一教科・科目の内容に止まらない多面的な要素をも含んでいることから、各教科・科目における教育の充実を図るとともに、新しい学習指導要領において新設された「総合的な学習の時間」を活用することも有効と考えられる。このため「総合的な学習の時間」を含めた体系的な原子力やエネルギーに関する教育カリキュラムを始め、多様な教育方法や適切な教材の開発、教員に対する支援体制の確立等を行うことが重要である。 |
| 〇 | 学校の教育用に原子力やエネルギーに関する副教材が、様々な原子力関係者によって作成・配布されているが、必ずしも十分活用されていない状況がある。今後、内容を児童・生徒の発達段階や学習指導要領に対応させるなど、教える立場に立った教材の作成、提供した教材の活用状況や学習成果の把握など、作成・提供者と教師との双方向的な連携が図られることが重要である。 |
| 〇 | 教科書の原子力に関する記述については、原子力の長所と短所の両面についてよりバランスのとれた記述をすることが望まれるものもあり、正しい理解が持てるよう一層充実されることが望まれる。このため、教科書発行者に対する原子力に関する正確な資料や情報の提供等を行っていくことが重要である。 |
| 〇 | 原子力に関する教育を充実するためには、教育を行う教員の原子力に対する理解を深める必要があり、原子力関係者は、教員を対象とした研修等の支援を充実することが重要である。その際、理科系だけでなく、社会科系の教師への支援も不可欠である。 |
| 〇 | 青少年への教育を円滑に進めるためには、学校だけでなく、これをとりまく保護者等に対しても正確な情報提供を行うことも重要である。 |
| 〇 | 原子力は幅広い科学技術によって支えられているが、青少年の科学技術離れについての指摘もあり、青少年に対して科学技術に関する理解増進のための方策を一層充実することが重要である。 |
| 〇 | 原子力やエネルギーに関して、青少年が自らの体験を通じておもしろさを感じることができるよう、実験・観察・施設の見学等体験的な学習の充実が必要である。 |
| ○ | 原子力やエネルギーに関する教育については、教員、科学館、博物館、原子力関係事業者、学会等のそれぞれがポテンシャルをもっており、これらをつなぐネットワークを作っていくことが重要である。例えば、施設見学等の校外学習や企業の専門家等の外部講師に対する学校のニーズは高いと思われるため、学校、企業、研究機関等の関係者をつなぐ地域におけるネットワークを作ることにより、各学校のニーズやそれに対する地域社会における支援方法等についてコミュニケーションを図り、地域における原子力やエネルギーに関する教育の充実に努めることが重要である。 |
| 〇 | 学校教育を終了した後、例えば大学におけるエネルギー・環境問題に関する公開講座等、人々が原子力やエネルギーについて学ぶ機会を設けることも重要である。 |
6.国、地方自治体、事業者等の関係のあり方
(1) 原子力施設の立地手続きと地方自治
| ○ | 原子力施設の立地問題は、一地域、一事業者の問題にとどまらず、国全体のエネルギー政策と密接に関わっている。 |
| ○ | 原子力施設の立地は地域住民の理解と協力を得ることが重要であり、多様化する国民の意識や原子力に対する国民の不安感の高まりを受けて、立地をめぐる地方自治体の対応も、これを反映したものとなってきており、立地の長期化を招く要因となっている。 |
| ○ | 今後原子力施設の立地といった一国のエネルギー政策上の要請と、自治体及び地域住民の意見をいかに両立させ、また調和を図っていくかは、今後の重要な検討課題となるものと予想される。 |
| ○ | 立地に関して、住民が直接意見を表明する機会を設けることが、今後ますます重要となってきている。 |
| ○ | また、地域における住民の意思表示手段として実施される住民投票制度は、対象事項、争点の設定等、今後検討されるべき大きな課題を有している。 |
| ○ | なお、今後、使用済燃料中間貯蔵施設、高レベル放射性廃棄物処分施設等の具体化に向けた取り組みが進められることとなるが、それぞれの施設の特性等も踏まえ立地地域との共生を図っていくことが重要である。 |
(2)原子力施設の立地をめぐる状況
| ○ | 原子力開発利用の円滑な推進のためには、国民の理解と協力、なかんずく、原子力施設の立地地域における住民の理解が重要。 |
| ○ | 一方、近年、原子力施設の立地が長期化するとともに、既立地地域においても、安全対策の一層の充実、地域振興施策のさらなる充実を求める声が強まっている。 |
| ○ | これらの要因としては、
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| ○ | 原子力施設立地地域の住民の理解と協力を得るためには、原子力施設が設置・運転されることで重要な社会的役割を果たし、地域社会と相互に発展するという「共生」の考えが重要であるが、共生を目指すためには、以下の(3)、(4)の諸点について、国、地方自治体、事業者の適切な役割を着実に遂行し、相互の信頼関係を築き、維持することが必要。 |
(3)国民の理解の上に立った立地
| ○ | 原子力施設の立地は、一地域の問題ではなく、国全体のエネルギーの確保と安定供給に関わる問題。このような電源立地の有する公益的側面を踏まえ、現行制度においては、さまざまな立地促進のための制度が整備されているが、原子力施設が「迷惑施設」との受け止め方をされ難しくなっている立地を円滑に進めていくためには、地域が原子力施設を受けいれ、また、共生していく前提条件として、原子力の意義や役割について、幅広く国民の間に理解があることが重要となっている。 |
| ○ | このため、国としては、さまざまな機会を通じ、エネルギーセキュリティーなど国家的な見地から原子力開発利用が必要であることについて、国民の理解を求めることに努めることが必要不可欠である。 |
| ○ | また、電力消費地と立地地域(電力生産地)との住民の間の原子力に対する意識の隔たりが原因となって、事故等が発生した場合の風評被害等の拡大を招いたりしている現実に鑑みれば、両者の意識の乖離をうめる努力が求められている。 |
| ○ | このため、立地地域住民と電力消費地の住民との間の理解促進対策として、国、事業者、関係自治体が一体となって取り組んでいる相互の意見交換を行うシンポジウムや見学会等の、人的・物的交流、双方向コミュニケーションについては、さらなる充実が望まれる。 |
(4)地域住民の不安や不信への対応
| ○ | 立地地域住民にとって最も大事なことは、まず原子力施設の安全が確保されていることであり、またそれが、安全な運転実績となって地域住民に実感されることが重要。 |
| ○ | 一方、JCO事故の教訓を踏まえれば、事故発生時の対応について、地域住民の理解と協力を求め、予め十分な備えをしておくことが必要であり、また、このような対応が、結果として住民の安心感につながることにも留意すべきである。 |
| ○ | 事業者は施設を安全に運転する第一義的責任を有し、また、国は、規制権限を通じて、事業者の安全確保努力を厳格に監視し、確実なものとする責任を有する。さらに地域住民の生命・財産の維持を任務とする地方自治体は、住民を代表して、住民の安全を守る役割を有している。 |
| ○ | 以上の三者が各々の責任を適切に果たすことにより、原子力施設の安全性に対する住民の信頼を築き、安心して生活できるようにすることが重要。 |
| ○ | 特に、地方自治体は、通常運転時の放射線モニタリング、事故等発生時の地域住民への対応等において重要な役割を果たしているが、JCO事故を踏まえて成立した原子力災害対策特別措置法において、国、自治体、事業者の責任が明確にされたところであり、今後は、その実効性を高めるための防災訓練を含め、立地地域における関係者の一体的な取り組みが重要となる。 |
| ○ | また、法令に基づく規制以外に、例えば、自治体と事業者はいわゆる安全協定を締結し、地域住民の安全確保のための取り組みを規定している。事業者においては、常日頃から積極的な情報の公開・提供にも努め、地域住民の信頼感を得ることが重要である。 |
| ○ | 以上に加え、地域住民の安心という観点からは、
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7.立地地域の自立的な発展に向けて
(1)立地地域の現状
| ○ | これまで原子力施設の立地は、自治体の財政、地域の雇用等にプラスの影響を与えるなど、地域の発展に寄与。また、既設の原子力発電所立地地域においても、施設の維持・保守を通じ、地域経済に波及効果を及ぼしている。 |
| ○ | 地域の経済・産業、公共事業に原子力施設の立地は大きく貢献してきている。一方、立地の前後では地域社会のニーズが変化しており、公共施設の整備等社会資本の充実から、若年層の定着や高齢者対応などへと質的な変化が見られる。 |
(2)自立的な発展に向けて
| ○ | このような状況を踏まえ、立地地域の自立的な発展を維持するには、
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| ○ | このため、地域においては、公共施設等のハード面の整備のみならず、体制の整備や人材育成等のよりソフト面にも軸足を置き、長期的、総合的な振興策を検討していくことが求められている。 |
| ○ | 原子力施設を設置する事業者においては、これら地域の自立的発展への取り組みに対して、地域社会の一員として、その資源、ノウハウを活用し、新しい企業の創生や、地域の将来像を描くなどの試みに積極的に参画していくことが期待される。 |
| ○ | また、国においては、原子力施設の立地が地域の発展にどのように寄与し、立地地域が直面している課題にどのように対応していくかについて総合的に検討していくことが必要である。 |