「3号機増設計画について県民の意見を聴く会」で述べられた意見
島根県
- 本資料について
- 島根原子力発電所3号機増設計画について県民の意見を聴く会を平成11年5月末から6月上旬にかけて県下3カ所で開催。合計60名から貴重な意見をいただいた。意見は、分野ごとに整理し、判断の参考とすることにしている。
下記の意見は、原子力長期計画策定会議委員の参考としていただくために、とりまとめた意見の一部を記載したものです。
- 1 3号機増設の必要性(主として需給面から)
- 資源に乏しい我が国では、エネルギーの安定的供給確保のために、原子力は必要。
- 地球温暖化防止のために原子力発電は寄与している。
- 豊かな国民生活と健全な経済発展を維持するためにはエネルギーの安定供給を図ることが必要不可欠。
- 家庭介護、高齢化社会、少子化、核家族化の進む中で電気が頼りである。そのために原子力発電が必要。
- 化石エネルギーは子孫、発展途上国のために残すべきである。
- 電気を使うことにより女性である私は、心身共に負担が軽くなり、ゆとりができ、視野を広げることができた。
- 欧米諸国では原子力発電を縮小傾向にある。日本もこれに沿うべきだ。
- 中国電力は、夏季の最大需要電力を抑制すれば、原子力発電は必要ないではないか。
- 個人消費支出等が減退している中、需要想定が過大ではないのか。
- 原子力発電のコストが一番安いというが、高レベル放射性廃棄物の処理費用を入れると高くなるのではないか。
- 新エネ導入、省エネを推進したとしても、実用段階にいたる過渡期は原子力発電が必要。
- 新エネは、今の段階では代替エネルギーには難しい。
- 島根1、2号機の出力128万kwを太陽光発電でまかなうためには、松江市の86%の土地にパネルを設置することになる。
- 新エネルギーについては、例えば、ハイブリッドカーについて言えばコストが高く、なかなか普及しないが、国、作る企業、使う生活者も三方一両損の考えで早く軌道に乗せるべき。
- 島根には原子力1,2号機、三隅発電所という大型の発電所があり、必要ないという気もする。中国地方では島根しか原子力発電はない。原子力を抱えていることがどういうことか他の県の方にも実感してほしい。
- 2 原子炉の安全確保
- 多重防護による安全対策がとられている。
- 余裕を持った設計、事故が発生しない設計である。また、定期検査も行われている。
- 3号機はABWRであり技術の集大成し、改良された原子炉である。
- ABWRはコストダウンを目指したもので、安全性を第一に改良した設計思想でない。MOX燃料の使用も念頭に設計されており、事故時の危険性が大きくなる。
- 島根原発は軽微なトラブルはあるが、放射能が漏れ、住民に影響を及ぼすようなこと無く順調に運転している。
- 安全対策には、トラブルや故障、技術の進歩、経験の蓄積によって生まれた技術も取り入れて欲しい。
- 中国電力は安全への配慮、点検に対してもさらに努力すべき。
- 物がよくても運転する人が良くなければ問題が起きる。訓練が非常に大事と思う。安全教育は、運転に直接従事する人ばかりではなく、実際の作業に当たる人全員に行うべき。
- 日本ではTMIやチェルノブイリのような事故はないといっているが、もんじゅのナトリウム漏れなどを考えると本当に最新鋭の技術、管理体制で原子力がコントロールできるのか。
- 原発にミサイルが落ちたらどうなるか科技庁へ聞いたが回答がなかった。原発についても有事を想定すべきでないのか。
- 原発が人体や自然にどのような影響をあたえるのか教えて欲しい。
- 島根原発は人工密集地に近すぎ、立地場所として不適当。
- 万一の場合誰が責任をとるのか、絶対反対である。
- 3 活断層と耐震安全性
- 中国電力の宍道断層についての調査は不十分である。再調査すべきである。断層の長さに疑問がある。
- 旧松田式を機械的に当てはめることは問題である。
- 多くの人が不安に感じている。
- 4 原子力防災対策
- 住民参加による防災訓練を繰り返し実施する必要がある。
- 事故が起きないことを前提とした防災計画は無きに等しい。
- 防災計画の範囲が何故10kmなのか、科学的に納得できる説明が必要。
- ヨウ素剤の副作用の調査を防災訓練時に実施したらどうか。
- 1号機の運転から四半世紀になるのに、避難道路の整備が一切行われていない。防災計画で見込まれている人数が一度に避難することになると大変なことになる。
- 県は放射線の専門職員を採用し、平常時のモニタリング体制や防災訓練を初め、事故発生時の対応に万全を期してほしい。
- 防災計画を立てる以上一番心配なシビアアクシデントを想定して計画を立てるべきでないのか。
- 5 核燃料サイクル
- 核燃料サイクルは資源の有効利用で期待される。
- 核燃料サイクルは、エネルギーの長期安定供給、放射性廃棄物の処理処分に伴う環境負荷軽減の面から我が国の原子力政策の基本となっているが、高レベル放射性廃棄物の最終処分の場所、実施主体が決まっていない。
- 高レベル放射性廃棄物の処分に明確な道筋ができるまで新たな原発の新増設は凍結すべきである。
- 使用済み燃料の再処理について800トンの能力しかないのに毎年900トン発生する。
- 高レベル放射性廃棄物は地層処分の方針であるが、地震国日本で50万年間も安定した地層があるだろうか。
- 電力消費県に使用済み燃料中間貯蔵施設等の原子力関連施設を立地すべきである。
- 6 温排水等の環境影響
- 温排水は1度以上の上昇範囲を影響範囲としているが、漁業者としては、僅かな水温上昇も魚介類に影響があると思っている。
- イワノリの収穫量の減少や採取期間が短くなるなど現象があるなど海藻類が減っているが温排水の影響ではないか。
- 送電線による電磁波の影響が心配である。
- 送電線は景観を壊している。
- 7 地域振興
- 1,2号機の建設による地域振興について、半数が評価する一方、半数近い人が役立っていないと思っている。
- 国からの交付金で公共施設の整備はされたが、必ずしも地域の活性化にはつながっていないとの結果がある。
- 増設の条件としてまず安全であること、そして恒久的な地域振興策を行ってもらうこと。
- 発電所建設には数千億円規模の投資がされることから雇用や需要が新しく生み出される。他にみるべき産業の少ない地域にあっては、さらなる地域振興の起爆剤として期待したい。
- 中国地方唯一の原子力発電所の立地町である鹿島町民にとって、地域振興に寄せる期待というものは他市町村と比べ特別なものがあることを知ってほしい。。汚水処理施設や原子力発電所等の施設は必要な施設であるが、自分の近くにあっては困るというのが本音である。このような不公平感からその見返りとして地域振興が必要である。
- 立地町の苦労はわかるが、3号機ができて良かったと県民全体が感じられる地域振興策を考えてほしい。
- 温排水を栽培漁業に利用している例があるが、県の方でも検討をお願いしたい。
- 8 情報公開等
- 迅速かつ正確な情報公開をお願いしたい。
- 県は監視を怠らず、些細な情報も県民に提供してほしい。
- 安全対策を講じることははもとより、トラブル情報はできるだけ早く正確に提供されたい。
- もんじゅ事故以来一連の虚偽報告、ビデオ隠しその他杜撰な管理は情報公開の不透明さが表面化し、事故の大きさ以上に人々の不安をかき立てた。少しでも目に見えない部分や疑わしい点が感じられると正しいことまで疑いたくなる。
- 素人にもわかりやすい説明による情報効果を。(安全性の話は専門用語が多すぎる)
- 9 その他
- 増設計画については住民投票で判断すべきである。
- 今のデモクラシーは代議制度であり、多数決で決まったことを覆す住民投票はデモクラシーを否定するものである。
- 県の調査委員会の答申は県民各層の代表により長時間討議検討されており、尊重されるべきである。