(株)ジェー・シー・オーの核燃料加工施設の事故について

平成11年10月6日
科学技術庁

1.経緯等
(1)9月30日(木)午前10時35分頃、茨城県東海村(別紙1)の株式会社ジェー・シー・オーの核燃料加工施設(別紙2,3,4)において、「臨界事故」が発生。ジェー・シー・オーの作業員39名(関連会社の3名を含む)、住民7名、消防員3名、計49名が被ばく(別紙5)。

*「臨界」=核分裂によって発生した中性子が次の核分裂を起こしていくことで、核分裂の連鎖反応が続く状態。核分裂の結果、放射線と熱が発生。

(2)科学技術庁は、直ちに関係職員を現地に派遣するとともに、科学技術庁長官を本部長、関係各省庁をメンバーとする事故対策本部を設置。さらに事態の重大性に鑑みて、総理大臣を本部長とする「東海村ウラン加工施設事故政府対策本部」を設置。地元自治体とも連携を取りつつ、鋭意対策を実施。(別紙6)

*対策
 ・事故現場から半径350メートル以内は避難要請
 ・事故現場から半径10キロメートル以内は屋内待避等

(3)10月1日(金)早朝、施設の冷却水を抜くことにより、臨界は終息。周辺の空間線量率(単位時間あたりの放射線の量)も通常のレベルに低下(別紙7)。午後4時30分頃、10km圏内の周辺住民の屋内待避を解除。

*最高線量率=0.84mSv/時(9月30日午前11時40分頃)
 通常の線量率=0.2μSv/時=0.0002mSv/時
 一般公衆許容被ばく線量=1mSv/年

(4)さらに10月2日(土)午後6時30分、各種のデータ分析を通じて安全を確認の上、事故現場から半径350メートル以内の避難勧告を解除。

2.事故の要因と対応(別紙8)
(1)今回の事故は、核燃料を作る行程において、規定の量(2.4kgU)を超えるウラン溶液(約16kgU)を規定違反の方法で一度に処理しようとしたため、ウラン核分裂の連鎖反応を起こす「臨界」に至ったもの。

(2)臨界反応を終息させるため、核分裂をより起こりやすくする働きをする冷却水を抜く作業を実施。これが成功し、臨界反応は停止した。

*冷却水を抜く効果=周囲の冷却水は中性子を反応させ、ウラン原子に衝突される割合を高め、核分裂をより起こりやすくしていた。これを除いた結果、核分裂が起こりにくくなり、臨界も収束した。(別紙3)

(3)臨界反応終息後、周辺住民の被ばくの有無、農作物の安全性などについても確認された。

(4)地元の状況が安定してきたのを受け、10月3日(日)から、原子炉等規制法に基づく立入検査を実施

(5)政府対策本部においては、政府全体としての対応策を10月4日に決定した(別紙9)

(6)今後、原子力安全委員会と科学技術庁は、専門家の技術能力を集結して、事故の原因の究明と再発防止の徹底を図っていく予定。

以上