第一分科会における検討の論点(案)
- ○文明論的視点
- 原子力の位置付けや在り方を議論するに当たり、人類文明の歴史的展開を踏まえ、現代社会が何を求め、どのような方向に向かうのかなどについて議論する。
[キーワード]
- 大量生産・大量消費・大量廃棄型社会から循環型社会へ
- 工業化社会から高度情報化社会へ
- 少子高齢化に伴う経済社会の成熟化
- 地球環境との調和と、持続的な経済成長の同時達成
- 地球的視野の中での我が国に求められる役割
- 新しい科学技術文明の創造
- 現世代が享受する便益と後世代に残す資産、負債
- ○国民の信頼の確保
- 国民から信頼される原子力を目指して、政策決定の在り方等について議論する。
[国民の不信感]
- 国民の信頼感醸成のための要件
(原子力の光と影を踏まえて現状とその形成要因の分析・評価)
- [政策決定の在り方]
- 政策に関する合意形成の在り方(目標とプロセス等)
- 代議制民主主義と国民の意思表明の関係
- [知識基盤の形成]
- 透明性の確保のための情報公開の在り方
- 分かりやすくタイムリーな情報提供の在り方
- 青少年が自ら考え、判断を行うための教育の在り方
- マスメディアの役割と在り方
- ○安全と安心の確保
- 安全を国民の安心につなげていくという観点から、リスクの本質を分析・評価するとともに、平常時及び緊急時において、国民に対してリスクをどのように表現し、伝達していくべきかについて議論する。
[社会学・心理学的観点]
- リスクと便益の比較
- NIMBY現象(NotinMyBackyard現象)等も含めた原子力を取り巻く状況の社会学・心理学的分析
- 安心感醸成における「人」の役割
- [リスク管理の在り方]
- 安全確保の基本的考え方
(チェック機能の確保、異常発生に対する備え、安全性向上のための努力)
- [リスクの表現手法]
- リスク情報(確率論的安全評価等)の活用の意義と今後の方向性
- ○原子力と立地地域との共生
- 原子力施設の立地が地域の発展にどのように寄与し、立地地域が直面している課題にどう対応していくかについて議論する。
[国、自治体、事業者の関係の在り方]
- 国、自治体、事業者が立地地域において果たす役割
- 行政法的観点からの整理(地方分権の流れ、権限と責任の明確化)
- 国全体としての課題と個別地域の事情との調和
- 立地地域と消費地域の意識の格差の解消
- [長期的な地域の発展に向けて]
以上
田中靖政委員コメント
- (1)〔意志決定のあり方〕:
- 2行目「代議制民主主義と国民の意思表明(住民投票等)の関係」とありますが、「代議制民主主義」における《選挙》も「国民の意思表明」であることには変わりがありません。むしろ、「代議制民主主義」に対になる概念は「直接参加型民主主義」または「直接民主制」であろうと思います。
- (2)〔知識基盤の形成〕:
- @最近、「情報を公開し説明する責任」という意味で「アカウンタビリティー」(accountability)という言葉が頻繁に使われるようになっています。この意味で、「・国民に対する政府機関および事業者のアカウンタビリティー」という項があってよいように思います。
A衆知のように、Internetなど現在のコンピュータ・コミュニケーションは「双方向的なコミュニケーション」、別な言葉で言えば「対話型コミュニケーション」を可能にしています。従って、「・インターネット等、双方向的コミュニケーションのネットワーク化による国民との対話の推進」という項があってよいように思います。
- (3)〔社会学・心理学的観点〕:
- いわゆる『ラスムッセン報告』(Wash-1400)で多くの事象中最も「安全」と評価されたはずの《原子炉》が人びとに最も危険と受け取られているのは、計算によって構築された「確率論的リスク評価」と、人間が学習によって獲得する「リスク知覚」との本質的な差異のせいであると考えられます。従って、「・リスクと便益の比較」の前に、「・確率的なリスク評価と異なる心理的なリスク知覚」という項があった方が良いと思います。 以上。