6.審議事項
(1)「市民参加懇談会inかりわ」の結果について
○事務局より、資料市懇第3-1号説明。
(木元座長)
- 11月18日の事前打合せの時、5人の女性の方が中には入りたくない、入ると自分が利用されるというか、組したことになるから、ということで、廊下で30分ぐらいお話をした。今までも、国や電力に対していろいろ言っているが届かない、だから今回も届かないのではないか、とのこと。核燃料サイクル政策を白紙撤回してくれるなら出席する、と大変強硬だった。我々としては、市民参加懇談会の場でそのような意見を言ってもらうことに意味があるし、我々はそれを届ける役割を担うのだから、ぜひ出席していただきたい、と申し上げた。最後には握手をし、本懇談会には、発言者としては出ないまでも、来ると言ってくださったが、その後いろいろおありになったようで、1月15日のご出席はかなわなかった、という経緯があった。我々が、誠心誠意どういうことをやっているか、ということがわかっていただければ、同じテーブルについていただけるかな、という期待を私は捨てないでいる。
(吉岡委員)
- 12月13日の事前打合せと1月15日の本会議、両方に出席した。私は、市民参加懇談会を刈羽で開くということに関しては、強い賛成意見は持っていなかった。プルサーマルをはじめとする原子力政策を見直す提言をすることに、この懇談会の意味があると思っているので、今の政策を厳しく評価し、それについて提言を出すということならば、東京でやるのが妥当であろうと思っていた。しかし、刈羽でやるという流れになって、それにはあえて反対はせずに、2回とも参加した。
- 結果としては、主要な原発反対団体の方々がボイコットということになり、これについて、我々は厳しく反省をしつつ、これからの行動について考えるべきだろうと思う。
- 私としては、地元に行くからには、原発が7基もあり、友好的な雰囲気であるはずの刈羽において、なぜプルサーマルが拒否されたのかということをきちんと伺いたかった。その理由について、我々自身が反省し、拒否されないためにはどうすればいいかを考える、例えば、妥協案を出すとか、あるいはあきらめるという選択肢もあると思う。そういう形で地元の意見をくみ上げて、どう教訓化するかということが重要だ。なぜ拒否されたのかということを中心にヒアリングをやるべきだと思っていたが、拒否した中心勢力が全然出てこなくて、空振りになってしまった。今日は、なぜ拒否されたのかについて、議論をしていきたい。
(木元座長)
- 事前打合せの時、もうこれは済んだことだからかき回さないでくれ、というご意見があったし、核燃料サイクル政策を撤回しなければテーブルにつく意味はない、というご主張も多かった。拒否された理由は、正式にではないが、口頭である程度おっしゃっていた。この部分を、今度は正式なテーブルで、同じレベル、同じ話し方で伺わせていただければ大変ありがたい、と思っている。
(中村委員)
- 刈羽村で開催したこと自体は意味があった、と今でも思っているが、その中身については、もう少し期待していたレベルになれなかった、というのが素直な反省である。あちらの問題が1つあるが、もう1つは、我々市民参加懇談会のポジションがなかなか伝わらなかった、ということ。それから我々自身、私自身も、未整理の部分がたくさんあるまま刈羽の方とお会いした、というところに最終的に割り切れない思いを持ちながら、帰ってきた。本懇談会の1つの大きな意義である、かつての広報一本やりから広聴へという、その広聴機能として我々に何ができるか、というところだったと思う。それがもう少し地元の皆さんに伝われば、少しは違ったかなと思うが、12月13日の事前打合せには、本当に強硬な反対派の方もおいでになって、一応話ができた。本番には出ていただけなかったが、あの接点が持てたのはよかったと思っている。それをみんなと同じ席で言ってほしかった。言っていただいて、それを我々がどう受けとめて、ここへ持ってきて原子力委員会に話をしていくか、というのがいちばん大事なところである。まず本音を聞かせてもらいたい。ビラをつくったり拡声器で放送したりだけではなく、他の村民の方たちと同じテーブルについて、なぜ自分たちは原子力に反対なのか、プルサーマルはノーなのかということを言っていただきたかった、というのが素直な感想である。ただ、そういう場を共有できるだけの信頼感を我々に対して持っていただけなかったというところでは、この懇談会のあり方というか、存在をもっともっと知っていただかないといけないな、というのが印象である。
(木元座長)
- 12月13日の際に、この懇談会は原子力委員会のものだろう、金もそこから出るのだろう、という質問があった。やはり、国がやらせているのだ、国がプルサーマルの説得に来ているのだ、という思いがぬぐい切れないというのが実感である。懇談会を実行し、私たちの態度で示していかないといけないと思う。私もプルサーマルは実施したほうがいいとは思っているが、それを否定してまでお話ししようとは思わない。私はこういう考えだが、あなたはどうなのか、ということを、もう少しフラットに考え、立場の違う同士が腹蔵なく話し合える場所が欲しかったが、その前に国や事業者への不信感があった、というのが否めない事実だろう。
(竹内委員)
- 市民参加懇談会で、こちらが先に求めるものを設定したのでは難しいのではないか。広聴を主目的にしているので、そういう面では、このような会が持てただけでも成果だと思っている。あれを通じてプルサーマルを進めるという、何か見え見えのような目的だったら、先方も、強い反対の人はもう出席しないということになってしまうのではないか。広聴と、お互いに話し合うことによって、非常に筋が張ったような感覚でいるのがほどけていかないといけない。そういう面では、最後に、これからもっと続けましょう、という話もあったし、ある程度のことは成果だった。
(木元座長)
- プルサーマルを進めるために伺うのではないということは、もう百もわかっていてくださると思っていたし、そういうふうにしか申し上げていないので、広聴の部分が十分ではなかった、というのは反省である。そこを何度でも、私たちの態度で示していく以外ないと思う。
(吉川委員)
- 私は12月の事前打合せだけ伺って、お話を率直に伺い、個人的には勉強になって大変よかったと思うが、2つ疑問を持った。1つは、いわゆる反対派の方と賛成派の方とバランスよく出てきてくださったとは思うが、どの程度、村の人たちの意見を代表されているのか、ということ。また、反対派の方も賛成派の方も、非常にご意見も立派だったし、お話しされることも大変意義があることだと思った。村のことをきちんと考えていらっしゃるし、原子力のことも、立場は別として、まじめに考えていらっしゃる。そこできちんと話し合えるにもかかわらず、我々が出ていってさらにどうするのか、というところの意義がちょっとわからなかった。残念である。
(木元座長)
- 説明不足だったかもしれないが、我々がとにかく現場の方のご意見を伺おうということで呼びかけた時、まだ「明日の刈羽を語る会」は完全にできていなかった。それで、それぞれの会派に呼びかけた。そうしたところ、自分たちの考えを村は村で考えたい、何もエネルギーだけでなくいろいろなことを考えよう、ということで「明日の刈羽を語る会」が結成された。そこと共催でやろうという話までいったのだが、その中には反対派がいらっしゃるので、それはやめようということで、有志という形になった。たしかに、刈羽村の方は刈羽村で考えればいいのだが、国のエネルギー政策に反映するような住民投票をやったところなので、なぜ受け入れにノーを示したのか、少なくとも反対をした方がどういう考えなのか、聞く必要があるだろうということ。原子力委員会に関与していることなので、伺おうということになった。内政干渉とかいうことではなく、村の自治は村の自治でやる、その中で、我々がエネルギー政策の中で伺うことはないだろうか、という考えだったのだが、それをうまく言えたかどうかは問題があるかもしれない。
(小川委員)
- スタートを切ったということだけでも、非常に意義があった。初めから100%を望んでも、無理だと思う。今の時点でできることの、かなりの成果が上がったのではないか。私自身は、女性の意見を聞きたいと思っていたが、あの大勢の雰囲気ではなかなか難しいだろうと思った。結局、真ん中に座られた女性と、あと1人、会場で最後に発言された方だけだった。それが非常に残念。やはり大人数になってしまうと、井戸端会議のような感じで、気楽に発言することができないということである。
- 開催のご案内に、テーマとして「私たちがエネルギーを大切に使うにはどういう暮らしがいいか」とあったにもかかわらず、初めから交付金や事業者などの話になってしまい、テーマからかけ離れてしまったのが残念だった。自由発言だったので、別にどんなことをおっしゃってくれても構わなかったのだが。広聴ということに関して十分ではなかったというのは、今までの委員の意見と同じである。
- コーディネーターとして、木元座長と吉田さんがかなり遠慮し合っていたところがあったのではないだろうか。
- 反対の皆様方に第1回から出てきてくれと言っても、それは無理だろうと思う。事前打合せの時、木元座長が、廊下でフェイス・トゥー・フェイスの、本当に心と心の対話をなさったと思う。そういうことを積み重ねないと、つまり回数を重ねないと無理だと思う。大上段に構えて国が聞きに来ますので、どうぞ出てください、ではなく、結構裏技というのが大切だろう。事務局や木元座長も大変だとは思うが、反対の方と同じテーブルにつくには、水面下の交渉も大切なのではないかと思う。
(木元座長)
- 今回はイスで囲炉裏のように囲んでやったが、発言者の1人がいろいろおっしゃったあとに、それはどういうことかと聞いたら、ここじゃ言えないよ、という答えだった。それは1対1で、別のところでしか言わないということだから、何かやはり賛成・反対だけではなく、政治的な意味合いなどが裏にあるのかな、と感じた。100名ちょっとというのは多かったのかもしれない。メディアの中には、反対派は1人も参加しなかったというニュアンスがあったが、結構反対の立場の方がいらしていて、正面からもストレートにぶつけてくださったり、手を挙げてくださったりしたので、関心を持っていただけたことはよかったと思う。
(小川委員)
- やはり1回だけではなく、継続的に皆さんの声を聞くチャンネルは持っていますよ、ということを示さないと、なかなか理想的な形にはいかないのではないだろうか。非常に手間ひまがかかるとは思うが。
(木元座長)
- 「開催のご案内」に書いてあるテーマは、刈羽村の方とご相談して、この3つになった。しかし、なかなかそれに入りにくかったというのは事実である。3人で仕切るというのはなかなか難しい。しかし、村の意思を尊重したいし、その中で、ぎくしゃくしながら見つかるものがあるかもしれないと思う。ただ、最後の女性の方は思いあまって手を挙げたという感じで、自分は何のために来たかわからないとおっしゃったのは、とてもショックだった。
(小川委員)
- おそらく勘違いもあると思うが、「これを聞くのだ」と思って来られた方には、あの議論はついていけなかったのだろうと思う。
(木元座長)
- なぜ原子力発電なのか、なぜプルサーマルなのか、ということは、もうすでに村は知っているという前提でテーマをつくってしまった。だから、あの女性の方が、プルサーマルなんて何もわからない、その話を聞きにきたんだとおっしゃった時、あれっという気がした。確かにそのあたりを一生懸命考えていかないといけない。
(小川委員)
- まさにそこに状況の真相のようなものが、見えるような気がした。
(遠藤委員長代理)
- 批判的な人が来られても、ああいう席で発言をされないというのは非常に残念だった気がするが、1回目だからしようがなかったという感じもする。したがって、これを1回でやめることなく、何回やったらいいのかはわからないが、少なくとも次回、なるべくそういった方々の関心を引くような議題を少し入れても、来ていただくということに1つの目的を絞ってやるべきではないか。あまり時間を置かずに繰り返しやって、それでも来られないということもあるかもしれないが、あきらめず、慌てもせず、ということでやっていったらいいと思う。
(木元座長)
- 本懇談会は、プルサーマルを推進する、あるいは説得して導入するという性格のものではないので、最後の女性の方がおっしゃったように、「プルサーマルは何なのよ、そういうことを教えてほしいのよ、この会でやるんじゃなかったの」、と言われると、別の形でそういうものは必要なのかもしれないと思う。しかし、本懇談会がそれをテーマに持って行くということは、懇談会の趣旨と異なるのではないかという感じを持っている。
(碧海委員)
- 私は、刈羽村の方たちとお話をしたのは初めてだったので、よかった。広聴ということから言えば、やはり2回参加したということで、一人一人の顔が見えるということは絶対だという気がする。少なくとも、あの2回で刈羽村の方の顔がだいぶ見えた。しかし、反対の意見を持っている方は、それこそ我々にそれを聞かせるという意味ではなく、村の方たちが集まる中でその意見を言うことに意味があるのだから、出られなかったというのは残念だった。もう一つ残念だったのは、例えば村会議員の方とか、そういう場合に声が大きい人たちが結局発言してしまって、生活者というか、女性というか、そういう立場の発言が非常に少なかったということ。終了後、女性の参加者の方から、地域で勉強会をやっているので、ぜひ来てほしいという積極的な申し入れがあり、もしかしたら、この先、女性の会合というのもできるかもしれない、と大変期待している、しかしながら、やはりもっと村の生活の話題が出てほしかった。政策だとか交付金といった話ではなく、生活とか地域振興ということに絡んだ話し合いがしたかった。
- 吉田さん自身の意見がもっと聞きたかった。2回にわたって、吉田さんはあくまでもコーディネーターに徹していて、どう絡んでいるかというようなことが、あまり出てこなかった。
- マスコミが入ることの意味というものを、どうしたらいいのかわからない。だれにでも公開するというのはいいが、特にこぢんまりした会合で、そういうものを積み重ねていこうと我々も考えている時、ああいう形での報道は、確かにニュース効果はあったかもしれないが、私などから見れば、多少偏っているというか、最初から意図されているといったところがある。せっかくの会合に、ああいう報道がされてしまうと、きめ細かい会の評価とか反省というのは消えてしまうのではないか。
(木元座長)
- それについては、議題(3)で、またご発言をいただきたい。あとで、碧海委員のご発言も踏まえて、関連新聞記事をチェックしていただければと思うが、以前に比べれば、まともに書いていただけたかな、という感触。それでもまだ、これを言ってほしかった、というのがあるだろう。
(2)市民参加懇談会の果たすべき役割について(再確認)
○事務局より資料市懇第3-2号説明。
(木元座長)
- 原子力政策を策定する時のプロセスから市民には参加いただいて、そして、いろいろご意見を言っていただく。そこに市民参加ということで拡大しようではないかということ。国民との間に信頼関係がなかったとすれば、それを確立するためにはどういう方策があるだろうか、ということも検討しようということ。具体的に市民参加の拡大を通じて、いろいろなご意見をいただき、信頼関係も確立され、その上で、そのご意見については原子力委員会等において討議され、反映の度合いはそこで決定される。そういうところまで踏み込んで書いてあるので、そのニュアンスがこの中に少し足りなかったので、そこを工夫したほうがいいかなと思う。実は、柏崎で、口頭でお話し合いをしている時に、紙に書いたものがほしいという要望があったので、急遽これをつくったという経緯がある。少し言い足りない部分があるかと思うので、ご意見をいただきたい。
(吉岡委員)
- この設置趣旨(案)について、1カ所だけ直したほうがいいと思うのは、第2パラグラフで、「当計画決定後に、原子力を取り巻く状況は一層厳しさを増しており」のところ。例えば、私は反対派との交流も密接だが、彼らも原子力を取り巻く状況は一層厳しさを増していると思っている。運動の担い手の高齢化が進んでいるのが悩みの種といわれる。だから、推進派のほうも厳しさを増しているけれども、反対派のほうも厳しさを増しているということ。両者に中立的に表現するには、「原子力」ではなく「原子力政策」を取り巻く、としたほうが内容的に明解になるのではないかと思う。
(小川委員)
- 設置趣旨(案)については、異論はない。2枚目で、市民参加懇談会の下に3つの研究会があるが、これらはどういう関係なのか。それぞれの研究会と協力しながらやっていくという意味か。
(木元座長)
- まだこれらは立ち上げていない。案の段階で、かつ本懇談会が滑り出したばかりなので、まだ見えていないが、こういう研究会を立ち上げる必要があるな、と思った時に立ち上げようではないかということ。本懇談会を立ち上げた時、教育問題とかいろいろ出たので、集約するとこういうことかなということである。2つ目の、「原子力に関する情報のあり方を考える研究会」は必要、というご意見は出ていた。いわゆるメディアリテラシーとかそういうものである。
(小川委員)
- 分科会のような形で、将来的にこういうものができるということか。
(木元座長)
- そのとおり。このメンバーの中のどなたかに座長になっていただいて、始めることを考えている。具体的に、教育の部分で放射線を取り上げる可能性もあるだろう。これはまだ、非常に流動的である。
(碧海委員)
- この間の刈羽村の時も非常に気になったが、この「市民参加懇談会」という名称が、一般名詞的というか、原子力委員会の市民参加懇談会と、普通に市民が参加する懇談会と、混乱してしまっている。原子力委員会の中の市民参加を推進する、検討するという意味合いで、何かいい名称はないだろうか。
(中村委員)
- 私も賛成。逆に言うと、設置趣旨の第3パラグラフを考え直さなければいけない。実際に、この間、刈羽でやったような催しが市民参加懇談会だと思う。市民参加懇談会を推進し、広め、国民の間に根差させる、というのが我々の役目だと思うので、この我々の会は、市民参加を推進するための企画委員会だから、簡単に、「市民参加推進懇談会」でもいいと思う。我々のポジションを明確にしようというのは、その辺にも出てくると思う。まず2つのパラグラフから第3パラグラフが「したがって」で結びつくかどうか。「そこで本懇談会は」というのならわかるが、「したがって」、は違うのではないか。原子力委員会の発想が強過ぎるのではないかと思う。原子力委員会にとって懇談会がどういう存在であるかというのは、これを見るとよくわかるが、懇談会自体の自主的なポジション認識はこれでいいのだろうか。
- 「市民参加の拡大を通じて」というのは少し理解が難しいところだが、市民参加の拡大を目指すのが我々の仕事ではないか。最初から市民参加があって、それを通じて何かをやろうというより、プロセスとしての市民参加自体を、もっと推進していきましょうということ。そこで考えると、「方策を検討して具体的に実施します」というのも、あまりにもあっさりし過ぎているのではないか。我々の位置付けというか、意味付け、我々は何をしようとしているのか、というのが最後のパラグラフでもっと明確に出てこないといけない。
(碧海委員)
- 国民との間に信頼関係を確立するための方策というのは、我々が考えることではないのではないか。原子力委員会や国が検討するというならわかるが、我々の立場というのは、それを横から推進するということだと思う。
(木元座長)
- 国とか事業者との間に信頼関係を築くということで、そういう方向にいけばいいというのが裏にある。だれとだれとの信頼関係を築くためという形のほうがいいのか、主語がないということ。
(吉岡委員)
- 第3パラグラフの「市民参加の拡大を推進するとともに、それを通じて、原子力政策と国民との間に信頼関係を確立するための方策を検討し、具体的に実施していきます」としてはどうか。そうすると、すんなりいく。我々と国民との間の信頼関係は手段であり目的ではないのだから、原子力政策との間に信頼関係を確立するための方策を検討していく、ということだろう。
(小川委員)
(吉岡委員)
- その両者に対して中立という雰囲気が、そういう表現で出てくる気がする。
(小川委員)
- しかし、信頼関係というのは、やはり人と人との間のものである。
(木元座長)
- 信頼関係があれば、政策に対しても納得できるということがある得るということ。
(中村委員)
- 相手は人ではなく国だから、具体化するには政策のほうがいいのではないか。
(小川委員)
- 政策と国民との間、で違和感がなければいいが、国と国民というのならわかる。
(中村委員)
- 国では大き過ぎるだろう。文章のまとめ方だと思う。具体的には国だが、国の、なおかつ原子力政策についての、国民の信頼をいかに得られるか、ということの仲介役をしようというのが我々である。
(屋山委員)
- 「原子力政策に対して国民が信頼を得るための方策を検討する」としてはどうか。
(中村委員)
- 「政策に対する国民の信頼を得る」だと、今まで全く得ていないのか、ということにもなるから、そこは「確立」なり、「深める」なり、用語は考えなければいけない。信頼関係はゼロではないと思う。
(木元座長)
- 「深める」となると、またちょっと誤解が出るかなと思うので、「確立」のほうがいいかもしれない。これは修文して、またご確認いただくことにしたい。今後、原子力委員会の決定とは別に、市民参加懇談会自身の説明として、このペーパーを持って伺うという形になると思う。
- 名称の問題としては、市民参加推進懇談会を区別するために、刈羽で開く時、あるいは地方に行って市民参加懇談会を開く時には、「inかりわ」とか、その土地の地名を入れて会をすることにしようとなったのだが、そこも工夫したほうがいいだろうか。
(中村委員)
(木元座長)
- この本部会を「市民参加推進懇談会」と「推進」を入れてしまうか。事務的処理が大変かもしれないが。
(森嶌座長代理)
- 規則などというものは、つくった時には意味があっても、あとでいくらでも変えればいいわけで、合理的な理由があれば変えればいいのではないか。
(中村委員)
- もし変えるなら、もう少し議論したほうがいいと思うが、「推進」という言葉が入ると、意味付けはかなり明確になる。しかし、催しのほうを「市民参加懇談会inどこどこ」と考えたら、そういう市民参加懇談会というものを推進する組織だという位置付けもできる。市民参加そのものを推進する会なのか、市民参加懇談会というものを広めていく組織なのか、どちらのとらえ方もできる。私の認識としては、市民参加懇談会を推進する企画委員会みたいなものではないかと思う。
(森嶌座長代理)
- もともと市民参加懇談会というのはもっと広い意味で、全部含まれて市民参加懇談会で、ここはその企画委員会というかコアメンバーということで、中村委員のアイデアがもともとあったのではないか。
(中村委員)
- 「(市民参加懇談会)推進企画委員会」とか、「推進委員会」とかいうのが、この組織の名称としてふさわしいと思う。
(木元座長)
- 今度、どういう役割が含まれるかなどを図示してみる。とりあえず「市民参加推進懇談会」というのも踏まえて、もう少し案を考えてみる。あまり長くない名前で。
(中村委員)
- 理論的に言えば、市民参加懇談会を推進する組織ということが反映されていればよくて、一応このメンバーは原子力委員会の専門委員という辞令をいただいているわけだから、委員会であっても構わないと思う。
(木元座長)
- 少し考えさせていただき、幾つか案をお出しして、どれがいいか選んでいただくようにするので、よろしくお願いしたい。
(3)今後の地方開催のあり方について
○事務局より、資料市懇第3−4号説明。
(木元座長)
- 開催頻度についても、刈羽では、続けてやってほしいということだった。1年たってまた来ました、ではなく、割合近いうちに開催してほしいというご要望もあった。まず開催地としては、今来てほしいと言ってくださっているところは柏崎市。それから、福島でも、この間電気新聞のシンポジウムの時に、来てほしいと言ってくださった。具体的に手を挙げてくだっているところもあるが、そういうところを優先したほうがいいだろうか。
(中村委員)
- 開催頻度との関係もあるが、開催地としては、立地地域とやはり大消費地だろう。いちばんエネルギーに対する意識を共有してもらわなければいけないところは、大消費地の一般市民の方かなと思うから、そのどちらも必要だと考えると、開催頻度は多ければ多いほどいい。例えば立地地域と消費地を半々ぐらいにやるか、あるいは3対1ぐらいにやるかと考えると、4回が最低限度。特に、我々の懇談会を理解してもらうためには、14年度は2ヶ月に1回ぐらいはやらなければいけないかな、というのが実感。そうすれば、あるいはこれからの予定地も含めて原子力関連施設のある地域と消費地という、両方ができるかなという印象である。
(木元座長)
(中村委員)
- これは他の、資源エネルギー庁やエネルギー関連機関のシンポジウムなどとのバランスも考えたほうがいいと思う。首都圏と京阪神は外せないと思うが、ただ、それもそういう関係で、やはり先日「国民会議in東京」をやって、4月にまたお台場というわけにはいかないだろう。本当のところは、そういうのが首都圏だけではなく、地方の都市へ行けば行くほどその印象が強いと思う。最初のうちは、また来やがった、という感じにどうしても受けとめられると思う。何かまた国が出てきた、という受け取り方は当然ある。そうすると、やはり他とのバランスも考えて、もちろん地元からのご要望があるところは優先順位が高いが、それを勘案して、一緒に参加して対話できる場所を、独自に探していかなければならないと思う。
(木元座長)
- あらかじめ消費地とか立地地域というのをなくして、まず手を挙げていただいたところで考えようと。それから、基本的には最初に申し上げたように、共催という形をとりたい。こちらの主導で仕切ってやると、今まで国や事業者などがやったのと全く同じになってしまう。例えば大消費地でやる時には、その地域のどこかのグループと一緒にやるとか、そういう形は可能だろう。今たまたま刈羽に行って、今度、柏崎があって福島という、自分たちの問題として考えようとしているところが手を挙げてくださっているとなると、そこで実施して、それを踏まえた上で、東京とか大阪ということも可能だろう。
(屋山委員)
- 逆に、やってほしいというところとやって、他のところが関心を持つということもある。私が、能登へ行った時、珠洲市のほうで、とにかく来てほしいと言っていた。自分たちが言い出すと、何となく地元で叩かれそうだから、我々のようなのが来て、どのぐらい大切なことなのかとか、来たらどうなるとか、そういうことを説明してほしい、ということだった。
(中村委員)
- 珠洲も去年の秋まではその機運が強かったが、やはり刈羽と似ているのは、珠洲にも推進の人と反対の人たちがいる。地元での調整が難航しているので、難しいだろうと思う。推進派にとっても、ごり押しの応援団を頼んだように受けとられるのは嫌だろうし、地元の中で、まだある程度コンセンサスというか、話し合いの場もないままだから。
(屋山委員)
- 何も手がかりがないから、来てくれたら手かがりになるということだった。
(中村委員)
- それはおそらく推進派の方だと思う。私の得た情報では、必ずしもそれに乗ってうまくいくかどうか、まだ難しいところがある。情勢待ちである。ただ、珠洲もこれからの立地を考えているエリアということでは、もちろん候補の一つである。
(木元座長)
- これから立ち上げようとしているところだから、反対の方は意見をきちんと持っていらっしゃるだろうし、それを伺うのは重要だと思う。刈羽と同じように、賛成・反対両方いて、それが我々と一緒になって話し合いの場をつくるというのであれば、すばらしいと思う。
(中村委員)
- 刈羽でもわかったように、向こうの受け入れ側をまとめるのが難しい。刈羽のように推進、反対入り乱れ、割に活動的なグループが7つぐらいあり、反対も推進も一枚岩ではなくて、地方政治や地方経済などが背景にある、というような状況は立地地域のスタンダードだと思う。今回のような形で共催できたのはいいが、難しいのは、どちらも遠慮してしまうこと。結局、最後まで吉田さんが意見を言わなかったというのは、彼はやはり共催、というよりは、共催して市民参加懇談会をやったが、どちらかというと主導権は渡したいということではなかったか。しかし、こちらとしては皆さんの意見を聞くのであって、我々が何かを言いにきたわけではないというポジションだったから、木元座長も、とにかく皆さんのご意見を優先に、ということだった。両方すくんでしまう可能性がある。
(木元座長)
- そこがこれから課題にしなければならないところである。碧海委員がおっしゃったようにメディアを入れないで、小川委員がおっしゃったようにもっとこぢんまりとしたら出るかもしれないが、やってみないとわからない。
(屋山委員)
- 私などが呼ばれていく会合は、商工会議所や町などだから、はっきり推進派である。だから、恐らく助っ人を呼ぶという感じなのだろう。
(中村委員)
- 商工会議所などとの共催は、かなり向こうも慣れているし、希望もあるから、割に簡単に実現すると思う。ただ、その時に本来の趣旨とうまく整合性があるかというのは、少し考えなければいけない。
(木元座長)
- 少し違う形になると思う。やはり、我々が反対の方のご意見を吸い上げようという気持ちが強いから、そのご意見がどれだけ反映されるか、となると、これはかなりやり方を詰めていかないと出てこないだろう。
(吉岡委員)
- 本懇談会は、他の団体や組織の説明会などよりは、ある種おもしろい機能を果たすのではないか、という期待が、批判勢力の一部にあるのは事実。例えば経済産業省の説明会では、市民が出てきて何を言っても聞く耳持たない、という見方を大方がとっているが、事実もそうだと思う。しかし原子力委員会は事業を直接行う主体ではなくなり、中立的立場をとり得るようになった。従来の科学技術庁と一体だったころよりは独立した立場をとり得る組織になっているので、聞く耳が少しはあるかもしれない、という期待が持たれているのも事実。それに応えるには、いわゆる立地地域だけでなく、東京、首都圏、京阪神も含めてやって、独自の中立的あるいは第三者的な立場を生かしたような提言をすれば、それが実績となってくると思う。この会が信用されてないというのは実績がないから当然だが、早目に、我々がいわゆる国と一体ではないのだということを主張するとともに、政策提言まで具体的に何かやるという実績がないと信用されない。お前は信用しないと言われても、返す言葉がないと思う。できるだけ具体的な成果を上げる形で考えていったほうがいいのではないかと思う。
(木元座長)
- 具体的にどのぐらい開催頻度を考えたらいいかということで、予算はあるのだろうか。私ももう少しこぢんまりしてもいいと思う。
(小川委員)
- 真ん中の人だけでなく、周りも話やすい雰囲気を考えると、先日の会場はかなり大きかった。期待していることは、いちばん後ろの人にも発言してもらいたいということ。心理的なことを考えても、もう少し小さいほうがいいのではないか。
(中村委員)
- サイズというのはそう簡単に決められることではない気がする。こぢんまりと言ったって、結局、活発に活動しているグループの代表が2人ずつ来て15人になりました、というのではほとんど意味がないと思う。この間も、発言したのは村会議員や旧村会議員だったり、彼らのやりとりもあったけれども、そう名乗らずに、普通の村民であるかのように発言をしたということに対し、内部的に批判もあった。結局なぜそうなるかというと、やはり社会があるということ。それは考慮しなければならない。それなら、かえって大きくして公開討論の場をつくるほうがいいと思う。
(木元座長)
- それは予定していたことだった。議員さんとか、それにかかわる反村長派とか、いろいろな方が自分の思いを込めて発言する。本当に純粋に発言してくれたのは、あとからの2人ぐらいだろう。そういう方が発言できるような雰囲気をつくらなければいけないということになると、前に座る発言者を少しこちら側の要望で制限したほうがいいのかもしれない。
(中村委員)
- あの形式が本当にいいのかどうか、というのも考えなければいけないと思う。
(碧海委員)
- 時間にもよるが、旧通産省が以前やっていたエネルギープラザの市町村懇談会での、女性部会などは、途中で分科会を置いた。時間がかかってしまうが、そうすれば、本当に一般の人たちと話し合うことができる。やはりあれだけの人数で、ああいう形だと、どうしても発言者が限られてしまう。
(木元座長)
- あの時も3人でコーディネートしながら、こちらのほうから指名した。そういうことをもっと積極的にやる必要があるのか、それとも自由に発言するムードとして公開にしないほうがいいのか。
(中村委員)
- そこのところは難しい。中に座ってくれた1人で、基本的に原子力政策反対の青年だったが、彼はテレビカメラが入っているので躊躇した。会社の帰りで制服を着ているし、自分の顔や会社の制服が写るなら欠席する、ここから出ていくと言われ、テレビ取材は彼の顔などは写さないように、ということで了解を得てやった。それが先ほど言った、社会ということ。地域の社会というのが背景にあるので、本音を聞くとすると、本当に小さいのを幾つもやるというのでないとだめだし、ただ、両方の意見を同じ場で聞くということで、反対の立場の人にも出てもらうとしたら、逆に大きくしてしまっていいと思う。もちろんメディアに公開で、場合によっては新聞載録まで考える、というように、理想的には二段構えなのかなと思う。
(木元座長)
- 碧海委員がおっしゃったように、手間ひまもかかり、時間もかかるけれども、分科会形式をやるのがいいのか。そうなると、大変は大変である。
(碧海委員)
- 行く場所によって、やり方は変えていいと思う。この間の場合は、確かに地元との打ち合せを2回行っているから、ある程度向こうの方たちをわかっているが、それでもやはり、だれがどういう発言をするか予測できないわけだから、そういう意味では結構難しい。
(森嶌座長代理)
- 環境問題の場合の経験から言うと、どういう場所で何をやるかによって、違っていいと思うし、共催にするというのもあまりとらわれないほうがいいと思う。同じ方向を向いている団体でも、団体が違うと、お互いにあいつが出るなら出ないということになるし、方向が違うと、片方が出たら他方は遠慮するということになる。いろいろな人が集まって、原子力委員会だけでなく我々もやりましょう、ということができればいいが、そうでないことのほうが多いのではないか。むしろ責任は原子力委員会が負うけれども、しかし実際にやるのだったら事前にスタッフなりが行って、それぞれの人と会って、それで一緒に主催してくれるかどうかではなく、参加してもらうということを、きちんと話し合い、そして、その中でサイズとか会の持ち方を決めていかないといけない。刈羽は一つの経験だから、それを全部に当てはめるというわけにいかないと思う。当初はトライ・アンド・エラーで、あまり型にはめてしまわないほうが新しいタイプの市民参加ができると思う。その都度この企画メンバーが責任を持って、というかこの委員会でその都度やっていく。目的は、なるべくたくさんの人に出てもらうということで、共催できればいいが、なかなかみんなが入った共催というのはできないと思う。スタッフは大変だと思うが、事前によく地元の人と相談して、意見を交わしながら、やっていくしかないのではないかと思う。
(木元座長)
- それは十分わかっているし、そのとおり刈羽でやった。私が伺ったのは11月18日と12月13日で、ここから私は初めて参加したが、その前に事務方が計4、5回伺っている。それで吉田さんや村長さんなどとメールもやりとりし、共催という形についても、いろいろな経緯があって、ずっと根回ししながらこういう形になったということをご理解いただきたい。
(森嶌座長代理)
- 刈羽の持ち方がいけないというのではなく、刈羽の場合に共催ができた・できないという問題があるが、違った条件でそれぞれの地域であると思うので、何かここで最初からこの形でやりましょう、ということを決めるよりは、やはりご苦労いただいて、その都度決めていくほうがいいということ。
(木元座長)
- 実は柏崎で、私たちが「共催」の意思を持っているということをご存知なくて、市民懇だけでやろうとしている、と言われた。ご自分たちも一緒に考えて、共同で企画段階から参加したい、というご要望もある。しかし、市民参加懇談会は原子力委員会ではないか、原子力委員会が主催するというのであれば、それは問題だ、という声がある。そこのところも勘案しながら、あくまでも共催という形をとりたいと主張している。今まで資源エネルギー庁や電気事業者などの主催というのが多過ぎたので、やはり自分たちも参加し、自分たちの会として持ちたい、というご要望が非常に多い、と実感した。
(中村委員)
- 主催、共催のやり方、実行の仕方、サイズなどは、ケース・バス・ケースでいいと思う。ケース・バス・ケースなら、限られた予算も上手に使う手法も出てくるかもしれない。ある規模で全部考えてしまうと、物理的に4回以上無理という話になるかもしれないが、ここのメンバーも2、3人の参加で、10人か15人の主婦の方と話すとか、あるいはサラリーマンの方と話すとかというのがあってもいいと思う。全部が、あるスタンダードをクリアしないとできない、とは考えないほうがいい。
(木元座長)
- 本当に大勢集まるのもあるし、小さいのもあるし、ケース・バイ・ケースであちら側との話し合いの中で決まっていく形で、ということ。
(森嶌座長代理)
- 企画の段階で向こうとよく話をして、それで共催でやろうというならそれでいいが、共催ではなくここの主催でも、企画の段階から地元の人の意見が入っていれば、そういう実績を上げれば、それは理解してくれると思う。
(木元座長)
- 旧態依然のやり方ではないぞ、という証のためにも、共同で開催いたしましょう、ということはぜひ言わせていただきたい。
(中村委員)
- 実際には、フレキシブルに考えないとなかなか実行できないと思う。我々のほうとしてもメニューをたくさん持って、いろいろな形でとにかく広聴活動をしたいと思っているのがこの組織だから、地元としてはどのメニューが適当だと思いますか、それなら一緒にやってくれますか、ということは、やはり場所によって違ってくるのではないかと思う。地方の場合も、中核都市の市民の意識は、ほとんど大都市の首都圏の消費者と変わらないから、逆に委員会が主催して、公募して、賛成・反対関係なしに皆さん来てください、というやり方がいいという場所もあるかもしれない。しかし、こことぜひ共催でやってくれ、という話が出てくるということもあると思う。ただ、今までは必ず霞が関の主体か、あるいは地方の主体が一枚看板で、さあやるから来い、というやり方だった。そうではないですよ、というのをまずわかっていただきたい。
(木元座長)
- 今回も、まず村にご相談申し上げて、村がいろいろな方を紹介してくださった。その方と個別に話し合って、私もお電話したり、そのうえで事務方が何回も伺って、こういう結果になった。柏崎の場合も、市にご相談して、原子力賛成派、反対派、さまざまな会派の方を紹介していただいて、その方たちに今、個別に話し合っているところである。いろいろな形が考えられるし、あちらの出方によっては、もっと柔軟性を持って対応していく必要があるだろうと思う。同じ地域での開催頻度をどのように考えるか、ということもある。刈羽からは、また来てくれと言われているが、すぐおいそれとは行かれないので、これもじっくり考えて行かせていただきたい、行くことについてはよろしいか。
(中村委員)
(小川委員)
- 年に1回はフォローアップで、前の年にやった地域でこれは一番ニーズが多かったな、というところにもう1回というのはどうか。
(木元座長)
- 刈羽は、1年経って来ました、というのでは困ると言っていた。
- 地方開催時の運営については、刈羽を踏まえて、地域の事情も念頭に置きながらということで、反対、あるいは批判的な市民の方に参加していただくためにはどうしたらいいか。先ほど碧海委員がおっしゃったように、公開してしまうと逆に来にくい、自分の発言は内々で聞いてほしいという思いのある方は発言しなくなってしまうというのが一方であるし、あるいは中村委員がおっしゃったように、これは公開ですよ、あなたの名前も出ますよということで責任ある発言を堂々としていただきたい、という両方がある。
(碧海委員)
- どうしても建前の話になりやすい。特にマスコミの報道も建前が中心になる。以前、伊方の近くで講演を頼まれて行ったとき、下水道は完備しているのですか、と聞いたら、まだだということだった。交付金がおりても、下水道などを整備しないのですか、と聞いたら、下水道を造るのはいいが、そのあとの人件費が出ない、運営が大変だからと、それこそ首長さん方が言っていた。結局、刈羽にしても、お金がどう使われているかということについての不公平感のようなものがある。具体的にはどういうことかという話をもっと聞きたかった。なぜそこに住んでいる人たちが本当に満足感を得られないのか、不満が残るのか、いざという時には反対なのかとか、それは原子力に対する恐怖感だけではないと思う。その辺のところを知るという意味では、何かマスコミが期待するような、まとめやすいような建前の話ではなく、もう少し違った話をしたいというのが、私が感じていることである。いい例ももちろんある。町興しだとか、そこの人たちの生活が快適になったという、他に比較すればそういう地域もあるわけだから、そういうところも行ってみたいと思う。
(木元座長)
- これはまとまるようでまとまらない話なので、その都度ご相談しなくてはならないことだが、テーマ設定の当否も、その都度考えていかなければならないと思う。
(吉岡委員)
- 批判的な市民の参加を得るためには実績を早く上げる必要があり、そのためにはテーマ設定はかなり絞らなくては提言につながらない、というのが基本的な意見である。3月8日に柏崎に行く予定があるそうだが、現地の北岡さんという柏崎市議からメールが来て、同じ日に反対派の集会をぶつけるので、私にオブザーバー参加してくれという要請を頂いた。ボイコットではなく、対抗集会を開くという形までくるのは、より対立が深まるという状況であって、いいことではないと思う。どう対応すればいいのか難しい。両方が実現して、我々全員が相乗りで出られるようならいいが。
(木元座長)
(吉岡委員)
- 批判グループの集会に我々が積極的にオブザーバー参加をする、というのも一つのやり方だと思う。刈羽の事前打合せで、国の代表として来たなら同席できない、と反対派の人たちが言ったのも、ある程度わかる。それはお金の問題ではなくて、肩書の問題である。相手方はお金の話を象徴的に出したけれども、そうではなくて肩書の問題だから、場合によってはこちらも企画メンバー有志、というような形での対話もあり得るのではないか。こちらも柔軟に向こう側の会に参加をする、鎧を外すというか、そういうようなことも意味があるのではないかと思う。
(木元座長)
- 肩書は別に外したっていいし、皆さんも外して行っているつもりだと思う。
(吉岡委員)
- しかし、やはり国の機関で、国は一丸となってプルサーマルをやっているから。
(木元座長)
- 例えば、吉岡委員にも専門委員をやめろとか、私にも原子力委員会の委員をやめろという話になってしまうのではないか。
(吉岡委員)
- 私に直接言ってくる人はいないが、思う人がいてもおかしくない。
(木元座長)
- そのレベルまでは下げたくないと思うが、気持ちは同じである。肩書がどうあろうと、自分は自分で行くのだという感じがあれば。
(露木委員)
- 今度の刈羽は参加できなかったので、皆さんの報告を伺わせていただいたが、やはりいちばん印象的だったのは、反対派と言われるような人たちが、廊下では木元座長と30分にわたって話をした、ということだろう。その辺に、この会のあり方とか、性格とか、今後のヒントがある気がした。最初からこの会議で確認した、市民の声を聞くという我々の立場と、それを木元座長のところで集約をして原子力委員会に上げてもらい、原子力政策に反映する、という趣旨からいくと、我々は懇談するのではなく、市民の意見を聴く会であるはずなので、会の名も「市民の声を聴く会」としたほうがいいのではないか。我々が乗り込んでいって、一緒に話し合って懇談しましょう、というと、反対派の人は説得されてしまうのではないか、あるいは参加したことが利用されるのではないか、といった意識を持つのは無理のないことだと思う。やはり「市民の声を聞く会」というふうに、わかり易いスタンスで、皆さんの声を聞くことだと思う。確か我々が最初、この会議で話した時にも、それが目的だと確認し合ったはずだ。組織図上は確かに原子力委員会の下部組織という形になっているが、極めてNGOに近い性格を持っているだろうと、私自身は認識をしているので、そういうものが何か会の名前にも反映できないだろうか。
- 我々は個人の意見を聞きたいと思っているが、どうしても村なり市なりとの話し合いが必要になるし、地元の協力なしにはこういう会は開けないと思う。そこで、いわゆる賛成派、反対派の声を我々は聞きたいのか、あるいは本当に町や村に生活をしている市民の声を聞きたいのか、どちらなのか。私は両方大事だと思うし、両方聞き分ける耳を持たなければいけないと思う。先ほど嶋野企画官が、刈羽の会に100人近くの方が集まったが、地元の方かどうかわからないとおっしゃったのが少し気になった。よその人が入ってきたり、特定の団体の代表が入ったりという形でゆがめられてしまうのは、避けなければいけないことではないかと思った。
(木元座長)
- 「開催のご案内」の囲みの中に、一応「会場スペースに限りがありますので、満席の場合は刈羽村在住、在勤の方を優先させていただきます」と書かせていただいて、在住あるいは在勤、東京電力の方も在勤だから、そこに住民票を置いている人を優先するということで、大体把握はできていた。しかし、実は柏崎でも気になっていて、そこから来た方が把握できなかったという部分があるし、メディアでも、どうも名乗らないで入っていた方もいらっしゃるかなという気もした。
(中村委員)
- 結局、初めての試みだったので、いろいろな意味で気にしている方がたくさんいた。それは別に反対の立場だけではなく、要は立地の役所が気になっていたみたいである。だから、そういう意味で、地元の住民以外の人も実はいたようだ。
(森嶌座長代理)
- 逆に市民の側から言うと、地元でなければ入れないというのは、排除の論理に響く。それは中身の問題ではなく、オープンにしておきながらなぜ他の人は入ってはいけないのかという、こちらの期待は地元だが、他の人が入ることをこちらから排除するというのは、あまり受け入れられないと考えたほうがいいと思う。
(中村委員)
- 現実問題として、批判的、反対の立場の方に参加していただこうと思えば思うほど、いわゆる外様の方たちも、積極的に参加したいということになる。
(露木委員)
- 先ほど少し言い過ぎたかもしれないが、地元の人とそうでない人もいます、という確認がきちんととれていればいい、ということ。排除するということではなく。
(木元座長)
- 排除という言い方が適切かどうかわからないが、中には地元の者だけで話したい、外は一切入れないで、という要望もある。だから、そこも大変難しい。
(屋山委員)
- 反対専門に訪ね歩いているような、運動屋というのはいるのか。そういうのは必ず来るのか。
(木元座長)
- 外様のということか。交流はある。そちらからのメッセージを地元が受けて、地元がそのメッセージをもとに行動を起こすとか。
(中村委員)
- ケースによっては、もちろん東京や横浜から福島とか刈羽に来るという方もいるし、そういう全国的な組織のグループの中から派遣されてくる方もいる。大体全国的な組織は立地地域でも組織しているから、いわゆるそのメンバーが地元にもいる。その方だけの場合もあるし、応援団が来る場合もあるし、さまざまである。しかし、全国的によく見かける方ももちろんいる。
(木元座長)
- ビラなどまかれると文章が同じだから、大体わかる。例えば原子力資料情報室というのがある。高木仁三郎さんには積極的にお入りいただいて、円卓会議や高レベル放射性廃棄物処分懇談会にも来ていただいた。高木さんがお亡くなりになった今、西尾さんと伴さんが主流でやっていらっしゃる。円卓会議には伴さんに出ていただいたし、いろいろな座談会には西尾さんにも出ていただいている。今回、この企画メンバーになっていただきたいとお願いしたが、忙しいという理由でご参加いただけなかった。大分お考えになっていただいたようだが、ものすごく残念。何かお考えがあったのかなと思う。お忙しくなくなったら参加していただきたいとは思っているが。
(中村委員)
- どこかに話をすれば批判的、反対的な行動をしている方たち全部にいくような、本部などというものはない。実際に反対の立場の方がいちばん出やすいのは、公開討論会である。ところが難しいのは、一例として、2、3年ほど前、プルサーマル関連で、反対派の方たちも代表3人に壇上に上がっていただいて、いわゆる国の立場、事業者の立場、学者の立場の方と討論してもらおうと思った時、その3人を選ぶためにあの当時、13の組織と打ち合わせをしなければいけなかった。選ぶのがまた大変で、彼らの中で、その人とは同席できないとか、それは順序が違うだろうとかいろいろあって、だからその辺はどこかに話をすればいいというのがないので、それぞれの地域で広く、特に地元ということを優先にして、まさにケース・バイ・ケースでやっていくしかないと思う。
(木元座長)
- あえて申し上げると、今回刈羽開催の際、強硬に反対していた方にお電話を入れた。その方は原子力資料情報室の理事をやってらっしゃる方で、刈羽にいらっしゃる。以前、高木さんともお話させていただいて、ご自分たちの意見を反映させるためにも出るという意思でお出になっていただいた、そういう形をとれませんかと申し上げたら、自分は高木さんとは違うとおっしゃった。だから、組織があったにしても、個人の考えで参加なさらないという場合もある。中村委員がおっしゃったように、こちらを立てるとあちらがだめになる、ということもある。
(碧海委員)
- 事務局や座長が、そういうことについてどれだけの情報を得て、下準備の段階で参考にされるのは当然だと思うが、私は少なくとも委員の一人として、あくまでも対象は広く市民と考え、賛成とか反対とかいうことは考えたくないと思っている。出席して、いろいろ発言を伺えば、その一人一人が大体どういう考え方をされているのかとか、どういう立場なのかというのは当然わかるので、少なくとも私はなるべく事前にそういう情報は持たないほうがいいと思っている。
(小川委員)
- 碧海委員のご意見にもちろん賛同だが、反対の方にどうしたら同じテーブルについていただけるかという話だったので、反対の方の事情はどうなのかなと思った。
(碧海委員)
- それはやはり積み重ねていくよりしようがないと思う。結局、この懇談会そのものがどういう積み重ねられ方をしたか、どういうふうに継続されたかということによってはかってもらうよりしようがないのかもしれない。
(吉川委員)
- 積み重ねはもちろん大事だが、どうしたら来ていただけるか、聞いたほうがいいと思う。我々が反対派の方の意見を聞きたいと思っているのであれば、その条件が飲めないのか飲めるのかというのは、まさにここに問われていることである。
(木元座長)
- 先ほど申し上げたが、条件は、国の核燃料サイクル政策を白紙撤回しろと、そうしたら参加すると。それから、国の委員としてやっている人とは同席しないと。
(吉川委員)
- 例えば廊下ではお話されたわけで、そうであれば、廊下でした話も伝えますということも大事だと思う。全くお互いに条件を飲むことはできないかもしれないが、廊下で話し合えるのであれば、お互いに譲歩したところでお話されたことは、少なくとも木元座長のお約束として伝えます、というところがあれば良いのではないか、もちろん直ちにはうまくいかないだろうが。
(木元座長)
- それは原子力委員会で報告させていただいて、こういう白紙撤回の条件ならば参加するということですので、白紙撤回できないと、だから参加されないと。そこは、徹底的に伺おうと思っているが、なかなか難しい。
(碧海委員)
- 反対派という特定のものがあるわけではないと思う。だから、私たちの役割というのは、やはり100人の中の97人とか95人とか、それは70人になるかもしれないが、その声を聞くことであって、どうしても100人のうちの3人を何とかして聞きたいとなりがちだが、私は違うと思う。
(吉岡委員)
- 出席条件を聞いたらいいという意見に賛成。核燃料サイクル路線を棚上げして、関連事業を中断してから交渉に来い、対話に来い、というのは象徴的な言い方で、現実的にはそんなことは通るはずがない、と彼らも思っているし、そもそも原子力委員会にそんな権限はないと思う。だから、具体的にすり合わせて、お互いが譲歩し合って歩み寄れるところというのはあるのではないか。
(木元座長)
- 歩み寄れるところについては、かなり聞いたのだが、努力したい。
(中村委員)
- これもケース・バイ・ケースで、我々委員の中でも認識の違いがやはりあるから、ご意見はご意見として、ということになってしまうが、碧海委員の意見は一つの見識だと思うし、吉岡委員の意見もやはり一つの見識だと思うが、多分現実はその中間ぐらいのところである。すり合わせができる部分というのは、碧海委員が言われている100のうちの3人ははっきり言って切り捨ててもいい、聞けなくてもいい、というところでイコールになるのかなと思う。刈羽はやはり少し特殊な部分があると思う。あれだけの経験をして、村としてああいう意思表示をして、明らかに反対派、推進派、それぞれに組織化されている実態がある。その中で、ちょっと失礼な言い方だが、化石的な反対の立場の方たちが厳然として存在するわけである。その方たちは絶対譲らない。単に象徴的な意味ではなく、日本の原子力政策そのもの、ましてや核燃料サイクル政策を撤回しろという、全く原子力ノーという立場である。あの人たちは多分どんな条件もない。それはこちらが飲めない条件だから。それは場所場所で違ってくると思う。だから、批判的な市民をどうやって参加させるか、とそれだけを考えなくもいいという気もする。
(小川委員)
- 刈羽の場合、結果として住民投票で反対が多かったわけだが、それを導いたのは、ある一部の反対派の方々だったと思う。結果が出ているので、原子力委員会のメンバーとしては、やはりそこは聞きたいところである。また、反対派とひとくくりにもできないと思う。なぜそういうことになってしまったのか、聞いてみたら、よくわからないままにああなってしまった、というような意見もあったり、そこのところに見えない流れがある。
(中村委員)
- 刈羽の場合はそういうふうに、歩み寄りのアロワンスを見せないというのは当然わかる。そういう古典的、化石的な反対の立場をとる人にとって、今の状況は最高に良いわけである。まさに日本のプルサーマルを止めているのだから。核燃料サイクル政策を止めたのだから、彼らはこのままキープしているのがいちばん良いわけである。しかし、他の場所は必ずしも同じではないと思う。だから、刈羽のことばかりにとらわれて、これからの市民参加懇談会をどうしようと考える必要はないと思う。ただ、刈羽は刈羽で、またやる時のためにも、そういうふうに理解しておかなければいけない。
(木元座長)
- 過半数を占めたといいながら、いわゆるNIMBY(Not In My Back Yard)現象で、プルサーマルすべてを否定しているわけではない、受け入れ反対なのだということ。だけど、他でまず先にやってくれればいいよ、という人もいるし、よくわからなかったが、親しい人が反対だというから反対、という人もあったし、石油ストーブにガソリンを入れるようなものだと言われたのでやめたが、あとで考えたらそうではないんだね、という人も出てきた。受け入れノーに投じた中にもいろいろあるということが見えてきた。それだけでも随分収穫だと思う。
(中村委員)
- 少なくともそれだけは行ってよくわかった。想像していたのが現実にそうだとわかったこととか、伝聞で聞いていたのが、確かに村民の方の声として聞けたというのは、評価できると思う。
(木元座長)
- 品田村長がおっしゃっていたのは、住民の1割は完全に原子力発電もプルサーマル絶対嫌だと。それから3割が、これはプルサーマルは当然認めるという派。1対3の割合だった。あとの6割はわからないで動いてしまった。だから、自分としてはこの60%の人たちに対して、どう対応するかというのがこれからの課題だとおっしゃっていたが、それが窺い知れた部分があったような気がする。
- 今後のあり方については、もう少し考えてみる。名称を含めて、フレキシブルに考えたい。それから、当面の問題として柏崎でやろうという話が持ち上がっているので、皆様のご都合をまた伺わせていただくことになると思うが、その前にやはりこの間のように、予備的にお話し合いに行くことを考えている。その日時も決定次第ご案内させていただき、ご都合がよろしければぜひ行っていただきたい。
(中村委員)
- 吉岡委員が言われたように、やはりテーマは設定したほうがいいようだ。地元との相談だが、何を話そうというのは聞いたほうがいい。聞いて道筋をつけたほうが彼らが話し合いやすい。テーマは一本柱を立てて、それをすり合わせるというか、相談して、このテーマにしましょうよ、というのを決めたほうがいいようだ。
(木元座長)
- 先方と話し合いをして、決めさせていただきたい。また、皆さんの意見を参考にして名称の候補をつくり、設置趣旨の修正文も同様に、あらためてお出しするので、よろしくお願いしたい。
(吉岡委員)
- 住民投票のようなものも含めて、市民参加にはいろいろな方法があって、民のほうからの市民参加の要求というものは、非常に強いものがある。その一方で、官の側、例えば市民参加懇談会側からのアプローチがある。その両者の関係についても、これから十分に煮詰めて、市民サイドの自発的な努力をいかにくみ取るかという検討を、今後重視していただければと思う。
(木元座長)
- 刈羽で、村がどうあったらいいかというビジョンを伺わせていただきたいと聞いた時、ビジョンは村じゃ描けない、という声があった。それは、そういうふうにしてしまった政策にも問題があったかもしれないということを痛感したので、そのあたり自主努力で村をよくするという意欲を吸い上げていきたいと思う。
(碧海委員)
- 3月8日は、エネルギーとか原子力関係で、やたらいろいろなものが重なっている。WENもやるし、国際婦人デーでもあるし。
(木元座長)
- その辺は調整してみる。柏崎でうまく開催できる方法を考えたい。今すり合わせている候補日は3月8日だが、地元と相談している最中なので、それも後日お知らせする。不確定だが、2月21日ごろ、夜行ってお話し合いしようかなと思っている。もしご参加いただけるのであれば、よろしくお願いしたい。
(4)その他
○本会の名称及び資料市懇第3−2号の修文案については、後日、FAX等で、各委員にお知らせし、ご意見を伺うこととした。また、柏崎市での開催について、現在、地元と調整中であるため、後日、各委員へご案内することとなった。
以 上