2.場 所 三田共用会議所 3階 大会議室
3.出席者
| 資料総第1−1−1号 | 21世紀の原子力委員会の発足に当たって |
| 資料総第1−1−2号 | 原子力委員会からの緊急メッセージ |
| 資料総第1−1−3号 | 原子力委員会部会及び懇談会の設置について |
| 資料総第1−1−4号 | 原子力委員会部会の構成員 |
| 資料総第1−1−5号 | 我が国の原子力政策と米国との協力について |
| 資料総第1−1−6号 | 国際熱核融合実験炉(ITER)計画の推進について |
| 資料総第1−2−1号 | 平成14年度原子力関係予算の処理について |
| 資料総第1−2−2号 | 平成14年度原子力関係予算について |
| 資料総第1−3−1号 | 原子力長期計画策定後の文部科学省における原子力研究開発の取組について |
| 資料総第1−3−2号 | プルサーマル計画に関する動向 |
| 参考資料第1号 | 原子力委員会専門部会等運営規程 |
原山課長より、総第1−3−2に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(藤家部会長)この問題は大変重要かつ深刻な問題である。
(太田委員)発電所で電気を起こしても都会の人に使われる、ということに関しては、迷惑施設的な発想ということもあるが、どのような地域でも、産業が来て、工場が来て、工場で生産されたものが世界中で売られて、特産品となる。工場ができたところでは雇用が発生するし、経済波及効果もあって繁栄する、といった具合に普通の生産品の場合はそういうことが成り立つ。誠に残念だが、電気の場合だけ、発電所が迷惑施設だ、ということを言う人も結構いたりする。観念の違いであるというが、それは説明してもなかなか理解されないことである。
私は発電所の立地の問題について、例えば石原知事が東京都に立地することもあり得るというようなことを言われたけれども、結局、立地サイトを都会に求めるということは、地価が高いとか広大な面積を要するとかで難しい。小型原子炉であればサイト面積も狭くていいが、問題は、従来型の軽水炉でも次世代型の新型炉でもそうだが、必ず耐震性の問題があると思う。耐震性の問題をクリアする場合に、今まで同様、土地を掘って、岩盤に固定して、耐震性をクリアしていく、という発想ではなかなか都会近くにサイトは建てることはできないが、私の持論としては、最近も少し話題になってきたかもしれないが、メガフロートという技術がある。浮体の上に発電所を立地する。炉の研究も大事だが、そういった立地技術の研究というのは非常に大事だと思う。原子力発電が将来においても、必要なものであるならば、立地技術の研究開発も問題として取り上げなければいけないと思う。例えば岩盤でも地震がくればガタガタと揺れるけれども、浮体であれば、揺れるだけなので、耐震性への対応は大変楽だと思う。しかし、津波に対する対応はどうするか、電気を浮体から陸地へ送るための接続はどうするかなどいろいろな問題があると思うが、そういうものを研究していくことが必要である。同時に、さっき言ったような発電所への見方、考え方というのはPRしていく必要がある。将来原子力発電が次世代のものとなろうとも立地の技術的な解決の方向を見出す研究というのは大変大事だと思う。ぜひ総合的な問題として取り上げる必要があると思っている。今、そういうことが欠落しているのではないかと思う。
(兒島委員)原山課長からの説明を聞き、事業者としてどのような取り組みをしているか、ということを説明をしたいと思う。
プルサーマルが厳しい状況になっていることは、課長から説明があったとおりである。国において、プルサーマル推進連絡協議会を設置し、昨日その中間的な取りまとめを発表いただいた。
私達も6月1日に経済産業大臣のところへ行き、「プルサーマルをもっときっちりやっていこうよ。それぞれ全力を挙げて取り組んでほしい。」という指示をいただき、それを受けて、電力各社において、社長を責任者とするプルサーマルの推進体制を組んでいる。電力各社が、どのように具体的に展開をしていくのか、それぞれの地域事情に合わせながら、具体的な計画を今検討しているところである。我々電気事業連合会としては、電力の9社とあわせて、日本原電、日本原燃、電源開発を含め、12社がトータルでプルサーマルの推進連絡協議会を発足させて、電事連トータルの集約並びに電事連一体としての推進の具体的策を今まとめているところである。
今、このような状況になっていることは非常に残念なことだが、逆に考えてみればチャンスではないかと思う。この有効なチャンスを絶対逃してはならないというふうに考えている。かつて軽水炉発電を始めた頃、我々は各社全力を挙げてPAをやった。しかしその後、スタンダード化して、うまく展開していく時期が続き、僕らとしても反省するところがあるが、PAが少しトーンダウンしたのかもしれない。JCOやMOXデータ改ざんなど幾つかの事態が起こって、腰が引けたというような状態が今の状態かと思う。今、原子力の軽水炉発電は大体うまくいっている。我々は、核燃料サイクルのところにきているのであって、核燃料サイクルをきちんと回し、それを技術的にも社会・制度的にも確立させるという第2世代というのか、新しいステージに直面している。そういう意味では、ここのステージに向かって全力を挙げての挑戦が今求められていると思う。その中の一つであるプルサーマルが残念な状況にあるが、むしろチャンスだと、この機会をとらえてほかにチャンスはないと、こんなふうに思って、初心に返って対応を進めようとしているところである。
反省すべき大きな点の1つは、実は原子力発電所ができ上がってくると、フェンスができ上がって、見えにくくなるところがあるが、これからはフルオープンで、全部見せる、全部見てほしいということから進めていきたいと思う。そこには、核燃料、核物質の関係の制限もあるかと思うが、そこは最大限勘案しながらフルオープン、全部見ていただくということを、基本的な考え方として進めている。そのような具体的な進め方において、我々は全力を尽くしていくが、先ほど課長からも話があった、プルサーマルの理解というときに、我々はプルサーマルという仕組みはどういうことかということを説明はできるが、プルサーマルの我が国におけるエネルギー政策上の位置づけ、あるいは核燃料サイクルの重要性と、その中の位置づけといった、国としてのエネルギー政策上の位置づけの重要性という点については、いささか我々としては力が不足するということもある。そういった面で国の方から前面に出ていただくという話も聞いているし、決意も聞いている。国と我々の役割分担というのがあると思う。それぞれ連携をとりながらいくということかと思う。
原子力委員会、総合科学技術会議、また各省の皆様方においても、連携をとりながら、今の状態を全力を挙げて乗り切りたい、そのように覚悟しているところであって、ぜひ御指導と御協力をお願いしたいと思っている。
(吉岡委員)プルサーマル計画が難航しているわけだが、私の今日の発言を踏まえて、これにきっちり取り組むことは、原子力委員会の存在感を高めるのにチャンスではないかと思う。
原子力委員会は、新しい体制になってからは、原子力開発利用の指令塔としての肩書は残っているけれども、主として原子力政策の認証評価機関になったというふうに私は認識している。旗ふり役ではなく、審判役であり、あるいは原子力開発のお目付け役、そういう役割を機能強化することが重要であると私は認識している。各省庁からも事務局が切り離された。中立的なスタンスでプルサーマル問題を再検討してみればよいのではないかというのが私の提案である。
6月15日付けの新潟県知事、柏崎市長、刈羽村長の意見書の中に、「国として全体計画を弾力的に見直すなど対応策を検討し」という要求が出ている。これを受けるべきではないだろうかというのが私の基本的な考えである。前回長期計画を策定するときに、第2分科会ではプルサーマルはそれほど議論されなかったと認識しているし、全体会議でもそれが専門的に深く議論されることはなく、結論としては、事業者が2010年度までに16から18基プルサーマルを実施するということを追認し、期待するというような表現で終わっている。この長期計画策定の時点で、政策が既にかなり時代遅れしていたというふうに思う。この半年でさらに時代遅れが決定的になってしまった。原子力政策全体の中で今最も評価し直すことが迫られているのはこの問題だと思っている。
改めてこの場で、総合的な調査研究を行うプロジェクトチームなどを組織したほうがいいと思う。その際、外部からの評価を支援するという形も必要だ。批判的なグループも含めた複数のグループで調査をしてもらい、様々なオプションを示してもらい、今後どうするのかということをきっちりと議論すべきだと思う。在来の計画が一旦拒否された以上は、妥協案とか譲歩案というのは必要だと思う。アメリカでは昔、連邦議会下院の技術評価局というものがあった。また、国立科学アカデミーの関連組織である研究評議会というものがある。それに見習ってはどうか。中立的な観点を強調する形でいろんな代案を検討して、その中でどれが受け入れてもらえるかというような話をしてはどうかと私は思っている。
(藤家部会長)吉岡委員の意見に対しては、資料総第1−1−3号に、専門部会として原子力発電サイクル専門部会がある。ここで核燃料サイクルの話はしていくことになっている。同時に、研究開発専門部会でも、革新炉は核燃料サイクルのことを一緒に考えていこうという話をしているので、そこでも議論できる。それから、社会的な問題も含めた議論は、市民参加懇談会の場で議論することにしている。原子力委員会は、「いつでも、どこでも、誰とでも」というキャッチフレーズを持って、地方原子力委員会を開くべく努力をしている。同時に、原子力委員としては、もう既にいろいろなところに行って原子力政策について、説明したりあるいは議論をしたりという努力を続けている。先ほど言ったように、行政庁、それから事業者、原子力委員会、それぞれの独自性を発揮しながら、連絡はとりつつも、行動をしているということを言いたい。
今の吉岡委員の意見については、専門部会で議論いただいたこと、あるいは市民参加懇談会で話題になったこと等をここで披露して、意見を求めることは可能かと思っている。
(都甲委員)東京都に原子力発電所を置く、という石原知事の発言に関連して、大都市ではないが、実は同じような議論がアメリカでもう10年以上前にあって、モジュラー型原子炉で、非常に固有の安全性の高い原子炉の議論をやったときに、これを専門的に検討すると格納容器はなくてもいい、防災対策もしなくていいということがわかったが、念のために格納容器を設けよう、防災対策をしよう、という議論になった。東京都に原子力発電所を置く場合も、結局、問題はそこだと思う。というのは、先ほど太田委員が言われたように、東京湾に大型の原子力発電所をつくろうとする場合、海上立地にすると土地問題はなく耐震の問題もほとんどないと思う。津波の問題など多少あるかもしれないが、技術的には十分に可能だと思う。
その場合に問題となるのは、立地指針で、仮想事故の場合の個人線量のほかに集団線量である。しかしながら、電力の方に聞いたところ、今の大型の原子力発電所は、仮想事故の場合の放出放射能の量が減っているので、立地基準は十分に満たすことができるということであった。あと残る問題は防災対策である。東京都のような人口密度の高いところで、適切な防災対策を準備することは不可能だと思う。もしこれが小型炉になって安全な炉になった場合に、十分安全だから防災対策は敷地内だけでいい、ということで合意が得られれば、東京に原子力発電所を建設することは可能だと思う。
2点目は私達の業務に直接関係あるのだが、行政改革、特に特殊法人改革の議論について、大変な危機感を抱いている。というのは、昨年まとめた長期計画において、サイクル機構の業務の2本の柱である高速増殖炉と核燃料サイクル技術の確立および高レベル放射性廃棄物の処分技術の研究開発、この2つの研究開発業務を推進することの重要性を十分に審議いただけたものと認識している。業務のスリム化は、2年半以上前に、旧動燃からサイクル機構に移行する折にかなりの議論をして、ウラン濃縮やふげん等を整理縮小事業にするなどの計画で、現在その収束を図っている。しかし、今般の特殊法人改革における予算の大幅削減、あるいは民営化、廃止が前提となる議論になると、将来のエネルギーの有力な選択肢として位置づけられている高速増殖炉及び核燃料サイクル技術の確立という我が国の原子力政策の根幹が崩れるのではないかという、非常に強い危機感を抱いている。ついては、原子力委員会及び関係者の支援、または本部会の議論や結論が国の政策に反映さるように強くお願いしたいと思う。
(秋元参与)プルサーマルは大変難しい状況になってきているが、地方へ行って原子力の話を伺うと、多くの方が、原子力は21世紀のエネルギー源として必要なんだということを認めておられるということ、これはかなり間違いのないところまできているのだろうという気がしている。それから、かなりの方が原子力の安全実績についてもある程度の理解を持っておられる。ただ、それでも原子力については安心できない、というのが本当のところなんだろうと思う。
したがって、どうやって安心を得ていくのか、ということが原子力にとって一番大事なことであろうという気がしている。原子力を行う以上は避けて通れない2つの特徴がある。1つは、原子力は非常に高密度で高出力であり、限られた容積の中に大変な高出力の、高密度なエネルギーを蓄えているということから、非常に強力な力があるということとその源が放射能、放射線であるということ、に対する恐怖があるという気がする。
結局この2つ、特に放射能、放射線に対する正確な知識がないと、何となく気持ちが悪い、何となくエネルギーといったものが隣り合うのは気持ち悪いという、これはどうしても払拭していかなければいけないと思っている。最近、私も何となくおかしな気分になるのは、ITERについては、非常に強力に誘致運動をしている。ITERもこれは非常に強力な放射反応に、原子力反応によって起こる炉であるし、強力なエネルギーが非常に狭い空間に閉じ込められているという意味では、全く原子炉と変わらないわけで、ITER核融合炉のように何となく遠くにある間は歓迎されるが、近くになって初めて、あれも嫌だ、これも嫌だという話が出てくるかもしれない。そういう感じが今の原子力の問題については言えると思う。したがって、恐らく核融合についても、これからの新しい小型の原子炉についても、必ずこの問題はついて回ることとなるので、微量の放射線というのは本当に人体にとってどういう影響があるのかといったようなこと、これを正確にとらえて、原子力を扱う以上は放射線の影響というものについての正確な知見を持ち、それを一般の方々に正確にわかっていただくという努力が、今までも行ってきているわけだが、これからもっと行っていかなければいけないと思う。
そういった地道な努力を積み重ねていくという意味で、原子力研究にもっと安心のための研究というものを、きっちり位置づけていくことが必要であると思っている。例えば総合科学技術会議でも、人文科学や社会科学とを一緒に、総合的な科学を行うというスローガンを掲げているが、現実になかなかテーマが出てきていない。原子力では、今まで自然科学の枠を超えた科学がきっちりと発言権を持つというのか、その成果が原子力技術の将来の正否を決める非常に大きな一つの課題でもあろうというふうに思っているので、ぜひこれから取り上げてほしいと思う。
(神田委員)プルサーマルの話を聞いていて何となく違和感がある。事業者の方は、立地地域に住み着いて住民として活動し、住民としての利益・不利益なども共有するような状態になっていれば、今回の問題は起きにくかったのではないかと思う。事業者の場合に限って言えば、例えば原子力発電所を建設するときには住民と一緒になって非常に頑張るけれども、プルサーマルのように、立地が終わって途中から事を進めるというようなときには、どうもそのあたりの能力が問われるのではないか。自ら地域活動を積極的に行っていくにはどうするのかということを、これは国としてやるべきかどうかわからないが、事業者の方の意見を聞いていると、もう少し自分たちもしっかりしてほしいと感じる。その方策として、例えば、3年間発電所に勤務すれば本社へ戻るというのではなく、もっと別なルートができないか、あるいは、別会社が原子力だけを進めていく方法等はないのかなど、次回でもいいので、意見を伺いたいと思う。
(鳥井参与)MOX燃料をたくさん燃やした経験を持っているのは、「ふげん」である。プルサーマルが上手く進むまで、みなさんにMOX燃料を理解してもらうために「ふげん」をどうやって活用するのがよいかということを真剣に考えた方がいいと思う。
次に、何か問題が起こる度にいろいろな手を打つということがあるが、やはり普段からの活動が大切である。そういった意味でひとつ提案したいのは、日本社会全体で原子力に携わる技能者を訓練して認証していくようなシステムをつくる。各電力会社が行っているけれども、そのようなシステムをつくって、地元の人たちに見てもらって、なるほどこういう訓練がされているんだ、ということがはっきりわかるようなシステムを少し考えてはどうかと考えている。
最後に、都甲委員の意見に関して、現在、原子力の研究開発体制は変化の途中で、いろいろな研究施設が必要なくなったりしている。これを有効利用していくということをしっかり考えなくてはいけないと思う。そういう意味で、原子力委員会のもとに専門家が集まって、これはこのように活用したらいいのではないかとみんなに情報を流して使う人を募集するという具合に、資源の有効利用ということを考えていくべきではないかと思う
(藤家部会長)どうもありがとうございました。今日皆さんからいろいろな意見や提案をいただいた。これらについてどのように対応するのかという具体的な話は後刻したいと思う。