原子力委員会第1回総合企画・評価部会議事録

1.日 時 平成13年8月9日(木) 14:00〜16:00

2.場 所 三田共用会議所 3階 大会議室

3.出席者

藤家委員長、遠藤委員、竹内委員
秋元参与、久保寺参与、近藤参与、清水参与、下山参与、
住田参与、朝長参与、鳥井参与、永宮参与、町参与
太田委員、長見委員、桂委員、河瀬委員、神田委員、兒島委員、
佐々木委員、鷲見委員、妻木委員、都甲委員、三宅委員、村上
委員(代理出席 日本原子力研究所 齋藤副理事長)、吉岡委員

4.議 題
 (1)新たな原子力委員会の体制について
 (2)平成14年度原子力関係予算について
 (3)長期計画策定後の主な動きについて
 (4)その他

5.配布資料
資料総第1−1−1号 21世紀の原子力委員会の発足に当たって
資料総第1−1−2号 原子力委員会からの緊急メッセージ
資料総第1−1−3号 原子力委員会部会及び懇談会の設置について
資料総第1−1−4号 原子力委員会部会の構成員
資料総第1−1−5号 我が国の原子力政策と米国との協力について
資料総第1−1−6号 国際熱核融合実験炉(ITER)計画の推進について
資料総第1−2−1号 平成14年度原子力関係予算の処理について
資料総第1−2−2号 平成14年度原子力関係予算について
資料総第1−3−1号 原子力長期計画策定後の文部科学省における原子力研究開発の取組について
資料総第1−3−2号 プルサーマル計画に関する動向
参考資料第1号    原子力委員会専門部会等運営規程

6.議事概要
 部会開催に先立ち、以下のとおり、藤家委員長からあいさつがあった。
(藤家委員長)多くの方々の参加をいただき、21世紀に開く原子力の長期計画をつくることができた。全体像を見ながら、その長期展望をつくるという新しい考え方で長期計画がまとめられ、成果は十分国際社会にも通用するもので、同時に一般の方々の理解と支援を得ることも大切だと思っている。
 原子力委員会にとって、この長期計画を着実に実行していくということが大きな役割である。後ほど説明するが、目下、この長期計画を具体化するための専門部会等々の設置を行っていて、一部はスタートしたものもある。そうした個別のことを全体として見る。特に今回の長期計画が強く主張しているところは、タイムスケジュール決めて、それを実現していくということではなく、その進捗状況を冷静に評価して、次のステップを考えていくということである。この評価をする、ということが大変重要な役割になっている。この評価を全体的な観点から行っていただくという目的で、総合企画・評価部会を設置することとした。
 そういう意味において、この部会が持っている役割は、長期計画が示している全体像と長期展望を見ながら適切な評価をしていただくというところかと思っている。この部会の発足に当たって皆様の御協力をお願いしてごあいさつに代えたいと思う。

(1)配付資料の確認
 事務局より配付資料の確認が行われた。

(2)総合企画・評価部会構成員の紹介
 事務局より、資料総第1−1−4に基づき、総合企画・評価部会の構成員について紹介が行われた。

(3)総合企画・評価部会部会長の選出及び部会長代理の指名
 事務局より、総合企画・評価部会の主任である藤家原子力委員長が、部会長として就任する旨説明があり、部会全構成員の了承により、藤家委員長が部会長として選任をされた。
 次に、藤家部会長より部会長代理として遠藤原子力委員長代理への指名が行われた。

(4)新たな原子力委員会の体制について
 標記の件について、事務局より、資料総第1−1−1〜6に基づき説明があった。

(5)平成14年度原子力関係予算について
 標記の件について、事務局より、資料総第1−2−1〜2に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(藤家部会長)来年度予算は大変厳しい状況にあり、原子力委員会としては、長期計画をベースにして、重点的な対応をしていこうと既に予算の審議を始めている。加えて、特殊法人改革問題があり、これにも対応していかなくてはいけない。
(鳥井参与)原子力委員会の各省の調整機能だが、どの時期にどういう議論を各省とやるかということは極めて重要なことと感じている。私は、地震調査研究推進本部という予算処理小委員会の委員をやっているが、そこでは、4月ごろに次年度の予算をどう考えるのかという話を聞き、6月ごろに次年度の概算予算要求での重視すべきことは何かや重複している内容の調整をするように、とか言って、夏に入って公式に文書を出すというようなことをやっている。そのように少し早い段階から対応していくというようなことを考えていただくと、効果のある調整能力を発揮できるという感じがする。検討いただきたいと思う。
(藤家部会長)そのとおりである。原子力委員会も各関係機関、省に対し、4月から非公式に話を聞いている。それらを経て、今、予算の見積りの段階に入ったということである。同時に、今日は各省からここへ出席していただいているのも、予算見積りの一過程であると理解いただければと思う。
(町参与)その予算だが、新聞等によると、経済財政諮問会議が重点7分野ということを打ち出している。その重点7分野の中に科学技術振興ということが入っている。あるいは人材養成も入っているが、そのような観点から、特に今原子力でも原子力科学技術の多様な展開というものがあったが、原子力予算で科学技術の基礎・基盤というのは、原子力というカテゴリーであっても、科学技術全般の将来の展開に相当役立つ中身ではないかと思う。そのような観点から、この新しい政府の重点分野の中に先端原子力科学などを入れてもらうことは考えているのか。
(藤家部会長)総合科学技術会議とはこれまで何度か話し合いを行ってきた。今、町参与が言われているようなことは、原子力委員会としては、既に長期計画を中心に説明したところである。ただし、その反映ぶりがどうなるかというのは、もうしばらく時間がかかる。その中身がはっきりしてくる段階で報告する機会はあるかと思う。
(妻木委員)高レベル放射性廃棄物関係の予算はどうなっているのかということと、高レベル放射性廃棄物関係の研究開発ということで、核燃料サイクル開発機構から先だって事業説明は受けたが、研究開発もよいが、地下300mないしは500mはどのような状態になっているのか、ということを広く国民にきっちりと見ていただくという施設をつくるのが先決ではないかと考えている。その間に研究開発はそれぞれ進めていくということではないかと思う。そういった意味で、そのような施設をつくるという予算措置をできるだけ早く行うべきではないか、でないと、せっかく法案はできたけれども、目標としている施設建設そのものが、いろんな諸問題がでてきて、なかなか進まないということになりかねない。そのような危険性もあるので、どの程度力を入れているのかを説明をいただきたい。
(文部科学省中西課長)高レベル放射性廃棄物の処分技術の研究開発のために、平成12年度は約62億円を計上し、それを活用して、地層処分技術のR&Dとか、地層科学の研究およびかなり深いところの地層についての研究などを行っている。平成13年度は、それぞれの内容に対して、少しずつ強弱をつけて約72億円の予算で研究を進めることにしており、12年度から13年度において、10億円ほど、この取り組みを強化することとしている。
(藤家部会長)今の妻木委員の意見には、一般国民に対してよく理解してもらうための手だては何か考えているか、という質問が含まれている。あわせて回答をいただきたいと思う。
(青山参事官)高レベル放射性廃棄物の処分にかかわる研究・開発は、主に核燃料サイクル開発機構で行っている。今、深部地下の研究施設を岐阜県の瑞浪市と北海道の幌延町で進めているところであるが、主坑道の掘削に至っていないこともあり、実際に地下を体験していただくということができていない。そこで東海事業所で、バーチャルリアリティを活用した理解促進活動を進めている。

(6)長期計画策定後の主な動きについて
 標記の件について、中西課長より、文部科学省所管分について資料総第1−3−1に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(太田委員)「原子力を巡る米国の動向」に関連して、私ども事業者は軽水炉を実用化しているが、これは主としてアメリカのGEなどが開発し、こういう技術を輸出しようとした場合、GEなどへロイヤリティを払わなければいけない。アメリカでは原子力を進めていこう、という動きがある中で、新しいタイプの原子炉をということになる。これから日本が経済大国あるいは技術立国で行く以上は、アメリカにオンするということではなく、日本が主体的に新しいタイプの原子炉技術などを開発すべきではないかと思う。日本にもいいアイディアがいっぱいある。
(藤家部会長)原子力委員会とほぼ同じ想いを太田委員から受け安心している。長期計画では、次世代炉や革新炉について位置づけているし、原子力委員会で、研究開発専門部会の中で革新炉の検討の場を発足させた。将来日本にどういうものを、というような議論が進められているところである。それをもって関係各国と議論する、あるいは協力すべきところはするという形をとりたいと思っている。
(太田委員)ぜひそのような方向で検討するのがいいと私も思っているので、よろしくお願いしたい。
(鳥井参与)今の話と関係して少し考えてほしいのは、国際的なマーケットをにらんで日本の原子力供給産業の強化を少し考えていかなくてはいけない。経済産業省が中心になって考えているのかどうかわからないが、少し建て直さないといけないと思う。国際協力もいいけれども、その場合に、日本の産業競争力の問題についても少し配慮できるような体制が必要なような感じがする。
(経済産業省森本企画官)鳥井参与から指摘いただいた点で、この6月まで総合資源エネルギー調査会の原子力部会の中で、原子力産業全体の評価というより、むしろ技術基盤の観点からの評価をしながら、今後の政策をどのようにしていくかということを議論をいただいた。その中の一つの評価として、現状の供給力という点では、設計から製造に至るまで十分な実力を有している。ただし、今後については、全世界的なことかもしれないが、研究開発投資が落ち込んでいるということで、将来への投資という点でやはり若干の不安があるというところが議論になった。ただ、世界の市場をにらんだ場合、原子力供給産業の中でも炉の関係であるとか、核燃料サイクルの関係であるとか、燃料関係を含めていろんな分野でそれぞれ違ったところがあるかと思っている。その中で日本が強い分野、特に炉周りの製造技術等については、今後もある程度の供給力を持って進めていけるのではないかと考えている。一方、日本として競争力が従来から余りないところ、あるいは国のナショナル・セキュリティとして技術開発を進めていく必要があるところについて意見をいただいたところである。問題意識は常に共有している。
(近藤参与)予算については総合科学技術会議との議論で苦労しているところである。原子力はエネルギー分野に属し、重点4分野+その他4分野のその他4分野の方だが、何が苦労しているかというと、我が国の科学技術予算は年間約1兆6,000 億円で、そのうち保険、医療というのが、約8,500 から約9,000 億円である。その次に多いのがエネルギーで約4,000 億円、その他が宇宙、半導体などである。まず第1は、科学技術予算の内、エネルギーが占める割合が適切か否かという疑問が他分野から出てきた。エネルギーの内、8割は原子力である。様々な問題が議論されている中で、原子力が3,200 億使うというのは適切でないという意見がある。例えば省エネとか、2010年を目指して様々なやらなければならないことがある中で、研究開発という名目で原子力に3,200 億円使って、5年後に3,200 億円×5の大体1兆6,000 億円を投資して世の中をどう変えられるのかという質問を原子力関係者にされることがある。これにどのように答えるのか。なかなかきつい質問だと思う。まず第一にエネルギーは国家百年の計である。5年、10年の話で成果が出てくるようなことではないんだという言い方をする。遠く100 年ぐらいのエネルギー問題を考えてみると、必ずや非核エネルギーの競争時代が来るに違いない。そのための備えを日本はどうするのか、という議論をするわけだが、今後、財政基盤が厳しくなっていく中では、やはり5年とか10年という有限の期間の中で一体どういうコストベネフィットを我々は国民に対して提供できるかである。これは長期計画でも随分議論してあるわけであるが、ある意味では定性的であった議論から、より定量的な議論が求められるというような気がしている。そういうような近視眼的な議論は間違っているという議論はできるが、一方で、そのようなことに関心を持つことはごく自然だという考え方で、それに対する実現可能性ということを用意しておくことが我々の責任ではないかと思っている。
 それから、先ほど説明のあった文部科学省の業績自体は非常にすばらしいと思うが、原子力の業績というのは、幸か不幸か総合科学技術会議の中では、エネルギー分野に原子力が置かれている。それが本当にそうなのか。原子力をまとめてみると大部分がエネルギーだから、エネルギーに入れられているけれども、そのようなアプローチというか、原子力がまとまってどこかに入っているという構造をとるのが適切なのか、ほかの重点分野には、遺伝子とか、ITとかいろいろある。SPring-8等々の成果を、エネルギー分野としての原子力よりも、遺伝子などへ寄与するところが大きいとすれば、やや過大な予算と見られているというところもあるが、その中身のくくり方についてもきちんと説明をできるようにして、国民から見てわかりやすい原子力のあり様について、説明できるようにすることが大切である。
 それから、小型炉の開発が大変重要であるという指摘があるが、世界の情勢をどう見るかだと思う。既に小型炉というのは、我々も持っており、使ってきている。したがって、これから大事なのはマーケットである。現実に小型炉がつくられている。アメリカはそれを買おうという、それを入れようという、およそこのぐらいの技術の段階になると、マーケットがあると、マーケットを見定めて、この人がつくりたいと言っているから、その人の希望に合わせて設計し、ものをつくってきている段階に技術は既にある。そういう技術が本当にあるのかどうかは、むしろ議論していただくことが重要で、研究のための研究になるような、小型炉はいいらしいから日本もやってみたいという、そういうかつての研究開発のやり方というのは卒業して、どこにマーケットがあって、どういうお客さんがいて、それを産業界がやりたいと言っているから、それにある種の公益性があるから国がサポートしていく、そういうような論理構造に切りかえていかないと、結局は研究しても使えない研究になるということになると、先ほど来の説明責任の問題に突き当たるというふうに私は思っている。その辺は勇気ある電力会社の方々へ、このようなスペックに置いていいんだということを決めていただき、それで進んでいくというようなことになればいいと思う。
(太田委員)ITERについては、日本の複数の誘致候補がある。外国にも誘致候補があるが、結局、オリンピックの誘致ではないけれども、国内の誘致で政治的にあっちに行ったりこっちに行ったりして、決まったはいいが、国際的に見て不利だとなると日本への誘致はできなくなる。したがって、政治問題に振り回されるのではなく、ITERの研究開発が国際的に見てうまくいく、外国と比べても遜色ないサイトを選ぶことが必要だと思う。そういう意味では一番中立なのは原子力委員会なので、本来の趣旨に戻って選定に当たってのリーダーシップを発揮してもらいたいと思う。
(藤家部会長)革新炉、小型炉、およびITER、いずれも資料総第1−1−5と1−1−6に記述があり、原子力委員会はこういう観点でとらえているということである。
(文部科学省中西課長)太田委員の話だが、確かに選定基準の中では、研究環境とか、居住環境とか、それから居住環境に一部入るのかもしれないが、道路を使っての都市へのアクセスとか、そういったものも基準の中に入っている。そういうものを定量的に評価することで、最も競争力のあるサイトが選定されていくと思っている。今まさに評価基準についての議論をスタートさせたところで、今後、実際の提案を当てはめてみて数値化していくという作業をしていくことになる。もう少し丁寧に言うと、地盤の強さだとか、電力が供給できるかというような、できるかできないかという評価基準と環境のような1か0ではなく、連続的に評価しなければならないようなものを2つに分けて、それら評価をサイトごとに行い、詰めていくという作業をやっているところである。結果として、非常に国際的な競争力のあるサイトが選ばれる、というふうにしたいと思っている。
 近藤参与が言われたエネルギー分野の件だが、まさにその中には原子力を使わない新エネルギー、それから核融合や加速器科学を含めた研究開発もみんな入っている。それらがどういうふうに取り扱われているかというと、総合科学技術会議の議論では、重点8分野ではあるが、より重点が置かれた4分野の次の分野に位置づけられており、ちょっと苦労をしているというところである。もちろん、総合科学技術会議の資源配分の方針を読んでみると、重点4分野については重要だと言っており、それ以外の4分野においても、国家的な基盤を形成するものとか、そういったものは優先させて取り組むべきだというような位置づけが与えられていて、分野全体では、ともすれば、優先度が落ちるのかもしれないが、プログラムごとにきっちり評価して資源配分をするんだということが書き込まれているので、そういったことを手掛かりに重要なプログラムをちゃんとアピールして進めていきたいと思っている。そのプログラム中の1つが先ほど紹介したITERでもあるし、また、いい成果が出ていることを紹介をした加速器科学の分野でもあるし、将来のエネルギー供給体系の変革につながるような核燃料サイクル技術体系の確立の分野でもあると思っている。いずれにしても、将来の我々のエネルギーの選択の幅を広げるための技術的な準備をきっちりとしていかなければいけないという必要性を粘り強く説いていきたいと思っている。
(藤家部会長)総合科学技術会議と原子力委員会との間の会合はこれからも必要に応じて行う予定で、やはり理解までの時間が少し必要かと思う。一般の方々は原子力をエネルギーとしてとらえられがちであるということから、原子力委員会が、長期計画などでどういう範囲をカバーしてきたのか、うまく整理できていないことは事実である。鳥井参与も苦労なさったことがあると思うので、コメントいただきたい。
(鳥井参与)今の科学技術基本計画をつくるときに、エネルギー分野以外に原子力を入れる適当なところがなかった。ただ、例えば大学における研究のようなものは、いろんな衣を着ることが可能である。それぞれが、皆さんがいろんな衣を着てうまくおやりになるんだろうというふうに期待をしているわけである。ライフサイエンスと言えば、随分いろんなものが入ってくるはずで、そういった意味では、例えば加速器とか、エネルギー面とか、その辺の整理が必要であると思っている。
(藤家部会長)総合科学技術会議とのことについて、竹内委員に簡単に説明をお願いする。
(竹内委員)同じ内閣府に総合科学技術会議と原子力委員会があり、総合科学技術会議は、やや今様の時代の非常に新しいものをとらえて分類している。一方、原子力はナショナル・セキュリティ、先ほど百年の計という話も出たが、定番メニューで研究開発等を行ってきて、国家予算として必要性があるということをずっと言ってきている。総合科学技術会議に比べると非常に地味である。原子力委員は、総合科学技術会議と議論をして、原子力は国家百年の計というか、ナショナル・セキュリティの問題であるということをある程度理解をしてもらっている。そういった意味でも、原子力に関係する新しい技術やサイエンスに関係することなどは絶対立ち止まってはいけないと思っている。
(藤家部会長)今、嫌われるのは「抵抗勢力」と「守旧派」ということなので、そうならないように議論を展開する辛さを今味わっている。
(秋元参与)近藤参与からも意見があったが、私も総合科学技術会議の方に入っていて、環境とエネルギー担当ということで、専門会議にも出席しているが、結局、原子力関係予算を見る場合に、原子力委員会がとらえている原子力関係予算というものと、総合科学技術会議がとらえている原子力関係予算というのは違うと思う。原子力委員会で今まで管理をしてきた原子力関係予算というのは、いわば原子力という一つの指導理念があって、そこにぶら下がっている材料開発、厚生・医療、環境、今いわば総合技術会議では8分野あるが、恐らく8分野の中で原子力が関係していない分野はないと思っている。例えば製造技術というのがあり、ナノテク・材料というのがあり、環境があり、それからバイオがある。これは全部原子力が関係して行っている。総合科学技術会議では、ここで原子力委員会の中でとらえている原子力関係予算すべてが、今のエネルギー分野の中の、しかも、その中の原子力エネルギー分野の予算であるというふうにとらえている。原子力のエネルギーだけで、何故、このような多くの金を使っているのか、けしからんという話になる。しかしながら、現実にはその中で日本の科学技術全体を支えていくいろいろな研究をやってきている。その総合科学技術会議の側から見た原子力というものと、原子力側から見た科学技術という視点の整理が全然ついていないところがあって、8分野の中で重点4分野、そこからエネルギーが落ちてしまって、エネルギーは重要項目であるけれども、重点項目ではないという何か訳のわからない話になって、その中に原子力があるというような形にどうもとらえられがちであるということがあるわけで、このあたりについて私は、非常に気になっていて、そういう意味で、総合科学技術会議と原子力委員会との間で話し合いをぜひ進めてほしい、ということを総合科学技術会議の折にも何回も申し上げているが、未だにまだその整理がついていないところで、来年度の予算の話をしなければいけない状況になっているということがある。
 ここでやはりそういった意味での整理をきっちりと行うべきであると思う。原子力関係予算の中で、エネルギーを得るために必要な、いわば狭義の意味でのエネルギー項目の中での予算が幾らなのか、新しい材料開発のために一体どれだけやっているのか、将来のエネルギー問題に対してどれだけ貢献しているのかという具合に仕分けをして、それぞれの項目の中にこれだけのコントリビューションを原子力関係予算と呼ばれる予算はしているんだということを発信していかないと、原子力というのは金食う虫だというような誤解がこの総合科学技術会議の場を通じて生まれるようなことになりかねないという危機感を持っている。ここは特に原子力委員会がぜひ声を大きく発言をしていただかなければいけないところと思っている。
(藤家部会長)原子力委員会はいろんなデータをつくってお見せしている。日本とアメリカと比較してどうなっているのか、日本とフランスを比較してどうなっているかというような一覧表もつくっており、そういう意味では見ている範囲にほとんど差がないというのが非常に特徴的に出ていて、同時に、今、秋元参与が言われたようなことを整理する努力は事務局がやっているところである。今年度予算にすべてが間に合って相互理解が進むというのは、残念ながら、先ほど私が言ったように、お互いが何を考えているのかということを理解をするのには少し時間がかかるかな、と感じている。同じ内閣府にある2つの委員会が意思の疎通が悪いというのは許される話ではないので、私ども精一杯努力したいと思っているが、同時にどうぞ皆さんの協力もお願いしたいと思う。
(永宮参与)先日DOEの人と話をしたときに、先ほど竹内原子力委員が言われたようにDOEには派手さがないということを随分嘆いていた。NIHの予算の急上昇に比べたら、DOEの予算はほとんど伸びていないという、日本とちょっと似たような状況があるけれども、アメリカではエネルギー省が、エネルギー関連でいろいろなことをやって、日本の原子力とはちょっと違って、いろいろな基礎科学をサポートしている。先ほど来、ビームファクトリーとか言われているが、原子力予算でつくられたものではなく、もともと大学特会でつくられたものであって、ここで取り上げるのはちぐはぐな感じのようなことも言われていたが、そういうこともあるかもしれない。一方、エネルギーというものを考えるときに、いろんな将来のエネルギーの可能性があって、その中で基礎科学の重要性というのは非常に大事なものであって、私も長期計画にかかわるにようになってから、いろいろなエネルギーの発生の新しい方法など、そのような基礎研究が行われているということに注目している。
 エネルギー生産には基礎科学が欠かせないので、加速器は、基礎科学の中の一つであって、原子力の中の基礎科学の一つとして取り上げて、自然ではないかなと思っている。何を取り上げて、何を取り上げないかというのは、もちろん居所というのはあるわけであるが、大強度陽子加速器とか、RIビーム加速器とか、HIMACなどの加速器を原子力予算で抱えているし、原子力のとらえ方としてエネルギーだけ、エネルギーの応用面だけ取り上げないで、視野を広げるという観点でも、加速器を原子力エネルギーとして入れてもいいのではないかと思う。
(藤家部会長)鳥井参与や永宮参与も言われた大学関係予算は、原子力委員会で予算見積りができなかったという伝統的な経緯があった。文部科学省になった機会に全体を見るようにすることが大事ということで、必要に応じて話を聞くと言うことにした。全体がどうなっているかはっきりわかる状況になっていると思う。
(鷲見委員)電力の自由化を控えて、原子力を推進していこうとする場合、経済性が非常に問題になってくる。したがって、いわゆる国際的というか、グローバライズするという意味からも産業構造も問題だと思う。日本で何をつくるにも高い、といった産業構造の問題もあろうと思うし、規制の問題もあろうと思う。ここでこのようなディスカッションをしていただいき、私どもに教えていただければ非常にありがたいと思う。
 それから、我々も革新炉の勉強を行っている。しかし、マーケットインというか、将来のマーケットをある程度念頭に置いて検討していく必要があると思う。中小型炉となれば量産ということが必要で、そうすればマーケットの質と量というのが非常に問題になろうと思う。そのあたりもディスカッションをしていただければ非常にありがたい。
(藤家部会長)そういったこともこの部会で議論できることだと思っている。「我が国の原子力政策と米国との協力について」の中でも多少実用論の問題にも触れている。

 原山課長より、総第1−3−2に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。

(藤家部会長)この問題は大変重要かつ深刻な問題である。
(太田委員)発電所で電気を起こしても都会の人に使われる、ということに関しては、迷惑施設的な発想ということもあるが、どのような地域でも、産業が来て、工場が来て、工場で生産されたものが世界中で売られて、特産品となる。工場ができたところでは雇用が発生するし、経済波及効果もあって繁栄する、といった具合に普通の生産品の場合はそういうことが成り立つ。誠に残念だが、電気の場合だけ、発電所が迷惑施設だ、ということを言う人も結構いたりする。観念の違いであるというが、それは説明してもなかなか理解されないことである。
 私は発電所の立地の問題について、例えば石原知事が東京都に立地することもあり得るというようなことを言われたけれども、結局、立地サイトを都会に求めるということは、地価が高いとか広大な面積を要するとかで難しい。小型原子炉であればサイト面積も狭くていいが、問題は、従来型の軽水炉でも次世代型の新型炉でもそうだが、必ず耐震性の問題があると思う。耐震性の問題をクリアする場合に、今まで同様、土地を掘って、岩盤に固定して、耐震性をクリアしていく、という発想ではなかなか都会近くにサイトは建てることはできないが、私の持論としては、最近も少し話題になってきたかもしれないが、メガフロートという技術がある。浮体の上に発電所を立地する。炉の研究も大事だが、そういった立地技術の研究というのは非常に大事だと思う。原子力発電が将来においても、必要なものであるならば、立地技術の研究開発も問題として取り上げなければいけないと思う。例えば岩盤でも地震がくればガタガタと揺れるけれども、浮体であれば、揺れるだけなので、耐震性への対応は大変楽だと思う。しかし、津波に対する対応はどうするか、電気を浮体から陸地へ送るための接続はどうするかなどいろいろな問題があると思うが、そういうものを研究していくことが必要である。同時に、さっき言ったような発電所への見方、考え方というのはPRしていく必要がある。将来原子力発電が次世代のものとなろうとも立地の技術的な解決の方向を見出す研究というのは大変大事だと思う。ぜひ総合的な問題として取り上げる必要があると思っている。今、そういうことが欠落しているのではないかと思う。
(兒島委員)原山課長からの説明を聞き、事業者としてどのような取り組みをしているか、ということを説明をしたいと思う。
 プルサーマルが厳しい状況になっていることは、課長から説明があったとおりである。国において、プルサーマル推進連絡協議会を設置し、昨日その中間的な取りまとめを発表いただいた。
 私達も6月1日に経済産業大臣のところへ行き、「プルサーマルをもっときっちりやっていこうよ。それぞれ全力を挙げて取り組んでほしい。」という指示をいただき、それを受けて、電力各社において、社長を責任者とするプルサーマルの推進体制を組んでいる。電力各社が、どのように具体的に展開をしていくのか、それぞれの地域事情に合わせながら、具体的な計画を今検討しているところである。我々電気事業連合会としては、電力の9社とあわせて、日本原電、日本原燃、電源開発を含め、12社がトータルでプルサーマルの推進連絡協議会を発足させて、電事連トータルの集約並びに電事連一体としての推進の具体的策を今まとめているところである。
 今、このような状況になっていることは非常に残念なことだが、逆に考えてみればチャンスではないかと思う。この有効なチャンスを絶対逃してはならないというふうに考えている。かつて軽水炉発電を始めた頃、我々は各社全力を挙げてPAをやった。しかしその後、スタンダード化して、うまく展開していく時期が続き、僕らとしても反省するところがあるが、PAが少しトーンダウンしたのかもしれない。JCOやMOXデータ改ざんなど幾つかの事態が起こって、腰が引けたというような状態が今の状態かと思う。今、原子力の軽水炉発電は大体うまくいっている。我々は、核燃料サイクルのところにきているのであって、核燃料サイクルをきちんと回し、それを技術的にも社会・制度的にも確立させるという第2世代というのか、新しいステージに直面している。そういう意味では、ここのステージに向かって全力を挙げての挑戦が今求められていると思う。その中の一つであるプルサーマルが残念な状況にあるが、むしろチャンスだと、この機会をとらえてほかにチャンスはないと、こんなふうに思って、初心に返って対応を進めようとしているところである。
 反省すべき大きな点の1つは、実は原子力発電所ができ上がってくると、フェンスができ上がって、見えにくくなるところがあるが、これからはフルオープンで、全部見せる、全部見てほしいということから進めていきたいと思う。そこには、核燃料、核物質の関係の制限もあるかと思うが、そこは最大限勘案しながらフルオープン、全部見ていただくということを、基本的な考え方として進めている。そのような具体的な進め方において、我々は全力を尽くしていくが、先ほど課長からも話があった、プルサーマルの理解というときに、我々はプルサーマルという仕組みはどういうことかということを説明はできるが、プルサーマルの我が国におけるエネルギー政策上の位置づけ、あるいは核燃料サイクルの重要性と、その中の位置づけといった、国としてのエネルギー政策上の位置づけの重要性という点については、いささか我々としては力が不足するということもある。そういった面で国の方から前面に出ていただくという話も聞いているし、決意も聞いている。国と我々の役割分担というのがあると思う。それぞれ連携をとりながらいくということかと思う。
 原子力委員会、総合科学技術会議、また各省の皆様方においても、連携をとりながら、今の状態を全力を挙げて乗り切りたい、そのように覚悟しているところであって、ぜひ御指導と御協力をお願いしたいと思っている。
(吉岡委員)プルサーマル計画が難航しているわけだが、私の今日の発言を踏まえて、これにきっちり取り組むことは、原子力委員会の存在感を高めるのにチャンスではないかと思う。
 原子力委員会は、新しい体制になってからは、原子力開発利用の指令塔としての肩書は残っているけれども、主として原子力政策の認証評価機関になったというふうに私は認識している。旗ふり役ではなく、審判役であり、あるいは原子力開発のお目付け役、そういう役割を機能強化することが重要であると私は認識している。各省庁からも事務局が切り離された。中立的なスタンスでプルサーマル問題を再検討してみればよいのではないかというのが私の提案である。
 6月15日付けの新潟県知事、柏崎市長、刈羽村長の意見書の中に、「国として全体計画を弾力的に見直すなど対応策を検討し」という要求が出ている。これを受けるべきではないだろうかというのが私の基本的な考えである。前回長期計画を策定するときに、第2分科会ではプルサーマルはそれほど議論されなかったと認識しているし、全体会議でもそれが専門的に深く議論されることはなく、結論としては、事業者が2010年度までに16から18基プルサーマルを実施するということを追認し、期待するというような表現で終わっている。この長期計画策定の時点で、政策が既にかなり時代遅れしていたというふうに思う。この半年でさらに時代遅れが決定的になってしまった。原子力政策全体の中で今最も評価し直すことが迫られているのはこの問題だと思っている。
 改めてこの場で、総合的な調査研究を行うプロジェクトチームなどを組織したほうがいいと思う。その際、外部からの評価を支援するという形も必要だ。批判的なグループも含めた複数のグループで調査をしてもらい、様々なオプションを示してもらい、今後どうするのかということをきっちりと議論すべきだと思う。在来の計画が一旦拒否された以上は、妥協案とか譲歩案というのは必要だと思う。アメリカでは昔、連邦議会下院の技術評価局というものがあった。また、国立科学アカデミーの関連組織である研究評議会というものがある。それに見習ってはどうか。中立的な観点を強調する形でいろんな代案を検討して、その中でどれが受け入れてもらえるかというような話をしてはどうかと私は思っている。
(藤家部会長)吉岡委員の意見に対しては、資料総第1−1−3号に、専門部会として原子力発電サイクル専門部会がある。ここで核燃料サイクルの話はしていくことになっている。同時に、研究開発専門部会でも、革新炉は核燃料サイクルのことを一緒に考えていこうという話をしているので、そこでも議論できる。それから、社会的な問題も含めた議論は、市民参加懇談会の場で議論することにしている。原子力委員会は、「いつでも、どこでも、誰とでも」というキャッチフレーズを持って、地方原子力委員会を開くべく努力をしている。同時に、原子力委員としては、もう既にいろいろなところに行って原子力政策について、説明したりあるいは議論をしたりという努力を続けている。先ほど言ったように、行政庁、それから事業者、原子力委員会、それぞれの独自性を発揮しながら、連絡はとりつつも、行動をしているということを言いたい。
 今の吉岡委員の意見については、専門部会で議論いただいたこと、あるいは市民参加懇談会で話題になったこと等をここで披露して、意見を求めることは可能かと思っている。
(都甲委員)東京都に原子力発電所を置く、という石原知事の発言に関連して、大都市ではないが、実は同じような議論がアメリカでもう10年以上前にあって、モジュラー型原子炉で、非常に固有の安全性の高い原子炉の議論をやったときに、これを専門的に検討すると格納容器はなくてもいい、防災対策もしなくていいということがわかったが、念のために格納容器を設けよう、防災対策をしよう、という議論になった。東京都に原子力発電所を置く場合も、結局、問題はそこだと思う。というのは、先ほど太田委員が言われたように、東京湾に大型の原子力発電所をつくろうとする場合、海上立地にすると土地問題はなく耐震の問題もほとんどないと思う。津波の問題など多少あるかもしれないが、技術的には十分に可能だと思う。
 その場合に問題となるのは、立地指針で、仮想事故の場合の個人線量のほかに集団線量である。しかしながら、電力の方に聞いたところ、今の大型の原子力発電所は、仮想事故の場合の放出放射能の量が減っているので、立地基準は十分に満たすことができるということであった。あと残る問題は防災対策である。東京都のような人口密度の高いところで、適切な防災対策を準備することは不可能だと思う。もしこれが小型炉になって安全な炉になった場合に、十分安全だから防災対策は敷地内だけでいい、ということで合意が得られれば、東京に原子力発電所を建設することは可能だと思う。
 2点目は私達の業務に直接関係あるのだが、行政改革、特に特殊法人改革の議論について、大変な危機感を抱いている。というのは、昨年まとめた長期計画において、サイクル機構の業務の2本の柱である高速増殖炉と核燃料サイクル技術の確立および高レベル放射性廃棄物の処分技術の研究開発、この2つの研究開発業務を推進することの重要性を十分に審議いただけたものと認識している。業務のスリム化は、2年半以上前に、旧動燃からサイクル機構に移行する折にかなりの議論をして、ウラン濃縮やふげん等を整理縮小事業にするなどの計画で、現在その収束を図っている。しかし、今般の特殊法人改革における予算の大幅削減、あるいは民営化、廃止が前提となる議論になると、将来のエネルギーの有力な選択肢として位置づけられている高速増殖炉及び核燃料サイクル技術の確立という我が国の原子力政策の根幹が崩れるのではないかという、非常に強い危機感を抱いている。ついては、原子力委員会及び関係者の支援、または本部会の議論や結論が国の政策に反映さるように強くお願いしたいと思う。
(秋元参与)プルサーマルは大変難しい状況になってきているが、地方へ行って原子力の話を伺うと、多くの方が、原子力は21世紀のエネルギー源として必要なんだということを認めておられるということ、これはかなり間違いのないところまできているのだろうという気がしている。それから、かなりの方が原子力の安全実績についてもある程度の理解を持っておられる。ただ、それでも原子力については安心できない、というのが本当のところなんだろうと思う。
 したがって、どうやって安心を得ていくのか、ということが原子力にとって一番大事なことであろうという気がしている。原子力を行う以上は避けて通れない2つの特徴がある。1つは、原子力は非常に高密度で高出力であり、限られた容積の中に大変な高出力の、高密度なエネルギーを蓄えているということから、非常に強力な力があるということとその源が放射能、放射線であるということ、に対する恐怖があるという気がする。
 結局この2つ、特に放射能、放射線に対する正確な知識がないと、何となく気持ちが悪い、何となくエネルギーといったものが隣り合うのは気持ち悪いという、これはどうしても払拭していかなければいけないと思っている。最近、私も何となくおかしな気分になるのは、ITERについては、非常に強力に誘致運動をしている。ITERもこれは非常に強力な放射反応に、原子力反応によって起こる炉であるし、強力なエネルギーが非常に狭い空間に閉じ込められているという意味では、全く原子炉と変わらないわけで、ITER核融合炉のように何となく遠くにある間は歓迎されるが、近くになって初めて、あれも嫌だ、これも嫌だという話が出てくるかもしれない。そういう感じが今の原子力の問題については言えると思う。したがって、恐らく核融合についても、これからの新しい小型の原子炉についても、必ずこの問題はついて回ることとなるので、微量の放射線というのは本当に人体にとってどういう影響があるのかといったようなこと、これを正確にとらえて、原子力を扱う以上は放射線の影響というものについての正確な知見を持ち、それを一般の方々に正確にわかっていただくという努力が、今までも行ってきているわけだが、これからもっと行っていかなければいけないと思う。
 そういった地道な努力を積み重ねていくという意味で、原子力研究にもっと安心のための研究というものを、きっちり位置づけていくことが必要であると思っている。例えば総合科学技術会議でも、人文科学や社会科学とを一緒に、総合的な科学を行うというスローガンを掲げているが、現実になかなかテーマが出てきていない。原子力では、今まで自然科学の枠を超えた科学がきっちりと発言権を持つというのか、その成果が原子力技術の将来の正否を決める非常に大きな一つの課題でもあろうというふうに思っているので、ぜひこれから取り上げてほしいと思う。
(神田委員)プルサーマルの話を聞いていて何となく違和感がある。事業者の方は、立地地域に住み着いて住民として活動し、住民としての利益・不利益なども共有するような状態になっていれば、今回の問題は起きにくかったのではないかと思う。事業者の場合に限って言えば、例えば原子力発電所を建設するときには住民と一緒になって非常に頑張るけれども、プルサーマルのように、立地が終わって途中から事を進めるというようなときには、どうもそのあたりの能力が問われるのではないか。自ら地域活動を積極的に行っていくにはどうするのかということを、これは国としてやるべきかどうかわからないが、事業者の方の意見を聞いていると、もう少し自分たちもしっかりしてほしいと感じる。その方策として、例えば、3年間発電所に勤務すれば本社へ戻るというのではなく、もっと別なルートができないか、あるいは、別会社が原子力だけを進めていく方法等はないのかなど、次回でもいいので、意見を伺いたいと思う。
(鳥井参与)MOX燃料をたくさん燃やした経験を持っているのは、「ふげん」である。プルサーマルが上手く進むまで、みなさんにMOX燃料を理解してもらうために「ふげん」をどうやって活用するのがよいかということを真剣に考えた方がいいと思う。
 次に、何か問題が起こる度にいろいろな手を打つということがあるが、やはり普段からの活動が大切である。そういった意味でひとつ提案したいのは、日本社会全体で原子力に携わる技能者を訓練して認証していくようなシステムをつくる。各電力会社が行っているけれども、そのようなシステムをつくって、地元の人たちに見てもらって、なるほどこういう訓練がされているんだ、ということがはっきりわかるようなシステムを少し考えてはどうかと考えている。
 最後に、都甲委員の意見に関して、現在、原子力の研究開発体制は変化の途中で、いろいろな研究施設が必要なくなったりしている。これを有効利用していくということをしっかり考えなくてはいけないと思う。そういう意味で、原子力委員会のもとに専門家が集まって、これはこのように活用したらいいのではないかとみんなに情報を流して使う人を募集するという具合に、資源の有効利用ということを考えていくべきではないかと思う
(藤家部会長)どうもありがとうございました。今日皆さんからいろいろな意見や提案をいただいた。これらについてどのように対応するのかという具体的な話は後刻したいと思う。

(7)その他
 事務局より、本日の議事については、事務局作成の議事録案を本日の出席者全員に確認した後、原子力委員会ホームページで公開する旨発言があった。