| ・事前評価−平成15年度開始予定の新規課題 | (41課題) |
| ・中間評価−平成12年度開始(開始3年目)の継続課題 | (18課題) |
| 計(59課題) |
<添付資料>
| 参考1 | 原子力試験研究における研究評価の基本的な考え方及び評価基準について |
| 参考2 | 各分野における研究評価の実施状況について |
| 参考3 | 評価結果一覧および各課題毎の総合所見(PDFファイル:290KB) |
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原子力委員会が策定した「原子力試験研究に係る研究評価実施要領」(平成13年5月15日原子力試験研究検討会)に基づき、以下の方針にて研究評価を実施した。
| @ | 国際的な先導性の観点に立って、技術のブレークスルーや創造的技術の創出に繋がる優れた研究を創成し、実施する。 |
| A | 厳しい財政事情のもと、限られた財政資金の重点的、効率的配分を図る。 |
| B | 研究者の創造性が十分発揮されるような、柔軟かつ競争的で開かれた研究開発環境を実現する。 |
| C | 国民に研究開発の実体を公開し、研究開発に対する国費の投入について、広く国民の支持と理解を得る。 |
| (a) | 研究内容は原子力試験研究費の基本方針にかなったものか。 |
| (b) | 研究目標と研究計画が、最新の学術研究の成果と動向を充分に踏まえて設定され立案されているか。 |
| (c) | 申請者の準備状況も含め、申請者に、設定された目標を期限内に達成できる能力があると認められるか。 |
| (d) | 期間が限られたプロジェクトであることから、研究の目的・目標が絞り込まれ,実施の手順,方法が十分検討されているかどうか。 |
| (e) | 現象の捉え方や手法に独創性があり、その成果が当該分野のみならず、他の分野にも大きな波及効果が期待できるかどうか。 |
| (f) | 社会的要請が強い課題については、その緊急性に鑑み、研究組織を含めた研究計画全般を見直すことを視野に入れて、評価を行った。 |
| (g) | 研究経費(案)は、費用対効果を充分に踏まえて立案されているか。 |
| (h) | 使用または購入する機器や解析手法の開発における予算配分が妥当かどうか(外部委託の程度)。 |
| (a) | これまでの研究が当該課題が採択された当初の研究目的に沿って進展してきたか |
| (b) | 研究課題、実施内容が本来の原子力試験研究として相応しいかどうか。 |
| (c) | 今後の研究計画の展開が残された期間内に十分な成果が出せるものになっているかどうか。 |
| (d) | 研究目標の達成度はどうか、達成度に問題がある場合にはその原因の認識と今後の対応策はあるか |
| (e) | 得られた研究成果がどのような形でどの程度公表されているか。 |
| (f) | 研究者の能力および研究費は妥当であるかどうか。 |
| (g) | 研究経費は、購入設備備品の有効使用も含め、効果的に使われているか。 |
1)事前評価における書類一次審査
全委員(12名)へ全申請課題20件の関係書類を「書類審査結果票」と共に送付し、各課題について「ヒアリングを行うか否かの審査と、否の場合にはその理由の記入」を依頼した。その結果、7課題については、回答があった過半数の委員から、研究計画の内容から判断して、原子力試験研究課題候補としてヒアリングを行うのは適切ではない、との評価があった。それらの結果を主査が総合的に判断し、当該7課題については、今年はヒアリングを行わないこととし、その旨を事務局から申請者へ通知した。
2)事前評価における評価結果概要
C評価となった2課題のうち、前4課題は、食物アレルゲンの「RI多重標識」を「原子力試験研究費」への申請の根拠としているが、そのねらい所に関する合理的な説明が、口頭説明でも得られなかったことと、研究の目的が多岐にわたりすぎていることが、当該評価結果となった。また、前18課題については、X線では致死効果が顕著である「ノリ」において変異株を作出するためにHIMACのイオンビームを利用しようとしているが、放射線生物学のこれまでの知識では、イオンビームはほとんどの生物指標(細胞死や突然変異の誘発、発がん等)に関して1以上のRBEを持つと理解されており、イオンビームに関する予備実験が皆無な状態で、当該課題を採択することは不適当であると判断した。
一方、A評価課題は6件にのぼり、今回は質の高い申請課題が多かったとの印象が強かった。
また、今回はB評価ではあるが、今後のきちんとした予備実験により放射線照射が有効であるとの見通しがつけば、世界に先駆けた放射線利用による高品質・低価格の再生医療材料の供給を目指した申請(前8課題)は、注目に値すると思われた。
3)中間評価における評価結果概要
ヒアリングに先立ち、全委員へ関係書類を送付し、各課題について2名の委員が集中的に書類を事前に熟読し、予め問題点の整理を行った。今回の対象課題は全て事前評価を受けた課題であった。
今回中間評価を行った7課題のうち、A評価は課題番号、中22、中23、中26の3課題であった。ちなみに、これらの課題に対する事前評価は、中22はA、中23はB、中26はA、であったので、これらの課題のもとでの研究は、当初の予定にほぼ従って順調に進捗しているといえる。
一方、今回、C評価になった2課題のうち中21は、事前評価ではBであったが、研究計画の妥当性について、いくつものコメントが附されていた。今回の中間評価でも、事前評価に際して行われたのと同様のコメントが、事前評価には携わらなかった出席委員からあった。このことは、当該課題は、事前評価のコメントを勘案することなく、当初計画のままで実施に移され、結果的には事前評価での指摘事項が、マイナスの結果として顕在化したのではないかと推測される。
中間評価でC評価になったいまひとつの課題は中24である。この課題に対する事前評価の結果は、当時の評価委員の間でかなり分散した模様であるが、総合的判断としてA評価となったことが書面からうかがえる。ただし、放射線生物学の専門家との連携の必要性等、いくつもの保留意見が附されており、それらの保留事項に対して適切な対応がなされれば、新規性があり原子力試験研究の主旨にも合致しているので、「有益な研究」と判断された。しかし、中間評価でのプレゼンテーションの内容には、放射線影響に関するデータが皆無で、かつ、研究が3つに分極しており、当初、課題名から期待された研究内容が実現されていない、と判断した。
事前評価の結果を、どのようにして採択予定課題に反映するかを、至急検討する必要がある。また、不採択となった課題に対する「評価結果」の開示についても同様である。
また、当初計画の内容を、比較的安易に変更した課題があった。研究の方向の修正は、必要とあれば断固実行すべきことは申すまでもないが、今回出くわした変更は、その範疇に入るとは考え難い。
本分野については平成14年6月17日および18日に、17日については9名、18日については10名のWG委員出席のもと、事前・中間評価のヒアリングを実施した。
1)事前評価における評価結果概要
12件の申請についてA評価2件、B評価5件、C評価5件であった。A評価として、前28はイオンビーム照射下における動的照射効果の測定とそれに基づく耐照射損傷材料の提案、前29はコロイドプロセスによる微構造制御した新しいセラミックス材料の可能性が高性能の原子力材料の開発につながると評価されたものである。その他B評価も含めて、原子力用材料の開発や評価により安全性に寄与する研究、放射線の新しい計測・応用を目指す研究課題など、全体に魅力的な計画が多いと考えられる。ただし、A・Bを含めてよりねらいを定量的で具体的に絞ることにより原子力試験研究として効率的に推進できると考えられる。
C評価となったものは、前31については研究レベルは高いものの課題と対象が広すぎることなど、前34については電子材料開発の目標が必ずしも十分でないなど、前35についてはより事前準備が必要など、前37はこれまでの研究の延長の傾向が強いと考えられることなど、前39は計画の準備と説明資料の不足があることなどの理由によるものであり、内容というより原子力試験研究としての必要性あるいは準備が十分でないと判断した。なお、一部については説明資料がやや不足していたので、今後は資料を十分に準備するよう指示する必要がある。
2)中間評価における評価結果概要
9件の課題についてA評価3件、B評価6件であった。A評価として、中42は原子力燃料材料で重要な不活性ガスの挙動についての析出物直接観察の成果、中46は生体物質構造変化の動的過程評価のための放射光利用技術開拓の可能性、中48は2段式反応焼結法によるセラミックス複合材料開発について評価された。その他のB評価も含めて、全体として原子力試験研究にふさわしい新しい材料開発と評価、レーザーやイオンビーム等の新しい放射線応用の研究、および高効率の逆磁場ピンチ方式磁場核融合の実験的・理論的研究が行われている。すべての課題について研究を継続するにあたっては、まとめのねらいをより具体的、定量的に設定するとともに、成果の発表を積極的かつ効果的に行うようにすることが必要と考えられる。
本分野については平成14年6月28日に、WG委員6名の出席のもと、ヒアリングを実施した。今回は中間評価の対象となる課題が無かったため、事前評価のみ3課題について実施した。2件は産業技術総合研究所、1件は海上技術安全研究所からのものであった。
1)事前評価における評価結果概要
前49の課題は、構造物表面に光ファイバー・PZTトランスデューサを発信回路とともに埋め込んだセンサを張り付け、原子炉コンクリート構造物の余寿命評価を目的としたものであり、申請者のセンサ開発に関する能力は高いものと評価できるが、原子炉構造体のなかのどの対象に有効であるかについて、このセンサの放射線耐性の問題も含めて、原子力関係者と協議の上大幅な企画の再検討が必要である。このため計画の大幅な練り直しが必要と判断し、Cと評価した。
前50の課題は、原子力ロボットに実環境技能蓄積機能を持たせ、スイッチ操作、バルブ操作、盤扉の開閉などの操作を可能にすることを目的としているが、研究の目標、手法の妥当性、技術的課題が不明確であり、電力会社、プラントメーカなどとの技術者や研究者との交流が望まれる。また、5年計画とはいえ、3年後の目標を具体的に設定し、そこまでに開発すべき技術内容を明確にして推進すべきであり、中間評価において厳しくその達成度を評価し、継続の可否を審査することが妥当であると判断した。Bと評価した。
前51の課題は、提案者らが開発した確率論的安全評価手法を原子力プラントの経年劣化に適用しようとするものであるが、実プラントの評価に当たっては膨大な機器故障データの収集・分析が鍵であり、本提案者のみで実施するには体制が不十分と考えられる。また、提案者はすでに、本原子力試験研究の予算により、別の課題(防災・安全基盤技術分野、平成15年度終了予定)に従事中であり、研究グループとしての実施キャパシティを越えている恐れがある。以上の判断から本提案はC(不採択)と評価した。
以上の3提案はいずれも原子力の研究を直接の目的としない研究機関から出されているが、この場合、申請前における各機関の内部評価が提案者と同じ視点で行なわれ、原子力試験研究としての側面が必ずしも十分に評価されていないのではないかとの指摘がなされた。
1) 事前評価における評価結果概要
事前評価6課題に対する評価を行った結果は、A評価3件、B評価1件及びC評価2件であった。
C評価となった2課題のうち、前52課題は、軽量γ線検出器の開発という点では意義がある。しかし、環境放射線モニタリングシステムとしての適用性に問題がある。農地での平常時モニタリングの可能性、事故時モニタリングとしての利便性などが十分検討されていない。また、γ線検出器のエネルギー弁別の見通しが立っていないこと、気球の操作性等についても不明確であること、
原子力施設からの影響が正確に計測できない等の指摘があった。以上から研究としての問題設定が不十分であると判断した。
また、前54課題については、地盤変動や火山・地震による地殻変動を詳細に分析できる技術、手法の開発が期待できるが、地殻変動の少ない強固な地盤上に立地することが義務付けられている原子力発電関連施設への適用はその研究実施の妥当性を欠いていると判断した。地殻変動モニタリング技術の開発は、その波及効果も期待でき、ぜひ他の研究費によって実行していただきたい。
一方、A評価課題は、3件あり、いずれも原子力試験研究として重要な課題である。
B評価の前57課題については、放射性物質輸送時の放射線漏洩の事故を想定した原子力災害対策のための研究課題であるとともに、原子力に対する国民の安心感、信頼感を得る上でも系統的に行うべき課題でもあるが、緊急性は少ない。事故シナリオの設定と研究の位置付けを明確にして進める必要がある。また、大線量下での線量測定・遮蔽設置においては、機器開発のみでなく、ハンドリングなどのソフト面での研究も必要である。
2) 中間評価における評価結果概要
中間評価を行った2課題は、いずれもB評価となった。
中58については、多数の五価有機リン化合物やケトチオアミド系化合物を合成し、高レベル放射性廃液中に含まれるアクチニドと類似した化学条件で希土類金属イオンに対する抽出性能を調べ、高い抽出性能を見出している。今後の計画として抽出剤の合成と評価が平行して行われており、概ね妥当であるものの、本課題は、アクチニドに適用して初めて意味を持つものであることを十分認識して研究を進めるべきである。耐放射線性、溶解性、第三相の形成、廃液の減容性などについて検討するとともに、再処理関連の原研、JNC等の専門家との研究交流を十分に行い研究内容を深めることが重要である。なお、関連機関との交流の必要性は事前評価でも指摘されていた。
中59については、目的と目標との間隔があまりにも大きい。中間段階で目標の成形爆薬の開発はほぼ成功しているが、堅固な生体遮蔽コンクリートを解体する場合の他の工法との比較は、定性的なものであり、具体的なデータを示すことが重要。本課題の目標達成後の目的(被ばく低減)との関連の道筋・手順等は明示すべきである。そのためにも、解体を実施する関係機関との研究交流が必要である。